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第7章 新国テンプルム
第300話 建国式典
建国式典の開会時間が迫ってきたので、シャルフ王を貴賓室に案内してそこで待ってもらうことに。
そして、僕たちは会場のほうへ行ってみると、懐かしい人たちがそこに居た。
「久しぶりだな、ユーリ君。建国おめでとう」
「ユスティーさん! 来てくれたんですか!?」
僕がまだ冒険者として経験が浅かった頃、一緒に合同任務をこなしたユスティーさんが、チームメンバーの3人と一緒にそこに立っていた。
エーアスト近辺に居たアンデッド群――デュラハンロードなどの討伐を一緒にしたんだ。懐かしいなあ……。
そのときに、冒険者としての心得を教えてもらったりもした。
まあアンデッド自体は、僕が全部倒したんだけど。
エーアストを奪還したとき、ユスティーさんは王都をちょうど離れていたので会えなかったんだよね。
無事ということは聞いてたので、いずれ機会があればまたお会いしたいと思っていたんだけど、ユスティーさんのほうから僕の国まで来てくれるとは……。
「仕事で少し遠出をしていたんで、ユーリ君の王都帰還に立ち会えなくてね。そして帰ってきたら、今度は入れ違いで君が出発してしまって……」
「よくこの国のことが分かりましたね?」
「伝手を頼ってなんとか噂を嗅ぎ付けることができてね。慌てて駆け付けようとしたんだが、『魔導バス』というヤツはアマトーレでは抽選となっていたんで、早馬車を飛ばしてやってきたってところだ。式典にギリギリ間に合って良かったよ」
「わざわざ来ていただいてありがとうございます。知っていれば、お迎えに行ったんですが……」
「いやいや、そんなに気を使わんでくれよ。君は王様なんだから。おっといかん、王様相手に『ユーリ君』なんて呼び方では失礼だな」
「いえ、そのままのほうが僕も気が楽です。あのときは色々とお世話になりました」
「何を言う! 君のおかげでエーアスト王都は救われたんだ。あの時点で君はいずれ英雄になるだろうとは思っていたが、まさか王様になるなんてな。あのとき一緒だったキャマラードたちはちょっと仕事を外せないらしいんで、ヤツらの分までオレからお祝いを言わせてもらうよ」
「ありがとうございます。今日はゆっくりしていってください」
みんな元気そうで良かった。
そういえば、Sランクだったユスティーさんは、あのあと無事SSランクへと昇級したらしい。
もうちょっとで昇級できるって言ってたもんね。
「ヒロ、式典参加者が続々と集まって……あれ、ユスティーじゃないか!」
「あっ、ヨシュアさん! なんでこんなところに?」
僕たちと別行動していたヨシュアさんが、合流すると同時に、ユスティーさんを見て声を上げた。
あれ、知り合いなの?
「なんでも何も、オレはこのテンプルム国の冒険者ギルド長なんだぜ?」
「ええっ!? あのヨシュアさんが!?」
「あのとは言ってくれるじゃないかユスティー」
「ああ、すみません、オレの知ってるヨシュアさんは、ギルド長なんてタイプじゃなかったんで……」
「まあな、このヒロに頼まれて、腰を落ち着ける気になったよ」
「ヒロ? ってユーリ君のことですか?」
なんと、ヨシュアさんとユスティーさんは、以前一緒に合同任務をこなしたことがあるらしかった。
そういえば、ヨシュアさんって色んな任務を受けてたんで、顔が広かったっけ。
ユスティーさんもそこそこ有名な冒険者らしいから、知り合いでも不思議じゃなかったか。
「これからこのテンプルムの冒険者活動を盛り上げていくから、ユスティーも気兼ねなく来てくれ」
「はい、エーアストから活動拠点の移動も考えておきますよ」
冒険者ギルドのほうも、ヨシュアさんに任せておけば大丈夫そうだな。
「ユーリ陛下、この度は建国おめでとうございます」
「あっ、アパルマさん! いらしてくれたんですね!」
「先ほど用事を終えて、頂いた『転移水晶』でいま来たところです」
アパルマさんは山賊のアジト近くで知り合って以来、ずっと取引でお世話になっている商人だ。
今日の式典については、アパルマさんは行商に忙しくて、参加できるか分からなかったんだよね。
もし間に合うようなら是非来てほしいと思って、『転移水晶』だけ一応渡しておいたんだ。
アパルマさんは取引の都合上なかなかスケジュールを空けられないようなんだけど、それらの行商が一段落付いたら、僕の国に移住して商人ギルドのテンプルム支部長になっていただく予定だ。
もちろん、アパルマさんからも承諾をもらっている。
「アパルマさん、『陛下』はやめてくださいよぉ……」
「何を仰いますユーリ陛下! こういうことはしっかりしないと、示しが付きません!」
「え、そ、そうですか?」
「そうです。今後はもっと大勢から言われるようになるのですから、ユーリ陛下にも慣れていただかないと!」
そ、そう……なのかも?
『陛下』なんて、どうも僕には似合わない呼ばれ方な気がして、そわそわしちゃう。
シャルフ王のように、いつかサマになればいいけど……。
そして各国の大使や一般参加者100人も無事到着し、予定通り建国式典を開始した。
祝辞をいただいたり、宰相のアニスさんが上手に演説してくれたあと、国王として僕も挨拶した。
いやー緊張しました。
何を喋ったか、半分くらいもう憶えてないけどね。
とりあえず、式典をつつがなく終えることができました。
夕方には、早朝待合所を出発した魔導バスが到着し、さらに100人ほど来訪者が増えた。
バスに乗った人たちは、みんなそのスピードには驚いたようだった。
ここまで来るのが、あっという間だもんね。
明日からは往復輸送でどんどん人数は増えていくから、頑張って対応していかないと。
このあと、建国の祝賀会として、来てくれた人たちに料理を大盤振る舞いした。
さぁて、これからいよいよ国の運営開始だ!
そして、僕たちは会場のほうへ行ってみると、懐かしい人たちがそこに居た。
「久しぶりだな、ユーリ君。建国おめでとう」
「ユスティーさん! 来てくれたんですか!?」
僕がまだ冒険者として経験が浅かった頃、一緒に合同任務をこなしたユスティーさんが、チームメンバーの3人と一緒にそこに立っていた。
エーアスト近辺に居たアンデッド群――デュラハンロードなどの討伐を一緒にしたんだ。懐かしいなあ……。
そのときに、冒険者としての心得を教えてもらったりもした。
まあアンデッド自体は、僕が全部倒したんだけど。
エーアストを奪還したとき、ユスティーさんは王都をちょうど離れていたので会えなかったんだよね。
無事ということは聞いてたので、いずれ機会があればまたお会いしたいと思っていたんだけど、ユスティーさんのほうから僕の国まで来てくれるとは……。
「仕事で少し遠出をしていたんで、ユーリ君の王都帰還に立ち会えなくてね。そして帰ってきたら、今度は入れ違いで君が出発してしまって……」
「よくこの国のことが分かりましたね?」
「伝手を頼ってなんとか噂を嗅ぎ付けることができてね。慌てて駆け付けようとしたんだが、『魔導バス』というヤツはアマトーレでは抽選となっていたんで、早馬車を飛ばしてやってきたってところだ。式典にギリギリ間に合って良かったよ」
「わざわざ来ていただいてありがとうございます。知っていれば、お迎えに行ったんですが……」
「いやいや、そんなに気を使わんでくれよ。君は王様なんだから。おっといかん、王様相手に『ユーリ君』なんて呼び方では失礼だな」
「いえ、そのままのほうが僕も気が楽です。あのときは色々とお世話になりました」
「何を言う! 君のおかげでエーアスト王都は救われたんだ。あの時点で君はいずれ英雄になるだろうとは思っていたが、まさか王様になるなんてな。あのとき一緒だったキャマラードたちはちょっと仕事を外せないらしいんで、ヤツらの分までオレからお祝いを言わせてもらうよ」
「ありがとうございます。今日はゆっくりしていってください」
みんな元気そうで良かった。
そういえば、Sランクだったユスティーさんは、あのあと無事SSランクへと昇級したらしい。
もうちょっとで昇級できるって言ってたもんね。
「ヒロ、式典参加者が続々と集まって……あれ、ユスティーじゃないか!」
「あっ、ヨシュアさん! なんでこんなところに?」
僕たちと別行動していたヨシュアさんが、合流すると同時に、ユスティーさんを見て声を上げた。
あれ、知り合いなの?
「なんでも何も、オレはこのテンプルム国の冒険者ギルド長なんだぜ?」
「ええっ!? あのヨシュアさんが!?」
「あのとは言ってくれるじゃないかユスティー」
「ああ、すみません、オレの知ってるヨシュアさんは、ギルド長なんてタイプじゃなかったんで……」
「まあな、このヒロに頼まれて、腰を落ち着ける気になったよ」
「ヒロ? ってユーリ君のことですか?」
なんと、ヨシュアさんとユスティーさんは、以前一緒に合同任務をこなしたことがあるらしかった。
そういえば、ヨシュアさんって色んな任務を受けてたんで、顔が広かったっけ。
ユスティーさんもそこそこ有名な冒険者らしいから、知り合いでも不思議じゃなかったか。
「これからこのテンプルムの冒険者活動を盛り上げていくから、ユスティーも気兼ねなく来てくれ」
「はい、エーアストから活動拠点の移動も考えておきますよ」
冒険者ギルドのほうも、ヨシュアさんに任せておけば大丈夫そうだな。
「ユーリ陛下、この度は建国おめでとうございます」
「あっ、アパルマさん! いらしてくれたんですね!」
「先ほど用事を終えて、頂いた『転移水晶』でいま来たところです」
アパルマさんは山賊のアジト近くで知り合って以来、ずっと取引でお世話になっている商人だ。
今日の式典については、アパルマさんは行商に忙しくて、参加できるか分からなかったんだよね。
もし間に合うようなら是非来てほしいと思って、『転移水晶』だけ一応渡しておいたんだ。
アパルマさんは取引の都合上なかなかスケジュールを空けられないようなんだけど、それらの行商が一段落付いたら、僕の国に移住して商人ギルドのテンプルム支部長になっていただく予定だ。
もちろん、アパルマさんからも承諾をもらっている。
「アパルマさん、『陛下』はやめてくださいよぉ……」
「何を仰いますユーリ陛下! こういうことはしっかりしないと、示しが付きません!」
「え、そ、そうですか?」
「そうです。今後はもっと大勢から言われるようになるのですから、ユーリ陛下にも慣れていただかないと!」
そ、そう……なのかも?
『陛下』なんて、どうも僕には似合わない呼ばれ方な気がして、そわそわしちゃう。
シャルフ王のように、いつかサマになればいいけど……。
そして各国の大使や一般参加者100人も無事到着し、予定通り建国式典を開始した。
祝辞をいただいたり、宰相のアニスさんが上手に演説してくれたあと、国王として僕も挨拶した。
いやー緊張しました。
何を喋ったか、半分くらいもう憶えてないけどね。
とりあえず、式典をつつがなく終えることができました。
夕方には、早朝待合所を出発した魔導バスが到着し、さらに100人ほど来訪者が増えた。
バスに乗った人たちは、みんなそのスピードには驚いたようだった。
ここまで来るのが、あっという間だもんね。
明日からは往復輸送でどんどん人数は増えていくから、頑張って対応していかないと。
このあと、建国の祝賀会として、来てくれた人たちに料理を大盤振る舞いした。
さぁて、これからいよいよ国の運営開始だ!
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