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第7章 新国テンプルム
第305話 動物園?
建国から3週間が経った。
すでにこのテンプルムは各国で大反響になっていて、日ごと移住希望者や観光客が増えている状況だ。
『火緋色鋼』を鑑定していた専門家の人たちが本物と断定してくれたおかげで、さらに注目が集まった効果もある。
まあ間違いなく本物なので、当然の結果ではあるんだけどね。
僕が作った武器やアイテムも、通常よりも性能が良いということで、わざわざ買いに来てくれる人があとを絶たない。
それほど凄い物を置いてるわけじゃないんだけど、同じランクの物よりも出来が良いうえ、値段も割安なので、かなりの評判となっている。
それで、あまりの人気に魔道バスでの輸送能力がまるで追いつかず、乗車券にプレミアがつきそうになっちゃったんで、バスの数を倍に増やした。
これでもまだ足らないんだけど、安全面やら色々考えると、現状ではこれが限界。まだ国として始まったばかりだし、一気に来訪者が増えると対処不能になってしまう。
もう少しこっちの受け入れ態勢が整ったら、魔道バスも増やしていこう。
正直、いきなりこんな大盛況になるとは思ってなかったんだよね。
国内にはまだ何もないし、国の周りも基本的には山や森だらけなので、僕の国には行商人や冒険者が行きがけに立ち寄るくらいかなと思ってた。
他国へ行く中継地として役立てれば上出来かなと。
そもそも一般人はあまり国を出ない。せいぜい自国領内にあるほかの街や都市に行く程度だ。
他国へ行く旅行者ももちろん居るけど、道中には危険が伴うので、護衛などを雇うと予算が非常に高くなる。
だから、基本的には裕福な人しか国外へは行けない。他国に行かずに一生を終える人がほとんどだ。
僕の両親も、エーアストから出たことはないしね。
それが、こんなに来てもらえるとは……。
他国に行くよりも、かなり安全に移動できるというのが大きい気がする。
とりあえず、魔道バスの乗車券はなんとか高騰しないように各国にお願いした。
チケットが高くなっちゃうと、お金持ちしか来られなくなっちゃうからね。
移住者=国民が裕福な人ばかりというのも有りかもしれないけど、僕としては一般の人にもたくさん来てほしいと思っているので。
ここへの移動には馬車を使う人も多く、その護衛などで来た冒険者も、そのまましばらくテンプルムに滞在する人が多いようだ。
おかげで、近隣の探索も冒険者に依頼することができて助かっている。
ちなみに、このテンプルムの周りには迷宮は発見されていない。
ここから比較的近くの迷宮といえば、一応北側――フリーデン寄りの場所に1つと、遙か南西に行ったところに1つある。
テンプルムから行くより、フリーデンやゼルドナから行ったほうが近いんだけどね。
ただ、このテンプルムの周りは人跡未踏の部分が多いので、どこかに隠れ迷宮があるかもしれない。
それを探すのも冒険者の仕事だ。第一発見者には賞金を出すことになっている。
ほかに、この辺りにはボンビクスワームという、高級繊維の元となる繭を作る生物が棲息しているらしい。
これは飼育するのが不可能で、天然の素材として採集するしか手に入らないんだけど、この繭を冒険者が見つけてきてくれたら高く買い取ろうと思ってる。
僕の『物質生成』スキルでも作れないんだよね。繊維の成分自体は生成可能だけど、糸として使用できるように作ることは無理だ。
だから、取ってきてもらえたら大変ありがたい。
すでにギルドへは依頼済みだけど、どうも南西の危険な森に棲息してる可能性が高く、見つけてくるのは大変かも。
この辺りは、東側は比較的安全な地帯が多いんだけど、西側が少し危険なんだよね。
熾光魔竜と出会った秘境ヴィルカーム山脈も、ここから西に行ったところだし。
なので、ボンビクスワームの繭探しには充分注意するように、ギルドには伝えておいた。
依頼難易度はSランク以上が推奨かな。
もし上手く収集できたら、高級生地としてテンプルムの特産品にしてみたい。
とにかく、当分は冒険者の仕事は尽きないはずだ。
冒険者たちで徐々に周囲の状況を開拓していってくれればと思う。
あとは、このまま行くと近いうちに宿泊施設が足りなくなりそうなので、追加で作らないとダメかも。
それさえ用意すれば、あとは民間に任せてもやっていけそうな感じだ。
今のところは犯罪も起きてないし、ここまでは順調な滑り出しといえるかな。
◇◇◇
「ねえユーリ、この外壁の外に、もう1つ壁で囲ったエリアを作ることって可能?」
メジェールがリノと一緒に来て、妙なことを聞いてきた。
「このテンプルム国の外にってこと? 外壁で囲うほどって……街くらいならもう1つ作ることも可能だけど、でも管理が全然追いついてないよ?」
「ううん、街じゃなくて動物園を作りたいの!」
「外に動物園を!?」
この前からずっと動物園のこと考えてたみたいだけど、まさか外に作ることを計画していたとは……そんなの聞いたこともないな。
どこの国も土地を開拓するのは命懸けで、動物園を作るためなんかで整地や外壁作りする人はいないだろう。
メジェールとはいえ、とんでもない発想だ。
まあでも、僕ならばということなんだろうな。
「動物園用の施設を作ってもいいけど、でもそんなに広くしなくてもいいんじゃない?」
「聞いて、その施設の中に森や池も作って、動物を放し飼いするの! その自然な姿を、魔導車に乗って見て回るっていうテーマパークを考えたんだけど、どう!?」
これまた凄い発想だな!?
魔導車あってこその企画だけど、普通はそんなこと思いつかないぞ。
メジェールとリノは、そこまで大それたことを考えていたのか……。
一応僕なら可能だけど、かなり大掛かりになる。
それに、そこまでして見たい動物なんているかなあ……。
面白そうではあるけどね。
「多分実現可能だとは思うけど……」
「やったー、じゃああとは安全面とか煮詰めていけばいいわね!」
「頑張ろう、メジェール!」
ああ、メジェールとリノがやる気になっちゃってる……。
ま、いっか。仮に動物園が失敗しても、何かに使い道はあるだろう。
すでにこのテンプルムは各国で大反響になっていて、日ごと移住希望者や観光客が増えている状況だ。
『火緋色鋼』を鑑定していた専門家の人たちが本物と断定してくれたおかげで、さらに注目が集まった効果もある。
まあ間違いなく本物なので、当然の結果ではあるんだけどね。
僕が作った武器やアイテムも、通常よりも性能が良いということで、わざわざ買いに来てくれる人があとを絶たない。
それほど凄い物を置いてるわけじゃないんだけど、同じランクの物よりも出来が良いうえ、値段も割安なので、かなりの評判となっている。
それで、あまりの人気に魔道バスでの輸送能力がまるで追いつかず、乗車券にプレミアがつきそうになっちゃったんで、バスの数を倍に増やした。
これでもまだ足らないんだけど、安全面やら色々考えると、現状ではこれが限界。まだ国として始まったばかりだし、一気に来訪者が増えると対処不能になってしまう。
もう少しこっちの受け入れ態勢が整ったら、魔道バスも増やしていこう。
正直、いきなりこんな大盛況になるとは思ってなかったんだよね。
国内にはまだ何もないし、国の周りも基本的には山や森だらけなので、僕の国には行商人や冒険者が行きがけに立ち寄るくらいかなと思ってた。
他国へ行く中継地として役立てれば上出来かなと。
そもそも一般人はあまり国を出ない。せいぜい自国領内にあるほかの街や都市に行く程度だ。
他国へ行く旅行者ももちろん居るけど、道中には危険が伴うので、護衛などを雇うと予算が非常に高くなる。
だから、基本的には裕福な人しか国外へは行けない。他国に行かずに一生を終える人がほとんどだ。
僕の両親も、エーアストから出たことはないしね。
それが、こんなに来てもらえるとは……。
他国に行くよりも、かなり安全に移動できるというのが大きい気がする。
とりあえず、魔道バスの乗車券はなんとか高騰しないように各国にお願いした。
チケットが高くなっちゃうと、お金持ちしか来られなくなっちゃうからね。
移住者=国民が裕福な人ばかりというのも有りかもしれないけど、僕としては一般の人にもたくさん来てほしいと思っているので。
ここへの移動には馬車を使う人も多く、その護衛などで来た冒険者も、そのまましばらくテンプルムに滞在する人が多いようだ。
おかげで、近隣の探索も冒険者に依頼することができて助かっている。
ちなみに、このテンプルムの周りには迷宮は発見されていない。
ここから比較的近くの迷宮といえば、一応北側――フリーデン寄りの場所に1つと、遙か南西に行ったところに1つある。
テンプルムから行くより、フリーデンやゼルドナから行ったほうが近いんだけどね。
ただ、このテンプルムの周りは人跡未踏の部分が多いので、どこかに隠れ迷宮があるかもしれない。
それを探すのも冒険者の仕事だ。第一発見者には賞金を出すことになっている。
ほかに、この辺りにはボンビクスワームという、高級繊維の元となる繭を作る生物が棲息しているらしい。
これは飼育するのが不可能で、天然の素材として採集するしか手に入らないんだけど、この繭を冒険者が見つけてきてくれたら高く買い取ろうと思ってる。
僕の『物質生成』スキルでも作れないんだよね。繊維の成分自体は生成可能だけど、糸として使用できるように作ることは無理だ。
だから、取ってきてもらえたら大変ありがたい。
すでにギルドへは依頼済みだけど、どうも南西の危険な森に棲息してる可能性が高く、見つけてくるのは大変かも。
この辺りは、東側は比較的安全な地帯が多いんだけど、西側が少し危険なんだよね。
熾光魔竜と出会った秘境ヴィルカーム山脈も、ここから西に行ったところだし。
なので、ボンビクスワームの繭探しには充分注意するように、ギルドには伝えておいた。
依頼難易度はSランク以上が推奨かな。
もし上手く収集できたら、高級生地としてテンプルムの特産品にしてみたい。
とにかく、当分は冒険者の仕事は尽きないはずだ。
冒険者たちで徐々に周囲の状況を開拓していってくれればと思う。
あとは、このまま行くと近いうちに宿泊施設が足りなくなりそうなので、追加で作らないとダメかも。
それさえ用意すれば、あとは民間に任せてもやっていけそうな感じだ。
今のところは犯罪も起きてないし、ここまでは順調な滑り出しといえるかな。
◇◇◇
「ねえユーリ、この外壁の外に、もう1つ壁で囲ったエリアを作ることって可能?」
メジェールがリノと一緒に来て、妙なことを聞いてきた。
「このテンプルム国の外にってこと? 外壁で囲うほどって……街くらいならもう1つ作ることも可能だけど、でも管理が全然追いついてないよ?」
「ううん、街じゃなくて動物園を作りたいの!」
「外に動物園を!?」
この前からずっと動物園のこと考えてたみたいだけど、まさか外に作ることを計画していたとは……そんなの聞いたこともないな。
どこの国も土地を開拓するのは命懸けで、動物園を作るためなんかで整地や外壁作りする人はいないだろう。
メジェールとはいえ、とんでもない発想だ。
まあでも、僕ならばということなんだろうな。
「動物園用の施設を作ってもいいけど、でもそんなに広くしなくてもいいんじゃない?」
「聞いて、その施設の中に森や池も作って、動物を放し飼いするの! その自然な姿を、魔導車に乗って見て回るっていうテーマパークを考えたんだけど、どう!?」
これまた凄い発想だな!?
魔導車あってこその企画だけど、普通はそんなこと思いつかないぞ。
メジェールとリノは、そこまで大それたことを考えていたのか……。
一応僕なら可能だけど、かなり大掛かりになる。
それに、そこまでして見たい動物なんているかなあ……。
面白そうではあるけどね。
「多分実現可能だとは思うけど……」
「やったー、じゃああとは安全面とか煮詰めていけばいいわね!」
「頑張ろう、メジェール!」
ああ、メジェールとリノがやる気になっちゃってる……。
ま、いっか。仮に動物園が失敗しても、何かに使い道はあるだろう。
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