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第7章 新国テンプルム
第332話 大魔王からは逃げられない
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僕と戦っていた異世界人たちが、久魅那という子の『時空通穴』で逃げ出してしまった。
どうも途中から様子がおかしかったので、僕のこと勘違いしてるんじゃないかと思う。
そもそも彼らは、最初から『魔王ユーリ』に対して疑心暗鬼なところがあったから、僕の強さを見て完全に誤解しちゃったんだろう。
力を見せると、すぐこの展開になっちゃうんだよなあ……。
まあそれくらい、『魔王』という存在を警戒しているってことなんだけどさ。
「ユーリ、あいつら逃がしちゃっていいの?」
「いや、逃がさないよ。また勘違いで苦労するのはイヤだからね」
色々と紆余曲折を経て、ようやく『魔王ユーリ』の誤解が解けたというのに、また変な噂を広められるわけにはいかない。
彼らには、僕は無害だということをちゃんと分かってもらわないと。
ということで、彼らの逃走を阻止する。
「我が領域を閉じろ、『次元封鎖』!」
これは『空間魔法』の1つで、僕を中心として一定の距離の空間を次元ごと隔離してしまう魔法だ。
この中に捕らえられた人は、『瞬間移動』や『空間転移』でも抜け出すことはできない。
もちろん、『時空通穴』でも脱出は不可能だ。
この封鎖した次元の壁を越える方法はいくつかあるけど、それには僕クラスの『空間魔法』が必要となる。
少なくとも、あの久魅那という子の力では無理だろう。
あの子の『空間魔法』はレベル4で、僕はレベル8だからね。
「さぁて、どの辺りに居るかな?」
『時空通穴』はこの世界とは別次元にあるが、僕なら空間の歪みを探知することができる。
彼らが逃げたであろう法王国の方向も考慮すれば、その場所を見つけるのは容易かった。
「居た居た。案の定、次元の壁でつっかえてるな。じゃあ彼らを捕まえてくるから、みんなはここで待ってて」
僕はメジェールたちを残し、異世界人たちが居る場所へ『空間転移』する。
『時空通穴』内は距離が短縮されるので、少し進んだだけでかなり遠くまで行けちゃうんだよね。
彼らの近くに着いたところで、次の魔法を放つ。
「消えよ見えざる障壁、『次元層消去』!」
これは簡単な次元構造物を消す魔法で、いま僕が使った『次元封鎖』の次元壁や、封印魔法『千年回廊』なんかも無効にできる。
究極封印『次元牢獄』は超複雑な構造体らしいから、さすがに消去は無理みたいだけど、アレは『虚無への回帰』なら解除可能だ。
『虚無への回帰』は、SSSランクである『空間魔法』よりもさらに上位のVランク『神遺魔法』だからね。
「きゃああああああっ」
「な、なんですかっ!? 『時空通穴』で進めなくなったと思ったら、いきなり元の空間に戻りましたぞ!?」
「いったいどうなってるんだ久魅那、何か失敗したのか?」
「分からないわ、何故かわたしの『空間魔法』が消えちゃって……」
『時空通穴』が解除されたので、強制的に元の世界に戻された異世界人たちが空中から落ちてきた。
「皆さんお帰りなさい。少し僕の話を聞いていただきたくて、申しわけありませんがお引き止めいたしました」
「うわっ、うわああああああっ、魔王ユーリがなんでここに!?」
「久魅那っ、もう一度『時空通穴』を開けっ」
「だめよ、『時空通穴』じゃ逃げられないわ! こうなったらイチかバチか、転移魔法でみんな一気に脱出を……」
まずい、『空間転移』を使う気か?
久魅那という子の力では4人同時は無理だ! 封鎖している次元壁も越えられないし、きっと何か事故になってしまうぞ!
彼女の『空間魔法』を封じなくては!
「彼方まで裂けよ! 『虚空絶界』!」
僕はこの辺り一帯を、『空間魔法』で作った巨大な次元の裂け目へと落とした。
例えるなら、途方もなく広いアイテムボックスの中という感じだ。
ここは異次元空間なので、この中では低レベルの『空間魔法』を使用することができない。アイテムボックスの中ではアイテムボックスは開けないということ。
つまり、久魅那の『空間魔法』は完全に封じられたわけである。
一応、僕と同クラス以上の『空間魔法』が使えれば脱出も可能だけど、もちろん久魅那には不可能だ。
「な、なんなのコレ!? し、信じられない……こんな無限とも思える広大な異次元空間を開くなんて、人間じゃ絶対に不可能な領域、いえ、魔王だって無理よ! 彼は魔王なんてレベルじゃない、全てを超越した魔神……どこか異世界の『魔神王』なんだわ!」
「大魔王どころか魔神王だって!? そんなヤツどうすりゃいいんだ!?」
「いえ、違いますって! 僕は人間です、皆さんちょっと落ち着いて……」
「こうなったらボクちんの全魔力をかけた最大の魔法で、なんとか活路を開いて見せますぞ! 喰らえ……」
あ~もう、こじれる一方だから、一度大人しくなってもらおう。
えいっ、『石化視線』!
弐琉須という人が一瞬で石化する。
「弐琉須!? ウソだろ、俺っちたちの耐性は常人を遙かに越えるのに、それを簡単に石化させるなんて……」
「くそっ……こうなったらパワーを究極に集めてヤツを道連れにしてやる! オレは真の勇者だ、世界を救うためなら命なんて惜しくないぜ! 集え、超時空……」
えい、『石化視線』!
こんなとこで命を懸けられても困るので、牙無魔も石化しててください。
ちなみに、メジェールは『超異常耐性』を持っているので、『石化視線』程度では石化させることはできない。
『神遺魔法』にある睡眠魔法『魂心休眠』クラスじゃないと、『勇者』を状態異常にするのは不可能なのだ。
「そ、そんなっ、人類最高クラスの耐性を持つ牙無魔まで石化させるなんて……! 『魔王ユーリ』は触っちゃいけない相手だったんだ、俺っちたちがバカだった! こいつこそ最凶最悪の存在、もはや人類は終わ……」
えい、『石化視線』!
すっかりパニックになってしまった礼威次も石化させる。
あとは久魅那って子だけど、この子は少し冷静に見えるから、ちゃんと話せば分かってくれ……
「ひいいいいいい、こ、こ、殺さないで、ユーリ様のことは誰にも言いませんから、殺さないでくださいいいいいぃぃぃ~っ」
まずい……とんでもなくパニックになってる。
石化は死んだわけじゃなくて、僕の意志で簡単に戻せるんだけど、石化した人なんて見たことないだろうから相当怖いかもね。
とりあえず落ち着かせよう。
「大丈夫、殺したりなんかしません。彼らも元に戻しますから、久魅那さんどうか落ち着いて……」
「ごめんなさい、もう絶対に逆らいませんから、ゆるして、お願いゆるしてえええええええっ」
ああああ……なんてこった!
久魅那さん、失禁しちゃった……………………。
そこまで怖がらせるつもりはなかったのに……うう、どうすれば良かったんだ?
思えば、イザヤたちがなんとなく心を開いてくれないのは、前に腰抜かすほど怖がらせちゃったせいだと思うんだ。
これでもう久魅那って子も、心を開いてくれないかも……。
とにかく、まずは汚れちゃった部分を『洗浄』の魔法で綺麗にしてあげようと思って、ゆっくり近付いていったら、久魅那は恐怖で気を失ってしまった。
色々ごめんなさい……。
***********************************
昨日の17時半くらいに、前話を少し修正しました。
異世界人の印象が悪かったので、もう少し良くなるように書き直しました。
けっして悪いヤツらではないんですよ…(^^;
どうも途中から様子がおかしかったので、僕のこと勘違いしてるんじゃないかと思う。
そもそも彼らは、最初から『魔王ユーリ』に対して疑心暗鬼なところがあったから、僕の強さを見て完全に誤解しちゃったんだろう。
力を見せると、すぐこの展開になっちゃうんだよなあ……。
まあそれくらい、『魔王』という存在を警戒しているってことなんだけどさ。
「ユーリ、あいつら逃がしちゃっていいの?」
「いや、逃がさないよ。また勘違いで苦労するのはイヤだからね」
色々と紆余曲折を経て、ようやく『魔王ユーリ』の誤解が解けたというのに、また変な噂を広められるわけにはいかない。
彼らには、僕は無害だということをちゃんと分かってもらわないと。
ということで、彼らの逃走を阻止する。
「我が領域を閉じろ、『次元封鎖』!」
これは『空間魔法』の1つで、僕を中心として一定の距離の空間を次元ごと隔離してしまう魔法だ。
この中に捕らえられた人は、『瞬間移動』や『空間転移』でも抜け出すことはできない。
もちろん、『時空通穴』でも脱出は不可能だ。
この封鎖した次元の壁を越える方法はいくつかあるけど、それには僕クラスの『空間魔法』が必要となる。
少なくとも、あの久魅那という子の力では無理だろう。
あの子の『空間魔法』はレベル4で、僕はレベル8だからね。
「さぁて、どの辺りに居るかな?」
『時空通穴』はこの世界とは別次元にあるが、僕なら空間の歪みを探知することができる。
彼らが逃げたであろう法王国の方向も考慮すれば、その場所を見つけるのは容易かった。
「居た居た。案の定、次元の壁でつっかえてるな。じゃあ彼らを捕まえてくるから、みんなはここで待ってて」
僕はメジェールたちを残し、異世界人たちが居る場所へ『空間転移』する。
『時空通穴』内は距離が短縮されるので、少し進んだだけでかなり遠くまで行けちゃうんだよね。
彼らの近くに着いたところで、次の魔法を放つ。
「消えよ見えざる障壁、『次元層消去』!」
これは簡単な次元構造物を消す魔法で、いま僕が使った『次元封鎖』の次元壁や、封印魔法『千年回廊』なんかも無効にできる。
究極封印『次元牢獄』は超複雑な構造体らしいから、さすがに消去は無理みたいだけど、アレは『虚無への回帰』なら解除可能だ。
『虚無への回帰』は、SSSランクである『空間魔法』よりもさらに上位のVランク『神遺魔法』だからね。
「きゃああああああっ」
「な、なんですかっ!? 『時空通穴』で進めなくなったと思ったら、いきなり元の空間に戻りましたぞ!?」
「いったいどうなってるんだ久魅那、何か失敗したのか?」
「分からないわ、何故かわたしの『空間魔法』が消えちゃって……」
『時空通穴』が解除されたので、強制的に元の世界に戻された異世界人たちが空中から落ちてきた。
「皆さんお帰りなさい。少し僕の話を聞いていただきたくて、申しわけありませんがお引き止めいたしました」
「うわっ、うわああああああっ、魔王ユーリがなんでここに!?」
「久魅那っ、もう一度『時空通穴』を開けっ」
「だめよ、『時空通穴』じゃ逃げられないわ! こうなったらイチかバチか、転移魔法でみんな一気に脱出を……」
まずい、『空間転移』を使う気か?
久魅那という子の力では4人同時は無理だ! 封鎖している次元壁も越えられないし、きっと何か事故になってしまうぞ!
彼女の『空間魔法』を封じなくては!
「彼方まで裂けよ! 『虚空絶界』!」
僕はこの辺り一帯を、『空間魔法』で作った巨大な次元の裂け目へと落とした。
例えるなら、途方もなく広いアイテムボックスの中という感じだ。
ここは異次元空間なので、この中では低レベルの『空間魔法』を使用することができない。アイテムボックスの中ではアイテムボックスは開けないということ。
つまり、久魅那の『空間魔法』は完全に封じられたわけである。
一応、僕と同クラス以上の『空間魔法』が使えれば脱出も可能だけど、もちろん久魅那には不可能だ。
「な、なんなのコレ!? し、信じられない……こんな無限とも思える広大な異次元空間を開くなんて、人間じゃ絶対に不可能な領域、いえ、魔王だって無理よ! 彼は魔王なんてレベルじゃない、全てを超越した魔神……どこか異世界の『魔神王』なんだわ!」
「大魔王どころか魔神王だって!? そんなヤツどうすりゃいいんだ!?」
「いえ、違いますって! 僕は人間です、皆さんちょっと落ち着いて……」
「こうなったらボクちんの全魔力をかけた最大の魔法で、なんとか活路を開いて見せますぞ! 喰らえ……」
あ~もう、こじれる一方だから、一度大人しくなってもらおう。
えいっ、『石化視線』!
弐琉須という人が一瞬で石化する。
「弐琉須!? ウソだろ、俺っちたちの耐性は常人を遙かに越えるのに、それを簡単に石化させるなんて……」
「くそっ……こうなったらパワーを究極に集めてヤツを道連れにしてやる! オレは真の勇者だ、世界を救うためなら命なんて惜しくないぜ! 集え、超時空……」
えい、『石化視線』!
こんなとこで命を懸けられても困るので、牙無魔も石化しててください。
ちなみに、メジェールは『超異常耐性』を持っているので、『石化視線』程度では石化させることはできない。
『神遺魔法』にある睡眠魔法『魂心休眠』クラスじゃないと、『勇者』を状態異常にするのは不可能なのだ。
「そ、そんなっ、人類最高クラスの耐性を持つ牙無魔まで石化させるなんて……! 『魔王ユーリ』は触っちゃいけない相手だったんだ、俺っちたちがバカだった! こいつこそ最凶最悪の存在、もはや人類は終わ……」
えい、『石化視線』!
すっかりパニックになってしまった礼威次も石化させる。
あとは久魅那って子だけど、この子は少し冷静に見えるから、ちゃんと話せば分かってくれ……
「ひいいいいいい、こ、こ、殺さないで、ユーリ様のことは誰にも言いませんから、殺さないでくださいいいいいぃぃぃ~っ」
まずい……とんでもなくパニックになってる。
石化は死んだわけじゃなくて、僕の意志で簡単に戻せるんだけど、石化した人なんて見たことないだろうから相当怖いかもね。
とりあえず落ち着かせよう。
「大丈夫、殺したりなんかしません。彼らも元に戻しますから、久魅那さんどうか落ち着いて……」
「ごめんなさい、もう絶対に逆らいませんから、ゆるして、お願いゆるしてえええええええっ」
ああああ……なんてこった!
久魅那さん、失禁しちゃった……………………。
そこまで怖がらせるつもりはなかったのに……うう、どうすれば良かったんだ?
思えば、イザヤたちがなんとなく心を開いてくれないのは、前に腰抜かすほど怖がらせちゃったせいだと思うんだ。
これでもう久魅那って子も、心を開いてくれないかも……。
とにかく、まずは汚れちゃった部分を『洗浄』の魔法で綺麗にしてあげようと思って、ゆっくり近付いていったら、久魅那は恐怖で気を失ってしまった。
色々ごめんなさい……。
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