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決心《けっしん》
しおりを挟むおにぎりなんかで家出を決意する、きっと俺が世界で初めておにぎりで家出を決めた男だ。とか考えながら俺の足は自宅に向かっていた。とっくに学校の始まっている時間だがそんなことはもう気にしない。あたりは異様な静けさに包まれている。子供はみな学校に行き、そのせいで静まり返った町は普段学校に行っている俺にとっては未知の領域だった。
家の鍵を開けて自室に向かう、父親は会社に行っているため今家には誰もいない。俺はすぐにパソコンを開き朝見つけた「家出の仲間募集中。みんなで自由をつかみ取ろう!」にアクセスしていた。ロード中に台所へ向かい食パンやら缶詰めやらをカバンに詰め込み部屋に戻る。何やら登録が必要らしくいくつかの項目をしっかりと埋めた。登録時に必要だったのは名前、性別、年齢、住所、電話番号などのありきたりなもののほかに家出の理由ととても長い利用規則に同意しますかという質問だった。長ーい利用規則は読まずに同意を押した。これを読んでるやつっているのかな?とか考えたがきっといないだろーなとか思いつつ登録が完了した。すると、画面上にいろんな人の名前と住所、電話番号が出てきた、そしてその横にはフレンド申請と書かれたボタン。どこかこの家から遠い場所うーんと遠い場所に行きたい、けど予算が足りない仕方なく自転車で行ける距離の中で選ぶことにした。
そのあと一時間くらいたってもなかなかいい人がいないするとピコリンッという通知音と共にフレンド申請が来た。相手の名前欄には、名無《ななし》ノ権兵衛《ごんべえ》そう書かれていた。住所は隣の県、何度か行ったことがあるがその町までなら今の持ち金で片道なら義理足りる。俺はその人をフレンドとして承認して、DMでやり取りをした。俺が出来れば今日中に家を出たいと伝えると快くOKしてくれた。俺はカバンに最低限のものとPC、食料、飲み水などを詰め込んだ。家を出る前に母の仏壇へ向かった。一言「行ってきます」そう伝えておれは、生まれてから今日までずっと住んでいた家を出て行った。
家から駅までの間はとても足が軽く、今まで味わったことのない解放感を感じた。
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