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オーディションは落ちました、そして女が二人で飲みに行く、LIMAは友達がいないのかと言われたそうです
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人生、漫画や映画みたいにうまくいくなんて思っていない、だが、現実って厳しいとLIMAは改めて実感した、オーディションは二週間後なんて、あっというまだ、とりあえずできる事をしようと思って色々と手を尽くした。
仲のいいアイドルに声優のオーディションを受けるのでアドバイスをと相談してみたものの、難しいと言われてしまった。
「だって、二週間しかないんでしょ」
「それに、これアニメのオーディションだけど、出てる人、中堅のプロの声優が多いし」
「顔出していない動画の人も出るんじゃないかって噂よ、だから競争率、厳しいんじゃない」
何、それと思ったら最近は個人でアニメや映画を作って吹き替え募集というのもあるみたいだ、それもプロかと思うくらいの人もいるらしい、話を聞いているうちにずんずんと落ち込んできた、そして結果。
見事に落ちた。
「あー、美夜さん、あたしです、落ちました」
あのとき、オーディションを受けるんですなんてと後悔した、かっこつけもいいところだ、これがライトノベルのチートな主人公だったら努力以前の問題で幸運にも受かってしまったわなんてことになるんだけど、世の中、そんな簡単にいくものじゃないとLIMAは実感した。
見栄を張るんじゃなかったと思った。
「今度、良かったら、飲みにいかない」
えっ、もしかして、気を遣われてると思ったが嬉しくなった、オシャレな店じゃないけどと言われたが、そんなの関係ないわと思い、土曜日の夜、早めの時間にという約束をした。
「ということで市川さん、週末、LIMA産と飲みに行く事になりました、良子さん、晩ご飯を作っておくから、いいですよね」
「それはいいけど、何故、市川、あんたの娘は友達がいないの」
「いや、そんな事はないと思うが、まあ、アイドルだから、色々とあるんじゃないか」
夕食の席で週末、LIMA産と晩ご飯を食べる約束を話す、やはりアイドルともなると外食を芸能人ではなく一般の人と一緒というのは珍しいのだろうか、オーディション、落ちました、あの声は元気なかったなあと思ってしまった。
当日、財布に万札を数枚入れて店に向かった、相手がアイドル、でも年下なんだから割り勘は避けたいところだ。
店の中は結構、人が一杯だ、夕方の六時ともなれば夕飯といってもおかしくはない、普通の居酒屋さんだから、オシャレと可愛いからはほど遠いからと店に入る前に伝えて中に入ると中は結構人がいた。
奥のかしこまった座卓に案内されるとメニューを彼女に見せて好きなのを頼んでねと、しばらくして、あたしの前には焼いたししゃもと升酒が置かれた。
LIMAちゃんははチューハイと唐揚げだ。
オーディションに落ちて落ち込んでいるのかと思ったが、そんな感じはしなくて食べる、食べる、チューハイも一杯目はあっという間に飲み干してしまった。
「お父さん、そっちではどんな感じですか」
やはり父親の事は気になるのだろう、仕事に行ってるよ、会社勤め、サラリーマンは大変だねというと少し不思議そうな顔をした。
「家でリモートワーク、パソコンのスカイプじゃないんですか」
「毎日出勤しているよ、お弁当を持って」
その言葉にLIMAは不思議そうな顔をした、だが。
「もしかして、美夜さんが作っているんですか」
頷く様子にLIMAは自分の母親の事を思い出した、父が弁当を作って欲しいと言ったときのことを、当時、母は忙しく、時間も体力もないと言って断っていたが、それは料理をするのが嫌いというより苦手だったのだろう。
いや、それだけではない、浮気をしていたのではと思うのだ、多分、父も感じていたはずだ、だが、責めなかったし、そのことで喧嘩もしなかった。
夫婦として破綻していたのか、冷めきっていたのかわからない、大人だからといってしまえば、それまでなのだ。
「ねえっ、もしかして、LIMAじゃない」
振り向くと最近、顔見知りになったアイドルの女の子だった、名前は、うーん、覚えてないとLIMAが不思議そうな顔をしたので、相手はユリだよと笑った、こんなところで珍しいわねと言われて、LIMAは、うんと曖昧な表情になった。
こんなところで自分を思い出しただけで知っている人間に会うとは思わなかったのだ。
「ねえっ、もしかしてお姉さん」
ユリは向かいの女性を見ると耳打ちするようにLIMAに尋ねた。
「えっ、いや、そ、そうなんだ、久しぶりに会って」
ユリはぺこりと頭を下げた。
「お姉さんがいたんだ、羨ましいなあ」
一瞬、LIMAは呆気にとられた。
「実はね、あたし、オーディション、受けることにしたの、吹き替えなんだ、台詞も短いんだけど、洋画、沈黙のシリーズなんだ」
「ち、沈黙のシリーズっっ」
えっと、思わず声を出してしまった。
「知ってるの、美夜さん」
「アクションと頭脳戦の映画だよ、あたし、吹き替えも好きなのよ」
「お姉さんの、お気に入りの声優さんはいますか」
ち、ちょっと、そんなに仲良くないよね、挨拶をした程度だし、内心LIMAが慌てたのも無理はない、だが、ユリは、いいですかとLIMAの隣にドカンと腰を下ろした。
何故か、女三人で飲む事になってしまった。
「あたしまで奢ってもらって、すみません、本当にいいんですか」
何故、こんなことになったのか、予想もしなかったとLIMAは思ってしまっだか、これが後になって、驚くべき幸、不幸を引き起こすとは、三人とも思ってもみなかった。
仲のいいアイドルに声優のオーディションを受けるのでアドバイスをと相談してみたものの、難しいと言われてしまった。
「だって、二週間しかないんでしょ」
「それに、これアニメのオーディションだけど、出てる人、中堅のプロの声優が多いし」
「顔出していない動画の人も出るんじゃないかって噂よ、だから競争率、厳しいんじゃない」
何、それと思ったら最近は個人でアニメや映画を作って吹き替え募集というのもあるみたいだ、それもプロかと思うくらいの人もいるらしい、話を聞いているうちにずんずんと落ち込んできた、そして結果。
見事に落ちた。
「あー、美夜さん、あたしです、落ちました」
あのとき、オーディションを受けるんですなんてと後悔した、かっこつけもいいところだ、これがライトノベルのチートな主人公だったら努力以前の問題で幸運にも受かってしまったわなんてことになるんだけど、世の中、そんな簡単にいくものじゃないとLIMAは実感した。
見栄を張るんじゃなかったと思った。
「今度、良かったら、飲みにいかない」
えっ、もしかして、気を遣われてると思ったが嬉しくなった、オシャレな店じゃないけどと言われたが、そんなの関係ないわと思い、土曜日の夜、早めの時間にという約束をした。
「ということで市川さん、週末、LIMA産と飲みに行く事になりました、良子さん、晩ご飯を作っておくから、いいですよね」
「それはいいけど、何故、市川、あんたの娘は友達がいないの」
「いや、そんな事はないと思うが、まあ、アイドルだから、色々とあるんじゃないか」
夕食の席で週末、LIMA産と晩ご飯を食べる約束を話す、やはりアイドルともなると外食を芸能人ではなく一般の人と一緒というのは珍しいのだろうか、オーディション、落ちました、あの声は元気なかったなあと思ってしまった。
当日、財布に万札を数枚入れて店に向かった、相手がアイドル、でも年下なんだから割り勘は避けたいところだ。
店の中は結構、人が一杯だ、夕方の六時ともなれば夕飯といってもおかしくはない、普通の居酒屋さんだから、オシャレと可愛いからはほど遠いからと店に入る前に伝えて中に入ると中は結構人がいた。
奥のかしこまった座卓に案内されるとメニューを彼女に見せて好きなのを頼んでねと、しばらくして、あたしの前には焼いたししゃもと升酒が置かれた。
LIMAちゃんははチューハイと唐揚げだ。
オーディションに落ちて落ち込んでいるのかと思ったが、そんな感じはしなくて食べる、食べる、チューハイも一杯目はあっという間に飲み干してしまった。
「お父さん、そっちではどんな感じですか」
やはり父親の事は気になるのだろう、仕事に行ってるよ、会社勤め、サラリーマンは大変だねというと少し不思議そうな顔をした。
「家でリモートワーク、パソコンのスカイプじゃないんですか」
「毎日出勤しているよ、お弁当を持って」
その言葉にLIMAは不思議そうな顔をした、だが。
「もしかして、美夜さんが作っているんですか」
頷く様子にLIMAは自分の母親の事を思い出した、父が弁当を作って欲しいと言ったときのことを、当時、母は忙しく、時間も体力もないと言って断っていたが、それは料理をするのが嫌いというより苦手だったのだろう。
いや、それだけではない、浮気をしていたのではと思うのだ、多分、父も感じていたはずだ、だが、責めなかったし、そのことで喧嘩もしなかった。
夫婦として破綻していたのか、冷めきっていたのかわからない、大人だからといってしまえば、それまでなのだ。
「ねえっ、もしかして、LIMAじゃない」
振り向くと最近、顔見知りになったアイドルの女の子だった、名前は、うーん、覚えてないとLIMAが不思議そうな顔をしたので、相手はユリだよと笑った、こんなところで珍しいわねと言われて、LIMAは、うんと曖昧な表情になった。
こんなところで自分を思い出しただけで知っている人間に会うとは思わなかったのだ。
「ねえっ、もしかしてお姉さん」
ユリは向かいの女性を見ると耳打ちするようにLIMAに尋ねた。
「えっ、いや、そ、そうなんだ、久しぶりに会って」
ユリはぺこりと頭を下げた。
「お姉さんがいたんだ、羨ましいなあ」
一瞬、LIMAは呆気にとられた。
「実はね、あたし、オーディション、受けることにしたの、吹き替えなんだ、台詞も短いんだけど、洋画、沈黙のシリーズなんだ」
「ち、沈黙のシリーズっっ」
えっと、思わず声を出してしまった。
「知ってるの、美夜さん」
「アクションと頭脳戦の映画だよ、あたし、吹き替えも好きなのよ」
「お姉さんの、お気に入りの声優さんはいますか」
ち、ちょっと、そんなに仲良くないよね、挨拶をした程度だし、内心LIMAが慌てたのも無理はない、だが、ユリは、いいですかとLIMAの隣にドカンと腰を下ろした。
何故か、女三人で飲む事になってしまった。
「あたしまで奢ってもらって、すみません、本当にいいんですか」
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