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バイトを始める事になりました、良子さんの友人宅 (犬の散歩)
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同席していた真っ白な髪の女性、てっきりブリーチして白にオシャレ染めかと思っていたら違、地毛らしい、髪の事に触れたとき、LIMAが肘で小突いてきた、まずい事を聞いたのかと思ってしまった。
店を出た後、LIMAからずっと入院していたからと聞いて後悔した、あのとき、若白髪だよーとミヤさんが笑っていたけど気を悪くしなかっただろうか。
母親に会う気になったのは、そのせいかもしれない。
お母さんがいるのかいいねえと言われて、思わず男の、その中身が女なんですと言ってしまった、後で思い出したら嫌な言い方をしてしまったと思った、幼稚な、ひねくれた子供みたいだと、恥ずかしくなってしまったのだ。
母親(男)に会う、この間、口喧嘩して気まずいと思ったけど、そんな事はなかった。
ご飯は美味しくて、母親と酒を飲むなんて初めてではないだろうか、二匹の犬は体格も大きくて野良というけどおとなしくて、少し前の自分なら、こんな風に親と食事なんて考えられなかったかもしれない。
バイトをしてみないと良子さんに言われたときは正直、驚いた、学生時代、ヤマ○キのパン工場で働いたことがあったけど、正直、頑張れたのは若いからだと思っていた。
「深く考えなくていいのよ、嫌なら断ればいいし」
「やる、やります」
良子さんの顔を見て慌てて答えを出す、ずっと、このまま、無職のニートみたいにだらだらしていても駄目だ、だが、話を聞いて、一瞬、拍子抜けしたというか、えっと思ってしまった、仕事というのは犬の散歩らしい。
「朝、晩、毎日でなくてもいいし、暇な時でいいから、犬は苦手かな」
そんな事はないと首を振った、子供の頃からペットを飼いたかったけど、駄目かなと思って言い出せなかった、だから庭に餌台を作って鳥が来るのを眺めていたくらいなのだ。
「もしもし、あたしよ」
着信音に良子は慌ててスマホを取った。
「うん、美夜チャンね、今日から散歩、二匹とも慣れてくれたみたいで安心したよ、本当に良かった」
友人の言葉に良子は、ほっとした、半月ほど前だ、友人が野良らしき犬を飼う事になったと聞いたのは。
「犬って、あんた、散歩とか、どうなのできるの」
なんとかなるわよ駄目ならシッターを頼むしと言われて良子は思った、金は勿論、必要だけど生き物なんだから愛情も必要よというと、あんたの娘はどうなのよと返された。
「仲良しよ、食事は作ってくれるし、掃除だってしてくれるし、寝る前は布団乾燥機でベッドは温かいし、最高よ」
「餌付けされたの、で、料理って何を作ってくれるのハンバーグ、カレーとか」
「ううん、和食が多いわね、カボチャをくず餡かけにしてくれたり、茄子の揚げだし、豆腐とかもショウガをきかせて」
相手は一瞬、無言になった。
「それ、ちょっと酒が飲みたくなるんだけどわ、今度、我が家の台所で」
「これはあたしの特権よ」
「市川はどうなの、よく同居なんてする気になったわね」
「まあ、色々と、それに、見せつけてやりたい気もするし」
性格、悪いわねと言われたが無視する事にした。
「ところで、今週末、少し遅くなるけど」
「仕事なの」
「うん、それと娘が来るのよ」
仲が良くなかった筈ではと言いかけて良子は口をつぐんだ。すると、察したのか、最近、友達ができたらしいのよと話し始めた。
「一時は仕事も辞めたいなんて言ってたけど、オーディションに受かったとかで」
そうか、一時は険悪そうだったものねと良子は当時の事を思い出した、旦那との仲がうまくいかず真剣をどちらが取るかと、かなり揉めたし、まあ、元気ならいいかと思ったのだ。
犬の散歩、一ヶ月もすると大分慣れてきた、良子さんの友達ということだが、この人も元、男性だが、中身は女だ、だが、性転換とはしてなくて普通の男性。
そして今日、久しぶりに娘が帰ってくるという、シフォンケーキが好きらしいが、近所のケーキ屋ではないのだと聞いて作ることにしたのだ。
シロウトの作るものだからと前置きして、何度か試作で作ってみたが、美味しいと喜んでくれたので大丈夫だと思った。
二匹の犬、信玄(しんげん)と信長(のぶなが)も短毛種なので風呂場で洗うとピカピカ、綺麗になって元、野良犬とは見えないくらいだ、ケーキを作った後、せっかくの親子水入らずに邪魔をしてはと帰ろうとしたら、いや、久しぶりだからいて欲しいと言われて正直、悩んだ。
ケーキだけでは少し寂しいと思って、晩ご飯の支度もした、どんなものが好きかと事前に聞くと、以前、凄く太っていてダイエットをして痩せたので今は食生活にも気をつけているらしい。
そうなると和食がいいかもしれない、用意したのは野菜の揚げだし、油揚げに納豆を挟んで焼いたやつとか、みぞれ鍋だ、これなら肉や魚もさっぱり食べられると思って準備した。
ビールも冷えてるし、料理もケーキも準備はオッケー、時計を見るともうすぐ七時だ、そろそろ来るわねと思っていると玄関のチャイムが鳴った。
ドアが開いて顔を見せたのは全身黒づくめ、ゴスロリっぽいだが大人っぽい美少女だ。
「お帰り、ユリエ」
母親の声に、ただいまと小さな声がかえってくる、久しぶりなので少し緊張しているのかもしれない、だが、次の瞬間。
「おねえさん」
と呼ばれてびっくりした、えっ、こんな美少女に知り合いはいないけどと思って相手を見る、あたし、ユリですと言われて驚いた。
夕食を済ませた後、ミヤさんが焼いたシフォンケーキと紅茶を食べて飲んで、アニメの話もした。
あのシリーズの○○少将が好きだというので驚いた、声優さんが好きらしい。
確かに渋い声、はっっ、もしかしてファザコン、いや、枯れ専とか、老人好きかと思ってしまったら、頼れるお父さんみたいでいいよねと言われてしまった。
もしかして、ミヤさんのお父さんはイケメンだったりするのだろうか、だから余計、好みや好きなタイプが正反対だったりするのかもと思ったら、両親はいなくてずっと祖母と二人暮らしだったという。
今はお母さんと二人暮らしよ、嬉しそうに笑う顔を見てユリは頷いてしまった。
店を出た後、LIMAからずっと入院していたからと聞いて後悔した、あのとき、若白髪だよーとミヤさんが笑っていたけど気を悪くしなかっただろうか。
母親に会う気になったのは、そのせいかもしれない。
お母さんがいるのかいいねえと言われて、思わず男の、その中身が女なんですと言ってしまった、後で思い出したら嫌な言い方をしてしまったと思った、幼稚な、ひねくれた子供みたいだと、恥ずかしくなってしまったのだ。
母親(男)に会う、この間、口喧嘩して気まずいと思ったけど、そんな事はなかった。
ご飯は美味しくて、母親と酒を飲むなんて初めてではないだろうか、二匹の犬は体格も大きくて野良というけどおとなしくて、少し前の自分なら、こんな風に親と食事なんて考えられなかったかもしれない。
バイトをしてみないと良子さんに言われたときは正直、驚いた、学生時代、ヤマ○キのパン工場で働いたことがあったけど、正直、頑張れたのは若いからだと思っていた。
「深く考えなくていいのよ、嫌なら断ればいいし」
「やる、やります」
良子さんの顔を見て慌てて答えを出す、ずっと、このまま、無職のニートみたいにだらだらしていても駄目だ、だが、話を聞いて、一瞬、拍子抜けしたというか、えっと思ってしまった、仕事というのは犬の散歩らしい。
「朝、晩、毎日でなくてもいいし、暇な時でいいから、犬は苦手かな」
そんな事はないと首を振った、子供の頃からペットを飼いたかったけど、駄目かなと思って言い出せなかった、だから庭に餌台を作って鳥が来るのを眺めていたくらいなのだ。
「もしもし、あたしよ」
着信音に良子は慌ててスマホを取った。
「うん、美夜チャンね、今日から散歩、二匹とも慣れてくれたみたいで安心したよ、本当に良かった」
友人の言葉に良子は、ほっとした、半月ほど前だ、友人が野良らしき犬を飼う事になったと聞いたのは。
「犬って、あんた、散歩とか、どうなのできるの」
なんとかなるわよ駄目ならシッターを頼むしと言われて良子は思った、金は勿論、必要だけど生き物なんだから愛情も必要よというと、あんたの娘はどうなのよと返された。
「仲良しよ、食事は作ってくれるし、掃除だってしてくれるし、寝る前は布団乾燥機でベッドは温かいし、最高よ」
「餌付けされたの、で、料理って何を作ってくれるのハンバーグ、カレーとか」
「ううん、和食が多いわね、カボチャをくず餡かけにしてくれたり、茄子の揚げだし、豆腐とかもショウガをきかせて」
相手は一瞬、無言になった。
「それ、ちょっと酒が飲みたくなるんだけどわ、今度、我が家の台所で」
「これはあたしの特権よ」
「市川はどうなの、よく同居なんてする気になったわね」
「まあ、色々と、それに、見せつけてやりたい気もするし」
性格、悪いわねと言われたが無視する事にした。
「ところで、今週末、少し遅くなるけど」
「仕事なの」
「うん、それと娘が来るのよ」
仲が良くなかった筈ではと言いかけて良子は口をつぐんだ。すると、察したのか、最近、友達ができたらしいのよと話し始めた。
「一時は仕事も辞めたいなんて言ってたけど、オーディションに受かったとかで」
そうか、一時は険悪そうだったものねと良子は当時の事を思い出した、旦那との仲がうまくいかず真剣をどちらが取るかと、かなり揉めたし、まあ、元気ならいいかと思ったのだ。
犬の散歩、一ヶ月もすると大分慣れてきた、良子さんの友達ということだが、この人も元、男性だが、中身は女だ、だが、性転換とはしてなくて普通の男性。
そして今日、久しぶりに娘が帰ってくるという、シフォンケーキが好きらしいが、近所のケーキ屋ではないのだと聞いて作ることにしたのだ。
シロウトの作るものだからと前置きして、何度か試作で作ってみたが、美味しいと喜んでくれたので大丈夫だと思った。
二匹の犬、信玄(しんげん)と信長(のぶなが)も短毛種なので風呂場で洗うとピカピカ、綺麗になって元、野良犬とは見えないくらいだ、ケーキを作った後、せっかくの親子水入らずに邪魔をしてはと帰ろうとしたら、いや、久しぶりだからいて欲しいと言われて正直、悩んだ。
ケーキだけでは少し寂しいと思って、晩ご飯の支度もした、どんなものが好きかと事前に聞くと、以前、凄く太っていてダイエットをして痩せたので今は食生活にも気をつけているらしい。
そうなると和食がいいかもしれない、用意したのは野菜の揚げだし、油揚げに納豆を挟んで焼いたやつとか、みぞれ鍋だ、これなら肉や魚もさっぱり食べられると思って準備した。
ビールも冷えてるし、料理もケーキも準備はオッケー、時計を見るともうすぐ七時だ、そろそろ来るわねと思っていると玄関のチャイムが鳴った。
ドアが開いて顔を見せたのは全身黒づくめ、ゴスロリっぽいだが大人っぽい美少女だ。
「お帰り、ユリエ」
母親の声に、ただいまと小さな声がかえってくる、久しぶりなので少し緊張しているのかもしれない、だが、次の瞬間。
「おねえさん」
と呼ばれてびっくりした、えっ、こんな美少女に知り合いはいないけどと思って相手を見る、あたし、ユリですと言われて驚いた。
夕食を済ませた後、ミヤさんが焼いたシフォンケーキと紅茶を食べて飲んで、アニメの話もした。
あのシリーズの○○少将が好きだというので驚いた、声優さんが好きらしい。
確かに渋い声、はっっ、もしかしてファザコン、いや、枯れ専とか、老人好きかと思ってしまったら、頼れるお父さんみたいでいいよねと言われてしまった。
もしかして、ミヤさんのお父さんはイケメンだったりするのだろうか、だから余計、好みや好きなタイプが正反対だったりするのかもと思ったら、両親はいなくてずっと祖母と二人暮らしだったという。
今はお母さんと二人暮らしよ、嬉しそうに笑う顔を見てユリは頷いてしまった。
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