2 / 6
2:異世界堕とし
しおりを挟む「情状酌量の余地はなし。
判決は異世界堕とし。以上をもって終了とする」
目の前のじいさんがなんか言ってるな
何言ってんだこいつ、あぁ俺なにしてるんだっけ。
あれ父さんと母さんが泣いてるな。
おい隆弘なに叫んでるんだよ。聞こえねぇよ。
なにも…なにも聞きたくねぇよ。
ごついおっさんに両脇を固められて
何もない部屋に放り込まれた。
鼠色の壁で窓が無く天井も低い。
普通の部屋だ。ただ一点を除いては。
床に目を落とすと、幾何学模様の虹色に光る魔法陣があった。
----
「しっかし異世界堕としってちと刑が重いんとちゃいまっか五星光の皆はん」
青白い肌に隈をたっぷりとこさえたボサボサ頭の中年が部屋にいる他の4人に問いかけた。
「お前も五星光やろが。まあちと重いな。浮気相手1人をあの世に送ったからってな。」
ずんぐりとした体型の白髭を立派に蓄えた小太りの男が答える。
「まぁながぁーいながぁーいお話の中でちょうろーうが決めたんだからいいじゃぁ~ん」
甘ったるい喋り方をする緑髪に星の髪飾りをつけた少年とも少女とも言える子が気怠げに言う
「タティス、リ・カーマ、那由多は長老の決定に不服があるのか」
重く腹の底に響くような声を放ったのは歴戦の跡がある全身甲冑の女
「これこれ辞めんか。フータオ。こうする他あるまい。あの堕天使に目をつけられていたんだからな。
あの者なら大丈夫じゃ。幸の光が何よりも強いからな」
(だから目をつけられたんじゃがな)
人の良さそうな顔した神父の様な格好をした老年があたりを見回す。
ここに集められたのは全部で6つある世界の五つの世界の5人の代表達だ。
皆千年万年の時をこの世界の調和のために時に話し合い、時に血で血を洗い世界を治めてきた。
(あの堕天使め。何をする気じゃ。あの幸の光の青年を自分の世界に招いてどうするのじゃ….いや…まさか….それなら)
「ねぇ~ちょうろーうってば!!!」
左耳からいきなり大音量で聞こえた声でふと現実世界に戻ってくる。
「なんじゃ那由多」
「だーかーらーーあの子がさっそくやばいって!見て!!!!!!」
-----
時は少し遡り
あぁ人は自分の死の匂いは敏感に感じとるって言うけど本当だったんだな。
これが死の匂いか。
この部屋でこれから何をされるんだろうか。
この下のヘンテコな模様はなんだ。
かなり頑丈な扉に窓一つない壁。
壁の厚さも相当だな。爆発でもすんのかな。
両親と隆弘と琴香ともう一度話したかったな。
最後に見た琴香は…琴香…琴…香…コ…
琴香っ!!!!!
そうだ。転校生と琴香がキスをしてて気が動転して転校生を突き落として、琴香を見たら琴香が琴香じゃない感じがして、それでそれで…あれなんだ
琴香はどうなった。
癪だが転校生は??いやけど俺が突き落として…
どんなことであれ人殺しなんて…
思い出せない…それからなんだ…どうなったんだ。
記憶がない。何も思い出せない。
そうだ。何でこんな事になってるんだ。
琴香を見てそれで…いきなり目の前にいたのがじいさんで…え?琴香がじいさん?いや違げぇよ。
琴香は黒髪ロングの清楚系お姉さんみたいな感じで少しタレ目で鼻筋が綺麗でキュッとなってる口でエプロンなんか超似合ってて今度はだか……いや琴香の事じゃなくて
そうだよ!異世界堕とし??って何!?
堕とし?落とし?いやだもうどっちでも良くて、
いやどういうこと???
異世界に行くの?待ってよくあるやつ?
え、けど、刑って??
あれか死刑制度撤廃に伴いどうちゃらこうちゃらって
朝ズババンでやってたやつか。
島流し的なノリなの?そうなの?
おっと足元が光ってきたぞっ
黄色くなってきた。
黄色い線の内側に入り足元にお気をつけ…って谷の手線の車掌の真似してる場合じゃないぞ。
やばい感じがする。
カッッッッッ
辺り一面を眩い光が包んだ。
---
「さぁ。起きなさい。
ふふふ。私と会った事も忘れているようね。
たっぷり苦しんで何回も死んでね。まぁ死ねないけどね!!!それで…その度に…あぁやっと見つけた贄。これでようやく…ふふふ
始めましょう貴方の物語を」
銀髪で妖艶な雰囲気を孕んだ褐色の女が侮蔑の笑いをあげている。
これから先の暁人の運命を知っている。いや見てきたかの様に笑っている。
ただそこには悪意の塊しかなく、ただただ暗く黒くどこまでも暗影たる空間で一つの銀が煌びやかに輝いていた。
その光景を眺める者がいたならば
「美しい」
と言っただろう。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに
千石
ファンタジー
【第17回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞】
魔法学園4年生のグレイ・ズーは平凡な平民であるが、『他人の寿命が視える』という他の人にはない特殊な能力を持っていた。
ある日、学園一の美令嬢とすれ違った時、グレイは彼女の余命が本日までということを知ってしまう。
グレイは自分の特殊能力によって過去に周りから気味悪がられ、迫害されるということを経験していたためひたすら隠してきたのだが、
「・・・知ったからには黙っていられないよな」
と何とかしようと行動を開始する。
そのことが切っ掛けでグレイの生活が一変していくのであった。
他の投稿サイトでも掲載してます。
※表紙の絵はAIが生成したものであり、著作権に関する最終的な責任は負いかねます。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ
天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。
彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。
「お前はもういらない」
ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。
だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。
――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。
一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。
生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!?
彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。
そして、レインはまだ知らない。
夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、
「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」
「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」
と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。
そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。
理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。
王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー!
HOT男性49位(2025年9月3日0時47分)
→37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
お気に入り・感想、宜しくお願いします。
「お前の戦い方は地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん、その正体は大陸を震撼させた伝説の暗殺者。
夏見ナイ
ファンタジー
「地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん冒険者アラン(40)。彼はこれを機に、血塗られた過去を捨てて辺境の村で静かに暮らすことを決意する。その正体は、10年前に姿を消した伝説の暗殺者“神の影”。
もう戦いはこりごりなのだが、体に染みついた暗殺術が無意識に発動。気配だけでチンピラを黙らせ、小石で魔物を一撃で仕留める姿が「神業」だと勘違いされ、噂が噂を呼ぶ。
純粋な少女には師匠と慕われ、元騎士には神と崇められ、挙句の果てには王女や諸国の密偵まで押しかけてくる始末。本人は畑仕事に精を出したいだけなのに、彼の周りでは勝手に伝説が更新されていく!
最強の元暗殺者による、勘違いスローライフファンタジー、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる