【R18】処女だったのに、異世界転生したら俺様王子の伽の相手として調教されていました

桜葉詩織

文字の大きさ
107 / 455
4.王子の葛藤

妊娠の兆候 ※

しおりを挟む
異変は、次の伽の時にすぐ起きた。
カシーは、伽用の……透けたレースで作られた衣装の他に、首元に真っ赤な宝石がついたチョーカーをつけていた。

「何だ、これは」

俺が尋ねる。
カシーは俯いたまま答えず、代わりにメイドが答えた。

「これは、魔法具でございます」
「魔法具、だと?」

一通り、この城にある魔法具は覚えていた。
そんな俺ですら、初めて見るものだった。

「どんな効果があるんだ」
「妊娠を完全に防ぐものでございます」
「……は?」

妊娠。
つまり、子供ができるということ。
毎晩カシーと行っている行為が、本来は生殖のために営むということは知っていた。
だが、俺とカシーの場合は違う。
カシーの体内で、俺の精子が魔力に変化することにより、生殖細胞としての機能が失われる。
だから、例え俺がどんなにカシーとの子を望んだところで……この伽ではできないのだと、聞かされていたし、理解をしていた。
でも……。

「その魔法具をつけさせる理由は何だ」
「それが……」

メイドが、言いにくそうにしている。

「はっきり言え」

俺が少し強く言うと、メイドはカシーに聞かれないようにと、耳打ちをしてきた。

「先日、カサブランカ様に妊娠の兆候らしきものが出始めまして……」
「なんだと!?」

(カシーの中に俺の子がいたというのか!?)

「なぜすぐに教えなかった!」

声を荒げた俺に、メイドは怯えたようで、声を震わせながら、言い訳のように言葉を続けた。

「と言いましても……受精卵になりたてというタイミングでしたので、すぐに処置いたしました」

(それはつまり……)

「ただ……その出来事がきっかけで、カサブランカ様の膣の中で、精子を完全に魔力化することが出来ていないのではないかという話になりまして……それでこの魔法具を頂きました……」

(頂いた?)

「……誰からだ……」
「…………ノア様でございます」
「っ……!?」

(あいつ……この事知っていたのか……!?)

「なので、もう大丈夫ですので!安心して伽の儀式を行ってください」

きっと、このメイドには何の含みもない。
ただ純粋に、役目を全うしているだけ。
だけど、この純粋さが、俺の心にじわじわと広がる憎しみの炎を増幅させる。

「……そうか……」

自分でも驚くほど、低い声だった。
喉から絞り出すような声。
声が通る度に、喉がチリチリと……痛い。

「下がれ」

俺がいつも通りそう言うと、メイド達は鏡の向こう側の部屋へと行く。
伽を見守るため。
もう、この時には、カシーの足を無理矢理開くメイドは必要なかった。

「エディ様……あの……」

カシーは、先ほどの俺とメイドの会話を聞いていたのだろうか。
唇をぎゅっと噛み締めている。

「カシー……俺………その……」

考えてみれば、言葉を、2人だけでこうして交わすのはいつぶりだったろう。
だから、どう話をすれば、俺は分からなくなっていた。
カシーは、俺に近づいてくる。
俺は、カシーの頬に手を伸ばそうとした。

その時。

(何だ……頭がクラクラする……!?)

カシーから漂う、嗅いだことのない香りのせいか、俺は脳が揺さぶらるような感覚になった。
それと同時に、急に俺の性器に熱が灯る。

(な、何だ!?)

こんなこと、今までなかった。
カシーは潤んだ目で俺を見ている。

(泣いているのか……?)

きっと、冷静な頭であれば、そういう発想ができただろう。
だけど、そのカシーの顔が、俺の中の野獣を呼び起こす。

俺は、カシーがまとっている布切れを思いっきり破り捨てた。
カシーの、たわわに実った胸という果実がぷるんっと目の前に現れた。
俺はその胸を立ったまま揉み、乳首を口に含んでしまう。

「あんっ……!!」

カシーの口から、初めて甘い声が漏れた。
しおりを挟む
感想 73

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

【魔法少女の性事情・1】恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

Re:Monster(リモンスター)――怪物転生鬼――

金斬 児狐
ファンタジー
 ある日、優秀だけど肝心な所が抜けている主人公は同僚と飲みに行った。酔っぱらった同僚を仕方無く家に運び、自分は飲みたらない酒を買い求めに行ったその帰り道、街灯の下に静かに佇む妹的存在兼ストーカーな少女と出逢い、そして、満月の夜に主人公は殺される事となった。どうしようもないバッド・エンドだ。  しかしこの話はそこから始まりを告げる。殺された主人公がなんと、ゴブリンに転生してしまったのだ。普通ならパニックになる所だろうがしかし切り替えが非常に早い主人公はそれでも生きていく事を決意。そして何故か持ち越してしまった能力と知識を駆使し、弱肉強食な世界で力強く生きていくのであった。  しかし彼はまだ知らない。全てはとある存在によって監視されているという事を……。  ◆ ◆ ◆  今回は召喚から転生モノに挑戦。普通とはちょっと違った物語を目指します。主人公の能力は基本チート性能ですが、前作程では無いと思われます。  あと日記帳風? で気楽に書かせてもらうので、説明不足な所も多々あるでしょうが納得して下さい。  不定期更新、更新遅進です。  話数は少ないですが、その割には文量が多いので暇なら読んでやって下さい。    ※ダイジェ禁止に伴いなろうでは本編を削除し、外伝を掲載しています。

処理中です...