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4.王子の葛藤
妊娠の兆候 ※
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異変は、次の伽の時にすぐ起きた。
カシーは、伽用の……透けたレースで作られた衣装の他に、首元に真っ赤な宝石がついたチョーカーをつけていた。
「何だ、これは」
俺が尋ねる。
カシーは俯いたまま答えず、代わりにメイドが答えた。
「これは、魔法具でございます」
「魔法具、だと?」
一通り、この城にある魔法具は覚えていた。
そんな俺ですら、初めて見るものだった。
「どんな効果があるんだ」
「妊娠を完全に防ぐものでございます」
「……は?」
妊娠。
つまり、子供ができるということ。
毎晩カシーと行っている行為が、本来は生殖のために営むということは知っていた。
だが、俺とカシーの場合は違う。
カシーの体内で、俺の精子が魔力に変化することにより、生殖細胞としての機能が失われる。
だから、例え俺がどんなにカシーとの子を望んだところで……この伽ではできないのだと、聞かされていたし、理解をしていた。
でも……。
「その魔法具をつけさせる理由は何だ」
「それが……」
メイドが、言いにくそうにしている。
「はっきり言え」
俺が少し強く言うと、メイドはカシーに聞かれないようにと、耳打ちをしてきた。
「先日、カサブランカ様に妊娠の兆候らしきものが出始めまして……」
「なんだと!?」
(カシーの中に俺の子がいたというのか!?)
「なぜすぐに教えなかった!」
声を荒げた俺に、メイドは怯えたようで、声を震わせながら、言い訳のように言葉を続けた。
「と言いましても……受精卵になりたてというタイミングでしたので、すぐに処置いたしました」
(それはつまり……)
「ただ……その出来事がきっかけで、カサブランカ様の膣の中で、精子を完全に魔力化することが出来ていないのではないかという話になりまして……それでこの魔法具を頂きました……」
(頂いた?)
「……誰からだ……」
「…………ノア様でございます」
「っ……!?」
(あいつ……この事知っていたのか……!?)
「なので、もう大丈夫ですので!安心して伽の儀式を行ってください」
きっと、このメイドには何の含みもない。
ただ純粋に、役目を全うしているだけ。
だけど、この純粋さが、俺の心にじわじわと広がる憎しみの炎を増幅させる。
「……そうか……」
自分でも驚くほど、低い声だった。
喉から絞り出すような声。
声が通る度に、喉がチリチリと……痛い。
「下がれ」
俺がいつも通りそう言うと、メイド達は鏡の向こう側の部屋へと行く。
伽を見守るため。
もう、この時には、カシーの足を無理矢理開くメイドは必要なかった。
「エディ様……あの……」
カシーは、先ほどの俺とメイドの会話を聞いていたのだろうか。
唇をぎゅっと噛み締めている。
「カシー……俺………その……」
考えてみれば、言葉を、2人だけでこうして交わすのはいつぶりだったろう。
だから、どう話をすれば、俺は分からなくなっていた。
カシーは、俺に近づいてくる。
俺は、カシーの頬に手を伸ばそうとした。
その時。
(何だ……頭がクラクラする……!?)
カシーから漂う、嗅いだことのない香りのせいか、俺は脳が揺さぶらるような感覚になった。
それと同時に、急に俺の性器に熱が灯る。
(な、何だ!?)
こんなこと、今までなかった。
カシーは潤んだ目で俺を見ている。
(泣いているのか……?)
きっと、冷静な頭であれば、そういう発想ができただろう。
だけど、そのカシーの顔が、俺の中の野獣を呼び起こす。
俺は、カシーがまとっている布切れを思いっきり破り捨てた。
カシーの、たわわに実った胸という果実がぷるんっと目の前に現れた。
俺はその胸を立ったまま揉み、乳首を口に含んでしまう。
「あんっ……!!」
カシーの口から、初めて甘い声が漏れた。
カシーは、伽用の……透けたレースで作られた衣装の他に、首元に真っ赤な宝石がついたチョーカーをつけていた。
「何だ、これは」
俺が尋ねる。
カシーは俯いたまま答えず、代わりにメイドが答えた。
「これは、魔法具でございます」
「魔法具、だと?」
一通り、この城にある魔法具は覚えていた。
そんな俺ですら、初めて見るものだった。
「どんな効果があるんだ」
「妊娠を完全に防ぐものでございます」
「……は?」
妊娠。
つまり、子供ができるということ。
毎晩カシーと行っている行為が、本来は生殖のために営むということは知っていた。
だが、俺とカシーの場合は違う。
カシーの体内で、俺の精子が魔力に変化することにより、生殖細胞としての機能が失われる。
だから、例え俺がどんなにカシーとの子を望んだところで……この伽ではできないのだと、聞かされていたし、理解をしていた。
でも……。
「その魔法具をつけさせる理由は何だ」
「それが……」
メイドが、言いにくそうにしている。
「はっきり言え」
俺が少し強く言うと、メイドはカシーに聞かれないようにと、耳打ちをしてきた。
「先日、カサブランカ様に妊娠の兆候らしきものが出始めまして……」
「なんだと!?」
(カシーの中に俺の子がいたというのか!?)
「なぜすぐに教えなかった!」
声を荒げた俺に、メイドは怯えたようで、声を震わせながら、言い訳のように言葉を続けた。
「と言いましても……受精卵になりたてというタイミングでしたので、すぐに処置いたしました」
(それはつまり……)
「ただ……その出来事がきっかけで、カサブランカ様の膣の中で、精子を完全に魔力化することが出来ていないのではないかという話になりまして……それでこの魔法具を頂きました……」
(頂いた?)
「……誰からだ……」
「…………ノア様でございます」
「っ……!?」
(あいつ……この事知っていたのか……!?)
「なので、もう大丈夫ですので!安心して伽の儀式を行ってください」
きっと、このメイドには何の含みもない。
ただ純粋に、役目を全うしているだけ。
だけど、この純粋さが、俺の心にじわじわと広がる憎しみの炎を増幅させる。
「……そうか……」
自分でも驚くほど、低い声だった。
喉から絞り出すような声。
声が通る度に、喉がチリチリと……痛い。
「下がれ」
俺がいつも通りそう言うと、メイド達は鏡の向こう側の部屋へと行く。
伽を見守るため。
もう、この時には、カシーの足を無理矢理開くメイドは必要なかった。
「エディ様……あの……」
カシーは、先ほどの俺とメイドの会話を聞いていたのだろうか。
唇をぎゅっと噛み締めている。
「カシー……俺………その……」
考えてみれば、言葉を、2人だけでこうして交わすのはいつぶりだったろう。
だから、どう話をすれば、俺は分からなくなっていた。
カシーは、俺に近づいてくる。
俺は、カシーの頬に手を伸ばそうとした。
その時。
(何だ……頭がクラクラする……!?)
カシーから漂う、嗅いだことのない香りのせいか、俺は脳が揺さぶらるような感覚になった。
それと同時に、急に俺の性器に熱が灯る。
(な、何だ!?)
こんなこと、今までなかった。
カシーは潤んだ目で俺を見ている。
(泣いているのか……?)
きっと、冷静な頭であれば、そういう発想ができただろう。
だけど、そのカシーの顔が、俺の中の野獣を呼び起こす。
俺は、カシーがまとっている布切れを思いっきり破り捨てた。
カシーの、たわわに実った胸という果実がぷるんっと目の前に現れた。
俺はその胸を立ったまま揉み、乳首を口に含んでしまう。
「あんっ……!!」
カシーの口から、初めて甘い声が漏れた。
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