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6.想定外だった彼の想い
何かが、この体から突き破ろうとした。それから……
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「カシー……?今、何て……」
エディ王子は、信じられないと言いたげな表情をして、私に聞いた。
私は、自分の体の中心部から湧き上がってくる熱を感じながら、エディ王子の目をはっきり見た。
「愛しています。エディ王子」
はっきりと、言葉にした。
するとエディ王子は……男性に対してこの比喩表現を使うのもどうかと思うが……大輪のバラが咲いたような、華やいだ表情になった。
それからエディ王子は、どんどん体が熱くなっていく私の……カサブランカの体を、強く強く抱きしめた。
「くっ……苦しい……です……」
「えっ……!?」
私が訴えると、エディ王子はパッと、私から離れた。
「す、すまない……」
「い……いえ……」
(……何だこの可愛い生き物は……)
さっきまで、怖い顔で力任せにカサブランカの体を……私を蹂躙すらしていたエディ王子。
それが……今はどうだ。
尻尾と耳がが見える……。
飼い主にちょっと叱られてしょぼーんってなってる、子犬のようだ、と思った。
私は改めて、エディ王子のサラサラの髪の毛を撫でる。
ひんやりとしたエディ王子の頭皮と、滑らかな絹のような髪は手触りが良くて……ずっと触っていたい程気持ちが良かった。
そんな私の手を、エディ王子が掴むが……。
「カシー……!?」
急に、エディ王子の目が変わった。
「エディ……王子……?」
「何故だ」
「……え?」
「カシーの手……焼けるように熱い……!」
(……あつ……い……?)
言われてみれば。
どんどん体に熱が集まってくる。
それで気づいた。
私の全身から、汗が吹き出ている。
さっきまでの行為で生まれたものでは、なかった。
それから、首のチョーカーが急に光出した。
真っ赤な、血のような色の光が、部屋中に満ちる。
「きゃっ!!!」
「カシー!!!?大丈夫か!?カシー!!」
「あっ……あつ……」
私の体が、ますます熱を帯びてくる。
熱い。熱すぎる。
サウナに入った時のような熱さとは全然違う。
内部に火がつけられたような、そんな燃えるような熱さ。
何かが、この体から突き破ろうとしている。
得体の知れない、何かが。
「待ってろ、カシー……!」
エディ王子は急いでベッドから降りる。
「誰か!誰かいないのか!水を……!」
エディ王子は叫びながら、鏡に近づいた時、それが起きた。
パリンと、ガラスが割れた音がした。
激しい風が部屋の中に吹き込できた。
それから、背後から聞いたことがある声がした。
「まさか、あの言葉をこのタイミングで言うとは……」
「困りましたね。作戦が少し変わってしまいました」
「まあ、やることは変わらないよ」
「そうですわね」
(作戦……?)
それからすぐ、私の意識はすぱっと途絶えた。
エディ王子は、信じられないと言いたげな表情をして、私に聞いた。
私は、自分の体の中心部から湧き上がってくる熱を感じながら、エディ王子の目をはっきり見た。
「愛しています。エディ王子」
はっきりと、言葉にした。
するとエディ王子は……男性に対してこの比喩表現を使うのもどうかと思うが……大輪のバラが咲いたような、華やいだ表情になった。
それからエディ王子は、どんどん体が熱くなっていく私の……カサブランカの体を、強く強く抱きしめた。
「くっ……苦しい……です……」
「えっ……!?」
私が訴えると、エディ王子はパッと、私から離れた。
「す、すまない……」
「い……いえ……」
(……何だこの可愛い生き物は……)
さっきまで、怖い顔で力任せにカサブランカの体を……私を蹂躙すらしていたエディ王子。
それが……今はどうだ。
尻尾と耳がが見える……。
飼い主にちょっと叱られてしょぼーんってなってる、子犬のようだ、と思った。
私は改めて、エディ王子のサラサラの髪の毛を撫でる。
ひんやりとしたエディ王子の頭皮と、滑らかな絹のような髪は手触りが良くて……ずっと触っていたい程気持ちが良かった。
そんな私の手を、エディ王子が掴むが……。
「カシー……!?」
急に、エディ王子の目が変わった。
「エディ……王子……?」
「何故だ」
「……え?」
「カシーの手……焼けるように熱い……!」
(……あつ……い……?)
言われてみれば。
どんどん体に熱が集まってくる。
それで気づいた。
私の全身から、汗が吹き出ている。
さっきまでの行為で生まれたものでは、なかった。
それから、首のチョーカーが急に光出した。
真っ赤な、血のような色の光が、部屋中に満ちる。
「きゃっ!!!」
「カシー!!!?大丈夫か!?カシー!!」
「あっ……あつ……」
私の体が、ますます熱を帯びてくる。
熱い。熱すぎる。
サウナに入った時のような熱さとは全然違う。
内部に火がつけられたような、そんな燃えるような熱さ。
何かが、この体から突き破ろうとしている。
得体の知れない、何かが。
「待ってろ、カシー……!」
エディ王子は急いでベッドから降りる。
「誰か!誰かいないのか!水を……!」
エディ王子は叫びながら、鏡に近づいた時、それが起きた。
パリンと、ガラスが割れた音がした。
激しい風が部屋の中に吹き込できた。
それから、背後から聞いたことがある声がした。
「まさか、あの言葉をこのタイミングで言うとは……」
「困りましたね。作戦が少し変わってしまいました」
「まあ、やることは変わらないよ」
「そうですわね」
(作戦……?)
それからすぐ、私の意識はすぱっと途絶えた。
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