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7.呪われしアルストメリー
思い出せない
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「あら、私の名前を覚えていてくださったのですね。光栄ですわ」
そう言うと、プルメリアは起きあがろうとしていた私に、1枚の布のようなものを渡した。
「こんなものでも、着ないよりはマシですわ」
言われて気づいた。
私は、すっぽんぽん状態でベッドに寝かされ、薄い毛布のようなもので辛うじてこの体が隠されていただけに過ぎなかった、ということを。
(ここは……一体……?)
狭いながらも物を書くための木製の机と椅子と本棚があり、そこには数冊の本が収められているのが、見えた。
質素ながらも可愛らしいクリーム色のカーテン、木製のクローゼットに……自分が横たわっているであろう、少し動くだけでギシギシと軋むベッド。
壁は灰色の石でできているように見えたので…全体的に暗い印象は否めない。
それでも、日光がカーテン越しに柔らかく入ってくる。
温かく柔らかい空気に満ちている。
まさに、人間が生活するための部屋だった。
そうして、私は思い出した。
(そうだ、私伽の最中だったはず……)
つい先ほどまで、エディ王子と向かい合っていた。
裸で。
義務としての伽をこなすために。
エディ王子のアレがなかなか勃たなくて、私が辛うじて得ていた耳年増な知識を総動員して頑張った……というところまでは覚えているけれど……その後の記憶がすっぽりない。
「あれ……?」
思い出そうとしてみた。
その後のことを。
エディ王子が、すごく悲しそうな顔で私に何かを言っていた。
でもそれが一体何なのか、まるで分からない。
それは、とても大事なことのような気がするのに……。
「カサブランカ様?どうなさいました?」
「え……?」
「顔色が真っ青ですわ」
「あ……ええと……」
何だこれは。
急に、ショベルカーか何か、大きなスコップのようなもので心が、記憶が抉られたような気がする。
でも、確信がない。
それにさっきから胸騒ぎとは、少し違う……言葉にするのが難しい、得体の知れない嫌な気が私の体にある。
分からない。
これは一体、何だ?
私に……この体に……何が起きた?
そう考えた時だった。
「大丈夫ですわ、カサブランカ様」
プルメリアが、私をそっと抱きしめてくれた。
ふわりと、ハーブのような、柔らかい植物の香りがした。
カサブランカとしてつけさせられている、強い香りとは違う、自然で優しい香り。
その香りを嗅いだおかげで……ふっと……心が落ち着いた。
そう言うと、プルメリアは起きあがろうとしていた私に、1枚の布のようなものを渡した。
「こんなものでも、着ないよりはマシですわ」
言われて気づいた。
私は、すっぽんぽん状態でベッドに寝かされ、薄い毛布のようなもので辛うじてこの体が隠されていただけに過ぎなかった、ということを。
(ここは……一体……?)
狭いながらも物を書くための木製の机と椅子と本棚があり、そこには数冊の本が収められているのが、見えた。
質素ながらも可愛らしいクリーム色のカーテン、木製のクローゼットに……自分が横たわっているであろう、少し動くだけでギシギシと軋むベッド。
壁は灰色の石でできているように見えたので…全体的に暗い印象は否めない。
それでも、日光がカーテン越しに柔らかく入ってくる。
温かく柔らかい空気に満ちている。
まさに、人間が生活するための部屋だった。
そうして、私は思い出した。
(そうだ、私伽の最中だったはず……)
つい先ほどまで、エディ王子と向かい合っていた。
裸で。
義務としての伽をこなすために。
エディ王子のアレがなかなか勃たなくて、私が辛うじて得ていた耳年増な知識を総動員して頑張った……というところまでは覚えているけれど……その後の記憶がすっぽりない。
「あれ……?」
思い出そうとしてみた。
その後のことを。
エディ王子が、すごく悲しそうな顔で私に何かを言っていた。
でもそれが一体何なのか、まるで分からない。
それは、とても大事なことのような気がするのに……。
「カサブランカ様?どうなさいました?」
「え……?」
「顔色が真っ青ですわ」
「あ……ええと……」
何だこれは。
急に、ショベルカーか何か、大きなスコップのようなもので心が、記憶が抉られたような気がする。
でも、確信がない。
それにさっきから胸騒ぎとは、少し違う……言葉にするのが難しい、得体の知れない嫌な気が私の体にある。
分からない。
これは一体、何だ?
私に……この体に……何が起きた?
そう考えた時だった。
「大丈夫ですわ、カサブランカ様」
プルメリアが、私をそっと抱きしめてくれた。
ふわりと、ハーブのような、柔らかい植物の香りがした。
カサブランカとしてつけさせられている、強い香りとは違う、自然で優しい香り。
その香りを嗅いだおかげで……ふっと……心が落ち着いた。
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