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7.呪われしアルストメリー
私が知らないカサブランカの記憶
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「嘘……」
私の目の前には、先ほどまで私だったはずのカサブランカの体が、ごろんと転がっている。
死体というよりは、人形に近い印象だと思った。
死体にしては、色が綺麗すぎるから。
そして何より驚いたのは、私が発した声を耳で聞いた時、カサブランカとしての声よりずっと馴染みがある、前世の私の声が聞こえてきたこと。
「どう言うこと……?」
私は、周囲を見渡そうとしたところで、自分の意思で自分が入っている体を動かせることに気がついたので、ゆっくりと全身を確認する。
間違いない。
私は、アザレアの体にいる。
これも、魔人の力なのだろうか?と考えたその時、私の意思の中に全く知らないビジョンが入ってきた。
それと同時に、はげしい頭痛が始まった。
これは、アザレアの肉体が引き起こしている頭痛なのだろうか。
「痛い……」
頭を押さえながら、私は目をつむり、じっと急速に入り込んでくるビジョンに意識を集中させた。
そうしないといけない気がしたし、実際その判断が正解だと言うことは、すぐに分かった。
何故なら、そのビジョンの中に出てきた登場人物は、カサブランカだったから。
「アザレア」
カサブランカが、私に向かってアザレアと声をかけている。
つまり、このビジョンは、アザレアが見ていたものなのは、間違いない。
どうして私がそれを見ることができているのか、その理由は分からないけれど。
「はい、カサブランカ様」
ビジョンの中でアザレアはカサブランカに反応している。
その声を聞いて安心したのか、カサブランカはほっとした表情を浮かべていた。
「これを、頼まれてくれる?」
カサブランカは、アザレアの手に水差しのようなものを渡した。
それが重いものだった、という記憶は伝わってきた。
「これは、何ですか?」
アザレアが確認をすると、カサブランカが唇に人差し指をあててこう言った。
「これを、エディ王子に飲ませて欲しいのです」
(え……?)
私の脳内に疑問が浮かび上がるのも関係なく、ビジョンは次から次へと進んでいく。
「でも、これは……」
アザレアは、その中身に気づいたようで、焦った様子だった。
そして、その気づきは、私の意思にもビジョンとして入ってきてしまったので、なお一層私の疑問が膨らんでいく。
カサブランカは、アザレアに言葉の続きを言わせないように首を振り、アザレアの頭を撫でた。
「良いですね。これは、私たちの呪いを解くためなのです」
「私たちの……?」
「そう。そのためには、必ずこれを成し遂げなくてはなりません。いいですね」
「本当に……これで私たちは楽になるのですか?」
「ええ、必ずそうなるでしょう」
「わかりました!頑張ります!」
ビジョンは、一度途切れた。
一気に真っ暗になり、それからその水差しがエディ王子に使われたのかは読み取れない。
分かったことを1つずつ整理すると……。
まず、私が見たカサブランカには、このビジョンと繋がる記憶はない。
そして、呪いを解くと聞いたアザレアが、急に涙が出るほど嬉しい気持ちになったということは伝わってきた。
さらに……アザレアが水差しを見て驚いたのは……その水差しの中身が猛毒であり、カサブランカが、エディ王子に飲ませるように指示したことだった。
私の目の前には、先ほどまで私だったはずのカサブランカの体が、ごろんと転がっている。
死体というよりは、人形に近い印象だと思った。
死体にしては、色が綺麗すぎるから。
そして何より驚いたのは、私が発した声を耳で聞いた時、カサブランカとしての声よりずっと馴染みがある、前世の私の声が聞こえてきたこと。
「どう言うこと……?」
私は、周囲を見渡そうとしたところで、自分の意思で自分が入っている体を動かせることに気がついたので、ゆっくりと全身を確認する。
間違いない。
私は、アザレアの体にいる。
これも、魔人の力なのだろうか?と考えたその時、私の意思の中に全く知らないビジョンが入ってきた。
それと同時に、はげしい頭痛が始まった。
これは、アザレアの肉体が引き起こしている頭痛なのだろうか。
「痛い……」
頭を押さえながら、私は目をつむり、じっと急速に入り込んでくるビジョンに意識を集中させた。
そうしないといけない気がしたし、実際その判断が正解だと言うことは、すぐに分かった。
何故なら、そのビジョンの中に出てきた登場人物は、カサブランカだったから。
「アザレア」
カサブランカが、私に向かってアザレアと声をかけている。
つまり、このビジョンは、アザレアが見ていたものなのは、間違いない。
どうして私がそれを見ることができているのか、その理由は分からないけれど。
「はい、カサブランカ様」
ビジョンの中でアザレアはカサブランカに反応している。
その声を聞いて安心したのか、カサブランカはほっとした表情を浮かべていた。
「これを、頼まれてくれる?」
カサブランカは、アザレアの手に水差しのようなものを渡した。
それが重いものだった、という記憶は伝わってきた。
「これは、何ですか?」
アザレアが確認をすると、カサブランカが唇に人差し指をあててこう言った。
「これを、エディ王子に飲ませて欲しいのです」
(え……?)
私の脳内に疑問が浮かび上がるのも関係なく、ビジョンは次から次へと進んでいく。
「でも、これは……」
アザレアは、その中身に気づいたようで、焦った様子だった。
そして、その気づきは、私の意思にもビジョンとして入ってきてしまったので、なお一層私の疑問が膨らんでいく。
カサブランカは、アザレアに言葉の続きを言わせないように首を振り、アザレアの頭を撫でた。
「良いですね。これは、私たちの呪いを解くためなのです」
「私たちの……?」
「そう。そのためには、必ずこれを成し遂げなくてはなりません。いいですね」
「本当に……これで私たちは楽になるのですか?」
「ええ、必ずそうなるでしょう」
「わかりました!頑張ります!」
ビジョンは、一度途切れた。
一気に真っ暗になり、それからその水差しがエディ王子に使われたのかは読み取れない。
分かったことを1つずつ整理すると……。
まず、私が見たカサブランカには、このビジョンと繋がる記憶はない。
そして、呪いを解くと聞いたアザレアが、急に涙が出るほど嬉しい気持ちになったということは伝わってきた。
さらに……アザレアが水差しを見て驚いたのは……その水差しの中身が猛毒であり、カサブランカが、エディ王子に飲ませるように指示したことだった。
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