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7.呪われしアルストメリー
これはカサブランカの仕業
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もし自分がこういう人だったら……。
そんな想定を頭に入れて考えることは、交渉をする時には必須だと、私は思っている。
今回、私が考えたのはこうだ。
自分の知識に絶対的自信を持つ人間が、極度に狼狽える時は……果たして、いつか?
私は、残念なことに……この手のタイプとは、前世で胃が痛くなるほどやりあっていた。
そのせいで、眠れない夜が続いたり、日中トイレに駆け込む日々が続いたりなど……死ぬ直前は特に踏んだり蹴ったりな人生だった。
まあ、それを癒してくれたのが、神々達によって生み出された、トキメキをくれるTL小説だったわけなのだが。
その経験から、私は自信を持ってこの仮説を導き出した。
自分の知識では収まり切らない、圧倒的なイレギュラーが起こり続けた時にどうなるか。
自分が自分の中で構築してきた、知識の檻で固めた常識が、予想外の形で否定されたらどうなるか。
必ず、ベールが剥がれ、本性が出る。
未知なる恐怖によって。
そう。必ず。
人間は、未知なる出来事と、自分への否定にそこまで強い生き物ではない。
まして、こういうタイプは。
だから、待っていたのだ。
アルフィーという人格の嘘のベールが完全に剥ぎ取られる瞬間を。
私は、アルフィーの言葉を繰り返してみせる。
「時間と空間の魔人が、この件を始めなければうまくいかないはず。そう、あなたは言った」
「そうだ。でなければ……少なくとも人体と幽霊の魔人がこんなところにいるはずはない」
アルフィーの怯えた表情からは、次から次へと飛び出してくる言葉たち。
それらが取り繕うのを忘れたものであることは、彼が発した後に見せる仕草からも分かる。
ここまでで、私はまた1つの仮説を手に入れた。
カサブランカが、何かをするために、魔人を集めた。
つまり、カサブランカの仕業だということ。
そして、それをするためには魔人の肉体が必要。
ただ、そうすると2つの疑問がまた新たに生まれる。
その魔人の中に、エディ王子……つまり、自然を司る魔人は必要なかったのか。
もう1つは、アルフィーの肉体はなくても良いのか・
1つヒントを見つければ、また新たな謎が産まれてしまう。
とてももどかしくもあるが、少なくとも、前進していることは分かるから、ずっといい。
「つまり……一連の流れは、カサブランカから始めたこと……ということで、良いのかしら」
私は、確認するようにアルフィーに問いかける。
その問いかけ方に、さすがのアルフィーも気づいたようだ。
「お前は一体、何者なのだ?」
と問いかけてきたから。
(取り繕っても仕方がない)
すでに、この件では最も解説難易度の高いエディ王子には伝えているのだ。
それに比べたら、電子レンジでパスタを茹でるくらいには簡単な作業だ。
「私は、ある意味あなたと同じ仲間ですよ」
体が他人で、心と魂だけを持った……幽霊っぽい存在という部分がアルフィーと似ているな、と我ながら思った。
そんな想定を頭に入れて考えることは、交渉をする時には必須だと、私は思っている。
今回、私が考えたのはこうだ。
自分の知識に絶対的自信を持つ人間が、極度に狼狽える時は……果たして、いつか?
私は、残念なことに……この手のタイプとは、前世で胃が痛くなるほどやりあっていた。
そのせいで、眠れない夜が続いたり、日中トイレに駆け込む日々が続いたりなど……死ぬ直前は特に踏んだり蹴ったりな人生だった。
まあ、それを癒してくれたのが、神々達によって生み出された、トキメキをくれるTL小説だったわけなのだが。
その経験から、私は自信を持ってこの仮説を導き出した。
自分の知識では収まり切らない、圧倒的なイレギュラーが起こり続けた時にどうなるか。
自分が自分の中で構築してきた、知識の檻で固めた常識が、予想外の形で否定されたらどうなるか。
必ず、ベールが剥がれ、本性が出る。
未知なる恐怖によって。
そう。必ず。
人間は、未知なる出来事と、自分への否定にそこまで強い生き物ではない。
まして、こういうタイプは。
だから、待っていたのだ。
アルフィーという人格の嘘のベールが完全に剥ぎ取られる瞬間を。
私は、アルフィーの言葉を繰り返してみせる。
「時間と空間の魔人が、この件を始めなければうまくいかないはず。そう、あなたは言った」
「そうだ。でなければ……少なくとも人体と幽霊の魔人がこんなところにいるはずはない」
アルフィーの怯えた表情からは、次から次へと飛び出してくる言葉たち。
それらが取り繕うのを忘れたものであることは、彼が発した後に見せる仕草からも分かる。
ここまでで、私はまた1つの仮説を手に入れた。
カサブランカが、何かをするために、魔人を集めた。
つまり、カサブランカの仕業だということ。
そして、それをするためには魔人の肉体が必要。
ただ、そうすると2つの疑問がまた新たに生まれる。
その魔人の中に、エディ王子……つまり、自然を司る魔人は必要なかったのか。
もう1つは、アルフィーの肉体はなくても良いのか・
1つヒントを見つければ、また新たな謎が産まれてしまう。
とてももどかしくもあるが、少なくとも、前進していることは分かるから、ずっといい。
「つまり……一連の流れは、カサブランカから始めたこと……ということで、良いのかしら」
私は、確認するようにアルフィーに問いかける。
その問いかけ方に、さすがのアルフィーも気づいたようだ。
「お前は一体、何者なのだ?」
と問いかけてきたから。
(取り繕っても仕方がない)
すでに、この件では最も解説難易度の高いエディ王子には伝えているのだ。
それに比べたら、電子レンジでパスタを茹でるくらいには簡単な作業だ。
「私は、ある意味あなたと同じ仲間ですよ」
体が他人で、心と魂だけを持った……幽霊っぽい存在という部分がアルフィーと似ているな、と我ながら思った。
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