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8.神から与えられたのは、罰と……
驚くべき王の正体
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「ごめんなさい、エディ」
王妃は、エディ王子が何かを言う前に涙を流しながら謝罪した。
「王妃は悪くない。この国に追放された王妃に惹かれて、私から王妃になるようにお願いしたのだ」
と、まるで浮気をした旦那の言い訳のようなものを王は並べ立ててくる。
(なんだこれは。私は昭和のメロドラマでも見てるのか?)
この情報だけで推測するなら……このホープスターの王とやらが、エディ王子のお母さんに恋焦がれて、奪い去ったという、不倫的展開だったということだろうか。
(私は、これをどこまで聞いていいんだろう?)
世の中いろんな家庭事情があるのは分かっているつもりだ。
私もそうだったから。
だからこそ、踏み込むべきかそうじゃないかは慎重に見極めないといけないというのが、私の価値観。
特に横恋慕系は、できることなら一切関わるべきではないと、私は思っている。
愛が絡む案件ほど、拗れた時に変に二次災害を受ける可能性もあるのだから。
「あの……これ、私聞かなくてもいい話……ですよね……」
おずおずと片手を上げながら私は尋ねる。
すると、その場にいたほぼ全員から
「何故だ」
という返答が返ってくる。
「え?何故って言われても……皆さんのこの修羅場っぽい話に私は必要ない気が」
「いや、君こそ必要なんだよ……カサブランカ……いや…………さん」
「っ!?」
心臓が口から喉ちんこごと飛び出るかと思った。
いや、むしろ半分以上でかかっていたのではないだろうか。
どうして、ホープスターという異世界の国の王様が、私の前世名を知っているのだ!?
「ああ、私がお伝えしましたから」
ノアさんがさも当然のように言ってくるので
「…………ですよねー…………」
と返事をするしかできなかった。
ただ、エディ王子が困惑顔で私を見ているのは分かったので
「すみません、この場では一旦ランカという名前で統一させてもらっていいですか?」
とだけ先に伝えておいた。
王と王妃が頷いたのを確認してから、私は更に聞いてみた。
どこまで、ノアの話を聞いているのか。
そしてどこまでを信じているのか。
それから…………何故、ノアと繋がってるのか。
(エディ王子関連の修羅場は、もしこの流れに関係しているなら、後で心の準備をしてから聞こう……)
「実は……」
最初に切り出したのは王だった。
「私も、仲間なんですよ。ランカさん……いや……姉さん」
「…………ねえ……さん…………?」
私のことをそう呼ぶ人間は、前世でたった1人しかいない。
私が、心の片隅で絶対的な未練として残ってる唯一の存在。
「ま、まさかあなた…………」
王妃は、エディ王子が何かを言う前に涙を流しながら謝罪した。
「王妃は悪くない。この国に追放された王妃に惹かれて、私から王妃になるようにお願いしたのだ」
と、まるで浮気をした旦那の言い訳のようなものを王は並べ立ててくる。
(なんだこれは。私は昭和のメロドラマでも見てるのか?)
この情報だけで推測するなら……このホープスターの王とやらが、エディ王子のお母さんに恋焦がれて、奪い去ったという、不倫的展開だったということだろうか。
(私は、これをどこまで聞いていいんだろう?)
世の中いろんな家庭事情があるのは分かっているつもりだ。
私もそうだったから。
だからこそ、踏み込むべきかそうじゃないかは慎重に見極めないといけないというのが、私の価値観。
特に横恋慕系は、できることなら一切関わるべきではないと、私は思っている。
愛が絡む案件ほど、拗れた時に変に二次災害を受ける可能性もあるのだから。
「あの……これ、私聞かなくてもいい話……ですよね……」
おずおずと片手を上げながら私は尋ねる。
すると、その場にいたほぼ全員から
「何故だ」
という返答が返ってくる。
「え?何故って言われても……皆さんのこの修羅場っぽい話に私は必要ない気が」
「いや、君こそ必要なんだよ……カサブランカ……いや…………さん」
「っ!?」
心臓が口から喉ちんこごと飛び出るかと思った。
いや、むしろ半分以上でかかっていたのではないだろうか。
どうして、ホープスターという異世界の国の王様が、私の前世名を知っているのだ!?
「ああ、私がお伝えしましたから」
ノアさんがさも当然のように言ってくるので
「…………ですよねー…………」
と返事をするしかできなかった。
ただ、エディ王子が困惑顔で私を見ているのは分かったので
「すみません、この場では一旦ランカという名前で統一させてもらっていいですか?」
とだけ先に伝えておいた。
王と王妃が頷いたのを確認してから、私は更に聞いてみた。
どこまで、ノアの話を聞いているのか。
そしてどこまでを信じているのか。
それから…………何故、ノアと繋がってるのか。
(エディ王子関連の修羅場は、もしこの流れに関係しているなら、後で心の準備をしてから聞こう……)
「実は……」
最初に切り出したのは王だった。
「私も、仲間なんですよ。ランカさん……いや……姉さん」
「…………ねえ……さん…………?」
私のことをそう呼ぶ人間は、前世でたった1人しかいない。
私が、心の片隅で絶対的な未練として残ってる唯一の存在。
「ま、まさかあなた…………」
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