地球人が脳内で分泌する物質について 三年一組 たかひらだいき

くろ

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仮説と検証

検証三

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次は小学生三年生の男子。つまり、私と同い年の同性ということになる。
私の星の小学生三年生とは違って、非常に小さい。この星の小学生三年生は、まるで保育園児のようにも見える。

この男子は朝の五時が起床時間のようだ。上に一個上の兄がいて、下に一個下の妹がいる。兄弟は、起きるとすぐに親から漢字の書き取りテストをやらされた。タイムを測って、競争形式のようだ。難易度は、それぞれの学年で習うレベルに合わせてある。
兄が一番、残り二人は引き分け。
この結果によって、次男の朝食は無しになってしまった。言うまでもなく『ストレス反応』が見られた。

学校での次男の成績は上位ではあったが、トップではない。五番目ぐらいだ。
休憩時間は基本、机に座っている。他の生徒がバタバタと走り回って楽しそうにしているのに、この次男は微動だにしない。友達がいないのだろうか。朝飯を食べていないから元気が出ないのかも知れない。やや『ストレス反応』が見える。
理科の時間にイカの解剖実験があり、それには熱心だった。ここで『D』の反応が見られた。
帰りは集団下校で列を作って下校する決まりになっていた。
途中で車に轢かれた猫の死体が道路にへばり付いていて、集団は悲鳴を上げていたが、この次男は大人しかった。むしろ『D』の反応が多く見られた。
帰ってすぐに学校の復習をやらされ、それから塾に送り込まれる。エリートばかりの塾のようで、そこでの成績は下の方だった。
ここでも次男は大人しく、基本的には誰とも口を聞くことは無かった。
帰ってからまた塾の復習が待っており、それが終わればようやくご飯にありつける。
この家では、ご飯中にしゃべってはいけないルールがあるらしく、みんな静かに食べていた。
寝る前に歴史の暗記をさせられ、起きてからその暗記したものの復習が行われる。昨日は漢字で、今日は歴史という順番だったようだ。

この次男はいわゆる詰め込み教育を強いられている状況で、モチベーション加増物質を分泌させるような暇が殆ど無いように見えた。分泌を確認できたのは、学校に登校する際に『S』が少し、イカの解剖の時の『D』、給食の時間に『D』が少し。猫の死体を見た時の『D』、晩御飯の時に『D』が少し。
この日常の『ストレス反応』に対抗できるモチベーション加増物質は、やはり何らかの死体や臓器を見た時に分泌された『D』であり、この歪んだモチベーションを形成してしまったまま大人になるのは非常に危ないと感じた。
そして、やはり『D』に偏っている。『O』に至っては今回の調査の中ではゼロだった。
早急にこの歪んだ『D』の矯正と、『S』、『E』、『O』といった、ストレスの対抗手段が他にも存在することを学ぶ必要があるだろう。頭だけではなく、身体でも学ぶ必要がある。そして、それには相応の時間と労力が掛かることを覚悟しなければならない。
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