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鐘技怪異談W❼巻【完結】
155話「大将デマ暮らし」
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「1」
ーー居酒屋大将テルーー
店に設置してあるテレビから古い歌謡曲が流れる。
この居酒屋の店主である大将テルはこの店を1人で切り盛りしてる。
店はそこそこ繁盛してる理由は全て客のアドバイスによるモノである。
しかし客からのアドバイスをなんでも鵜呑みにしてしまうから。
そんなエピソードを踏まえて友紀の前に昔話を語ってくれた。
ーー20年前ーー
俺は大将テル。
経営する居酒屋もそれなりに軌道が乗ってきたので俺は猫カフェならぬ猫居酒屋をオープンした。
しかし、客は好んで訪れてこない。
たしかに猫は揃えた。
猛獣の猫達をな。
何がいけなかっただろうか?
俺は猛獣の猫達をイシヤマ動物園に寄付して元の普通の居酒屋に戻して一から出直した。
ーー15年前ーー
俺は大将テル。
最近店もマンネリ気味だったので今流行りのメイド喫茶ならぬ、メイド居酒屋をオープンしたが客は年配しかやってこない。
なぜだろうか?
彼女達は昔は絶世の美女だと持て囃されていたがな。
「大将、すみません。今日は腰が痛いので上がらせてください」
やはり彼女達には無理はできないので全員クビにしたが今までの感謝として温泉旅行のチケットを贈呈した。
また一から出直しになった。
ーー10年前ーー
「いらっしゃい。おう、あんたか」
「大将久しぶりね」
俺の居酒屋の常連客の魔寝木根子である。
彼女はよく店のアドバイスしてくれるのだ。
こないだは壺を購入を勧められたがネットに安い同じ壺があったから購入できたし。彼女の勧めで空き地を購入したら温泉が湧き上がったりしたからな。
でも、悔しそうにしてたのはなんでだろうか?
「大将。私、結婚するの」
「お?おめでとうさん。式はいつするんだ?」
「……来週なの。招待するから絶対来てね」
「お安い御用だぜ」
俺は彼女と約束した。
しかし、式は来れなかった。
なぜならーー。
ーー5年前ーー
外は豪雨であり、客の出入りそこまでじゃなかった。
そして俺の店にアイツが訪れる。
「……大将」
そう根子だ。
根子はずぶ濡れになったままだった。
だから、俺は黙ってタオルを出して拭いてもらった。
「私、もうつかれたの。なにもかもいやになったの。大将お願い一晩だけ泊めさせて」
「ああ。俺で良ければな」
俺は黙って根子を一晩泊めさせた。
そう、彼女はかなりつかれていたのだ。
恨まれるほどにな。
次の日の早朝、彼女はそのまま目を見開きながら亡くなっていたから。
ーー現在ーー
「という怪異談だな」
大将が怪異談を披露すると客が静まり返った。
そして店の引き戸から女性客がやってくる。
「大将いる?」
そこに本人が現れてくる。
「おう、根子か。空いてる席に座れ」
根子は当然のようにメニューを注文する。
当たり前だが根子は死んでない。
もちろん創作怪異談を引き合いに根子の名前を使われていた。
そんなアドバイスを受けたのも彼女根子であった。
そんな友紀は何事もなかったのように大将の造る料理に舌鼓を打っていた。
大将デマ暮らし 完
ーー居酒屋大将テルーー
店に設置してあるテレビから古い歌謡曲が流れる。
この居酒屋の店主である大将テルはこの店を1人で切り盛りしてる。
店はそこそこ繁盛してる理由は全て客のアドバイスによるモノである。
しかし客からのアドバイスをなんでも鵜呑みにしてしまうから。
そんなエピソードを踏まえて友紀の前に昔話を語ってくれた。
ーー20年前ーー
俺は大将テル。
経営する居酒屋もそれなりに軌道が乗ってきたので俺は猫カフェならぬ猫居酒屋をオープンした。
しかし、客は好んで訪れてこない。
たしかに猫は揃えた。
猛獣の猫達をな。
何がいけなかっただろうか?
俺は猛獣の猫達をイシヤマ動物園に寄付して元の普通の居酒屋に戻して一から出直した。
ーー15年前ーー
俺は大将テル。
最近店もマンネリ気味だったので今流行りのメイド喫茶ならぬ、メイド居酒屋をオープンしたが客は年配しかやってこない。
なぜだろうか?
彼女達は昔は絶世の美女だと持て囃されていたがな。
「大将、すみません。今日は腰が痛いので上がらせてください」
やはり彼女達には無理はできないので全員クビにしたが今までの感謝として温泉旅行のチケットを贈呈した。
また一から出直しになった。
ーー10年前ーー
「いらっしゃい。おう、あんたか」
「大将久しぶりね」
俺の居酒屋の常連客の魔寝木根子である。
彼女はよく店のアドバイスしてくれるのだ。
こないだは壺を購入を勧められたがネットに安い同じ壺があったから購入できたし。彼女の勧めで空き地を購入したら温泉が湧き上がったりしたからな。
でも、悔しそうにしてたのはなんでだろうか?
「大将。私、結婚するの」
「お?おめでとうさん。式はいつするんだ?」
「……来週なの。招待するから絶対来てね」
「お安い御用だぜ」
俺は彼女と約束した。
しかし、式は来れなかった。
なぜならーー。
ーー5年前ーー
外は豪雨であり、客の出入りそこまでじゃなかった。
そして俺の店にアイツが訪れる。
「……大将」
そう根子だ。
根子はずぶ濡れになったままだった。
だから、俺は黙ってタオルを出して拭いてもらった。
「私、もうつかれたの。なにもかもいやになったの。大将お願い一晩だけ泊めさせて」
「ああ。俺で良ければな」
俺は黙って根子を一晩泊めさせた。
そう、彼女はかなりつかれていたのだ。
恨まれるほどにな。
次の日の早朝、彼女はそのまま目を見開きながら亡くなっていたから。
ーー現在ーー
「という怪異談だな」
大将が怪異談を披露すると客が静まり返った。
そして店の引き戸から女性客がやってくる。
「大将いる?」
そこに本人が現れてくる。
「おう、根子か。空いてる席に座れ」
根子は当然のようにメニューを注文する。
当たり前だが根子は死んでない。
もちろん創作怪異談を引き合いに根子の名前を使われていた。
そんなアドバイスを受けたのも彼女根子であった。
そんな友紀は何事もなかったのように大将の造る料理に舌鼓を打っていた。
大将デマ暮らし 完
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