強気な受けVS溺愛する攻め

サム

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「ねえっ、まって、もう、いいからっ」

「んー?」

「ひゃああああ、あっ、やぁ」

「うんうん気持ちいいね」

「あっ、ん、いい加減、まてって、言ってる」

こいつぜんっぜん止まんねえ
背中を触るっていう変な宣言のあと本当にずっと触ってくる

ツーっと背骨をなぞる様に触ってきたり、何かを確かめるように丁寧にキスしだしたり。おそらくキスマークの1つでも付けられているのだろう

確かにそれは全部気持ちいいのだけれど、絶対的なあの刺激には程遠くて

おかげでちょっと息がかかるだけで腰がびくびく跳ねるほど

「もうっ、むり、だから」

「なんで?気持ちよさそうじゃん」

「っっ、気持ち、いいから!やめろって言ってる」

「気持ちいいんだ?よかった」

1回達したきり俺の事ばっかり触ってこいつ自身は何もしてない

今日は本当に俺を気持ちよくするつもりらしい

なんで。せっかく俺が恥を忍んで頑張った準備の意味がなくなるだろ

「ふぅ、お前、挿れなくていいのかよ。せっかくここに穴があるのに」

「ちょっ、ちょっと。穴なんてなんてこと言ってんの。いつもはそんなこと恥ずかしがって言わないでしょ」

あー確かに。俺今頭回ってないかも
それなら、

「ほら、俺とセックスするんだろ?さっさと挿れろよ」

「ねえどうしちゃったの本当に」

いつも余裕なこいつが狼狽えてる姿を見るのは楽しい。いつも俺ばっかり振り回されてるからな

「ほーら。早く」

ゆっくり唇の端をあげて微笑む

これが余裕の笑みってやつだ。どうだ

俺にもこのくらい出来るんだよ

もっともっと俺に振り回されろよ、もう他の何も考えられなくなるくらい、と思ったのに

「もう知らないからね。どうなっても止まってあげられない」

「ああああああああああ、ああ、あああ」

おう、と余裕そうに言うつもりだった

でも口から出たのは喘ぎ声というか、悲鳴というか。とにかく意識して出したものではなくて

「あ、あ、あぁぁぁあ」

挿れられただけで

「あれ、ハルいったの?」

ひくりと頭を震わせて白濁をこぼす中心が目に入る

「え、うそ、なんで」

「でもごめんね、もうちょっと」

「いやっ、まだ、いってるぅ、は、あ」

容赦ないピストンが俺を責め立てる

もう視界も涙のせいで歪んで見えない、と思ったら

「ごめんね、ちょっと起きてくれる?俺の上にまたがって?」

「え、あ、あ、って、まって、ふかいぃぃぃ」

ユウの膝に乗ったはいいが自分の重みも手伝って更に屹立が奥に入ってくる

もう全身ぐちゃぐちゃだ

ピストンに合わせて揺れ動く自身と一緒に涙もこぼれ落ちる

なんで、なんで、さっきまで余裕だったのに

恥ずかしい

こんなにも足を開かされて、泣かされて

俺も男なのに、なんで

なんでこんな気持ちいいんだよ

「はあっ、気持ちいい。ハルも気持ちいい?大丈夫?」

「あっあっあっ、ふうっ、ん、や、あ」

「気持ち良さそうだね。俺もういきそう。一緒にもっと気持ちよくなろう?」

「うんっ、うんっ、なるっ、あ、あ」

俺が喉を仰け反らせて達するのと同時にユウがゴム越しに出したのが分かった

ただの音を発するという役割しか持ちあわせていなかった口もようやく意味を持ち始める

「俺、止まってって、言ったのに」

「それはほんとごめん。でも最初にもう止まらないって言ったよ?」

「そうだけどでもあれは!」

「挿れてってあれは嘘だったの?」

「嘘じゃねえ!けど、」

「あんなに求めてくれて嬉しかったのに」

「だから!嘘じゃないって!」

だからそんな悲しそうな表情すんなよ

「ごめんごめん。分かってるよ大丈夫。ありがとうね。ちゃんと俺で気持ちよくなってくれて嬉しい」

「・・・こんなになるはずじゃなかった」

「こんなって?」

「別に・・・言わなくても分かるだろ」

「ハルの言葉で教えて?」

「こんなにっ、こんなに感じるはずじゃなかったし、人様に聞かせられない声出すつもりじゃなかったっ!」

「俺に抱かれて、涙が出ちゃうぐらい感じるつもりじゃなかった?」

「だって俺初めてなのに」

「ハルの初めてになれて俺は嬉しいよ?」

それが聞けるだけでこの些細な悩みも飛んでいってしまうくらいにはユウの事が好きなのかもしれない。

絶対本人には言わないけど

「俺も・・・ユウの初めては俺が良かった」

「ハル!!!なんで今日はそんなに素直なの。可愛い」

ああやっぱり今日の俺は頭がおかしい

こんな恥ずかしい台詞が出てくるなんて

「やっぱり今のなし」

「なしはだめだよ。もう言っちゃったんだから。それにこれからはハルだけだよ」

「俺だけ・・・」

「そう、ハルだけ。俺が抱くのはハルだけ。ハルもだよ?そのどろどろの気持ちよさそうな顔を見せていいのは俺だけだし、可愛く喘ぐ口も、細い喉も、反っちゃう背中も、くびれた白い腰も全部俺だけのものだ」

俺、そんな姿を見られて、

「お前、そんな姿の俺嫌じゃないの」

「嫌なわけないでしょ。俺だけに許してくれてるんだって思ったらもう可愛くてしょうがない。ほんとたまんない。なぁに?ハルは俺だけじゃないの?」

「ちがっ、ユウだけだ。こんな、こんな恥ずかしいの他のやつに見られるなんて耐えられない」

「じゃあこれからもユウは俺のものだ」

そうやって嬉しそうに笑いながら、腰を撫でてくるからどうしてもさっきの行為を思い出してしまう

「なんでそんな物欲しそうな顔してるの?」

「お前が触ってくるからだろ!」

「うんうんそうだね俺のせいだね」

「責任取れよ、ちゃんと」

これでユウの余裕が崩せると思ったのに・・・

ユウはゆっくり綺麗に微笑むと濡れて色付いた唇をよせてくるのだった

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