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148話、全ての原因は、私にある
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「んじゃ、アカ姉、メリーおねえちゃん! 土曜日、楽しみにしてるよ! じゃあね~!」
「春茜お姉さん、メリーお姉さん、今日は楽しかったです! ばいばーいっ!」
「ばいばい、二人共。気を付けて帰るのよ」
「お母さん達に、ちゃんと許可を貰うんだよー。またねー」
私達に向かい、元気をよく手を振り続けている二人が、背丈よりも長い影法師と共に、商店街の人混みに紛れていく。
流石は夏といった所ね。夕方の五時を回ったっていうのに、まだ暗くなっていない。今は止めた本業を始めるなら、ちょうどいい時間帯だわ。
「んじゃ、私達も帰りますか」
「そうね」
特に買いたい物は無いので、寄り道をせずに帰路へ就く。このまま帰ると、十分前後でハルの部屋に着いてしまうから、ここで話を切り出そう。
「ねえ、ハル。ちょっといいかしら?」
「んっ、なに?」
あまり落ち込んでいる様子は無く、普段と変わりない声で反応したハルが、私に顔を合わせてきた。
「コータロー君とカオリちゃんを、食事に誘った時なんだけど。あんた、あまり乗り気じゃなかったわよね。何かあったの?」
「あっ、ああ~……。あっははは、バレちゃってたか」
話を切り出す矢否や。ばつが悪そうに返してきたハルが、苦笑いをしながら頬を指で掻く。
「あんな露骨に嫌がっていたし、表情にも出てたし、丸分かりだったわ」
「マジで? そんな出てたの? あっちゃ~。これじゃあ、子供達のお姉さん失格だなぁ」
自分でも気付いていなかっただなんて。ほぼ無意識で断ろうとしていたのか、反射的に嫌がっていたのかもしれないわね。
だからこそ、余計に気になってくる。あんたが、それほどまでに、食事を振る舞うのを嫌がっていた理由をね。
「で? なんで、そんな嫌がってたの?」
「んん~……。えと、なんていうかなぁ? 言わないとダメ?」
あのハルが、ここでも出し渋るとは。けど、引き下がらないわよ。内容によっては、私も謝らないといけないのだから。
「そうね、言って欲しいわ。もしかしたら、私のせいでもありそうだからね」
「メリーさんの、せい?」
「ええ。二人が、あんたの作った唐揚げを食べてみたいって言った時、もうそこで既に、嫌そうな反応をしてたでしょ? それを見たのにも関わらず、私も勧めちゃったじゃない? だから少しだけ、罪悪感が湧いちゃってるのよ」
「げっ……、もう全部バレッバレじゃん。マジか。そんなに嫌がってたんだな、私」
ようやく観念してくれたのか。いつもの緩い感じは消え失せ、真面目な切れ目で思い詰めたような表情になったハルが、茜空を軽く仰いだ。
「その、さ。ある事を強く想像しちゃって、すごく怖くなっちゃったんだよね」
「怖くなった? あんた、一体何を想像したの?」
「……あの二人が、私の作った唐揚げを食べて、嫌そうな顔をしながら『不味い』って言った場面さ」
「んっ……」
ハルの口から出てきた理由が、私の鼓動を酷く強めた。もしかしてこれ、総じて私に原因があるのでは?
きっとハルは、二人が居る食事風景と、夕食のみに行われるゲームを重ねてしまったのよ。でなければ、『まずい』をそこまで強調しないでしょう。
……どうしよう。気まずくて、次の言葉が出てこない。もちろん、ゲームのせい? と真偽を確かめる勇気も無い。
もし確かめてみて、『そうだ』と返ってきた時。今の関係は、音を立てて完全に崩れ去る。修復が不可能なほど粉々になってしまう。
平和ボケしていたあまり、私達の関係を完全に忘れていた。私達は、コータロー君やカオリちゃん達のように、親しく接せられている訳じゃない。ハルの好意に甘え、私はただ同居しているだけ。
改めて思い知らされてしまったけど……、なんとも悲しい関係だわ。私達の関係を、なんとか保てている繋ぎのゲームが、ハルを苦しめている。
けどまだ、そのゲームは取っ払えない。ハルを想って取っ払ってしまっても、今の関係は終わりを迎える。嫌だ、それだけは絶対に嫌だ。
ここはゲームを匂わせず、違う角度からハルを励ますしかない。一粒の嘘も交えず、純粋な本音で。
「……ハル。あんたは、自分の腕にもっと自信を持ちなさい」
「え?」
「この私に、なんべん『おいしい』って言わせてると思ってるの? あんたの作った料理がマズイだなんて、絶対にあり得ないわ」
商店街を抜けて、人気の薄い道を右折する。私達の前後に、人影は無し。
「そう言ってくれるのは、嬉しいんだけどさ。私の料理が、万人に合うなんてあり得ないじゃん?」
なんだか、ずいぶんネガティブな思考になっているじゃない。真面目な口調で否定的な反論をしてくるだなんて、ハルらしくないわ。
「そうね。けど、万人の大多数は『おいしい』と感じるはずよ。それが八千人以上かもしれないし、九千九百九十九人かもしれないわ」
「ははっ、そんな多いんだ。じゃあなに? 不味いって言った残りの一人は、ひねくれ者なのかな?」
「それか、そいつが人間じゃなくて、天邪鬼かもしれないわね」
「じゃあ実質、万人に合っちゃってるじゃん。すごいなぁ、私の料理」
口調は軽くなってきたけど、声に覇気はあらず。さっきの相槌紛いな笑いも、感情がこもってなかった。
「そう、あんたの料理に対する腕は凄いのよ。なんて言ったって、この私を虜にさせたんだからね。それに、あんたが作ったお味噌汁と唐揚げは、私の大好きな料理ランキング、不動の一位と二位なのよ? この私、都市伝説のメリーさんが、誰にでも誇って豪語出来るわ。ハルが作ったお味噌汁と唐揚げは、世界一おいしいとね」
「世界一美味しい、かぁ。それ、本当に言ってる?」
「私は最強の都市伝説だけど、針千本を飲む勇気は、流石に持ち合わせてないわ」
「なるほど? 嘘は言えないってかぁ」
口調が更に柔らかくなってきたハルが、両手を後頭部へ回す。
「……あ~あ。私ってば、なっさけねえなぁ。メリーさんに悟られるほど嫌がってて、気を使わせて、挙句の果てに励まされちゃってさあ。周りがぜんっぜん見えてなかった。ここまでなるなんて、珍しいな」
どこか投げやりで、先の自分を振り返るように文句を垂れた後。ハルは大きなあくびをつき、体をグイッと伸ばした。
「うっし、ナーバスタイム終了! ごめんね、メリーさん。なんだかめっちゃ弱気になってたよ。励ましてくれて、ありがとう」
いつもの緩い感じに戻ったハルが、私に顔を合わせ、ニッとほくそ笑む。一応、普段のハルに戻ってくれたようだけれども……。
今は、感謝の言葉を送られても受け取れない。だって、あんたがそこまで弱気になったのは、全て私に原因があるのだから。
「別に、感謝なんていらないわ。あんたが弱気になったら、いつでも励ましてあげるわよ」
「おおっ、嬉しい事言ってくれるじゃないの。んじゃ、お言葉に甘えちゃおうかな。何かあったら、またよろしく頼むね」
「ええ、任せておきなさい。全部聞いてあげるわ」
けど、ゲームについては、まだ聞かれたくない。しかし、私にはやらなければならない事が出来た。それは、ハルの心のケア。
あと今以上に、もっと強くアプローチしていかないと。私とハルが、コータロー君達よりも親しい仲になれるように。
「春茜お姉さん、メリーお姉さん、今日は楽しかったです! ばいばーいっ!」
「ばいばい、二人共。気を付けて帰るのよ」
「お母さん達に、ちゃんと許可を貰うんだよー。またねー」
私達に向かい、元気をよく手を振り続けている二人が、背丈よりも長い影法師と共に、商店街の人混みに紛れていく。
流石は夏といった所ね。夕方の五時を回ったっていうのに、まだ暗くなっていない。今は止めた本業を始めるなら、ちょうどいい時間帯だわ。
「んじゃ、私達も帰りますか」
「そうね」
特に買いたい物は無いので、寄り道をせずに帰路へ就く。このまま帰ると、十分前後でハルの部屋に着いてしまうから、ここで話を切り出そう。
「ねえ、ハル。ちょっといいかしら?」
「んっ、なに?」
あまり落ち込んでいる様子は無く、普段と変わりない声で反応したハルが、私に顔を合わせてきた。
「コータロー君とカオリちゃんを、食事に誘った時なんだけど。あんた、あまり乗り気じゃなかったわよね。何かあったの?」
「あっ、ああ~……。あっははは、バレちゃってたか」
話を切り出す矢否や。ばつが悪そうに返してきたハルが、苦笑いをしながら頬を指で掻く。
「あんな露骨に嫌がっていたし、表情にも出てたし、丸分かりだったわ」
「マジで? そんな出てたの? あっちゃ~。これじゃあ、子供達のお姉さん失格だなぁ」
自分でも気付いていなかっただなんて。ほぼ無意識で断ろうとしていたのか、反射的に嫌がっていたのかもしれないわね。
だからこそ、余計に気になってくる。あんたが、それほどまでに、食事を振る舞うのを嫌がっていた理由をね。
「で? なんで、そんな嫌がってたの?」
「んん~……。えと、なんていうかなぁ? 言わないとダメ?」
あのハルが、ここでも出し渋るとは。けど、引き下がらないわよ。内容によっては、私も謝らないといけないのだから。
「そうね、言って欲しいわ。もしかしたら、私のせいでもありそうだからね」
「メリーさんの、せい?」
「ええ。二人が、あんたの作った唐揚げを食べてみたいって言った時、もうそこで既に、嫌そうな反応をしてたでしょ? それを見たのにも関わらず、私も勧めちゃったじゃない? だから少しだけ、罪悪感が湧いちゃってるのよ」
「げっ……、もう全部バレッバレじゃん。マジか。そんなに嫌がってたんだな、私」
ようやく観念してくれたのか。いつもの緩い感じは消え失せ、真面目な切れ目で思い詰めたような表情になったハルが、茜空を軽く仰いだ。
「その、さ。ある事を強く想像しちゃって、すごく怖くなっちゃったんだよね」
「怖くなった? あんた、一体何を想像したの?」
「……あの二人が、私の作った唐揚げを食べて、嫌そうな顔をしながら『不味い』って言った場面さ」
「んっ……」
ハルの口から出てきた理由が、私の鼓動を酷く強めた。もしかしてこれ、総じて私に原因があるのでは?
きっとハルは、二人が居る食事風景と、夕食のみに行われるゲームを重ねてしまったのよ。でなければ、『まずい』をそこまで強調しないでしょう。
……どうしよう。気まずくて、次の言葉が出てこない。もちろん、ゲームのせい? と真偽を確かめる勇気も無い。
もし確かめてみて、『そうだ』と返ってきた時。今の関係は、音を立てて完全に崩れ去る。修復が不可能なほど粉々になってしまう。
平和ボケしていたあまり、私達の関係を完全に忘れていた。私達は、コータロー君やカオリちゃん達のように、親しく接せられている訳じゃない。ハルの好意に甘え、私はただ同居しているだけ。
改めて思い知らされてしまったけど……、なんとも悲しい関係だわ。私達の関係を、なんとか保てている繋ぎのゲームが、ハルを苦しめている。
けどまだ、そのゲームは取っ払えない。ハルを想って取っ払ってしまっても、今の関係は終わりを迎える。嫌だ、それだけは絶対に嫌だ。
ここはゲームを匂わせず、違う角度からハルを励ますしかない。一粒の嘘も交えず、純粋な本音で。
「……ハル。あんたは、自分の腕にもっと自信を持ちなさい」
「え?」
「この私に、なんべん『おいしい』って言わせてると思ってるの? あんたの作った料理がマズイだなんて、絶対にあり得ないわ」
商店街を抜けて、人気の薄い道を右折する。私達の前後に、人影は無し。
「そう言ってくれるのは、嬉しいんだけどさ。私の料理が、万人に合うなんてあり得ないじゃん?」
なんだか、ずいぶんネガティブな思考になっているじゃない。真面目な口調で否定的な反論をしてくるだなんて、ハルらしくないわ。
「そうね。けど、万人の大多数は『おいしい』と感じるはずよ。それが八千人以上かもしれないし、九千九百九十九人かもしれないわ」
「ははっ、そんな多いんだ。じゃあなに? 不味いって言った残りの一人は、ひねくれ者なのかな?」
「それか、そいつが人間じゃなくて、天邪鬼かもしれないわね」
「じゃあ実質、万人に合っちゃってるじゃん。すごいなぁ、私の料理」
口調は軽くなってきたけど、声に覇気はあらず。さっきの相槌紛いな笑いも、感情がこもってなかった。
「そう、あんたの料理に対する腕は凄いのよ。なんて言ったって、この私を虜にさせたんだからね。それに、あんたが作ったお味噌汁と唐揚げは、私の大好きな料理ランキング、不動の一位と二位なのよ? この私、都市伝説のメリーさんが、誰にでも誇って豪語出来るわ。ハルが作ったお味噌汁と唐揚げは、世界一おいしいとね」
「世界一美味しい、かぁ。それ、本当に言ってる?」
「私は最強の都市伝説だけど、針千本を飲む勇気は、流石に持ち合わせてないわ」
「なるほど? 嘘は言えないってかぁ」
口調が更に柔らかくなってきたハルが、両手を後頭部へ回す。
「……あ~あ。私ってば、なっさけねえなぁ。メリーさんに悟られるほど嫌がってて、気を使わせて、挙句の果てに励まされちゃってさあ。周りがぜんっぜん見えてなかった。ここまでなるなんて、珍しいな」
どこか投げやりで、先の自分を振り返るように文句を垂れた後。ハルは大きなあくびをつき、体をグイッと伸ばした。
「うっし、ナーバスタイム終了! ごめんね、メリーさん。なんだかめっちゃ弱気になってたよ。励ましてくれて、ありがとう」
いつもの緩い感じに戻ったハルが、私に顔を合わせ、ニッとほくそ笑む。一応、普段のハルに戻ってくれたようだけれども……。
今は、感謝の言葉を送られても受け取れない。だって、あんたがそこまで弱気になったのは、全て私に原因があるのだから。
「別に、感謝なんていらないわ。あんたが弱気になったら、いつでも励ましてあげるわよ」
「おおっ、嬉しい事言ってくれるじゃないの。んじゃ、お言葉に甘えちゃおうかな。何かあったら、またよろしく頼むね」
「ええ、任せておきなさい。全部聞いてあげるわ」
けど、ゲームについては、まだ聞かれたくない。しかし、私にはやらなければならない事が出来た。それは、ハルの心のケア。
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