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193話、星が見える空へ
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『烈風の加護よ。抜きん出た邪を掻き退け、滅する力を我に与えたまえ! 『風護陣』!』
『数多の命を護る月の精霊に告ぐ。我に白光明を与え、命の光を護る代行者にしたまえ。『白月』!』
ウィザレナ達と距離を取りながら詠唱を唱え終え、約二十mと三m先に淡い若草色をした魔法陣が出現し。レナの補助魔法により、二重の魔法壁が光の鼓動を打ち、薄っすらと白みを帯びていく。
未だ不動を保つノームを認めてから、二人に横目を流す。その二人の周りにも、『風護陣』が二重に張られていた。これで、『怨祓いの白乱鏡』を合わせて三重。
外側は、瓦礫と化した『竜の禊』に含まれた『覇者の右腕』やらが発動する前に、対処する為。内側は、万が一中へ入り込んできた岩や土を排除する為に。
ノームは、まだ動き出そうとはしない。こちらの様子を窺っているようだ。そことなく不機嫌そうにしているが、まあいい。最後の仕上げた。
『天地万物に等しき光明を差す、闇と対を成す光に告ぐ。“天翔ける極光鳥”、天罰を下す刻が来た。差す光明を今一度閉じよ!』
風の杖を手放し、両手を大きく広げなら詠唱を始めれば。既に、上下左右で展開していた魔法陣の他に、空いた四方の斜めに新たな四つの魔法陣が現れた。
これで、計八つ。ここまで魔法陣を展開するのは、これが初めてになる。……流石に、魔力の消費量が激しいな。ほんの僅か、息が乱れてきた。
『これから召喚される“天翔ける極光鳥”に告ぐ! 光芒と化しながら長い列を作り、『大地の覇者』の四肢を切断してくれ! 契約者の名は“アカシック”!』
『数多の悪を穿つ月の精霊に告ぐ。我に赤月明を与え、命の光を燃やす代行者にしたまえ。『緋月』!』
「なっ……!?」
「む?」
また私の詠唱を追って、レナの詠唱が聞こえてきたが。回復の『蒼月』、魔法壁の補助を務める『白月』とは違う詠唱だった。
そして、レナが詠唱を唱え終えた瞬間。私の全身に、赤い光が纏い出してきた。なんだか不思議な温かさがある。それに、体の底から力が湧いて来るような感じが……?
「レナ! お前、それを使うのはあれだけ嫌がっていたじゃないか! 顔が真っ青になってるぞ! 大丈夫なのか!?」
「う、うん……。色々思い出しちゃったけど、平気だよ……」
焦りながら声を荒げるウィザレナに。顔面蒼白にさせながら、震えた体でウィザレナに強くしがみつくレナ。酷い怯えようだけど、何かあったのか?
「ウィザレナ、今の魔法は?」
「……物理と魔法の攻撃力を底上げする魔法だ。今まで使わなかった理由は、察してくれ」
これ以上の詮索はやめてくれと切ったウィザレナが、小刻みに揺れているレナの頭を撫でる。ウィザレナの説明が本当ならば、本来戦闘の前に使うべき魔法なのだが。
『緋月』には、二人にとって曰く付きの過去があるようだ。ならば、二人の為にも聞くのはやめておこう。
「ありがとう、レナ。勇気を振り絞って使ってくれて、恩に着るよ」
「アカシック様は、使い方を間違えないで下さいね……?」
「……分かった、気を付ける」
今の警告には、背筋が凍りつくような重い何かを感じた。きっと、何百年経とうとも心から剥がれ落ちる事のない、凄惨たる何かがあったに違いない。
だからこそ、この『緋月』とやらは使い方を間違えないように、大事に扱わなければ。
『どうやら、そっちはそっちで終わったようだなあ』
しんみりとしてきた雰囲気をぶち壊すノームの声に、より一層『天翔ける極光鳥』が入り乱れる空を仰いだ。
「わざわざ待っててくれたんだな、感謝するよ」
『奥の手とあれ以外、何をされようとも俺様には関係ねえからなあ。まあ、『緋月』ってやつも十分ヤバそうだがよお』
そう言っている間にも、『大地の覇者』の全身にボコボコ大穴が空いていく。右肩もそう。既に半壊状態で、そろそろもげてしまいそうだ。
『天翔ける極光鳥』の様子もおかしい。単独で突っ込んでいっているというのに、『竜の禊』を一撃で粉砕している。これが『緋月』の効果なのか? 魔法の威力が恐ろしい程に上がっていそうだ。
『ったく。得意な戦い方には持ってけねえし、顔に出るほど絶望してくれねえし。ほんと、戦いにくい奴らだぜえ。だが、そろそろ終いだ。真の絶望ってやつを見せてやるよお』
私達をなんとか絶望させようと、諦めていないノームが両手を動かし。開いた右手を私達の真上へ、堅固に握った左拳を、真下に置いた。
この、誘い込むかの様に異なった両手の平。上は間違いなく罠だ。しかし、下へ逃げる事なんて出来やしない。あの拳を貫いて、その後どうする?
右手で圧殺されるか、逃げた先にある荒野から魔法を放たれて、ノームの宣言通り終わりを迎えるだろう。あいつめ。私達自らで、真の絶望への道を選び、飛び込めと言うんだな?
『優しい俺様が、嬢ちゃん達に二つの選択肢を与えてやる。空に逃げるか、地面に逃げるか、好きな方を選びなあ』
元々一つしか無い選択肢を与えくれたノームの言葉を合図に。分厚い暗雲の如く空を覆い隠していた右手の平が、猛烈な勢いで迫って来た。まるで、空そのものが落ちてきた様な光景だ。
「アカシック様! 下にある拳も、とんでもない速度で上がってきてます!」
「アカシック殿! どっちに行くんだ!?」
「もちろん上だ! 魔法で追撃しながら突破して、更に高い空を目指すぞ!」
「了解だ!」
伝えていない意図まで汲み取ってくれたと判断し、火の杖に持ち替えながら限界速度で急発進を開始。目先にあるは、一大陸並みに巨大な手の平。
でも、なぜだろうか。やたらと薄くて脆そうに見えるのは。『緋月』の効果を受けてから、力と共に変な自信まで湧いてきている。過信ではなく、絶対の自信が。
『魂をも焼き尽くすは、不老不死の爆ぜる颶風! 生死の概念から解き放たれし者に、思考をも許されない永遠の眠りを! 『不死鳥の息吹』!』「……うわっ!?」
『穿つは死兆星! 最速の輝きを放ち、爆ぜる死を殲滅せん! 四連『一番星』!』「……グゥッ!?」
二つの呪文名が重なった直後。視界の全てが、けたたましい紅蓮と荒々しい純白で埋め尽くされた。なんだ、この身が焼けてしまいそうな熱量は? 今までの比じゃないぞ!?
噴射してきている勢いもだ。火の杖を通して全身が押し戻され、箒の速度まで著しく低下している。手から離そうもならば、魔法自体が暴走して私達にまで襲い掛かって来そうだ。
威力や射程距離と範囲も、恐ろしくて身の毛がよだつ。手応えなんて、まるで感じなかった。もしかして、一瞬で右手の平が蒸発したのか?
『古怪狼の凍咆』を垂れ流し状態にしていた、下の景色は……。ああ、こっちも酷い。まだまだ下にある左拳の原型は、既に留めていなく。
あるのは、やたらと隆起が激しい大雪原のみ。『不死鳥の息吹』と『古怪狼の凍咆』だけで、大国を滅亡に追い込めそうだ。
「ウィザレナ、そっちはどうだ!?」
「手の大半が、一瞬で無くなった! もう遮る物は何も無いぞ!」
「分かった。なら行くぞ!」
このまま行ってしまえば、邪魔する物は何も無い。正面。圧倒的劣勢に追い込まれた『竜の禊』の残党が、強化された『天翔ける極光鳥』の群に蹂躙されていく光景。
右側、とうとうもげたらしく。『不死鳥の息吹』により、溶岩の様に溶けた断面を見せる右腕が、私の視界を横切り、地面に向かい落ちていっている。
真下、左腕も切り落とされたのか。私達の追跡を止めた大雪原も、徐々に遠ざかっていく。これで、『大地の覇者』は両腕を失った。
顔を正面へ戻せば、無表情を保つ『大地の覇者』の顔があった。これだけ離れていれば、そう易々と追撃も出来まい。安全に空へ逃げられる。
『どこへ行っても無駄だぜえ? 嬢ちゃん達。逃げ場なんて、元より無えんだからよお』
高度を上げていく度に、勝ち誇った様に捨て台詞を吐いたノームの姿が、砂埃に紛れて輪郭が薄くなっていく。周辺に、生き物及び無機物の姿は無し。
下からの新手も見受けられない。軽く索敵を終えたので、暴君と化した『不死鳥の息吹』を解除する。しかし、まだ高度が足りない。最低でも、昼夜空が拝める高高度まで行かねば。
「アカシック殿、どこまで昇るんだ?」
「星が見える空までだ」
「なるほど、最高の場所だな。その星々を、一気に落とせというんだな?」
激しい金切り音がぶつかる高度の中。横目を流すと、憎たらしく凛と笑うウィザレナが見えた。
「その顔、私は好きだぞ」
「ならば、もっと見て惚れろ。戦闘時以外見せない、貴様好みの私をな」
「二人共。それ以上やったら、今度は私が怒るからね?」
冗談が通じないレナの叱りに、ウィザレナが満足そうに微笑む。そのつもりで言った訳じゃないんだが、吹っ掛ける形になってしまったらしい。
気持ちの緩急が狂ってしまうけど、なんとも引き締まるやり取りだ。さあ、ここには何も無い。私達の独擅場だ。
待っていろよ、ノーム。昼夜空に着いたら、大流星群の嵐と光の豪雨を降らせてやる。
『数多の命を護る月の精霊に告ぐ。我に白光明を与え、命の光を護る代行者にしたまえ。『白月』!』
ウィザレナ達と距離を取りながら詠唱を唱え終え、約二十mと三m先に淡い若草色をした魔法陣が出現し。レナの補助魔法により、二重の魔法壁が光の鼓動を打ち、薄っすらと白みを帯びていく。
未だ不動を保つノームを認めてから、二人に横目を流す。その二人の周りにも、『風護陣』が二重に張られていた。これで、『怨祓いの白乱鏡』を合わせて三重。
外側は、瓦礫と化した『竜の禊』に含まれた『覇者の右腕』やらが発動する前に、対処する為。内側は、万が一中へ入り込んできた岩や土を排除する為に。
ノームは、まだ動き出そうとはしない。こちらの様子を窺っているようだ。そことなく不機嫌そうにしているが、まあいい。最後の仕上げた。
『天地万物に等しき光明を差す、闇と対を成す光に告ぐ。“天翔ける極光鳥”、天罰を下す刻が来た。差す光明を今一度閉じよ!』
風の杖を手放し、両手を大きく広げなら詠唱を始めれば。既に、上下左右で展開していた魔法陣の他に、空いた四方の斜めに新たな四つの魔法陣が現れた。
これで、計八つ。ここまで魔法陣を展開するのは、これが初めてになる。……流石に、魔力の消費量が激しいな。ほんの僅か、息が乱れてきた。
『これから召喚される“天翔ける極光鳥”に告ぐ! 光芒と化しながら長い列を作り、『大地の覇者』の四肢を切断してくれ! 契約者の名は“アカシック”!』
『数多の悪を穿つ月の精霊に告ぐ。我に赤月明を与え、命の光を燃やす代行者にしたまえ。『緋月』!』
「なっ……!?」
「む?」
また私の詠唱を追って、レナの詠唱が聞こえてきたが。回復の『蒼月』、魔法壁の補助を務める『白月』とは違う詠唱だった。
そして、レナが詠唱を唱え終えた瞬間。私の全身に、赤い光が纏い出してきた。なんだか不思議な温かさがある。それに、体の底から力が湧いて来るような感じが……?
「レナ! お前、それを使うのはあれだけ嫌がっていたじゃないか! 顔が真っ青になってるぞ! 大丈夫なのか!?」
「う、うん……。色々思い出しちゃったけど、平気だよ……」
焦りながら声を荒げるウィザレナに。顔面蒼白にさせながら、震えた体でウィザレナに強くしがみつくレナ。酷い怯えようだけど、何かあったのか?
「ウィザレナ、今の魔法は?」
「……物理と魔法の攻撃力を底上げする魔法だ。今まで使わなかった理由は、察してくれ」
これ以上の詮索はやめてくれと切ったウィザレナが、小刻みに揺れているレナの頭を撫でる。ウィザレナの説明が本当ならば、本来戦闘の前に使うべき魔法なのだが。
『緋月』には、二人にとって曰く付きの過去があるようだ。ならば、二人の為にも聞くのはやめておこう。
「ありがとう、レナ。勇気を振り絞って使ってくれて、恩に着るよ」
「アカシック様は、使い方を間違えないで下さいね……?」
「……分かった、気を付ける」
今の警告には、背筋が凍りつくような重い何かを感じた。きっと、何百年経とうとも心から剥がれ落ちる事のない、凄惨たる何かがあったに違いない。
だからこそ、この『緋月』とやらは使い方を間違えないように、大事に扱わなければ。
『どうやら、そっちはそっちで終わったようだなあ』
しんみりとしてきた雰囲気をぶち壊すノームの声に、より一層『天翔ける極光鳥』が入り乱れる空を仰いだ。
「わざわざ待っててくれたんだな、感謝するよ」
『奥の手とあれ以外、何をされようとも俺様には関係ねえからなあ。まあ、『緋月』ってやつも十分ヤバそうだがよお』
そう言っている間にも、『大地の覇者』の全身にボコボコ大穴が空いていく。右肩もそう。既に半壊状態で、そろそろもげてしまいそうだ。
『天翔ける極光鳥』の様子もおかしい。単独で突っ込んでいっているというのに、『竜の禊』を一撃で粉砕している。これが『緋月』の効果なのか? 魔法の威力が恐ろしい程に上がっていそうだ。
『ったく。得意な戦い方には持ってけねえし、顔に出るほど絶望してくれねえし。ほんと、戦いにくい奴らだぜえ。だが、そろそろ終いだ。真の絶望ってやつを見せてやるよお』
私達をなんとか絶望させようと、諦めていないノームが両手を動かし。開いた右手を私達の真上へ、堅固に握った左拳を、真下に置いた。
この、誘い込むかの様に異なった両手の平。上は間違いなく罠だ。しかし、下へ逃げる事なんて出来やしない。あの拳を貫いて、その後どうする?
右手で圧殺されるか、逃げた先にある荒野から魔法を放たれて、ノームの宣言通り終わりを迎えるだろう。あいつめ。私達自らで、真の絶望への道を選び、飛び込めと言うんだな?
『優しい俺様が、嬢ちゃん達に二つの選択肢を与えてやる。空に逃げるか、地面に逃げるか、好きな方を選びなあ』
元々一つしか無い選択肢を与えくれたノームの言葉を合図に。分厚い暗雲の如く空を覆い隠していた右手の平が、猛烈な勢いで迫って来た。まるで、空そのものが落ちてきた様な光景だ。
「アカシック様! 下にある拳も、とんでもない速度で上がってきてます!」
「アカシック殿! どっちに行くんだ!?」
「もちろん上だ! 魔法で追撃しながら突破して、更に高い空を目指すぞ!」
「了解だ!」
伝えていない意図まで汲み取ってくれたと判断し、火の杖に持ち替えながら限界速度で急発進を開始。目先にあるは、一大陸並みに巨大な手の平。
でも、なぜだろうか。やたらと薄くて脆そうに見えるのは。『緋月』の効果を受けてから、力と共に変な自信まで湧いてきている。過信ではなく、絶対の自信が。
『魂をも焼き尽くすは、不老不死の爆ぜる颶風! 生死の概念から解き放たれし者に、思考をも許されない永遠の眠りを! 『不死鳥の息吹』!』「……うわっ!?」
『穿つは死兆星! 最速の輝きを放ち、爆ぜる死を殲滅せん! 四連『一番星』!』「……グゥッ!?」
二つの呪文名が重なった直後。視界の全てが、けたたましい紅蓮と荒々しい純白で埋め尽くされた。なんだ、この身が焼けてしまいそうな熱量は? 今までの比じゃないぞ!?
噴射してきている勢いもだ。火の杖を通して全身が押し戻され、箒の速度まで著しく低下している。手から離そうもならば、魔法自体が暴走して私達にまで襲い掛かって来そうだ。
威力や射程距離と範囲も、恐ろしくて身の毛がよだつ。手応えなんて、まるで感じなかった。もしかして、一瞬で右手の平が蒸発したのか?
『古怪狼の凍咆』を垂れ流し状態にしていた、下の景色は……。ああ、こっちも酷い。まだまだ下にある左拳の原型は、既に留めていなく。
あるのは、やたらと隆起が激しい大雪原のみ。『不死鳥の息吹』と『古怪狼の凍咆』だけで、大国を滅亡に追い込めそうだ。
「ウィザレナ、そっちはどうだ!?」
「手の大半が、一瞬で無くなった! もう遮る物は何も無いぞ!」
「分かった。なら行くぞ!」
このまま行ってしまえば、邪魔する物は何も無い。正面。圧倒的劣勢に追い込まれた『竜の禊』の残党が、強化された『天翔ける極光鳥』の群に蹂躙されていく光景。
右側、とうとうもげたらしく。『不死鳥の息吹』により、溶岩の様に溶けた断面を見せる右腕が、私の視界を横切り、地面に向かい落ちていっている。
真下、左腕も切り落とされたのか。私達の追跡を止めた大雪原も、徐々に遠ざかっていく。これで、『大地の覇者』は両腕を失った。
顔を正面へ戻せば、無表情を保つ『大地の覇者』の顔があった。これだけ離れていれば、そう易々と追撃も出来まい。安全に空へ逃げられる。
『どこへ行っても無駄だぜえ? 嬢ちゃん達。逃げ場なんて、元より無えんだからよお』
高度を上げていく度に、勝ち誇った様に捨て台詞を吐いたノームの姿が、砂埃に紛れて輪郭が薄くなっていく。周辺に、生き物及び無機物の姿は無し。
下からの新手も見受けられない。軽く索敵を終えたので、暴君と化した『不死鳥の息吹』を解除する。しかし、まだ高度が足りない。最低でも、昼夜空が拝める高高度まで行かねば。
「アカシック殿、どこまで昇るんだ?」
「星が見える空までだ」
「なるほど、最高の場所だな。その星々を、一気に落とせというんだな?」
激しい金切り音がぶつかる高度の中。横目を流すと、憎たらしく凛と笑うウィザレナが見えた。
「その顔、私は好きだぞ」
「ならば、もっと見て惚れろ。戦闘時以外見せない、貴様好みの私をな」
「二人共。それ以上やったら、今度は私が怒るからね?」
冗談が通じないレナの叱りに、ウィザレナが満足そうに微笑む。そのつもりで言った訳じゃないんだが、吹っ掛ける形になってしまったらしい。
気持ちの緩急が狂ってしまうけど、なんとも引き締まるやり取りだ。さあ、ここには何も無い。私達の独擅場だ。
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