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第六章:封印されし姫と古代遺跡
第28話:古代常識(エルダー・コモンセンス)
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静寂を支配していたのは、巨大な水晶が砕け散る、まるで万華鏡のような光の洪水だった。天井に穿たれた大穴から、遥か天空の光が一筋の純白な刃となって差し込み、その心臓部であっただろう水晶の残骸を貫いていた。光は無数の破片にぶつかっては砕け、ぶつかっては乱反射し、七色の粒子となって広間を満たしていく。それはまるで、星々の終焉を祝福するかのような、荘厳で幻想的な光の葬列だった。キラキラと音もなく舞い落ちる光の雫が、古代の石畳を、風化した壁画を、そして呆然と立ち尽くす我々の頬を、優しく、そして冷たく濡らしていく。
その光の爆心地、永劫の時を刻んでいたはずの石棺の中心で、一人の少女がゆっくりと身を起こした。眠りから覚めたばかりの赤子のような無垢な動き。しかし、その身に纏う雰囲気は、数千、数万という歳月を生き抜いた賢者のように、深く、そして静謐に満ちていた。少女――ティアナは、まるで昨夜眠りについたかのような落ち着き払った様子で、滑るように石棺から降り立つと、我々侵入者を一人、また一人と、その深く澄んだ瞳で射抜くように見つめた。その視線には、怒りも、驚きも、喜びもない。ただ、そこにあるものを在るがままに認識し、分析するかのような、純粋で無機質な知性が宿っていた。
彼女は我々の姿を順番に捉え、その特徴を記憶に刻み込むかのように、しばしの沈黙を保った。茶色の髪の快活な少女、銀髪の生真面目な女騎士、胡散臭い笑みを浮かべた中年男、そして、感情の読めない無表情な侍女。最後に、その視線が俺を捉え、ほんのわずかに留まった。
そして、次の瞬間、異変は起きた。彼女の滑らかな額の中央、そこには固く閉じられた瞼のような奇妙な紋様が刻まれていたのだが、それが、まるで永い瞬きから覚めるかのように、音もなくカッと見開かれたのだ。
現れたのは、金色に輝く、第三の目。
それは物理的な眼球ではなかった。溶かした黄金をそのまま流し込んだかのような、凝縮された魔力の奔流。その瞳の中心には、宇宙の深淵を思わせる暗黒が渦を巻き、我々の存在そのものを見透かし、魂の根源までをも暴き出すかのような、人智を超えた光を放っていた。
直後、声が、我々の頭蓋の内側で直接、響き渡った。
『…………』
それは音ではない。声帯を震わせ、空気を媒体として伝わる物理的な振動では断じてない。思考そのものに直接割り込んでくるような、異質で、抗いようのない感覚。脳の皺の一本一本に、冷たくも神聖な響きが染み渡っていく。
「「「!?」」」
俺を除く仲間たちが、一様に苦悶とも驚愕ともつかない表情を浮かべ、反射的に自分の頭を両手で押さえた。リリアは「な、何なの、これ……」と小さく呻き、アリーシアは警戒心を露わに剣の柄に手をかけた。ジンに至っては、「頭の中に誰かいる!」と素っ頓狂な声を上げている。無理もない。経験したことのない未知の干渉は、本能的な恐怖を呼び覚ます。
やがて、その声は明確な意味を持った言葉として、我々の思考領域に形を結んだ。
『…なるほど。言語体系は、我の時代とは比較にならぬほど大きく変貌を遂げたか。だが、思考の根幹、概念を形成するロジックに大きな差異はないようだ。意思の疎通に支障はなさそうだな』
凛として、どこまでも透き通る、ガラス細工のように繊細でありながら、鋼のような芯の強さを感じさせる声だった。年齢不詳のその声は、我々の混乱など意にも介さず、淡々と自己紹介を続ける。
『我はティアナ。この聖域たる遺跡の守り人である。そして、お前たちは何者だ?数千年に及ぶ我の安らかなる眠りを妨げた理由を、明確に、そして偽りなく述べよ』
その問いは、静かでありながら絶対的な威圧感を伴っていた。遺跡の守り人。その言葉が、この場所の性質と彼女の役割を端的に示している。我々は、ただの宝探しに来た盗掘者ではなく、聖域を荒らす侵入者として、その主から尋問を受けているのだ。
広間に、痛いほどの沈黙が流れた。水晶の破片が石畳に落ちる、微かな音だけがやけに大きく聞こえる。誰もが口を開けない。開けるはずがない。何故なら、我々がこの古代遺跡の最深部に到達し、結果として彼女の眠りを妨げてしまった元凶は、ただ一つ。そこにいる金に汚いエロ親父――ジンの、一攫千金を夢見た浅ましい金銭欲に他ならないのだから。
「いや、その、我々は古代文明の謎を解き明かすべく…」などと、アリーシアあたりが真面目に答えようとするかもしれない。しかし、ティアナの第三の目は、嘘や誤魔化しを瞬時に見抜くだろう。我々の思考は、彼女にとって丸裸なのだ。気まずい空気が、鉛のように重く、その場にいる全員の肩にのしかかる。ジンは冷や汗をだらだらと流し、必死に視線を泳がせている。弁解の言葉を探しているのだろうが、見つかるはずもなかった。
その、張り詰めた静寂と、我々のどうしようもない罪悪感が作り出した緊張の糸を、盛大に、そしてこの上なく間抜けに引き裂いたのは、やはりと言うべきか、我らが誇るトラブルメーカーだった。
**ぐううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…………。**
静まり返った広間に、それはあまりにも大きく、あまりにも長く、そしてあまりにも情けない音が、高らかに鳴り響いた。音の発生源は、リリアの腹部。生命の神秘と尊厳を雄弁に物語る、腹の虫の音だった。それはまるで、静謐な演奏会に突如として割り込んできた、調子っぱずれのチューバのようだった。
一瞬、何が起きたのか理解できず、全員の動きが止まる。ティアナでさえ、その金色の第三の目をわずかに見開いて、音のした方角――リリアへと視線を向けた。
当のリリアは、自分の腹から発せられた壮大な音響に、信じられないという表情で硬直していたが、やがて事態を理解すると、顔がみるみるうちに真っ赤に染まっていく。リンゴなんて生易しいものではない。完熟したトマトのように、いや、怒り狂った火竜の鱗のように、沸騰寸前の勢いで赤くなっていた。
「あ、あ、あたしじゃ、ない……」
か細い声で否定しようとするが、その両手はしっかりと、裏切り者の腹部を押さえている。説得力は皆無だった。全員の視線が、憐憫と少々の呆れを込めて、顔から火を吹きそうな勢いのリリアに集中する。ジンですら、自らの失態を棚に上げて、「おいおい、マジかよ…」と呆れた顔をしていた。
数千年の時を超えて目覚めた古代の守り人と、現代の侵入者との、歴史的かつ極めて緊張感の高いファーストコンタクト。その記念すべき瞬間は、一人の少女の空腹によって、台無しどころか、シュールなコメディへと変貌を遂げた。
そんな我々の内情など知る由もないティアナは、不思議そうに小首を傾げた。彼女の思考が、純粋な知的好奇心だけで回転を始める。そして再び、脳内に直接、その疑問が送り込まれてきた。
『その腹部から断続的に発せられる特徴的な低周波の振動音は、求愛行動の一種であろうか?我の時代の生物にも、喉を震わせたり、特殊な音波を発したりして異性の気を引く種族がいたが、それと類似のコミュニケーションか?』
あまりにも真剣で、学術的な分析に基づいた純粋な問いだった。だが、その内容はリリアの羞恥心に追い打ちをかけるには十分すぎる威力を持っていた。
「ち、違うわよっ!断じて違うわ!これはただの!ただの生理現象よぉっ!」
リリアが、もはや半泣きになりながら絶叫した。求愛行動。この状況で、誰が、誰に。彼女のプライドはズタズタに引き裂かれ、その小さな身体は羞恥で小刻みに震えている。
その痛ましい姿を見かねたのだろう。我々の中で最もお人好しで、生真面目な騎士であるアリーシアが、一歩前に進み出た。彼女はリリアの悲痛な叫びを「腹が減っているのね」という、ごく当たり前の結論に翻訳すると、親切心と状況の打開、その両方の意図から、懐に忍ばせていた非常食を取り出した。
「これを食べるといい。貴重な保存食だぞ」
アリーシアがティアナに向かって差し出したのは、丁寧に布で包まれた、赤黒い干し肉だった。長旅のために燻製にされ、塩で固く締められたそれは、我々冒険者にとっては命を繋ぐための重要な糧だ。アリーシアの行動は、リリア(ひいては我々)が空腹であることを示し、敵意がないことを伝えるための、彼女なりの誠意であり、善意だった。
しかし、その善意は、数千年というあまりにも巨大な文化の壁の前に、無残にも砕け散ることになる。
ティアナは、アリーシアの手のひらに乗せられた干し肉を、まるで未知の危険物でも見るかのような目で、まじまじと見つめた。彼女の第三の目が細められ、干し肉の情報をスキャンするかのように、微かな魔力の光が走る。その組成、塩分濃度、タンパク質の変質状態、そして、それが元は何であったのかを、瞬時に解析したのだろう。やがて、彼女の整った顔が、心底理解できないもの、不快なものを見たかのように、わずかにしかめられた。
『……死骸、か。乾燥させた動物の、筋肉組織の塊。これを、体内に取り込むというのか?』
その声には、先ほどまでの無機質な響きとは異なり、明確な嫌悪と軽蔑の色が混じっていた。
「え?」
アリーシアが、ティアナの言葉の意味を測りかねて、困惑の声を漏らす。彼女の善意が、なぜそのような反応を引き起こすのか、理解できなかった。
ティアナは、アリーシアの純粋な戸惑いなど気にも留めず、続ける。その言葉は、我々の食文化そのものを根底から否定するものだった。
『なんという野蛮な風習だ。我ら古の民は、世界に満ちる清浄なマナを直接体内に循環させ、生命エネルギーへと変換することで生命を維持する。有機物を摂取し、体内で腐敗させ、分解し、そして不浄なものとして排泄するなど、あまりにも非効率的で、汚らわしい行為の極みだ』
バッサリ。アリーシアの親切心と、我々の存在基盤である「食事」という行為は、文化の違いという名の一刀のもとに、木っ端微塵に斬り捨てられた。干し肉を差し出したまま固まるアリーシア。その背後で、「汚らわしいって言われた…」とリリアがさらに落ち込んでいる。確かに、言われてみればそうかもしれない。生き物の死骸を喰らい、それを糞尿として排泄する。客観的に見れば、なんと原始的で泥臭い生命活動だろうか。しかし、それが我々の「当たり前」なのだ。
この瞬間、我々は理解した。目の前にいる少女との間には、単なる世代間のギャップなどという生易しいものではない、途方もなく深く、絶望的な溝が存在しているのだと。
その溝の深さに、面白そうな光を瞳に宿したのがジンだった。彼は先ほどの金銭欲にまみれた醜態などすっかり忘れ、未知の文化に対する好奇心(と、それを金にできないかという下心)で目を輝かせている。
「ははあ、なるほどな。理屈は分からんが、大したもんだ。じゃあ、嬢ちゃんが着てるその綺麗な服なんかも、魔力で作っちまうクチかい?」
ジンは、先ほどの遺跡のガーディアンとの戦闘でビリビリに破れてしまった自分の服の袖をひらひらさせながら、茶化すように尋ねた。ティアナが身に纏っているのは、純白の、光の粒子をそのまま編み込んだかのような美しいドレスだ。物理的な布地とは思えない、滑らかで幻想的な輝きを放っている。
その問いに対するティアナの答えは、我々の常識をさらに粉砕した。
『当然だろう。なぜ、わざわざ死んだ植物の繊維や、獣の皮といった物質に身を包む必要がある?我々は、自らの魔力で身体情報を外部環境から保護するためのフィールドを形成し、それを任意の色や形にコーティングしているに過ぎない。それがお前たちの言う『服』だ。破損すれば、自己修復すればいいだけのこと。物質に依存するなど、脆弱性の原因にしかならん』
こともなげに語られる、衝撃の事実。食事だけでなく、衣服さえも魔力で創造するのが、彼女たち「古の民」の常識らしい。自己修復する服。いや、服という概念すらないのかもしれない。それは、身体を保護する魔力フィールド。我々が毎日着替えたり、洗濯したり、破れれば繕ったりしている行為そのものが、彼女からすれば滑稽で無意味なのだろう。
「「「…………」」」
もはや、驚きを通り越して、呆れるしかなかった。言葉が出ない。ジェネレーションギャップなんてレベルではない。これは、文明の断絶だ。我々は、石器時代の人間が、未来都市にタイムスリップしてしまったかのような、圧倒的なカルチャーショックを受けていた。
だが、そんな絶望的な価値観の断絶の中に、一条の光(金の光)を見出した男がいた。ジンだ。彼の思考は、常に金儲けへと繋がっている。
「じゃ、じゃあよ!それだけ凄いんなら、金貨とかも魔力で作れるのか!?ポンポンって!」
瞳をギラつかせ、身を乗り出すようにして食いついた。魔力で何でも創造できるのなら、富の象徴である金貨を無限に生み出すことも可能なのではないか。そうなれば、遺跡の宝など目ではない。この少女一人で、一国どころか大陸全土を買い占められるほどの富を生み出せる。ジンの頭の中では、金貨の山に埋もれて笑う自分の姿が、鮮明に映し出されていたに違いない。
しかし、ティアナは、その浅ましい夢を、氷のように冷たい一言で、無慈悲に、そして完全に打ち砕いた。
『キンカ…?ああ、あの黄色く光る、価値のない、ただの重い金属片のことか?』
一瞬の間があった。ティアナは、我々の思考を探り、「キンカ」という言葉が指し示す物体を特定したようだった。そして、心底不思議そうに問い返した。
『なぜ、あのようなものを欲しがる?装飾以上の意味があるのか?我々の時代では、特定の魔術媒体や合金の素材として稀に利用されることはあったが、それに価値を見出すという文化はなかった。ただの、ありふれた鉱物の一つに過ぎん』
ジンの、ギラついていた瞳から、急速に光が失われていく。彼の夢が、希望が、そして人生最大のチャンスが、ガラガラと音を立てて崩れ落ちるのが、傍目にもはっきりと分かった。価値のない、ただの重い金属片。我々の社会で、経済の根幹をなし、人々の欲望を掻き立て、時には戦争の原因にすらなる黄金が、彼女にとっては道端の石ころ同然の価値しかないのだ。
「……そ、そんな……」
膝から崩れ落ちそうになるジン。その姿は、哀れとしか言いようがなかった。
食事、衣服、そして貨幣価値。我々の文明を支える根幹的な価値観が、ことごとく通用しない。この混乱の極みにある我々をよそに、ただ一人、全く動じることなく、静かに佇んでいる人物がいた。
ソフィアだ。
俺の専属メイドである彼女は、この一連の騒動の間、一言も発さず、表情一つ変えず、ただ氷のような静かな瞳でティアナを観察し続けていた。そして、ジンが夢破れて打ちひしがれたこのタイミングで、すっと一歩前に出た。その動きには一切の淀みがない。
彼女は、古代の守り人であるティアナの、その人智を超えた第三の目を、真正面から見据えると、淡々と、しかし有無を言わさぬ響きで告げた。
「アルス様がお許しになるまで、ここで待機していてください」
それは命令だった。主人でもない相手に対する、あまりにも不遜で、あまりにも絶対的な命令。広間の空気が、再び凍り付く。リリアもアリーシアも、ジンのことなど忘れ、ソフィアの信じられない行動に目を剥いていた。数千年の時を超えた存在に対し、なんと不敬な態度か。
だが、意外なことに、そのブレない態度に、ティアナは初めて、明確な興味を抱いたかのような表情を見せた。彼女の無機質だった瞳に、研究者が未知のサンプルを発見した時のような、知的な光が宿る。彼女の金色の第三の目が、ソフィアという存在を徹底的に分析するように、すっと細められた。
『…奇妙な個体だ。お前からは、自己という概念がほとんど感じられん。思考の99パーセントが、あの男――アルスとやらへの、絶対的な忠誠心と、その身の安全を確保するためのシミュレーションだけで構成されている。まるで、自らの意志を捧げられた、生きた人形。興味深い。非常に、興味深いサンプルだ』
ティアナの分析は、ソフィアの本質を正確に射抜いていた。ソフィアのすべては、俺、アルスのためにある。彼女自身の幸福や欲望は、その思考領域の片隅にすら存在しない。ティアナは、そんなソフィアの特異な精神構造に、数千年の眠りから覚めて初めて、純粋な知的好奇心を刺激されたようだった。
そして、その探求するようなティアナの金色の瞳が、ゆっくりと、ソフィアの視線の先――その忠誠の源である、俺の方へと向けられた。
その視線が、俺の身体を、心を、魂を、貫いた。
俺は、とてつもなく大きく、複雑で、そして何よりも厄介極まりない面倒事が、また一つ、ゆっくりとした、しかし確実な足取りで、こちらに向かって歩いてくるのを、はっきりと、そして痛いほどに感じ取っていた。背筋を、冷たい汗が一条、流れ落ちていった。
その光の爆心地、永劫の時を刻んでいたはずの石棺の中心で、一人の少女がゆっくりと身を起こした。眠りから覚めたばかりの赤子のような無垢な動き。しかし、その身に纏う雰囲気は、数千、数万という歳月を生き抜いた賢者のように、深く、そして静謐に満ちていた。少女――ティアナは、まるで昨夜眠りについたかのような落ち着き払った様子で、滑るように石棺から降り立つと、我々侵入者を一人、また一人と、その深く澄んだ瞳で射抜くように見つめた。その視線には、怒りも、驚きも、喜びもない。ただ、そこにあるものを在るがままに認識し、分析するかのような、純粋で無機質な知性が宿っていた。
彼女は我々の姿を順番に捉え、その特徴を記憶に刻み込むかのように、しばしの沈黙を保った。茶色の髪の快活な少女、銀髪の生真面目な女騎士、胡散臭い笑みを浮かべた中年男、そして、感情の読めない無表情な侍女。最後に、その視線が俺を捉え、ほんのわずかに留まった。
そして、次の瞬間、異変は起きた。彼女の滑らかな額の中央、そこには固く閉じられた瞼のような奇妙な紋様が刻まれていたのだが、それが、まるで永い瞬きから覚めるかのように、音もなくカッと見開かれたのだ。
現れたのは、金色に輝く、第三の目。
それは物理的な眼球ではなかった。溶かした黄金をそのまま流し込んだかのような、凝縮された魔力の奔流。その瞳の中心には、宇宙の深淵を思わせる暗黒が渦を巻き、我々の存在そのものを見透かし、魂の根源までをも暴き出すかのような、人智を超えた光を放っていた。
直後、声が、我々の頭蓋の内側で直接、響き渡った。
『…………』
それは音ではない。声帯を震わせ、空気を媒体として伝わる物理的な振動では断じてない。思考そのものに直接割り込んでくるような、異質で、抗いようのない感覚。脳の皺の一本一本に、冷たくも神聖な響きが染み渡っていく。
「「「!?」」」
俺を除く仲間たちが、一様に苦悶とも驚愕ともつかない表情を浮かべ、反射的に自分の頭を両手で押さえた。リリアは「な、何なの、これ……」と小さく呻き、アリーシアは警戒心を露わに剣の柄に手をかけた。ジンに至っては、「頭の中に誰かいる!」と素っ頓狂な声を上げている。無理もない。経験したことのない未知の干渉は、本能的な恐怖を呼び覚ます。
やがて、その声は明確な意味を持った言葉として、我々の思考領域に形を結んだ。
『…なるほど。言語体系は、我の時代とは比較にならぬほど大きく変貌を遂げたか。だが、思考の根幹、概念を形成するロジックに大きな差異はないようだ。意思の疎通に支障はなさそうだな』
凛として、どこまでも透き通る、ガラス細工のように繊細でありながら、鋼のような芯の強さを感じさせる声だった。年齢不詳のその声は、我々の混乱など意にも介さず、淡々と自己紹介を続ける。
『我はティアナ。この聖域たる遺跡の守り人である。そして、お前たちは何者だ?数千年に及ぶ我の安らかなる眠りを妨げた理由を、明確に、そして偽りなく述べよ』
その問いは、静かでありながら絶対的な威圧感を伴っていた。遺跡の守り人。その言葉が、この場所の性質と彼女の役割を端的に示している。我々は、ただの宝探しに来た盗掘者ではなく、聖域を荒らす侵入者として、その主から尋問を受けているのだ。
広間に、痛いほどの沈黙が流れた。水晶の破片が石畳に落ちる、微かな音だけがやけに大きく聞こえる。誰もが口を開けない。開けるはずがない。何故なら、我々がこの古代遺跡の最深部に到達し、結果として彼女の眠りを妨げてしまった元凶は、ただ一つ。そこにいる金に汚いエロ親父――ジンの、一攫千金を夢見た浅ましい金銭欲に他ならないのだから。
「いや、その、我々は古代文明の謎を解き明かすべく…」などと、アリーシアあたりが真面目に答えようとするかもしれない。しかし、ティアナの第三の目は、嘘や誤魔化しを瞬時に見抜くだろう。我々の思考は、彼女にとって丸裸なのだ。気まずい空気が、鉛のように重く、その場にいる全員の肩にのしかかる。ジンは冷や汗をだらだらと流し、必死に視線を泳がせている。弁解の言葉を探しているのだろうが、見つかるはずもなかった。
その、張り詰めた静寂と、我々のどうしようもない罪悪感が作り出した緊張の糸を、盛大に、そしてこの上なく間抜けに引き裂いたのは、やはりと言うべきか、我らが誇るトラブルメーカーだった。
**ぐううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…………。**
静まり返った広間に、それはあまりにも大きく、あまりにも長く、そしてあまりにも情けない音が、高らかに鳴り響いた。音の発生源は、リリアの腹部。生命の神秘と尊厳を雄弁に物語る、腹の虫の音だった。それはまるで、静謐な演奏会に突如として割り込んできた、調子っぱずれのチューバのようだった。
一瞬、何が起きたのか理解できず、全員の動きが止まる。ティアナでさえ、その金色の第三の目をわずかに見開いて、音のした方角――リリアへと視線を向けた。
当のリリアは、自分の腹から発せられた壮大な音響に、信じられないという表情で硬直していたが、やがて事態を理解すると、顔がみるみるうちに真っ赤に染まっていく。リンゴなんて生易しいものではない。完熟したトマトのように、いや、怒り狂った火竜の鱗のように、沸騰寸前の勢いで赤くなっていた。
「あ、あ、あたしじゃ、ない……」
か細い声で否定しようとするが、その両手はしっかりと、裏切り者の腹部を押さえている。説得力は皆無だった。全員の視線が、憐憫と少々の呆れを込めて、顔から火を吹きそうな勢いのリリアに集中する。ジンですら、自らの失態を棚に上げて、「おいおい、マジかよ…」と呆れた顔をしていた。
数千年の時を超えて目覚めた古代の守り人と、現代の侵入者との、歴史的かつ極めて緊張感の高いファーストコンタクト。その記念すべき瞬間は、一人の少女の空腹によって、台無しどころか、シュールなコメディへと変貌を遂げた。
そんな我々の内情など知る由もないティアナは、不思議そうに小首を傾げた。彼女の思考が、純粋な知的好奇心だけで回転を始める。そして再び、脳内に直接、その疑問が送り込まれてきた。
『その腹部から断続的に発せられる特徴的な低周波の振動音は、求愛行動の一種であろうか?我の時代の生物にも、喉を震わせたり、特殊な音波を発したりして異性の気を引く種族がいたが、それと類似のコミュニケーションか?』
あまりにも真剣で、学術的な分析に基づいた純粋な問いだった。だが、その内容はリリアの羞恥心に追い打ちをかけるには十分すぎる威力を持っていた。
「ち、違うわよっ!断じて違うわ!これはただの!ただの生理現象よぉっ!」
リリアが、もはや半泣きになりながら絶叫した。求愛行動。この状況で、誰が、誰に。彼女のプライドはズタズタに引き裂かれ、その小さな身体は羞恥で小刻みに震えている。
その痛ましい姿を見かねたのだろう。我々の中で最もお人好しで、生真面目な騎士であるアリーシアが、一歩前に進み出た。彼女はリリアの悲痛な叫びを「腹が減っているのね」という、ごく当たり前の結論に翻訳すると、親切心と状況の打開、その両方の意図から、懐に忍ばせていた非常食を取り出した。
「これを食べるといい。貴重な保存食だぞ」
アリーシアがティアナに向かって差し出したのは、丁寧に布で包まれた、赤黒い干し肉だった。長旅のために燻製にされ、塩で固く締められたそれは、我々冒険者にとっては命を繋ぐための重要な糧だ。アリーシアの行動は、リリア(ひいては我々)が空腹であることを示し、敵意がないことを伝えるための、彼女なりの誠意であり、善意だった。
しかし、その善意は、数千年というあまりにも巨大な文化の壁の前に、無残にも砕け散ることになる。
ティアナは、アリーシアの手のひらに乗せられた干し肉を、まるで未知の危険物でも見るかのような目で、まじまじと見つめた。彼女の第三の目が細められ、干し肉の情報をスキャンするかのように、微かな魔力の光が走る。その組成、塩分濃度、タンパク質の変質状態、そして、それが元は何であったのかを、瞬時に解析したのだろう。やがて、彼女の整った顔が、心底理解できないもの、不快なものを見たかのように、わずかにしかめられた。
『……死骸、か。乾燥させた動物の、筋肉組織の塊。これを、体内に取り込むというのか?』
その声には、先ほどまでの無機質な響きとは異なり、明確な嫌悪と軽蔑の色が混じっていた。
「え?」
アリーシアが、ティアナの言葉の意味を測りかねて、困惑の声を漏らす。彼女の善意が、なぜそのような反応を引き起こすのか、理解できなかった。
ティアナは、アリーシアの純粋な戸惑いなど気にも留めず、続ける。その言葉は、我々の食文化そのものを根底から否定するものだった。
『なんという野蛮な風習だ。我ら古の民は、世界に満ちる清浄なマナを直接体内に循環させ、生命エネルギーへと変換することで生命を維持する。有機物を摂取し、体内で腐敗させ、分解し、そして不浄なものとして排泄するなど、あまりにも非効率的で、汚らわしい行為の極みだ』
バッサリ。アリーシアの親切心と、我々の存在基盤である「食事」という行為は、文化の違いという名の一刀のもとに、木っ端微塵に斬り捨てられた。干し肉を差し出したまま固まるアリーシア。その背後で、「汚らわしいって言われた…」とリリアがさらに落ち込んでいる。確かに、言われてみればそうかもしれない。生き物の死骸を喰らい、それを糞尿として排泄する。客観的に見れば、なんと原始的で泥臭い生命活動だろうか。しかし、それが我々の「当たり前」なのだ。
この瞬間、我々は理解した。目の前にいる少女との間には、単なる世代間のギャップなどという生易しいものではない、途方もなく深く、絶望的な溝が存在しているのだと。
その溝の深さに、面白そうな光を瞳に宿したのがジンだった。彼は先ほどの金銭欲にまみれた醜態などすっかり忘れ、未知の文化に対する好奇心(と、それを金にできないかという下心)で目を輝かせている。
「ははあ、なるほどな。理屈は分からんが、大したもんだ。じゃあ、嬢ちゃんが着てるその綺麗な服なんかも、魔力で作っちまうクチかい?」
ジンは、先ほどの遺跡のガーディアンとの戦闘でビリビリに破れてしまった自分の服の袖をひらひらさせながら、茶化すように尋ねた。ティアナが身に纏っているのは、純白の、光の粒子をそのまま編み込んだかのような美しいドレスだ。物理的な布地とは思えない、滑らかで幻想的な輝きを放っている。
その問いに対するティアナの答えは、我々の常識をさらに粉砕した。
『当然だろう。なぜ、わざわざ死んだ植物の繊維や、獣の皮といった物質に身を包む必要がある?我々は、自らの魔力で身体情報を外部環境から保護するためのフィールドを形成し、それを任意の色や形にコーティングしているに過ぎない。それがお前たちの言う『服』だ。破損すれば、自己修復すればいいだけのこと。物質に依存するなど、脆弱性の原因にしかならん』
こともなげに語られる、衝撃の事実。食事だけでなく、衣服さえも魔力で創造するのが、彼女たち「古の民」の常識らしい。自己修復する服。いや、服という概念すらないのかもしれない。それは、身体を保護する魔力フィールド。我々が毎日着替えたり、洗濯したり、破れれば繕ったりしている行為そのものが、彼女からすれば滑稽で無意味なのだろう。
「「「…………」」」
もはや、驚きを通り越して、呆れるしかなかった。言葉が出ない。ジェネレーションギャップなんてレベルではない。これは、文明の断絶だ。我々は、石器時代の人間が、未来都市にタイムスリップしてしまったかのような、圧倒的なカルチャーショックを受けていた。
だが、そんな絶望的な価値観の断絶の中に、一条の光(金の光)を見出した男がいた。ジンだ。彼の思考は、常に金儲けへと繋がっている。
「じゃ、じゃあよ!それだけ凄いんなら、金貨とかも魔力で作れるのか!?ポンポンって!」
瞳をギラつかせ、身を乗り出すようにして食いついた。魔力で何でも創造できるのなら、富の象徴である金貨を無限に生み出すことも可能なのではないか。そうなれば、遺跡の宝など目ではない。この少女一人で、一国どころか大陸全土を買い占められるほどの富を生み出せる。ジンの頭の中では、金貨の山に埋もれて笑う自分の姿が、鮮明に映し出されていたに違いない。
しかし、ティアナは、その浅ましい夢を、氷のように冷たい一言で、無慈悲に、そして完全に打ち砕いた。
『キンカ…?ああ、あの黄色く光る、価値のない、ただの重い金属片のことか?』
一瞬の間があった。ティアナは、我々の思考を探り、「キンカ」という言葉が指し示す物体を特定したようだった。そして、心底不思議そうに問い返した。
『なぜ、あのようなものを欲しがる?装飾以上の意味があるのか?我々の時代では、特定の魔術媒体や合金の素材として稀に利用されることはあったが、それに価値を見出すという文化はなかった。ただの、ありふれた鉱物の一つに過ぎん』
ジンの、ギラついていた瞳から、急速に光が失われていく。彼の夢が、希望が、そして人生最大のチャンスが、ガラガラと音を立てて崩れ落ちるのが、傍目にもはっきりと分かった。価値のない、ただの重い金属片。我々の社会で、経済の根幹をなし、人々の欲望を掻き立て、時には戦争の原因にすらなる黄金が、彼女にとっては道端の石ころ同然の価値しかないのだ。
「……そ、そんな……」
膝から崩れ落ちそうになるジン。その姿は、哀れとしか言いようがなかった。
食事、衣服、そして貨幣価値。我々の文明を支える根幹的な価値観が、ことごとく通用しない。この混乱の極みにある我々をよそに、ただ一人、全く動じることなく、静かに佇んでいる人物がいた。
ソフィアだ。
俺の専属メイドである彼女は、この一連の騒動の間、一言も発さず、表情一つ変えず、ただ氷のような静かな瞳でティアナを観察し続けていた。そして、ジンが夢破れて打ちひしがれたこのタイミングで、すっと一歩前に出た。その動きには一切の淀みがない。
彼女は、古代の守り人であるティアナの、その人智を超えた第三の目を、真正面から見据えると、淡々と、しかし有無を言わさぬ響きで告げた。
「アルス様がお許しになるまで、ここで待機していてください」
それは命令だった。主人でもない相手に対する、あまりにも不遜で、あまりにも絶対的な命令。広間の空気が、再び凍り付く。リリアもアリーシアも、ジンのことなど忘れ、ソフィアの信じられない行動に目を剥いていた。数千年の時を超えた存在に対し、なんと不敬な態度か。
だが、意外なことに、そのブレない態度に、ティアナは初めて、明確な興味を抱いたかのような表情を見せた。彼女の無機質だった瞳に、研究者が未知のサンプルを発見した時のような、知的な光が宿る。彼女の金色の第三の目が、ソフィアという存在を徹底的に分析するように、すっと細められた。
『…奇妙な個体だ。お前からは、自己という概念がほとんど感じられん。思考の99パーセントが、あの男――アルスとやらへの、絶対的な忠誠心と、その身の安全を確保するためのシミュレーションだけで構成されている。まるで、自らの意志を捧げられた、生きた人形。興味深い。非常に、興味深いサンプルだ』
ティアナの分析は、ソフィアの本質を正確に射抜いていた。ソフィアのすべては、俺、アルスのためにある。彼女自身の幸福や欲望は、その思考領域の片隅にすら存在しない。ティアナは、そんなソフィアの特異な精神構造に、数千年の眠りから覚めて初めて、純粋な知的好奇心を刺激されたようだった。
そして、その探求するようなティアナの金色の瞳が、ゆっくりと、ソフィアの視線の先――その忠誠の源である、俺の方へと向けられた。
その視線が、俺の身体を、心を、魂を、貫いた。
俺は、とてつもなく大きく、複雑で、そして何よりも厄介極まりない面倒事が、また一つ、ゆっくりとした、しかし確実な足取りで、こちらに向かって歩いてくるのを、はっきりと、そして痛いほどに感じ取っていた。背筋を、冷たい汗が一条、流れ落ちていった。
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