過労死したので来世は平穏に暮らしたい。なのに、うっかり英雄になってしまい、東では国を救った元悪役令嬢が俺の噂をしていた。

Gaku

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第一部:『悪役令令嬢編』

第三話:泥と不信の騎士団長

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夜の帳が下りた王宮は、昼間の喧騒が嘘のように静まり返っていた。虫の声だけが、月光に照らされた庭園から澄んだ音色を響かせている。その静寂を切り裂くように、城の一室、かつて『開かずの書庫』と呼ばれた場所から、時折、奇声と紙をめくる音、そして私の深いため息が漏れ聞こえていた。

「…美しい!実に美しいじゃないか、この破綻っぷりは!」

目の前で、大量の羊皮紙に埋もれながら恍惚の表情を浮かべているのは、我が王国最初の仲間(仮)である天才学者、アレクシスだ。彼の言う「美しい」ものとは、ここ数時間、二人で解読を続けている王国の歳入出報告書のことである。

「どこが美しいのよ、これの。どう見ても地獄絵図でしょ」
「地獄?何を言うんだ王女様。これは芸術だ。見てくれ、この使途不明金の滑らかな曲線!貴族たちの横領によって生まれる、予算グラフの劇的な谷!まるでオーケストラだ!破滅へと向かう壮大なシンフォニーだ!」

キラキラした目で語るな、変人。
彼の指さす先には、インクで汚れた数字の羅列が踊っている。私のような素人目にも、収入と支出のバランスが、シーソーの片方に象が乗り、もう片方にアリが乗ったくらい絶望的な状況であることは理解できた。

書庫の空気は、古紙とインクの匂いに、アレクシスが淹れた(というより錬成した)謎のハーブティーの薬草臭い香りが混じり合い、独特の雰囲気を醸し出している。窓の外では、風が城壁に植えられた蔦の葉を揺らし、サラサラと乾いた音を立てていた。もうすっかり秋だ。私の心は、この国の財政と同じく、極寒の冬へと向かっているというのに。

「問題は山積みだが…まず、早急に手を打つべきはここだな」
アレクシスが、羽ペンでトン、と叩いたのは、軍事費の項目だった。
「特に、貴族が私的に編成している騎士団への、過剰な予算供給。そして、正規軍への物資の横流し。これを止めるだけで、かなりの額が浮く。だが…」

彼が、初めて難しい顔をした。
「これを断行するには、力が必要だ。貴族の抵抗を物理的に排除し、腐った金の流れを断ち切る、強大な武力が」
「…騎士団がいるじゃない」
「今の騎士団に、そんな気骨のある者がいると?王女様、あなたに媚びへつらい、贅沢三昧に慣れきった、あの腑抜けどもにか?」

手厳しいが、事実だろう。私が知る城の騎士たちは、ピカピカの鎧を飾り立て、暇さえあれば女性を口説いているような、モデル気取りの男たちばかりだ。

「一人だけ、いるにはいる。使える駒が」
アレクシスは、羊皮紙の山から一枚の人物評価書を引っ張り出してきた。
「騎士団長、カエルス。平民出身でありながら、その実力だけで団長の地位まで上り詰めた、正真正銘の化け物だ。清廉潔白、質実剛健。そして、融通が利かなさすぎて、貴族たちから蛇蝎の如く嫌われている」

ほう、と私は興味をそそられた。
「その人、今どこに?」
[cite_start]「半年前、とある大貴族の不正を国王に直訴した結果、見事に不興を買い、今は国境近くの辺鄙な砦に左遷されている。もはや、飼い殺しも同然の身だ」 [cite: 1]

なんとまあ、絵に描いたような不遇の実力者。物語の登場人物としては満点だ。
「決まりね。そのカエルスさんに会いに行くわ」
「おやめなさい、王女様」

私の決意を遮ったのは、いつの間にか背後に立っていたメイド長だった。忍者か、あんたは。本当にいつからそこにいたんだ。

「カエルス卿は…危険です。彼は、王族と貴族を心の底から憎んでおります。今の王女様が会いに行かれても、まともに話を聞くとは思えません。最悪の場合…」
メイド長は、言葉を濁した。その目には、本気の心配の色が浮かんでいる。

「大丈夫よ」
私は、笑って彼女の肩を叩いた。
「彼が憎んでいるのは、私腹を肥やす、腐った権力者でしょう?今の私は、ただの『国を立て直したい女』よ。それに…」

私はアレクシスをちらりと見た。
「私には、この国の惨状を、数字で語れる最高のプレゼンターがいるから」
「私か?面倒だ。歩くのは嫌いだぞ」
即答で拒否された。

しかし、私は知っている。彼は、この「美しい破滅」の謎を解き明かすことに、誰よりも興味津々なのだ。案の定、彼が愛する『ミミズの歩行アルゴリズム』の論文を人質に取ると、彼はブツブツと文句を言いながらも、しぶしぶ同行を承諾したのだった。

***

王都を出て、馬車に揺られること半日。
豪華絢爛な王宮の景色は、あっという間に寂れた田園風景へと変わっていった。秋の午後の、少し傾きかけた太陽が、黄金色に実った麦畑をキラキラと照らしている。収穫を終えた畑からは、乾いた土と藁の匂いが風に乗って運ばれてきて、鼻腔をくすぐった。道端に咲く、名の知れぬ紫色の野花が、風に健気に揺れている。

平和だ。あまりに、平和な光景だ。
だが、その平和は、道の状態が悪くなるにつれて、徐々にその色合いを変えていった。舗装されていた道はいつしか消え、車輪が轍に嵌るたびに、ガタン!と大きな衝撃が腹の底に響く。

「うっぷ…王女様、私は馬車という乗り物が、これほどまでに人体に不快な影響を及ぼす乗り物だとは知らなかった。この振動が三半規管に与える影響について、今すぐ論文を書きたい…」
隣の席で、アレクシスが顔面蒼白になりながら呟いている。知らんがな。

やがて、馬車の窓から、目的の砦が見えてきた。
それは、砦というより、廃墟だった。石壁はあちこちが崩れ、申し訳程度に積まれた土嚢がその穴を塞いでいる。見張り台は傾き、旗は破れて見る影もない。城の周りには、ぬかるんだ訓練場が広がり、そこから馬の糞と、安酒の酸っぱい匂いが混じった、強烈な生活臭が漂ってきた。

「…ひどいところね」
思わず、私の口から本音が漏れる。
「当然だ。正規の補給路から外され、予算も削られ、忘れ去られた部隊だからな。ここにいるのは、カエルスを慕う平民上がりの騎士か、他に行き場のない、はみ出し者ばかりだ」
アレクシスが、少しだけ真面目な顔で解説する。

馬車が止まると、数人の兵士が怪訝な顔で近づいてきた。その鎧は、王宮で見たピカピカのそれとは違い、傷だらけで、ところどころが錆びついている。しかし、その目つきは、王宮の騎士たちとは比べ物にならないほど鋭かった。

「何のようだ」
代表の男が、無愛想に問いかける。
「王女様のおなりよ!控えなさい!」
護衛の騎士が叫ぶと、兵士たちの顔に、警戒と、それから侮蔑の色が浮かんだ。

「王女…様?あの、お姫様が、こんな肥溜めのような場所に、何の御用で?」
明らかに、馬鹿にしている。
私が馬車から降りると、その場の空気がさらに凍りついた。彼らは、驚き、戸惑い、そして、私をまるで汚物でも見るかのような目で見ていた。

その、敵意に満ちた空気の、中心。
訓練場の真ん中で、それは行われていた。

泥まみれの男たちが、雄叫びを上げながら、殴り合っている。いや、あれは訓練か。実践的すぎるにも程がある。防具もつけず、剣も持たず、ただ、拳と蹴りだけで、互いを叩きのめしている。その中心に、一際体格のいい男がいた。

上半身は裸で、隆々とした筋肉の上を、汗と泥が伝っている。短く刈られた黒髪、鋭い鷲のような目。傷だらけの顔には、無精髭が生えている。彼が誰であるか、名乗られずとも分かった。

「おい、てめえら!そんなパンチで、オークの皮が剥げると思ってんのか!もっと腰を入れろ!殺す気で殴れ!」

野太い、腹の底から響くような声。
その男が、ふと、こちらの存在に気づいた。そして、ゆっくりと、こちらへ歩いてくる。
その一歩一歩に、地面が揺れるような威圧感があった。

「…これはこれは。王国で一番偉いお方が、こんな掃き溜めに、何の御用だ?」
男――カエルスは、私の目の前で止まると、皮肉たっぷりの笑みを浮かべた。その声は、低く、冷たく、そして、隠そうともしない敵意に満ちていた。

「騎士団長、カエルス。あなたに、お願いがあって来ました」
私は、ごくりと唾を飲み込み、まっすぐに彼の目を見て言った。

「お願い?」
彼は、心底おかしそうに、声を立てて笑った。
[cite_start]「あんたが俺に?何の冗談だ。新しい遊びか?今度は、辺境の泥まみれの騎士を、王宮に連れて帰って笑いものにでもするつもりか?」 [cite: 1]

周りの騎士たちからも、クスクスと嘲笑が漏れる。
「違うわ。私は、本気で――」
「本気?」
カエルスは、私の言葉を遮った。
「あんたたちの言う『本気』ほど、信用できないものはない。今日の『本気』は、明日の『気まぐれ』に変わる。俺たちは、それに飽き飽きしてるんだ」

彼の目は、もはや私を見ていなかった。私の向こう側にある、王宮という巨大な権力そのものを、憎々しげに睨みつけていた。

ダメだ。言葉が、通じない。
[cite_start]第二話でアレクシスを説得した時のように、論理で語れる相手ではない。彼の不信は、理屈ではなく、経験に根差している。彼を変えようとしても無駄だ。 [cite: 4] [cite_start]それは彼の課題であり、私が介入できる領域ではない。 [cite: 4]

ならば、どうする。
私が言葉に詰まっていると、不意に、隣にいたアレクシスが一歩前に出た。

「おい、筋肉ダルマ」
初手から喧嘩を売るんじゃない、この変人は。
「なんだ、てめえは。もやしみてえな顔しやがって」
「自己紹介は後だ。単刀直入に言う。貴様は、このまま、この泥の中で、仲間たちが少しずつ死んでいくのを、指をくわえて見ているつもりか?」

アレクシスの言葉に、カエルスの眉がピクリと動いた。

「…どういう意味だ」
「言葉通りの意味だ。今、国境線で小競り合いが頻発している部隊の死傷率が、例年の3割増になっている。理由は分かるか?支給されている武具の質が、意図的に下げられているからだ。剣はすぐに折れ、鎧は簡単に貫かれる。そして、その差額分は、ある貴族の懐に入り、夜会のワイン代に消えている」

アレクシスは、懐から一枚の羊皮紙を取り出し、カエルスの胸に叩きつけた。
「これは、その金の流れを示したデータだ。お前がここで、高潔なフリをして泥遊びに興じている間にも、お前の仲間だった者たちが、クソ貴族の贅沢のために、犬死にしている。これが、現実だ」

訓練場が、しんと静まり返った。
カエルスは、食い入るように、その羊皮紙を見つめている。その拳が、怒りで白く震えているのが見えた。

「…だから、何だ」
絞り出すような声で、彼が言う。
「だから、俺たちに力を貸せと?あんたたち王族のために、働けと言うのか!」
「違う」

今度は、私が言った。
「私のためにじゃない。彼らのために、そして、この国のために、あなたの力が必要なの」
私は、彼に向かって、深く、深く頭を下げた。
「私は、今まで何も知らなかった。あなたの言う通り、気まぐれで、残酷で、愚かな王女だった。その罪は、どんなことをしても償えないかもしれない。でも、もう知らないフリはしたくない。この腐った国を、立て直したい」

「…綺麗事だな」
「ええ、そうよ。綺麗事よ。でも、その綺麗事を、本気でやろうとしている人間が、ここにいる」

私は顔を上げ、もう一度、彼の目を見た。
「あなたを信じさせようとは思わない。私を信じろとも言わない。ただ、事実を見て。そして、あなたが守ると誓った、この国の民のために、何が最善か、あなた自身で判断して」

これは、説得ではない。提示だ。
[cite_start]彼自身の正義と誇りに、判断を委ねる。他者を変えようとする「介入」ではなく、共通の目的のための「協力」の提案。 [cite: 5]

長い、息の詰まるような沈黙。
カサ、と乾いた風が吹き、訓練場の砂埃を舞い上げた。傾いた陽の光が、カエルスの傷だらけの顔に、深い影を落としている。

やがて、彼は、くしゃりと羊皮紙を握り潰した。

「…話は、分かった」
彼の口から出たのは、予想外の言葉だった。
「だが、俺は、あんたを信じたわけじゃない。あんたの隣にいる、その胡散臭い学者のデータと、あんたの、その…覚悟の据わった目だけを、少しだけ、評価してやる」

彼は、近くに立てかけてあった、巨大な両手剣を担ぎ上げた。

「口先だけの綺麗事なら、聞き飽きた。あんたの覚悟が本物かどうか、この目で見せてもらう」

その時だった。
「団長!大変です!北の街道で、大規模な盗賊団が出たとの知らせが!商人のキャラバンが襲われています!」
伝令の兵士が、息を切らせて駆け込んできた。

カエルスは、ニヤリと、獰猛な笑みを浮かべた。

「…ちょうどいい。王女様、見学といくか?腐った国の、末路ってやつをな」
彼は、私に背を向けると、兵士たちに向かって吼えた。
「てめえら、準備はいいか!久しぶりの、大掃除の時間だ!」

「「「オオオオオオッ!!」」」

地鳴りのような雄叫びが、寂れた砦に響き渡る。
それは、長い間、檻に閉じ込められていた猛獣が、ついに解き放たれた瞬間だった。

私は、恐怖と、そして、ほんの少しの興奮に身を震わせながら、彼のたくましい背中を見つめていた。
夕焼けが、西の空を血のような赤色に染めていた。

これから、本当の戦いが始まる。
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