過労死したので来世は平穏に暮らしたい。なのに、うっかり英雄になってしまい、東では国を救った元悪役令嬢が俺の噂をしていた。

Gaku

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3部

第三十一話:東の王女、西の噂に眉をひそめる

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秋が、その本領を発揮し始めていた。
ロゼンベルグ王国の王都を包む空気は、夏の間のどこか気怠げな熱気をすっかりと洗い流し、代わりにひんやりとした透明感を湛えている。空は、まるで磨き上げられた青いガラスのように高く、遠く、そしてどこまでも澄み渡っていた。朝の光は、夏のそれのような肌を焼く乱暴さを失い、今はただ、優しく、そしてあらゆるものの輪郭をくっきりと描き出す、穏やかな賢者のような眼差しで地上に降り注ぐ。

王城の庭に植えられたカエデやポプラの木々は、競い合うようにしてその葉を黄金色や燃えるような緋色に染め上げていた。風が吹くたびに、それらの葉ははらはらと、まるで未練を断ち切るかのように枝を離れ、宙を舞う。それは決して寂しい光景ではなく、むしろ壮大な生命のサイクルの、一つのクライマックスを見ているかのようだった。地面に降り積もった落ち葉は、陽光を浴びてキラキラと輝き、ふかふかの黄金の絨毯となって、歩く者の足音を優しく吸い込んでいく。

城壁の外に広がる街並みもまた、穏やかな活気に満ちていた。夏の間、青々と茂っていた畑は、その役目を終えて今は静かな茶色い土の姿を見せている。収穫を終えた畑から漂ってくる、わずかに甘く、そして懐かしい土の香りが、乾いた風に乗って王都の石畳の間を吹き抜けていく。市場には、カボチャやリンゴ、そして新物の小麦粉といった、秋の実りを満載した荷馬車が次々と到着し、人々の朗らかな声が心地よい喧騒となって響き渡っていた。

この国の王女、ソフィア・フォン・ロゼンベルグは、自室のバルコニーからその光景を眺めながら、淹れたての紅茶の湯気を静かに見つめていた。
「……平和だわ」
誰に言うでもなく、ぽつりと呟く。
その言葉に嘘はなかった。アルバ公爵という、国を内側から蝕んでいた癌を(ひとまず)打倒し、腐敗した貴族たちから権力と富を取り戻した。天才学者アレクシスの設計した税制は公平に機能し、国庫は着実に潤い始めている。最強の騎士カエルスが再編した騎士団は規律を取り戻し、治安は劇的に改善された。国民は、明日の食事の心配をすることなく、自分の仕事に誇りを持ち、笑い、語らい、生きている。

かつて「悪役令嬢」と呼ばれた自分が、日本のしがないOLだった前世の記憶を頼りに、無我夢中で走り抜けた結果が、この光景だ。胸が熱くならないと言えば嘘になる。込み上げてくる満足感と達成感は、本物だった。
だが、同時に。
心の湖の、その一番深い底に、奇妙な澱(おり)が沈んでいることにも、ソフィアは気づいていた。
それは、退屈、という名の澱だった。

問題が山積みだった頃は、考える暇もなかった。次から次へと襲い来る課題を、どう捌き、どう解決し、どう未来に繋げるか。脳みそは常にフル回転し、アドレナリンは出ずっぱり。それは、前世のブラック企業での、ただ消耗するだけの忙しさとは全く違う、生きている実感そのものだった。
しかし今、恒常的な問題はほとんど解決され、日々の政務は、宰相や各大臣たちが滞りなく処理してくれている。彼女の元に上がってくるのは、最終承認の書類か、ごく稀な例外案件だけ。あまりにも、時間が余っていた。
「……いけないわね」
ソフィアは自嘲気味に微笑む。人間とは、なんと業の深い生き物なのだろう。地獄のような状況から抜け出すことをあれほど願っていたのに、いざ平和な日常が手に入ると、今度はその刺激のなさに物足りなさを感じてしまう。まるで、ずっと欲しかったおもちゃを手に入れた子供が、三日で飽きてしまうかのように。
思い通りにならないことが苦しいのはわかる。だが、思い通りになった先にある、この静かすぎるほどの平穏もまた、別の種類の「苦」なのかもしれない。

そんな彼女の、凪いだ水面のような日常に、一つの石が投げ込まれたのは、その日の昼下がりのことだった。

「――して、ソフィア様。近頃、大陸の西の方から、どうにも奇妙な噂が流れてきておりまして」
執務室で定例報告をしていた初老の宰相が、困ったように眉を下げながら切り出した。
「奇妙な、噂?」
「は。にわかには信じがたいのですが……西の果て、あの聖アークライト王国との国境近くに、この一年ほどで急速に発展した多種族国家がある、と」
「ユグドラシル、でしたかしら。ええ、カエルスが持ち帰った報告書で読みましたわ。ドワーフの工芸品や、エルフの織物が名産だとか。民間使節団との交易も、順調に進んでいるはずよ」
ソフィアの言葉に、宰相は「ええ、問題はそこからでございます」と、さらに声を潜めた。
「そのユグドラシルを治める王が……その、なんと言いますか……たった一人で、山脈を一つ、消し去った、と」
「…………は?」
思わず、ソフィアは宰相の顔を二度見した。宰相は至って真面目な顔をしている。
「山を、消す? 聞き間違いかしら」
「いえ。複数の商人や、旅人から、ほぼ同じ内容の報告が。いわく、『光の球を投げたら、目の前の山が、轟音も衝撃もなく、ただ静かに砂のように消えてなくなった』と」
「……」
ソフィアは、数秒間、沈黙した。そして、執務室の隅で、騎士団の報告書を読んでいたカエルスに視線を向けた。
「カエルス、あなた、この話を聞いてどう思う?」
カエルスは、書類から顔も上げずに、鼻で笑った。
「ハッ、くだらん。作り話にも程があるでしょう。山を消すだと? そんな芸当、神話の中の神々でもやらん。おそらくは、新興国が自国の力を誇示するために流した、大規模なプロパガンダですな。あるいは、集団幻覚か、質の悪い吟遊詩人の戯言か。いずれにせよ、まともに取り合う価値もありません」
騎士として、現実的な戦場を幾度も潜り抜けてきた彼らしい、実に常識的な意見だった。物理法則と、これまでの経験則。その物差しで測れば、宰相の語る物語は、あまりにも荒唐無稽だ。ソフィアも、そう思う。普通に考えれば。
だが、彼女の思考は、もう一人の男の意見を聞くまでは、結論を保留するように習慣づけられていた。
「……アレクシス」
ソフィアが、部屋の反対側、天井まで届く本棚に寄りかかって、分厚い魔導書を読んでいた男に声をかける。
「あなたはどうかしら?」
アレクシスは、本から顔を上げることなく、気怠げに片手をひらひらと振った。
「ああ、その話なら一週間前から調べてる。結論から言おう。その噂、信憑性は異常に高い」
「なっ……!?」
カエルスの眉が、ピクリと動いた。彼が、アレクシスの分析能力を、心の底から信頼している(そして同時に、気に食わないと思っている)ことの証だった。
アレクシスは、ようやく本から顔を上げると、退屈そうな目でカエルスを一瞥した。
「おい、筋肉ダルマ。お前のように、一つの情報だけで物事を判断するのは、三流のやることだ。いいか、重要なのは情報の『内容』だけじゃない。情報の『流れ方』だ」
彼は、近くのテーブルに無造作に広げられた大陸地図の上に、いくつかの色の違うインクで印をつけ始めた。
「最初の報告は、三ヶ月前。ユグドラシルから戻ったばかりの香辛料商人からだ。この時点では、お前の言う通り、ただの戯言に過ぎない。一点の情報など、ノイズだ」
赤いインクが、地図の西の端に、ぽつんと点を描く。
「だが、その二週間後。今度は、全く交易ルートの違う、北の鉱山都市から戻ったドワーフの職人からも、同じ噂が。さらに一ヶ月後、南の自由都市の傭兵ギルドからも。そして極め付けは、我が国の諜報員が、敵国である聖アークライト王国の市場で、現地民から採取した情報の中にも、酷似した内容が含まれていた」
青、緑、そして黒のインクが、次々と地図上に点を打っていく。それらの点は、互いに全く関係のない場所から、まるで一つの中心点、ユグドラシルに向かって集まってくるかのように見えた。
「これらの情報源は、互いに連絡を取り合っていない。にもかかわらず、全く異なる場所から、同じ『ありえない現象』を、ほぼ同じ時期に報告している。これは、もうノイズじゃない。明確なシグナルだ。何かが、我々の理解を超えた何かが、実際に起こった、ということのな」
カエルスは、ぐっと言葉に詰まった。反論の余地がない。
ソフィアは、アレクシスに問いかけた。
「その『何か』の正体は、わかるの?」
「わかるわけがないだろう。だから面白いんじゃないか」
アレクシスは、心底楽しそうに、にやりと笑った。その瞳は、新しいおもちゃを見つけた子供のように、キラキラと輝いている。
「俺も、この国の魔法体系については、それなりに研究した。大規模な破壊魔法は存在する。だが、それらは全て、莫大な魔力を消費し、爆発や衝撃といった、派手なエネルギーの解放を伴う。いわば、巨大な爆弾のようなものだ。だが、報告されている現象は違う。『静かに』『砂のように』『消えた』。これは、破壊じゃない。存在そのものの『消去』に近い。観測された結果から原因を逆算すると、必要なエネルギー量は、物理法則を完全に無視している。俺の知る、どの魔法体系の数式に当てはめても、計算結果がエラーで吹っ飛ぶ。つまりだ」
彼は、人差し指をくいっと立てた。
「我々の知るOSでは、動いていない。全く別の、未知の法則。あるいは、我々がまだ発見していない、新しいパラメータが、この世界には隠されている、ということだ。いやあ、実に、面白い! この世界のルールブックに、まだ読んでいないページが残っていたとはな! 退屈で死にそうだったが、これでまたしばらくは楽しめそうだ!」

アレクシスの興奮した声をBGMに、ソフィアは深く、深く、思考の海に沈んでいった。
山を消す王。
未知の法則。
カエルスの言う通り、ただの脅威として切り捨てるのは簡単だ。アレクシスの言う通り、ただの知的好奇心の対象として分析するのもいいだろう。
だが、自分は、この国の王女だ。
そして、この国の背後には、まだアルバ公爵という、蛇のように執念深い影が潜んでいる。彼は、必ず再起を図ってくる。その時、この「山を消す王」という、規格外のジョーカーを、彼が見過ごすはずがない。
敵か、味方か。
もし、この王がアルバ公爵と手を組めば、ロゼンベルグは今度こそ、抵抗する間もなく蹂躙されるだろう。逆に、もし味方につけることができれば、これ以上ない強力な抑止力となる。
大陸という、巨大で複雑な盤面。その上に、規格外の駒が、一つ、新たに置かれた。このまま座して待っていれば、他のプレイヤー、特にアルバ公爵の計算のうちに、この駒は取り込まれてしまうだろう。相手のルールで戦わされる前に、こちらから動く必要がある。

――それに。
ソフィアは、自分の心の奥底にある、もう一つの感情にも気づいていた。
それは、アレクシスが口にしたのと同じ、純粋な好奇心だった。
退屈だった。平和なのはいいことだ。だが、この身に余るほどの知性と、前世から引き継いだ問題解決への渇望が、新たな「謎」を求めていた。
山を、消す。
一体、どんな人間が。
一体、どんな力で。
一体、何のために?
その答えは、ここ、ロゼンベルグの王城で、報告書を読んでいるだけでは、決してわからない。

「決めたわ」
ソフィアは、静かに、しかし、揺るぎない声で言った。
宰相も、カエルスも、アレクシスも、一斉に彼女に注目する。
「私、この目で、確かめに行く」
「ソフィア様!? なりません! 危険すぎます!」
宰相が、悲鳴に近い声を上げる。カエルスも、厳しい表情で「賛成できかねます。相手は正体不明。万が一のことがあれば……」と口を開いた。
しかし、ソフィアは、二人の心配を、穏やかな笑みで制した。
「もちろん、王女として大々的に行くつもりはないわ。表向きは、『民間貿易使節団の視察』。私も、一介の商人の娘として、お忍びで同行する。それならば、問題ないでしょう?」
「しかし……!」
食い下がるカエルスに、ソフィアは悪戯っぽく微笑んだ。
「あなたも、来るのよ、カエルス。私の護衛としてね。あなたのその目で、噂が本物かどうか、確かめたくない?」
「ぐっ……」
カエルスは、言葉に詰まった。口ではくだらないと言いながら、彼が誰よりも、その真偽を確かめたいと思っていることを、ソフィアは見抜いていた。
次に、ソフィアは、すでに旅支度でも始めそうな勢いで目を輝かせているアレクシスに向き直った。
「もちろん、アレクシス。あなたもよ。未知の法則を分析する、最高の分析官として、あなたの力が必要だわ」
「当然だ。むしろ、俺を置いていくつもりなら、馬車の車輪を全部、数式で溶かしてでも止めてやる」
「物騒ね……」
カエルスとアレクシスは、いつものように、互いを睨み合った。
「もやし学者が足手まといになるだけだ。道中で熊にでも食われればいい」
「ふん。お前のような筋肉ダルマの護衛など、端から期待していない。思考まで筋肉でできている男に、未知の現象が理解できるものか」
「なんだと、貴様!」
「事実だろうが」
今にも掴みかかりそうな二人を見て、ソフィアはくすくすと笑った。この光景も、久しぶりだ。
「二人とも、やめなさい。あなたたちは、私の右腕と左腕ですもの。どちらが欠けても、私は困るわ」
その一言で、二人はピタリと動きを止め、そっぽを向く。単純なものだ、とソフィアは思う。だが、その単純さが、今はとても頼もしかった。

数日後。
王都の隅にある、目立たない西門から、一台の質素な幌馬車が静かに出発した。
ソフィアは、豪華な王女のドレスを脱ぎ捨て、今は動きやすい、しかし上質な生地で作られた商人の娘の服に身を包んでいた。髪も、普段の凝った結い上げではなく、シンプルな三つ編みにしている。
馬車の小さな窓から、遠ざかっていく王都の姿を眺める。自分たちが血の滲むような努力で守り、育ててきた街。その街の平和を、未来永劫守るために。そして、何よりも。
(新しい物語が、始まるのね)
ソフィアの胸は、かすかな不安と、それを遥かに上回る期待で、高鳴っていた。
悪役令嬢の物語は、終わった。
再建の王女の物語も、一つの区切りを迎えた。
そして、明日からは、どんな物語が始まるのだろう。神が定めた運命に、喧嘩を売ると決めた、愚かで、愉快な自分たちの、新しい物語。
その最初のページは、はるか西の果て、まだ見ぬ「山を消す王」との出会いから始まるのかもしれない。
馬車は、西へ、西へと進んでいく。
黄金色に輝くロゼンベルグの豊かな大地を抜け、やがて始まるであろう、荒涼とした未知の領域へ向かって。ソフィアの心は、まるで澄み切った秋の空のように、晴れやかだった。
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