3 / 30
第3話:属性音響学と『関係性』のスープ
しおりを挟む
梅雨(つゆ)だった。 何日も降り続いた雨がようやく止んだ、その合間の一日。 空は低く、洗い忘れた皿のような、くすんだ灰色の雲に覆われている。
第二実習場へと続く中庭は、湿った土と、むせ返るような水草の匂いで満ちていた。 空気そのものが粘り気を持っているかのように肌にまとわりつき、立っているだけでじっとりと汗が滲む。
「……だるい。湿度、高すぎだろ……」 カイトが、木の幹に寄りかかったまま、死んだ魚のような目でつぶやいた。
「こういう日は、筋肉(マッスル)が湿気を吸って重くなる! 素晴らしい負荷(ふか)だ!」 「うるさいよゴードン! 暑苦しさが増すでしょ!」 ゴードンの隣で、リリアがぱたぱたと制服の胸元をあおいでいる。
ユウキも、この蒸し暑さには辟易(へきえき)していた。 前世の記憶が正しければ、これは「不快指数」が振り切れている状態だ。
そんな彼らの重苦しい雰囲気をよそに、今日のアーキバルド先生は、なぜか上機嫌だった。
教室でもない、実習場でもない。 今日の授業の場所は、中庭の池のほとりにある東屋(あずまや)だった。 その中央には、不釣り合いなことに、大きな寸胴鍋(ずんどうなべ)が置かれ、薪(まき)の火でぐつぐつと煮立っている。
今日の科目は、「属性音響学(ぞくせいおんきょうがく)」。 その名前から、ユウキは「火」や「水」の固有の性質、いわば「設定値」のようなものを学ぶのだと想像していた。 だが。
「やあ諸君。見ての通り、今日はスープだ」 アーキバルドは、長いお玉(たま)で鍋の中身をぐるりとかき回した。 ふわりと、食欲をそそる香りが湿った空気に広がる。
「腹が減っては、学問はできんからね」
「やったー! 食べるー!」 リリアが真っ先に駆け寄ろうとするのを、カイトが「待て、絶対なんか裏がある」と引き留める。
アーキバルドは、小皿にスープを一口分すくうと、ふうふうと冷まし、味わった。 「うむ、美味い」 彼は満足げに頷くと、生徒たちに向き直った。
「さて、ここで問題だ。 このスープの中には、『火』と『水』と『土』(食材)が入っている。 諸君らの知る初歩的な理論では、『水は火に勝ち』『火は土を生む(灰にする)』。 そうだね?」
生徒たちが頷く。 学園に入る前に誰もが習う、基本的な相性論だ。
「では、もしその理論が絶対なら」 先生は、お玉を鍋の縁でこつん、と鳴らした。
「この鍋の中は、水が火を消し、食材が灰になるだけで、『美味しいスープ』などという、まったく新しいものは、どうして生まれるのかね?」
「「「…………え?」」」 生徒たちは、きょとんとした。 リリアも、ゴードンも、カイトも、そして首席のセレスティアや、嫌味なドラゴまでもが、その問いの意味を測りかねている。
「それは……料理だから、ですか?」 セレスティアが、代表して答える。
「ほう。では『料理』とは何かね? セレスティア・クラウン君」 「それは、熱(火)という力を、水(液体)を仲立ちとして、食材(土)に伝えることです」
「その通り。 だが、本質はそこではない」 アーキバルドは、鍋の中を指差した。
「『火』は、『水』がなければ食材を焦がすだけだ。 『水』は、『火』がなければただの冷たい液体だ。 『食材(土)』は、それだけでは生のままだ」
彼は、生徒たちの顔をゆっくりと見渡した。
「だが、これらが『鍋』という場所で、 『薪の火』という条件で、 そして『かき混ぜる』という、私のこの『行い』によって**出会った(・・・・・)**時。
それらは、互いの性質を打ち消し合うのではなく、 互いに影響し合い、 高め合い、 個々の性質からは誰も予測できなかった、『美味しさ』という、まったく新しい『結果』を生み出す」
アーキバルドは、にやりと笑った。
「この世のすべては、このスープと同じだ。 何かが『単独で』存在していることなど、あり得ない。 すべては、他の何かと出会うための『条件』や『きっかけ』によって成り立っている」
「『火が水に弱い』のではない。 『火』と『水』が『出会う』という関係性(かんけいせい)が、『火が消える』という『結果』を生むだけだ。 条件が変われば、火が水を蒸発させることだってある」
「属性とは、物の『名前』ではない。 物と物との『関係のあり方』を指す言葉なのだよ」
その言葉は、教室の奥で授業を聞いていたユウキの頭を、金槌(かなづち)で殴りつけたかのような衝撃で貫いた。
(そういう、ことか……!)
彼は、前の世界で、この世界の仕組みを「理解」はしていた。 だが、それはどこか無機質な、乾いた理解だった。
(コーヒーが冷めるのと同じだ……) 彼は、以前、ふと考えたことを思い出した。 熱いコーヒーは、なぜ冷めるのか。 コーヒーが「冷めよう」と意志したわけではない。 ただ、「熱いコーヒー」という存在と、「冷たい空気」や「陶器のカップ」という存在が、そこであった。 その『出会い(かんけいせい)』が、「コーヒーが冷める」という、ただ一つの『結果』を生み出しているだけだ。
(だから、俺の『詠唱なし』の魔法は……) 彼は、自分の力が「異常」なのではなく、単に「手順を飛ばしている」だけなのだと理解した。
普通の生徒は、「詠唱」という『手順(かんけい)』を踏んで、世界と『対話』し、『結果』を生む。 だが、ユウキは、自分の『望み』そのものを、直接、世界という『鍋』の中に放り込んでいる。 だから、加減が効かず、爆発したり、コップごと破壊したりする。
(俺は、鍋にいきなりダイナマイトを放り込んで、シチューを作ろうとしてるようなもんだったのか……)
「関係性」。 その言葉の重みに、ユウキは眩暈(めまい)すら覚えていた。
「さて、講義は終わりだ」 先生が手を叩く。
「今日の**『属性音響学・実習』**は、その『関係性』を体感してもらう。 二人一組になりなさい」
生徒たちが、そわそわと相手を探し始める。
「課題は、『火』の魔法と、『水』の魔法を、同時に発動させること。 ただし、条件がある」 先生は、人差し指を立てた。
「互いに打ち消し合わせず、 『鎮火』も『蒸発』もさせず、 ただ、『人肌の温かさ』で安定させること」
「「「「ええええええ!?」」」」 生徒たちから、悲鳴が上がった。
「火と水とか、絶対無理!」 「どっちかが勝つに決まってる!」
「リリア! 俺と組もうぜ! お前の熱湯(おゆ)と俺の氷(こおり)で、ちょうどいい風呂(ふろ)になるかもしれん!」 「いいね、ゴードン! やってみよう!」
「……俺はカイトでいいや」 「えー、俺はセレスティアさんと……」 「お断りします」 首席のセレスティアは、誰の誘いも冷たく一蹴している。
ユウキは(また俺、余るのか……)と、ため息をついた。
「では、余り物同士、仲良くやりたまえ」 アーキバルドが、ユウキと、そしてもう一人、教室の隅で小さくなっている影を指差した。
「首席のセレスティア・クラウン君と、補習エースのユウキ・アマネ君。 君たち二人で、見本を見せてみたまえ」
「「…………はい?」」 セレスティアの完璧な顔が、絶望に歪んだ。 ユウキも、胃がキリキリと痛み出すのを感じていた。
*
中庭の池の前に、ユウキとセレスティアは、気まずく向かい合っていた。
他のペア…… リリアとゴードンは、案の定、「熱湯」と「氷塊」をぶつけ合って、派手な爆発と水蒸気を発生させている。 カイトは、適当な相手を見つけ、お互いに「やる気のない火」と「やる気のない水」を出し、ただの生ぬるい水たまりを作っていた。
「……いいですか、ユウキ・アマネ君」 セレスティアが、冷たい、しかし緊張で微かに震える声で言った。
「理論上、これは可能です」 彼女は、まるで教科書を朗読するように、完璧な理論を展開し始めた。
「私の計算によれば、私が『火』の力を、正確に『3.4単位』で、十秒間、固定して放出します。 あなたは、それに対して『水』の力を『3.8単位』で、同じく十秒間、固定して放出してください。 そうすれば、理論上、蒸発も鎮火も起こらず、対象空間の温度は『人肌』で安定するはずです」
「あ、はい。3.4と、3.8……」 (単位って何だ!?) ユウキには、彼女の言う「単位」が、さっぱり分からなかった。 彼にとっての魔法は「これくらい」とか「ほんの少し」という、極めて曖昧(あいまい)な感覚値でしかなかったからだ。
「では、行きます。 ……『赤き精霊よ、我が声に応え、指定の熱量をここに――』」 セレスティアが、完璧な詠唱で、寸分違(たが)わぬ安定した「火」を、二人の間の空間に生み出した。 美しい、制御された炎だ。
「さあ、あなたの番です! 『3.8』で!」
「お、おう!」 (3.8って、どれくらいだ!? ええい、ままよ!) ユウキは詠唱をせず、ただ、彼女の炎を「冷まさない程度」の「水」を、心の中でイメージし、放出した。 「『清き流れよ――』」
瞬間。 ボッ!!!
ユウキの水が、セレスティアの炎に触れた瞬間、炎は消えるどころか、勢いを増して燃え上がった。
「きゃっ!?」 「うわっ!?」
「ユウキ君! 『3.8』と言ったでしょう! それは『5.0』です! 火に水を注いでどうするのですか!」
「ご、ごめん! 今のは水の勢いが強すぎて、火が驚いただけだ!」
「そんな非論理的なことがあるわけないでしょう! もう一度!」
セレスティアが、再び炎を灯す。 (今度こそ……もっと、優しく……) ユウキが、そっと水を流し込む。
だが。 「……!」 ユウキは、奇妙な感覚に気づいた。 セレスティアの炎が、完璧に「3.4」で固定されているはずなのに、微かに「揺らいで」いる。
それは、中庭を吹き抜ける、湿った風のせいか。 それとも、空の低い雲が、太陽の光を遮ったせいか。 あるいは。
(この人……緊張(きんちょう)してるのか?) ユウキには見えた。 完璧な詠唱を唱える彼女の指先が、ほんのわずかに、かすかに震えているのを。 その心の『揺らぎ』が、そのまま魔法(ちから)の『揺らぎ』となって、炎に伝わっている。
(固定(リジッド)じゃない……! この世界(げんば)は、いつだって『動いて』いる!)
「セレスティアさん! 炎が!」 「なっ……!? 揺らいでなどいません! 私の計算は完璧です!」
彼女が「完璧だ」と力んだ瞬間、炎はさらに大きく揺らぎ、ユウキの水と激しく衝突した。
「まずい!」 このままでは、また爆発が起きる。 ユウキは、もう考えるのをやめた。
(『3.8』とか知るか! この『揺らぎ』ごと、包み込む!) ユウキは、詠唱(ことば)を捨てた。 彼は、彼女の「揺らぐ炎」の『流れ』を、肌で感じた。
風の『流れ』を、 湿度(しつど)の『流れ』を、 彼女の心の『揺らぎ』を、 すべて感じ取った。
そして、そのすべてを調和させるように、自分の「水」の『流れ』を、瞬時に、直感的に、変化させ続けた。
彼女の炎が強まれば、水を強く。 炎が弱まれば、水を優しく。 まるで、暴れる相手と手を取り、一つの踊り(ワルツ)を踊るかのように。
「あ……」 セレスティアが、息をのんだ。
二人の間で、炎と水は、消えもせず、沸騰もせず、完璧に混ざり合い…… そして、次の瞬間。
ドッッッッッッッッッ!!!
「「ぎゃあああああああああ!?」」
ユウキが流れを読み、セレスティアが理論で流れを固定しようとした、その二つの『意志』が、最悪の『関係性』を生んだ。 二人の魔法は、「人肌」という一点を遥かに通り越し、凄まじいエネルギーを蓄積させ、次の瞬間、巨大な「間欠泉(かんけつせん)」となって、天高く噴き上がった。 もちろん、真下にいた二人は、その「熱々の温泉」を、頭から、全身に浴びることになった。
「…………」 「…………」 びしょ濡れの二人は、まるで湯治(とうじ)に来た老人のように、池のほとりに座り込んでいた。 セレスティアの完璧に整えられた黒髪は、今は、海で遭難した人のように、無残に顔に張り付いている。
「……ありえません」 セレスティアが、震える声で言った。 「私の計算は……完璧だったのに……」
「……いや」 ユウキも、制服から湯気を上げながら、言った。 「俺のせいだ。ごめん」
「あなたのせい……? いいえ、あなたが『3.8』を守らなかったからです」
「いや、そうじゃなくて……。 あんたの炎、揺らいでただろ。 緊張してたから」
「なっ!?」 セレスティアが、顔を真っ赤にして立ち上がった。 「わ、私が、緊張など! この首席の私が、あなたのような補習生相手に、緊張など……!」
「ああ、もう、うるさいな……」 ユウキが頭を抱えていると、そっと、白い布が差し出された。
「?」 顔を上げると、いつの間にか、シノ・ミヅキが立っていた。 クラスで一番目立たない、いつも俯(うつむ)いている、影の薄い少女だ。 彼女は、ユウキに、自分の乾いたタオルを差し出していた。
「あ、ありがとう、シノさん。助かる」 ユウキがそれを受け取ると、シノは、びしょ濡れのセレスティアにも、もう一枚のタオルを差し出した。 セレスティアは、「ど、どうも」と、気まずそうにそれを受け取る。
「ふん。仲良しごっこか」 その時、意地の悪い声が響いた。 ドラゴ・ヴァイスが、自分の実験(スープ)を早々に終え、こちらを嘲笑(あざわら)うように見ていた。 彼の隣では、同じ貴族のエルレインが、扇子で口元を隠している。
ドラゴの視線は、タオルを差し出したシノに向けられていた。 「シノ・ミヅキ。 お前もそのペア、失敗したそうだな。 まあ、当然か」
シノの肩が、びくりと震えた。
「お前の『闇(やみ)』の属性なんて、スープ(りょうり)に入れれば、すべてが『腐る(ふはい)』だけだからな」
その言葉は、あまりにも、無慈悲で、冷たかった。 シノは、何も言い返せず、ただ、顔を青くして、再び俯いてしまった。
その、彼女の震える肩を見た瞬間。 ユウキの中の何かが、カチリと音を立てた。 彼は、濡れた髪をかき上げながら、ゆっくりと立ち上がった。
「……おい」 「なんだね? 補習エースのずぶ濡れ君」
「お前さ」 ユウキは、ドラゴをまっすぐに見据えた。 「スープ、食ったことないのか?」
「……は?」 ドラゴが、何を言われたのか分からない、という顔をする。
ユウキは、先ほどのアーキバルド先生の言葉を、そのまま叩きつけた。 「この世のすべては『関係性』だろ」
「何……?」 「闇(やみ)が、すべてを腐らせる? 馬鹿言え」 ユウキは、シノの前に、かばうように一歩出た。
「『塩(しお)』のないスープが、どれだけ間抜けな味か、知らないのか」
「なっ……!?」 「『闇』は『腐敗』じゃない。 『深み』であり『引き締め』だ。 それを『腐敗』させてるんだとしたら、それは『闇(しお)』のせいじゃない。 それ(しお)を使いこなせない、お前(りょうりにん)の腕が悪いだけだ」
「き、貴様ぁ……!」 ドラゴの顔が、怒りで真っ赤に染まる。 だが、ユウキは構わなかった。
「要は、使い方の問題だ。 関係性の、問題だろ」
「…………」 ドラゴは、何も言い返せず、ただ唇を噛みしめるだけだった。
ユウキは、ふう、と息をつくと、シノに向き直った。 「……と、先生なら、言いそうじゃないか?」
「え……」 シノは、俯いたまま、驚いたように目を見開いていた。 彼女の青白い頬が、ほんの少しだけ、赤く染まっている。
そして。 ほんの、ほんのわずか。 誰も気づかないほど、かすかに。 彼女の口元が、綻(ほころ)んだのを。
ユウキだけは、確かに、見ていた。
「――はい、そこまで」 アーキバルド先生が、満足そうに手を叩いた。
「今日は、いい『スープ(じゅぎょう)』ができた。 片付けは、ずぶ濡れになったユウキ君とセレスティア君がやっておくように」
「「なんで!?」」 二人の抗議の声は、蒸し暑い、しかし、ほんの少しだけ何かが変わった中庭に、むなしく響き渡った。
第二実習場へと続く中庭は、湿った土と、むせ返るような水草の匂いで満ちていた。 空気そのものが粘り気を持っているかのように肌にまとわりつき、立っているだけでじっとりと汗が滲む。
「……だるい。湿度、高すぎだろ……」 カイトが、木の幹に寄りかかったまま、死んだ魚のような目でつぶやいた。
「こういう日は、筋肉(マッスル)が湿気を吸って重くなる! 素晴らしい負荷(ふか)だ!」 「うるさいよゴードン! 暑苦しさが増すでしょ!」 ゴードンの隣で、リリアがぱたぱたと制服の胸元をあおいでいる。
ユウキも、この蒸し暑さには辟易(へきえき)していた。 前世の記憶が正しければ、これは「不快指数」が振り切れている状態だ。
そんな彼らの重苦しい雰囲気をよそに、今日のアーキバルド先生は、なぜか上機嫌だった。
教室でもない、実習場でもない。 今日の授業の場所は、中庭の池のほとりにある東屋(あずまや)だった。 その中央には、不釣り合いなことに、大きな寸胴鍋(ずんどうなべ)が置かれ、薪(まき)の火でぐつぐつと煮立っている。
今日の科目は、「属性音響学(ぞくせいおんきょうがく)」。 その名前から、ユウキは「火」や「水」の固有の性質、いわば「設定値」のようなものを学ぶのだと想像していた。 だが。
「やあ諸君。見ての通り、今日はスープだ」 アーキバルドは、長いお玉(たま)で鍋の中身をぐるりとかき回した。 ふわりと、食欲をそそる香りが湿った空気に広がる。
「腹が減っては、学問はできんからね」
「やったー! 食べるー!」 リリアが真っ先に駆け寄ろうとするのを、カイトが「待て、絶対なんか裏がある」と引き留める。
アーキバルドは、小皿にスープを一口分すくうと、ふうふうと冷まし、味わった。 「うむ、美味い」 彼は満足げに頷くと、生徒たちに向き直った。
「さて、ここで問題だ。 このスープの中には、『火』と『水』と『土』(食材)が入っている。 諸君らの知る初歩的な理論では、『水は火に勝ち』『火は土を生む(灰にする)』。 そうだね?」
生徒たちが頷く。 学園に入る前に誰もが習う、基本的な相性論だ。
「では、もしその理論が絶対なら」 先生は、お玉を鍋の縁でこつん、と鳴らした。
「この鍋の中は、水が火を消し、食材が灰になるだけで、『美味しいスープ』などという、まったく新しいものは、どうして生まれるのかね?」
「「「…………え?」」」 生徒たちは、きょとんとした。 リリアも、ゴードンも、カイトも、そして首席のセレスティアや、嫌味なドラゴまでもが、その問いの意味を測りかねている。
「それは……料理だから、ですか?」 セレスティアが、代表して答える。
「ほう。では『料理』とは何かね? セレスティア・クラウン君」 「それは、熱(火)という力を、水(液体)を仲立ちとして、食材(土)に伝えることです」
「その通り。 だが、本質はそこではない」 アーキバルドは、鍋の中を指差した。
「『火』は、『水』がなければ食材を焦がすだけだ。 『水』は、『火』がなければただの冷たい液体だ。 『食材(土)』は、それだけでは生のままだ」
彼は、生徒たちの顔をゆっくりと見渡した。
「だが、これらが『鍋』という場所で、 『薪の火』という条件で、 そして『かき混ぜる』という、私のこの『行い』によって**出会った(・・・・・)**時。
それらは、互いの性質を打ち消し合うのではなく、 互いに影響し合い、 高め合い、 個々の性質からは誰も予測できなかった、『美味しさ』という、まったく新しい『結果』を生み出す」
アーキバルドは、にやりと笑った。
「この世のすべては、このスープと同じだ。 何かが『単独で』存在していることなど、あり得ない。 すべては、他の何かと出会うための『条件』や『きっかけ』によって成り立っている」
「『火が水に弱い』のではない。 『火』と『水』が『出会う』という関係性(かんけいせい)が、『火が消える』という『結果』を生むだけだ。 条件が変われば、火が水を蒸発させることだってある」
「属性とは、物の『名前』ではない。 物と物との『関係のあり方』を指す言葉なのだよ」
その言葉は、教室の奥で授業を聞いていたユウキの頭を、金槌(かなづち)で殴りつけたかのような衝撃で貫いた。
(そういう、ことか……!)
彼は、前の世界で、この世界の仕組みを「理解」はしていた。 だが、それはどこか無機質な、乾いた理解だった。
(コーヒーが冷めるのと同じだ……) 彼は、以前、ふと考えたことを思い出した。 熱いコーヒーは、なぜ冷めるのか。 コーヒーが「冷めよう」と意志したわけではない。 ただ、「熱いコーヒー」という存在と、「冷たい空気」や「陶器のカップ」という存在が、そこであった。 その『出会い(かんけいせい)』が、「コーヒーが冷める」という、ただ一つの『結果』を生み出しているだけだ。
(だから、俺の『詠唱なし』の魔法は……) 彼は、自分の力が「異常」なのではなく、単に「手順を飛ばしている」だけなのだと理解した。
普通の生徒は、「詠唱」という『手順(かんけい)』を踏んで、世界と『対話』し、『結果』を生む。 だが、ユウキは、自分の『望み』そのものを、直接、世界という『鍋』の中に放り込んでいる。 だから、加減が効かず、爆発したり、コップごと破壊したりする。
(俺は、鍋にいきなりダイナマイトを放り込んで、シチューを作ろうとしてるようなもんだったのか……)
「関係性」。 その言葉の重みに、ユウキは眩暈(めまい)すら覚えていた。
「さて、講義は終わりだ」 先生が手を叩く。
「今日の**『属性音響学・実習』**は、その『関係性』を体感してもらう。 二人一組になりなさい」
生徒たちが、そわそわと相手を探し始める。
「課題は、『火』の魔法と、『水』の魔法を、同時に発動させること。 ただし、条件がある」 先生は、人差し指を立てた。
「互いに打ち消し合わせず、 『鎮火』も『蒸発』もさせず、 ただ、『人肌の温かさ』で安定させること」
「「「「ええええええ!?」」」」 生徒たちから、悲鳴が上がった。
「火と水とか、絶対無理!」 「どっちかが勝つに決まってる!」
「リリア! 俺と組もうぜ! お前の熱湯(おゆ)と俺の氷(こおり)で、ちょうどいい風呂(ふろ)になるかもしれん!」 「いいね、ゴードン! やってみよう!」
「……俺はカイトでいいや」 「えー、俺はセレスティアさんと……」 「お断りします」 首席のセレスティアは、誰の誘いも冷たく一蹴している。
ユウキは(また俺、余るのか……)と、ため息をついた。
「では、余り物同士、仲良くやりたまえ」 アーキバルドが、ユウキと、そしてもう一人、教室の隅で小さくなっている影を指差した。
「首席のセレスティア・クラウン君と、補習エースのユウキ・アマネ君。 君たち二人で、見本を見せてみたまえ」
「「…………はい?」」 セレスティアの完璧な顔が、絶望に歪んだ。 ユウキも、胃がキリキリと痛み出すのを感じていた。
*
中庭の池の前に、ユウキとセレスティアは、気まずく向かい合っていた。
他のペア…… リリアとゴードンは、案の定、「熱湯」と「氷塊」をぶつけ合って、派手な爆発と水蒸気を発生させている。 カイトは、適当な相手を見つけ、お互いに「やる気のない火」と「やる気のない水」を出し、ただの生ぬるい水たまりを作っていた。
「……いいですか、ユウキ・アマネ君」 セレスティアが、冷たい、しかし緊張で微かに震える声で言った。
「理論上、これは可能です」 彼女は、まるで教科書を朗読するように、完璧な理論を展開し始めた。
「私の計算によれば、私が『火』の力を、正確に『3.4単位』で、十秒間、固定して放出します。 あなたは、それに対して『水』の力を『3.8単位』で、同じく十秒間、固定して放出してください。 そうすれば、理論上、蒸発も鎮火も起こらず、対象空間の温度は『人肌』で安定するはずです」
「あ、はい。3.4と、3.8……」 (単位って何だ!?) ユウキには、彼女の言う「単位」が、さっぱり分からなかった。 彼にとっての魔法は「これくらい」とか「ほんの少し」という、極めて曖昧(あいまい)な感覚値でしかなかったからだ。
「では、行きます。 ……『赤き精霊よ、我が声に応え、指定の熱量をここに――』」 セレスティアが、完璧な詠唱で、寸分違(たが)わぬ安定した「火」を、二人の間の空間に生み出した。 美しい、制御された炎だ。
「さあ、あなたの番です! 『3.8』で!」
「お、おう!」 (3.8って、どれくらいだ!? ええい、ままよ!) ユウキは詠唱をせず、ただ、彼女の炎を「冷まさない程度」の「水」を、心の中でイメージし、放出した。 「『清き流れよ――』」
瞬間。 ボッ!!!
ユウキの水が、セレスティアの炎に触れた瞬間、炎は消えるどころか、勢いを増して燃え上がった。
「きゃっ!?」 「うわっ!?」
「ユウキ君! 『3.8』と言ったでしょう! それは『5.0』です! 火に水を注いでどうするのですか!」
「ご、ごめん! 今のは水の勢いが強すぎて、火が驚いただけだ!」
「そんな非論理的なことがあるわけないでしょう! もう一度!」
セレスティアが、再び炎を灯す。 (今度こそ……もっと、優しく……) ユウキが、そっと水を流し込む。
だが。 「……!」 ユウキは、奇妙な感覚に気づいた。 セレスティアの炎が、完璧に「3.4」で固定されているはずなのに、微かに「揺らいで」いる。
それは、中庭を吹き抜ける、湿った風のせいか。 それとも、空の低い雲が、太陽の光を遮ったせいか。 あるいは。
(この人……緊張(きんちょう)してるのか?) ユウキには見えた。 完璧な詠唱を唱える彼女の指先が、ほんのわずかに、かすかに震えているのを。 その心の『揺らぎ』が、そのまま魔法(ちから)の『揺らぎ』となって、炎に伝わっている。
(固定(リジッド)じゃない……! この世界(げんば)は、いつだって『動いて』いる!)
「セレスティアさん! 炎が!」 「なっ……!? 揺らいでなどいません! 私の計算は完璧です!」
彼女が「完璧だ」と力んだ瞬間、炎はさらに大きく揺らぎ、ユウキの水と激しく衝突した。
「まずい!」 このままでは、また爆発が起きる。 ユウキは、もう考えるのをやめた。
(『3.8』とか知るか! この『揺らぎ』ごと、包み込む!) ユウキは、詠唱(ことば)を捨てた。 彼は、彼女の「揺らぐ炎」の『流れ』を、肌で感じた。
風の『流れ』を、 湿度(しつど)の『流れ』を、 彼女の心の『揺らぎ』を、 すべて感じ取った。
そして、そのすべてを調和させるように、自分の「水」の『流れ』を、瞬時に、直感的に、変化させ続けた。
彼女の炎が強まれば、水を強く。 炎が弱まれば、水を優しく。 まるで、暴れる相手と手を取り、一つの踊り(ワルツ)を踊るかのように。
「あ……」 セレスティアが、息をのんだ。
二人の間で、炎と水は、消えもせず、沸騰もせず、完璧に混ざり合い…… そして、次の瞬間。
ドッッッッッッッッッ!!!
「「ぎゃあああああああああ!?」」
ユウキが流れを読み、セレスティアが理論で流れを固定しようとした、その二つの『意志』が、最悪の『関係性』を生んだ。 二人の魔法は、「人肌」という一点を遥かに通り越し、凄まじいエネルギーを蓄積させ、次の瞬間、巨大な「間欠泉(かんけつせん)」となって、天高く噴き上がった。 もちろん、真下にいた二人は、その「熱々の温泉」を、頭から、全身に浴びることになった。
「…………」 「…………」 びしょ濡れの二人は、まるで湯治(とうじ)に来た老人のように、池のほとりに座り込んでいた。 セレスティアの完璧に整えられた黒髪は、今は、海で遭難した人のように、無残に顔に張り付いている。
「……ありえません」 セレスティアが、震える声で言った。 「私の計算は……完璧だったのに……」
「……いや」 ユウキも、制服から湯気を上げながら、言った。 「俺のせいだ。ごめん」
「あなたのせい……? いいえ、あなたが『3.8』を守らなかったからです」
「いや、そうじゃなくて……。 あんたの炎、揺らいでただろ。 緊張してたから」
「なっ!?」 セレスティアが、顔を真っ赤にして立ち上がった。 「わ、私が、緊張など! この首席の私が、あなたのような補習生相手に、緊張など……!」
「ああ、もう、うるさいな……」 ユウキが頭を抱えていると、そっと、白い布が差し出された。
「?」 顔を上げると、いつの間にか、シノ・ミヅキが立っていた。 クラスで一番目立たない、いつも俯(うつむ)いている、影の薄い少女だ。 彼女は、ユウキに、自分の乾いたタオルを差し出していた。
「あ、ありがとう、シノさん。助かる」 ユウキがそれを受け取ると、シノは、びしょ濡れのセレスティアにも、もう一枚のタオルを差し出した。 セレスティアは、「ど、どうも」と、気まずそうにそれを受け取る。
「ふん。仲良しごっこか」 その時、意地の悪い声が響いた。 ドラゴ・ヴァイスが、自分の実験(スープ)を早々に終え、こちらを嘲笑(あざわら)うように見ていた。 彼の隣では、同じ貴族のエルレインが、扇子で口元を隠している。
ドラゴの視線は、タオルを差し出したシノに向けられていた。 「シノ・ミヅキ。 お前もそのペア、失敗したそうだな。 まあ、当然か」
シノの肩が、びくりと震えた。
「お前の『闇(やみ)』の属性なんて、スープ(りょうり)に入れれば、すべてが『腐る(ふはい)』だけだからな」
その言葉は、あまりにも、無慈悲で、冷たかった。 シノは、何も言い返せず、ただ、顔を青くして、再び俯いてしまった。
その、彼女の震える肩を見た瞬間。 ユウキの中の何かが、カチリと音を立てた。 彼は、濡れた髪をかき上げながら、ゆっくりと立ち上がった。
「……おい」 「なんだね? 補習エースのずぶ濡れ君」
「お前さ」 ユウキは、ドラゴをまっすぐに見据えた。 「スープ、食ったことないのか?」
「……は?」 ドラゴが、何を言われたのか分からない、という顔をする。
ユウキは、先ほどのアーキバルド先生の言葉を、そのまま叩きつけた。 「この世のすべては『関係性』だろ」
「何……?」 「闇(やみ)が、すべてを腐らせる? 馬鹿言え」 ユウキは、シノの前に、かばうように一歩出た。
「『塩(しお)』のないスープが、どれだけ間抜けな味か、知らないのか」
「なっ……!?」 「『闇』は『腐敗』じゃない。 『深み』であり『引き締め』だ。 それを『腐敗』させてるんだとしたら、それは『闇(しお)』のせいじゃない。 それ(しお)を使いこなせない、お前(りょうりにん)の腕が悪いだけだ」
「き、貴様ぁ……!」 ドラゴの顔が、怒りで真っ赤に染まる。 だが、ユウキは構わなかった。
「要は、使い方の問題だ。 関係性の、問題だろ」
「…………」 ドラゴは、何も言い返せず、ただ唇を噛みしめるだけだった。
ユウキは、ふう、と息をつくと、シノに向き直った。 「……と、先生なら、言いそうじゃないか?」
「え……」 シノは、俯いたまま、驚いたように目を見開いていた。 彼女の青白い頬が、ほんの少しだけ、赤く染まっている。
そして。 ほんの、ほんのわずか。 誰も気づかないほど、かすかに。 彼女の口元が、綻(ほころ)んだのを。
ユウキだけは、確かに、見ていた。
「――はい、そこまで」 アーキバルド先生が、満足そうに手を叩いた。
「今日は、いい『スープ(じゅぎょう)』ができた。 片付けは、ずぶ濡れになったユウキ君とセレスティア君がやっておくように」
「「なんで!?」」 二人の抗議の声は、蒸し暑い、しかし、ほんの少しだけ何かが変わった中庭に、むなしく響き渡った。
41
あなたにおすすめの小説
転生したら実は神の息子だった俺、無自覚のまま世界を救ってハーレム王になっていた件
fuwamofu
ファンタジー
ブラック企業で過労死した平凡サラリーマン・榊悠斗は、気づけば剣と魔法の異世界へ転生していた。
チート能力もない地味な村人として静かに暮らすはずだった……が、なぜか魔物が逃げ出し、勇者が跪き、王女がプロポーズ!?
実は神の息子で、世界最強の存在だったが、その力に本人だけが気づいていない。
「無自覚最強」な悠斗が巻き起こす勘違い系異世界英雄譚、ここに開幕!
俺、何しに異世界に来たんだっけ?
右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」
主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。
気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。
「あなたに、お願いがあります。どうか…」
そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。
「やべ…失敗した。」
女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚…
スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて…
気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。
愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。
生きていればいつかは幼馴染達とまた会える!
愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」
幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。
愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。
はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
異世界で大往生した私、現代日本に帰還して中学生からやり直す。~最強の補助魔法で、冴えないおっさんと最強美女を操って大金持ちになります~
タカノ
ファンタジー
異世界へ転移し、聖女として崇められ、愛する家族に囲まれて88歳で大往生した……はずだった。 目が覚めると、そこは現代日本。 孤児の中学2年生、小金沢ヒナ(14)に戻っていた。
時間は1秒も進んでおらず、待っていたのは明日のご飯にも困る極貧生活。 けれど、ヒナの中身は酸いも甘いも噛み分けたおばあちゃん(88歳)のまま!
「もう一度、あの豊かで安らかな老後(スローライフ)を手に入れてみせる!」
ヒナは決意する。異世界で極めた国宝級の【補助魔法】と【回復魔法】をフル活用して、現代社会で大金を稼ぐことを。 ただし、魔法は自分自身には使えないし、中学生が目立つと色々面倒くさい。 そこでヒナがビジネスパートナー(手駒)に選んだのは――
公園で絶望していた「リストラされた冴えないおっさん」と、 借金取りに追われる「ワケあり最強美女」!?
おっさんを裏から魔法で強化して『カリスマ社長』に仕立て上げ、 美女をフルバフで『人間兵器』に変えてトラブルを物理的に粉砕。 表向きはニコニコ笑う美少女中学生、裏では彼らを操るフィクサー。
「さあ善さん、リオちゃん。稼ぎますよ。すべては私の平穏な老後のために!」
精神年齢おばあちゃんの少女が、金と魔法と年の功で無双する、痛快マネー・コメディ開幕!
クラスまるごと異世界転移
八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。
ソレは突然訪れた。
『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』
そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。
…そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。
どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。
…大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても…
そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。
捨てられた貴族六男、ハズレギフト『家電量販店』で僻地を悠々開拓する。~魔改造し放題の家電を使って、廃れた土地で建国目指します~
荒井竜馬@書籍発売中
ファンタジー
ある日、主人公は前世の記憶を思いだし、自分が転生者であることに気がつく。転生先は、悪役貴族と名高いアストロメア家の六男だった。しかし、メビウスは前世でアニメやラノベに触れていたので、悪役転生した場合の身の振り方を知っていた。『悪役転生ものということは、死ぬ気で努力すれば最強になれるパターンだ!』そう考えて死ぬ気で努力をするが、チート級の力を身につけることができなかった。
それどころか、授かったギフトが『家電量販店』という理解されないギフトだったせいで、一族から追放されてしまい『死地』と呼ばれる場所に捨てられてしまう。
「……普通、十歳の子供をこんな場所に捨てるか?」
『死地』と呼ばれる何もない場所で、メビウスは『家電量販店』のスキルを使って生き延びることを決意する。
しかし、そこでメビウスは自分のギフトが『死地』で生きていくのに適していたことに気がつく。
家電を自在に魔改造して『家電量販店』で過ごしていくうちに、メビウスは周りから天才発明家として扱われ、やがて小国の長として建国を目指すことになるのだった。
メビウスは知るはずがなかった。いずれ、自分が『機械仕掛けの大魔導士』と呼ばれ存在になるなんて。
努力しても最強になれず、追放先に師範も元冒険者メイドもついてこず、領地どころかどの国も管理していない僻地に捨てられる……そんな踏んだり蹴ったりから始まる領地(国家)経営物語。
『ノベマ! 異世界ファンタジー:8位(2025/04/22)』
※別サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる