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第4話:魔力体力学と『デスマーチ』の記憶
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季節は、容赦のない真夏に突入していた。
アーリア魔法学園を囲む森からは、 まるで世界が終わるかのように、けたたましい蝉時雨が降り注いでいる。
「大グラウンド」と呼ばれるだだっ広い演習場は、巨大なフライパンと化していた。 ぎらつく太陽がアスファルトのように固く乾いた地面を照りつけ、 陽炎がゆらゆらと立ち上り、 遠くの景色を蜃気楼のように歪ませている。
空気そのものが燃えているかのようで、 じっとりと肌にまとわりつく熱気は、思考力も体力も、何もかもを奪い去っていく。
そんな灼熱地獄の真っ只中に、 ユウキ・アマネたち「補習組」は、再び集められていた。
「……だるい。死ぬ。マジで死ぬ。 こんな日に呼び出すとか、あの先生(アーキバルド)は鬼か……」
カイト・ウィンドが、グラウンドの隅に生えた唯一の木陰で、 地面に寝転がったまま、もはや幽霊のような声でつぶやいている。
「暑い! だが、この暑さこそが俺の筋肉を成長させる!」
対照的に、ゴードン・マッスルは、 なぜか炎天下のど真ん中で一人、大汗をかきながら拳を天に突き上げていた。 彼の周囲だけ、体感温度が五度は高い気がする。
「ねえねえ、ユウキ! 見て、あれ! 陽炎で、ゴードンの体がゆがんで見えるよ! 面白い!」
リリア・サンシャインだけは、この地獄の暑さすら「面白い」に変換できる、 異常なまでの元気さで、ユウキの腕をぶんぶんと振っていた。
「……リリア。暑いから、くっつかないでくれ。 あと、揺らすな。揺れると、余計に暑い」
ユウキは、前世の記憶が正しければ、 これは完全に「屋外での活動を禁止すべき」レベルの暑さだと、ぐったりしながら考えていた。
(なんで俺たちだけ、こんな……)
ちらりと隣の「第一グラウンド」を見ると、 そこには、まるで真夏を忘れたかのような「涼」があった。
セレスティアやエルレインたち、成績優秀な生徒たちが集うそこでは、 上級生が作り出した巨大な「氷のドーム」が日差しを遮り、 内部には「風」の魔法による冷気が循環していた。 快適な環境で、彼らは優雅に魔法の訓練に励んでいる。
「……あれ、絶対、先生の嫌がらせだろ」
カイトが、恨みの籠った声で、第一グラウンドを睨みつけた。
「格差社会だ……」
ユウキも、心の底から同意した。
「やあ諸君。暑いねえ」
その声は、熱気の中に溶け込むように、不意に背後から現れた。 いつものように、気配もなくアーキバルド先生が立っていた。 彼は、この炎天下にもかかわらず、涼しい顔で、 なぜか手にした水筒から熱いお茶をすすっている。
「さて、今日の補習を始めよう。 科目は**『魔力体力学』**だ」
「体力、ですか!」 ゴードンが、待ってましたとばかりに反応する。
「うむ。体力だ。 だがゴードン君、君の言う『体力』とは、少し意味が違う」
アーキバルドは、水筒の蓋をきゅっと閉めた。
「君たちが『マナ』と呼んでいる、魔法を使うための『力』。 その源がどこにあるか、考えたことはあるかね?」
「はい! 俺の、この、筋肉です!」
「残念だったな。不正解だ」
先生は、ゴードンの完璧な肉体美を(少し羨ましそうに)一瞥すると、空を指差した。
「力は、二種類ある。 一つは、君たちの『内側』にある力だ。 これは君たちの生命そのもの、心臓の鼓動や、呼吸、 あるいは精神の働きによって生み出される、いわば『自分のもの』だ」
彼は、次に、地面を指差した。
「そして、もう一つ。 それは、君たちの『外側』にある力だ。 この世界そのものに満ちている、巨大な力の『流れ』だ。 大気の流れ、大地のうねり、星々の運行。 そのすべてが、君たちが『マナ』と呼ぶ、力の源泉だ」
「魔法使いとは、この『内なる力』と『外なる力』の二つを上手く『調和』させ、 借り受け、望む『現象』を起こす者のことを言う」
先生の講義は、まるで壮大な詩を聞いているかのようだった。
だが、次の瞬間、彼は、にやりと意地の悪い笑みを浮かべた。
「……だが、諸君。ここで、最大の『落とし穴』がある」
「落とし穴?」 リリアが首をかしげる。
「そうだ。 『自分の力』は、まあ、管理しやすい。 寝て、食えば、だいたいは元に戻る。だが」
先生は、まるで秘密を打ち明けるように、声を潜めた。
「『世界の力』は、君たちの都合など、一切お構いなしだ」
「!」
「君たちは、世界を、予測可能で、従順な『道具箱』か何かだと思っている。 違うね」
アーキバルドは、両手を広げ、この灼熱のグラウンド全体を指し示した。
「世界は『生き物』だ! それも、とんでもなく気まぐれで、複雑怪奇な、巨大な生き物だ!」
彼は、興奮したように早口で続けた。
「この暑さ、地面の調子、 君が昨日の夕飯に豆を食ったかどうか、 隣にいる友人が、今朝、誰かに失恋したかどうか!」
「えっ、カイト、あなた、失恋したの!?」 リリアが、素っ頓狂な声を上げる。
「してねえよ! なんで俺なんだよ!」 カイトが、寝転がったまま全力で否定する。
先生は、二人のやり取りを無視して続けた。
「そういった、君たちには到底把握しきれない、 無数の『要因』が、この瞬間にも複雑に絡み合い、影響し合い、 その結果として、君たちが借りられる『世界の力』の量は、 常に、予測不能に、激しく『変動』している!」
「我々は、この予測不能な力の『波』を、 敬意と諦めを込めて、こう呼ぶ」
先生は、一度、言葉を切った。
「――『揺らぎ』、と」
『揺らぎ』。
その言葉の響きに、ユウキは、またしても前世の記憶を刺激されていた。
(予測不能な、変動……) (それって、つまり……『仕様変更』ってことじゃないか?)
クライアントの気まぐれ。 上司の思いつき。 見つからなかった重大な欠陥。 それらが、完璧だと思っていた計画を、 ある日突然、根底から覆す。 あの悪夢のような日々。
(まさか、この世界も、同じなのか……?)
ユウキの顔から、さらに血の気が引いていく。
「さて、講義はここまでだ」 先生は、楽しそうに手を叩いた。
「今日の**『魔力体力学・実習』**は、 その『揺らぎ』を、君たちの『内なる力』で、存分に味わってもらう」
彼が指差した先には、ただ、何もない、だだっ広い地面が広がっているだけだった。
「課題は、単純だ。 『内なる力』が完全に枯渇する寸前まで、 ひたすら『土壁』を出し続ける。 それだけだ」
「「「「えええええええ!?」」」」
今度こそ、四人の悲鳴が重なった。
「こ、この炎天下で!?」 「倒れますよ、先生!」 「筋肉には、最適な課題だ!」 「そもそも、枯渇寸前とか、どうやって分かるんだよ……」
カイトが、最もな疑問を呈する。
「素晴らしい問いだ、カイト君」 先生は、満面の笑みだ。
「――『勘』だ」
「「「「勘!?」」」」
「そうだ。 『自分の力』と『世界の力』の境界線を感じ、 『内なる力』が尽きる『瞬間』を見極める。 それこそが、この授業の目的なのだから。 さあ、始め!」
それは、もはや授業ではなく、拷問だった。
*
実習が始まって、一時間。
グラウンドには、四人の生徒が作り出した、 不格好な土壁が、墓標のように乱立していた。
最初に脱落したのは、意外にも、ゴードンだった。
「うおおおお! 土よ! 壁となれ! 筋肉よ! 応えよ!」
彼は、その有り余る体力に任せ、凄まじい勢いで土壁を乱造した。 だが、その力の使い方は、あまりにも『内なる力』に頼りすぎていた。
「ぐっ……! ま、マナが……力が、尽きた……!」
開始してたったの十分で、彼は「枯渇」した。
「……だが!」
ゴードンは、倒れなかった。
「マナが尽きても! 俺には! 筋肉がある!」
彼は、自らが作り出した土壁の前に立つと、 あろうことか、その固い壁を、素手で「殴り」始めた。
ドン! ドン! と、鈍い音がグラウンドに響く。
「うおおお! これぞ体力学!」
「ゴードン・マッスル君!」
アーキバルドの、血管が切れそうな怒声が飛んだ。
「それは『魔力』体力学ではなく、ただの『物理』体力学だ! 紛らわしいから、そこで大人しく倒れていろ!」
「押忍!」
ゴードンは、満足げな顔で、その場に大の字になって動かなくなった。
次に脱落したのは、リリアだった。
「わあ! ほんとだ! 力が、来たり、来なかったりする!」
彼女は、先生の言った『揺らぎ』を、 まるで新しい『遊び』かのように、全身で楽しんでいた。
「今、いっぱい来た! 行けー!」 彼女の前に、規格外の巨大な土壁が出現する。
「あ、今度は引いてっちゃった……えいっ!」 豆粒のような壁が出る。
「揺らぎ、楽しー!」
彼女は、力の『波』に、無邪気に『乗ろう』とした。 力の奔流が来れば、それに任せて全力を出し、 力が引けば、自分の『内なる力』を無理やり絞り出す。
その、無計画で、感情的な力の使い方は、あまりにも、アンバランスだった。
「あ……」
実習開始から三十分。 力の『揺らぎ』が最大になった瞬間、 リリアは、自分の許容量を超える『世界の力』を、 無理やり引き込んでしまった。
「……れ?」
彼女の体から、目に見えるほどの魔力が、 火花のようにバチバチと迸る。
「や、やりすぎ……た……」
リリアは、それだけ言うと、 盛大に白目を剥き、 糸が切れた人形のように、ばったりと倒れた。
「リリア・サンシャイン君。 力の波に乗ろうとして、溺れる馬鹿がどこにいる。 補習の補習、決定だ」
先生の冷たい声が響いた。
残るは、ユウキとカイト。
カイトは、相変わらず木陰から一歩も動かず、 地面に指先だけをつけて、みみっちい「土のコブ」のようなものを、 五分に一回くらい作っているだけだった。
「……俺、省エネなんで。 揺らぎとか、そういう疲れるの、ちょっと……」
「カイト・ウィンド君。 それは『体力学』ではなく『怠惰』だ。 落第だぞ」
「うへえ……」
カイトは、心底嫌そうに、ようやく重い腰を上げた。
そして、ユウキは。 彼は、この地獄のような実習で、ただ一人、冷静だった。
(よし。順調だ)
彼は、自分の『内なる力』の総量を、正確に把握していた。
(俺の『中』にある力の総量を『100』とする。 まず、『世界』の力を借りずに、自分の力だけで壁を一つ作る。 消費は『5』だ。なるほど)
彼は、次に『世界』の力……『揺らぎ』に意識を合わせた。
(波がある。今、来ている。 ここで壁を作る。消費は……『1』だ)
(今、波が引いた。 ここで作ると、消費は『8』になる。 ……ダメだ。これは『待ち』だ)
ユウキは、前世で培った「残量の管理能力」を、 遺憾なく発揮していた。
彼は、決して無理をしなかった。
『揺らぎ』の波が来ている時だけ、 最小限の『内なる力』を「きっかけ」として使い、効率よく壁を作る。
波が引いている時は、一切動かない。 ただ、自分の『内なる力』を温存する。
(このペースなら、あと二時間はイケる。 進捗率は今、40%。 残量は60%)
彼は、淡々と、しかし確実に、土壁を量産していった。 その姿は、もはや「学生」ではなく、 厳しい現場を生き抜いてきた「職人」のそれだった。
アーキバルド先生が、初めて、興味深そうに目を細めて、ユウキの作業を見つめている。
(完璧だ。 このまま『内なる力』が残り『10%』になるまで続け、 そこでアラートを鳴らして、作業を終了する)
ユウキは、自分の計画に、絶対の自信を持っていた。
――だが。
その「揺らぎ」は、 ユウキの『内なる力』が、残り「30%」を切った、 まさにその瞬間に、起こった。
(……ん?)
それまで、一定の周期で寄せては返していた『世界の力』の波が。
まるで、潮が引くように。
ぴたり、と。
完全に、途絶えたのだ。
(え?)
ユウキは、一瞬、何が起きたのか分からなかった。
(波が、来ない? なぜだ? 周期がズレた? いや、違う)
(途絶えた? ゼロになった?)
(まさか)
ユウキの脳裏に、先生の言葉が蘇る。
『無数の要因が、絡み合い』 『予測不能に、変動する』
(これか! これが、本当の『揺らぎ』か!)
ユウキは、慌てて「土壁」の生成を中断しようとした。 だが、遅かった。
彼は、波が来ることを「前提」に、 すでに『内なる力』の「5%」を、 次の壁の「きっかけ」として、放出してしまっていた。
だが、来るはずだった『世界の力』の『95%』が、来ない。
結果、ユウキの体は、その『不足分』を補うために、 自動的に、彼の『内なる力』から、 残りの力を、強制的に引きずり出し始めた。
「あ」
「がっ……!」
それは、まるで、蛇口から水が流れ出るのではなく、 巨大なポンプで、魂ごと吸い出されるような、 凄まじい『虚脱感』だった。
残り30%だったはずの力が、一瞬で、ゼロになる。 いや、マイナスに振り切れる。
「あ……ああ……」
視界が、暗転した。 蝉時雨が、遠くなる。 灼熱の暑さも、感じなくなった。 ただ、体の芯が、氷のように冷えていく。
そして。 その、冷たい、絶対的な『虚無』の中で。 ユウキは、見てしまった。
忘れたはずの、前世の、あの『地獄』を。
『――どうなってるんだ! アマネ君!』
鳴り響く、電話のベル。 深夜三時。 白々とした蛍光灯の光。 冷え切ったコーヒーの、酸っぱい匂い。 画面に映し出された、絶望的な、赤い『エラー』の文字列。
『納期は明日の朝だぞ!』 『今、止まったら、どうなるか、分かってるんだろうな!』 『今すぐ直せ!』
『どうして、こんなことに……』 『計画は、完璧だったはずなのに……』
「――ユウキ君! しっかりしろ!」
遠くで、先生の声がする。 だが、今のユウキには、それは、クライアントの『怒声』にしか聞こえなかった。
「あ……ああ……」
ユウキは、うつろな目で、灼熱の空を見上げた。
(計画が……計画が、崩れる) (無理だ。もう、力がない) (足りない。時間が、足りない。俺の、力が……)
彼は、枯渇した体の、最後の力を振り絞り、絶叫した。
「待ってください!」
「うおっ!?」 カイトが、何事かと飛び起きる。
「今、仕様を変更するのは、やめてください!」
「……は?」
「差し込みタスクは! もう無理です!」
ユウキは、ガクガクと震えながら、必死に、空に向かって、懇願した。
「お、お願いします……!」
「寝させて、ください……!」
バタッ。
ユウキ・アマネは、その言葉を最後に、 完全に意識を手放した。
乾いた土の上に、 白目を剥いて倒れる。
「…………」 「…………」 「…………」
先に倒れていたリリア(意識を取り戻していた)と、 ゴードン(筋肉を休めていた)、 そしてカイト(ただただ引いていた)が、 ユウキの、あまりにも、あまりにも切実な、 魂の叫びを聞き、 ただ、呆然としていた。
「……なんか」 リリアが、ぽつりと言った。
「ユウキって、本当に、大変だったんだね……」
「ああ……」 カイトも、なぜか、遠い目をしていた。
「……ふむ」
アーキバルド先生だけが、腕を組み、 倒れたユウキの寝顔を (少し可哀想なものを見る目で) 見下ろしていた。
「『仕様変更』、か。 なるほど。『揺らぎ』を、そう捉えたか」
彼は、ふう、と一度息をつくと、
「――誰か。 こいつを、医務室まで、運んでやれ」
と、面倒くさそうに、言った。
真夏の空は、どこまでも青く、 蝉の声だけが、相変わらず、やかましかった。
アーリア魔法学園を囲む森からは、 まるで世界が終わるかのように、けたたましい蝉時雨が降り注いでいる。
「大グラウンド」と呼ばれるだだっ広い演習場は、巨大なフライパンと化していた。 ぎらつく太陽がアスファルトのように固く乾いた地面を照りつけ、 陽炎がゆらゆらと立ち上り、 遠くの景色を蜃気楼のように歪ませている。
空気そのものが燃えているかのようで、 じっとりと肌にまとわりつく熱気は、思考力も体力も、何もかもを奪い去っていく。
そんな灼熱地獄の真っ只中に、 ユウキ・アマネたち「補習組」は、再び集められていた。
「……だるい。死ぬ。マジで死ぬ。 こんな日に呼び出すとか、あの先生(アーキバルド)は鬼か……」
カイト・ウィンドが、グラウンドの隅に生えた唯一の木陰で、 地面に寝転がったまま、もはや幽霊のような声でつぶやいている。
「暑い! だが、この暑さこそが俺の筋肉を成長させる!」
対照的に、ゴードン・マッスルは、 なぜか炎天下のど真ん中で一人、大汗をかきながら拳を天に突き上げていた。 彼の周囲だけ、体感温度が五度は高い気がする。
「ねえねえ、ユウキ! 見て、あれ! 陽炎で、ゴードンの体がゆがんで見えるよ! 面白い!」
リリア・サンシャインだけは、この地獄の暑さすら「面白い」に変換できる、 異常なまでの元気さで、ユウキの腕をぶんぶんと振っていた。
「……リリア。暑いから、くっつかないでくれ。 あと、揺らすな。揺れると、余計に暑い」
ユウキは、前世の記憶が正しければ、 これは完全に「屋外での活動を禁止すべき」レベルの暑さだと、ぐったりしながら考えていた。
(なんで俺たちだけ、こんな……)
ちらりと隣の「第一グラウンド」を見ると、 そこには、まるで真夏を忘れたかのような「涼」があった。
セレスティアやエルレインたち、成績優秀な生徒たちが集うそこでは、 上級生が作り出した巨大な「氷のドーム」が日差しを遮り、 内部には「風」の魔法による冷気が循環していた。 快適な環境で、彼らは優雅に魔法の訓練に励んでいる。
「……あれ、絶対、先生の嫌がらせだろ」
カイトが、恨みの籠った声で、第一グラウンドを睨みつけた。
「格差社会だ……」
ユウキも、心の底から同意した。
「やあ諸君。暑いねえ」
その声は、熱気の中に溶け込むように、不意に背後から現れた。 いつものように、気配もなくアーキバルド先生が立っていた。 彼は、この炎天下にもかかわらず、涼しい顔で、 なぜか手にした水筒から熱いお茶をすすっている。
「さて、今日の補習を始めよう。 科目は**『魔力体力学』**だ」
「体力、ですか!」 ゴードンが、待ってましたとばかりに反応する。
「うむ。体力だ。 だがゴードン君、君の言う『体力』とは、少し意味が違う」
アーキバルドは、水筒の蓋をきゅっと閉めた。
「君たちが『マナ』と呼んでいる、魔法を使うための『力』。 その源がどこにあるか、考えたことはあるかね?」
「はい! 俺の、この、筋肉です!」
「残念だったな。不正解だ」
先生は、ゴードンの完璧な肉体美を(少し羨ましそうに)一瞥すると、空を指差した。
「力は、二種類ある。 一つは、君たちの『内側』にある力だ。 これは君たちの生命そのもの、心臓の鼓動や、呼吸、 あるいは精神の働きによって生み出される、いわば『自分のもの』だ」
彼は、次に、地面を指差した。
「そして、もう一つ。 それは、君たちの『外側』にある力だ。 この世界そのものに満ちている、巨大な力の『流れ』だ。 大気の流れ、大地のうねり、星々の運行。 そのすべてが、君たちが『マナ』と呼ぶ、力の源泉だ」
「魔法使いとは、この『内なる力』と『外なる力』の二つを上手く『調和』させ、 借り受け、望む『現象』を起こす者のことを言う」
先生の講義は、まるで壮大な詩を聞いているかのようだった。
だが、次の瞬間、彼は、にやりと意地の悪い笑みを浮かべた。
「……だが、諸君。ここで、最大の『落とし穴』がある」
「落とし穴?」 リリアが首をかしげる。
「そうだ。 『自分の力』は、まあ、管理しやすい。 寝て、食えば、だいたいは元に戻る。だが」
先生は、まるで秘密を打ち明けるように、声を潜めた。
「『世界の力』は、君たちの都合など、一切お構いなしだ」
「!」
「君たちは、世界を、予測可能で、従順な『道具箱』か何かだと思っている。 違うね」
アーキバルドは、両手を広げ、この灼熱のグラウンド全体を指し示した。
「世界は『生き物』だ! それも、とんでもなく気まぐれで、複雑怪奇な、巨大な生き物だ!」
彼は、興奮したように早口で続けた。
「この暑さ、地面の調子、 君が昨日の夕飯に豆を食ったかどうか、 隣にいる友人が、今朝、誰かに失恋したかどうか!」
「えっ、カイト、あなた、失恋したの!?」 リリアが、素っ頓狂な声を上げる。
「してねえよ! なんで俺なんだよ!」 カイトが、寝転がったまま全力で否定する。
先生は、二人のやり取りを無視して続けた。
「そういった、君たちには到底把握しきれない、 無数の『要因』が、この瞬間にも複雑に絡み合い、影響し合い、 その結果として、君たちが借りられる『世界の力』の量は、 常に、予測不能に、激しく『変動』している!」
「我々は、この予測不能な力の『波』を、 敬意と諦めを込めて、こう呼ぶ」
先生は、一度、言葉を切った。
「――『揺らぎ』、と」
『揺らぎ』。
その言葉の響きに、ユウキは、またしても前世の記憶を刺激されていた。
(予測不能な、変動……) (それって、つまり……『仕様変更』ってことじゃないか?)
クライアントの気まぐれ。 上司の思いつき。 見つからなかった重大な欠陥。 それらが、完璧だと思っていた計画を、 ある日突然、根底から覆す。 あの悪夢のような日々。
(まさか、この世界も、同じなのか……?)
ユウキの顔から、さらに血の気が引いていく。
「さて、講義はここまでだ」 先生は、楽しそうに手を叩いた。
「今日の**『魔力体力学・実習』**は、 その『揺らぎ』を、君たちの『内なる力』で、存分に味わってもらう」
彼が指差した先には、ただ、何もない、だだっ広い地面が広がっているだけだった。
「課題は、単純だ。 『内なる力』が完全に枯渇する寸前まで、 ひたすら『土壁』を出し続ける。 それだけだ」
「「「「えええええええ!?」」」」
今度こそ、四人の悲鳴が重なった。
「こ、この炎天下で!?」 「倒れますよ、先生!」 「筋肉には、最適な課題だ!」 「そもそも、枯渇寸前とか、どうやって分かるんだよ……」
カイトが、最もな疑問を呈する。
「素晴らしい問いだ、カイト君」 先生は、満面の笑みだ。
「――『勘』だ」
「「「「勘!?」」」」
「そうだ。 『自分の力』と『世界の力』の境界線を感じ、 『内なる力』が尽きる『瞬間』を見極める。 それこそが、この授業の目的なのだから。 さあ、始め!」
それは、もはや授業ではなく、拷問だった。
*
実習が始まって、一時間。
グラウンドには、四人の生徒が作り出した、 不格好な土壁が、墓標のように乱立していた。
最初に脱落したのは、意外にも、ゴードンだった。
「うおおおお! 土よ! 壁となれ! 筋肉よ! 応えよ!」
彼は、その有り余る体力に任せ、凄まじい勢いで土壁を乱造した。 だが、その力の使い方は、あまりにも『内なる力』に頼りすぎていた。
「ぐっ……! ま、マナが……力が、尽きた……!」
開始してたったの十分で、彼は「枯渇」した。
「……だが!」
ゴードンは、倒れなかった。
「マナが尽きても! 俺には! 筋肉がある!」
彼は、自らが作り出した土壁の前に立つと、 あろうことか、その固い壁を、素手で「殴り」始めた。
ドン! ドン! と、鈍い音がグラウンドに響く。
「うおおお! これぞ体力学!」
「ゴードン・マッスル君!」
アーキバルドの、血管が切れそうな怒声が飛んだ。
「それは『魔力』体力学ではなく、ただの『物理』体力学だ! 紛らわしいから、そこで大人しく倒れていろ!」
「押忍!」
ゴードンは、満足げな顔で、その場に大の字になって動かなくなった。
次に脱落したのは、リリアだった。
「わあ! ほんとだ! 力が、来たり、来なかったりする!」
彼女は、先生の言った『揺らぎ』を、 まるで新しい『遊び』かのように、全身で楽しんでいた。
「今、いっぱい来た! 行けー!」 彼女の前に、規格外の巨大な土壁が出現する。
「あ、今度は引いてっちゃった……えいっ!」 豆粒のような壁が出る。
「揺らぎ、楽しー!」
彼女は、力の『波』に、無邪気に『乗ろう』とした。 力の奔流が来れば、それに任せて全力を出し、 力が引けば、自分の『内なる力』を無理やり絞り出す。
その、無計画で、感情的な力の使い方は、あまりにも、アンバランスだった。
「あ……」
実習開始から三十分。 力の『揺らぎ』が最大になった瞬間、 リリアは、自分の許容量を超える『世界の力』を、 無理やり引き込んでしまった。
「……れ?」
彼女の体から、目に見えるほどの魔力が、 火花のようにバチバチと迸る。
「や、やりすぎ……た……」
リリアは、それだけ言うと、 盛大に白目を剥き、 糸が切れた人形のように、ばったりと倒れた。
「リリア・サンシャイン君。 力の波に乗ろうとして、溺れる馬鹿がどこにいる。 補習の補習、決定だ」
先生の冷たい声が響いた。
残るは、ユウキとカイト。
カイトは、相変わらず木陰から一歩も動かず、 地面に指先だけをつけて、みみっちい「土のコブ」のようなものを、 五分に一回くらい作っているだけだった。
「……俺、省エネなんで。 揺らぎとか、そういう疲れるの、ちょっと……」
「カイト・ウィンド君。 それは『体力学』ではなく『怠惰』だ。 落第だぞ」
「うへえ……」
カイトは、心底嫌そうに、ようやく重い腰を上げた。
そして、ユウキは。 彼は、この地獄のような実習で、ただ一人、冷静だった。
(よし。順調だ)
彼は、自分の『内なる力』の総量を、正確に把握していた。
(俺の『中』にある力の総量を『100』とする。 まず、『世界』の力を借りずに、自分の力だけで壁を一つ作る。 消費は『5』だ。なるほど)
彼は、次に『世界』の力……『揺らぎ』に意識を合わせた。
(波がある。今、来ている。 ここで壁を作る。消費は……『1』だ)
(今、波が引いた。 ここで作ると、消費は『8』になる。 ……ダメだ。これは『待ち』だ)
ユウキは、前世で培った「残量の管理能力」を、 遺憾なく発揮していた。
彼は、決して無理をしなかった。
『揺らぎ』の波が来ている時だけ、 最小限の『内なる力』を「きっかけ」として使い、効率よく壁を作る。
波が引いている時は、一切動かない。 ただ、自分の『内なる力』を温存する。
(このペースなら、あと二時間はイケる。 進捗率は今、40%。 残量は60%)
彼は、淡々と、しかし確実に、土壁を量産していった。 その姿は、もはや「学生」ではなく、 厳しい現場を生き抜いてきた「職人」のそれだった。
アーキバルド先生が、初めて、興味深そうに目を細めて、ユウキの作業を見つめている。
(完璧だ。 このまま『内なる力』が残り『10%』になるまで続け、 そこでアラートを鳴らして、作業を終了する)
ユウキは、自分の計画に、絶対の自信を持っていた。
――だが。
その「揺らぎ」は、 ユウキの『内なる力』が、残り「30%」を切った、 まさにその瞬間に、起こった。
(……ん?)
それまで、一定の周期で寄せては返していた『世界の力』の波が。
まるで、潮が引くように。
ぴたり、と。
完全に、途絶えたのだ。
(え?)
ユウキは、一瞬、何が起きたのか分からなかった。
(波が、来ない? なぜだ? 周期がズレた? いや、違う)
(途絶えた? ゼロになった?)
(まさか)
ユウキの脳裏に、先生の言葉が蘇る。
『無数の要因が、絡み合い』 『予測不能に、変動する』
(これか! これが、本当の『揺らぎ』か!)
ユウキは、慌てて「土壁」の生成を中断しようとした。 だが、遅かった。
彼は、波が来ることを「前提」に、 すでに『内なる力』の「5%」を、 次の壁の「きっかけ」として、放出してしまっていた。
だが、来るはずだった『世界の力』の『95%』が、来ない。
結果、ユウキの体は、その『不足分』を補うために、 自動的に、彼の『内なる力』から、 残りの力を、強制的に引きずり出し始めた。
「あ」
「がっ……!」
それは、まるで、蛇口から水が流れ出るのではなく、 巨大なポンプで、魂ごと吸い出されるような、 凄まじい『虚脱感』だった。
残り30%だったはずの力が、一瞬で、ゼロになる。 いや、マイナスに振り切れる。
「あ……ああ……」
視界が、暗転した。 蝉時雨が、遠くなる。 灼熱の暑さも、感じなくなった。 ただ、体の芯が、氷のように冷えていく。
そして。 その、冷たい、絶対的な『虚無』の中で。 ユウキは、見てしまった。
忘れたはずの、前世の、あの『地獄』を。
『――どうなってるんだ! アマネ君!』
鳴り響く、電話のベル。 深夜三時。 白々とした蛍光灯の光。 冷え切ったコーヒーの、酸っぱい匂い。 画面に映し出された、絶望的な、赤い『エラー』の文字列。
『納期は明日の朝だぞ!』 『今、止まったら、どうなるか、分かってるんだろうな!』 『今すぐ直せ!』
『どうして、こんなことに……』 『計画は、完璧だったはずなのに……』
「――ユウキ君! しっかりしろ!」
遠くで、先生の声がする。 だが、今のユウキには、それは、クライアントの『怒声』にしか聞こえなかった。
「あ……ああ……」
ユウキは、うつろな目で、灼熱の空を見上げた。
(計画が……計画が、崩れる) (無理だ。もう、力がない) (足りない。時間が、足りない。俺の、力が……)
彼は、枯渇した体の、最後の力を振り絞り、絶叫した。
「待ってください!」
「うおっ!?」 カイトが、何事かと飛び起きる。
「今、仕様を変更するのは、やめてください!」
「……は?」
「差し込みタスクは! もう無理です!」
ユウキは、ガクガクと震えながら、必死に、空に向かって、懇願した。
「お、お願いします……!」
「寝させて、ください……!」
バタッ。
ユウキ・アマネは、その言葉を最後に、 完全に意識を手放した。
乾いた土の上に、 白目を剥いて倒れる。
「…………」 「…………」 「…………」
先に倒れていたリリア(意識を取り戻していた)と、 ゴードン(筋肉を休めていた)、 そしてカイト(ただただ引いていた)が、 ユウキの、あまりにも、あまりにも切実な、 魂の叫びを聞き、 ただ、呆然としていた。
「……なんか」 リリアが、ぽつりと言った。
「ユウキって、本当に、大変だったんだね……」
「ああ……」 カイトも、なぜか、遠い目をしていた。
「……ふむ」
アーキバルド先生だけが、腕を組み、 倒れたユウキの寝顔を (少し可哀想なものを見る目で) 見下ろしていた。
「『仕様変更』、か。 なるほど。『揺らぎ』を、そう捉えたか」
彼は、ふう、と一度息をつくと、
「――誰か。 こいつを、医務室まで、運んでやれ」
と、面倒くさそうに、言った。
真夏の空は、どこまでも青く、 蝉の声だけが、相変わらず、やかましかった。
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