無詠唱の俺、詠唱を知らなかった~転生SE(元25歳)、予測不能な仲間たちと『世界の理』を最適化する~

Gaku

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第10話:期末テストと『不正な接続』

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その冬は、厳しかった。
王都は、まるで世界から色彩を奪い去るかのように、
厚く、重い雪雲に覆われ続けていた。
学園の尖塔も、
春には花を咲かせていた飛花の並木道も、
すべてが鉛色の空の下で静かに凍えていた。
音が死んだ世界だった。
降り積もった雪が、
生徒たちの足音も、
遠い街の喧騒も、
その全てを吸い込んでしまう。
時折、肌を刺すように吹く北風の、
乾いた唸り声だけが、
この世界がまだ動いていることを証明していた。
その、張り詰めた静寂は、
そのまま「期末テスト」を控えた一年生たちの心象風景でもあった。
秋穫祭の浮かれた熱は、
この絶対零度の空気と、
目前に迫った試練によって、
すっかり冷え切っていた。
「――これより、一年生最終実技試験を開始する」
その日、生徒たちは、
学園の地下、
その存在すら知らされていなかった広大な空間――
「古代演習場」の入口に集められていた。
ひんやりとした、千年以上も磨かれた石の匂い。
天井は遥か高く、闇に溶けて見えない。
足元だけが、
壁に埋め込まれた魔晶石の青白い光で、
ぼんやりと照らされている。
アーキバルド先生が、
その冷たい光の中で、試験の概要を説明していた。
「試験内容は『汚染領域の浄化』。
諸君らには、中間テストで組んだチームで、
この演習場の最深部を目指してもらう」
生徒たちの間に、緊張が走る。
「この演習場は、
過去の偉大な魔法使いたちが、実験を繰り返した場所だ。
だが、当然、失敗も多かった」
先生は、ダンジョンの奥へと続く、
闇の口を顎で示した。
「ここには、その失敗した魔法の『残り滓』――
我々が『不協和音』と呼ぶ、歪んだ力の淀みが溜まっている。
それが、このダンジョンの『瘴気』の正体だ」
(過去の魔法の、失敗の残り滓……)
ユウキは、その言葉に、
「魔法倫理」の授業を思い出していた。
世界の『流れ』を歪めた代償が、
物理的な『淀み』として、今もここにある。
「最深部には」と先生は続ける。
「その『不協和音』が、長い年月をかけて集まり、
一つの『形』を成してしまった。
いわば『失敗の集合体』とも言える、
『暴走した魔導ゴーレム』が存在する」
「諸君らの任務は、
道中の『不協和音』を浄化しつつ、
この『ゴーレム』を停止させること。
……もっとも、そこに辿り着ければ、の話だがな」
先生が合図をすると、
重い石の扉が、地響きを立てて開いていく。
「では、試験開始。チームごと、順次進入したまえ」
***
「うわあ……なんか、ジメジメしてて気持ち悪いね」
リリアが、自分の手のひらに灯した炎の明かりを掲げ、
周囲を見渡す。
壁も床も、全てが濡れたような黒い石で出来ており、
空気は重く、
カビ臭いような、それでいて金属が錆びたような、
不快な匂いがした。
「おい、ユウキ。先に行くなよ。俺のサボる場所がなくなんだろ」
カイトが、相変わらずやる気のない声で、ユウキのローブを引っ張る。
「サボるな。筋肉で瘴気を吹き飛ばせばいい!」
「ゴードン、それやると、瘴気が拡散してもっと酷くなるから、絶対にやめてね!」
「補習仲間チーム」の五人は、
相変わらずの調子で、薄暗い通路を進んでいた。
だが、その実力は、
中間テストの頃とは比較にならないほど、洗練されていた。
あの一度きりの『奇跡』のような連携を、
彼らは、あの日から繰り返し練習してきたのだ。
「――来ます」
その時、先頭を歩いていたシノが、ぴたり、と足を止めた。
「右の壁の向こう。三つ。……いえ、四つ」
彼女は、今や、
その卓越した防御魔法の感覚を、
周囲の『流れ』の乱れを探知する力へと昇華させていた。
「オッケー」
ユウキが、短く応える。
彼は、チームの『指揮者』だった。
「ゴードン、正面に壁。
カイト、俺が足場を作ったら、すぐ跳べ。
リリア、カイトの風に合わせて、三秒後だ」
ユウキの言葉が終わるか終わらないかのうちに、
右の壁から、
瘴気が泥のように固まった「不協和音のスプライト」が四体、
鋭い不快音と共に飛び出してきた。
「『筋肉の壁は破れん!』」
ゴードンが、盾を構えるまでもなく、
自らの肉体で真正面から二体を受け止める。
「『土よ!』」
ユウキが、詠唱なく地面を隆起させ、
カイトの足元に跳躍台を作る。
「よっと!」
カイトが軽やかに飛び上がり、空中で叫ぶ。
「『風よ、渦巻け!』」
「『炎よ、その中へ!』」
リリアの炎は、もう暴走しない。
彼女は、自らの力を『信じる』のではなく、
仲間の『流れ』に『乗せる』ことを覚えていた。
カイトの風が、リリアの炎を包み込み、
中間テストの時よりも遥かに小さく、
しかし、遥かに高密度な「炎の渦」となって、
残りの二体を正確に焼き尽くした。
「ふう。ま、こんなもんか」
カイトが、何事もなかったかのように着地する。
「すごい! シノ、ユウキ! 見た? 今の!」
リリアが、嬉しそうにシノの手を握る。
「……はい。完璧でした」
シノが、誇らしげに微笑んだ。
(いける)
ユウキは、確かな手応えを感じていた。
(俺たちは、バラバラだ。
だが、バラバラだからこそ、互いの『隙間』を埋め合える。
このチームは『強い』)
彼らが、自らの『関係性』が生み出す『新たな秩序』に自信を深め、
順調にダンジョンの奥へと進んでいく。
その、まさに同時刻。
***
「……くだらん」
ドラゴ・ヴァイスは、
彼のチームメイト(取り巻き)たちに一瞥もくれず、吐き捨てた。
「お前たちは、そこでチマチマと『浄化』ごっこでもしていろ。
俺は、先に行く」
「え、ドラゴ様? チーム行動では……」
「黙れ。足手まといが」
ドラゴは、取り巻きをその場に置き去りにすると、
一人、脇道へと逸れた。
彼の目的は、テストの成績などでは、毛頭なかったからだ。
(愚民どもめ。
瘴気を『浄化』?
『失敗の残り滓』だと?
逆だ)
彼の目は、暗い情熱に爛々と輝いていた。
(これは『残り滓』などではない。
純粋な『力』の源泉そのものだ。
あいつらは、この莫大な力を『危険なもの』と呼び、
持て余し、封印しているに過ぎん!)
彼が向かうのは、正規のルートではなかった。
『魔法倫理』の授業で「力こそが正義だ」と確信して以来、
彼は、家の禁書庫にあった『古い演習場の設計図』を盗み見ていた。
そこには、瘴気の『浄化ルート』とは別に、
この施設の維持管理のために使われていた「隠された道」が記されていた。
「ここか」
ドラゴは、行き止まりに見える壁の前で立ち止まると、
禁書から書き写しておいた、歪な紋様を指でなぞった。
ゴゴゴゴ……
と、壁が、この世の理を無視したかのように、
空間ごと歪み、新たな通路を開く。
「待っていろ。俺の『力』……」
ドラゴは、その冷たい闇の中へと、
一人、姿を消した。
***
彼が辿り着いた場所は、
ユウキたちが目指す『最深部』とは、似て非なる場所だった。
そこは、演習場の、さらに下。
巨大な地下空洞。
空気が「鳴って」いた。
数千、数万の音が重なり合ったような、
圧倒的な『力の奔流』の音。
この大地を龍のように駆け巡る、『力の道』――
『地脈』だった。
この演習場は、
その莫大な『力の交差点』の真上に、
意図的に建設されていたのだ。
(これだ! これだ、この力だ!)
ドラゴは、歓喜に震えた。
皮膚がピリピリと痺れ、髪が逆立つほどの、
純粋なエネルギーの奔流。
(テストのゴーレムなんぞ、どうでもいい。
あんなものは、この奔流から漏れた『雫』に過ぎん)
彼の真の目的は、
この地脈の莫大なエネルギーを利用すること。
それこそが、あの日の召喚室で諦めた、
あの『禁書』に記された、
唯一にして絶対の『大魔法』を完成させる、
最後の鍵だった。
(愚かな兄も、
俺を馬鹿にしたユウキも、シノも。
全てが、俺の足元にひれ伏す!)
彼は、狂気と歓喜の狭間で、
持ち込んだ特殊な触媒を撒き、
地脈のエネルギーを強制的に吸い上げるための、
禁断の『召喚魔法陣』を、
地面に描き始めた。
***
「――止まれ!」
ユウキ鋭い声に、チーム全員が足を止めた。
「どうした、ユウキ? 敵か?」
「いや……」
ユウキは、床に手を触れた。
石の床が、微かに、不規則に、震えていた。
「シノ、何か感じるか?」
「……はい。
すごく、嫌な感じがします。
下から……ずっと深い場所から、
何か、とてつもなく大きな力の『流れ』が、
無理やり『捻じ曲げられて』いるような……!」
その瞬間。
ゴゴゴゴゴゴゴッ!!
ダンジョン全体が、
まるで巨大な獣の呻き声のように、激しく揺れた。
「きゃああ!」
リリアが、ユウキに抱きつく。
「地震か!? 冗談じゃねえぞ!」
カイトが、壁に手をつく。
ユウキ:「(シノの言葉に戦慄する)
馬鹿な! 『流れ』を『捻じ曲げる』だと!?」
同時刻、地上の試験監視室。
「緊急事態! 緊急事態!」
「地下の魔力計測器が、
異常数値を叩き出しています!」
「ダンジョン全域の『不協和音』が、活性化!」
アーキバルドは、その報告に目を見開いた。
「馬鹿な!
地下の『防御壁』が、内部から破壊されている!?」
彼は、計測パネルに表示された、
あり得ない『力』の波形を睨みつけた。
「この『流れ』のパターンは……まさか! あいつ!」
地脈の空洞。
ドラゴは、魔法陣の中央で、高らかに笑っていた。
地脈のエネルギーが、
嵐のように彼の描いた魔法陣に吸い込まれていく。
「来た! 来る!
ついに『接続』が、成る!」
彼が詠唱した禁断の呪文に応じ、
魔法陣の中心が、光ではなく、
全ての光を吸い込む『黒い穴』のように、
空間ごと歪み始めた。
「力だ! 俺だけの、絶対的な力だ!」
ガシャァァン!!
ユウキたちの目の前で、
ダンジョンの壁が、まるで砂糖菓子のように崩れ落ちた。
「道が!」
「ユウキ! あそこ!」
リリアが、崩れた壁の向こう側を指差す。
そこには、ドラゴが使った「隠し通路」が、
今や無防備に、口を開けていた。
そして、その奥から、
ユウキの肌が粟立つほどの、
圧倒的な『悪意』の奔流が、
吹き荒れていた。
「行くぞ!」
ユウキは、仲間に叫んだ。
彼らが、崩れた通路を抜け、
地脈の空洞へと転がり込んだ時、
彼らは、見た。
狂気の笑いを浮かべる、ドラゴ・ヴァイス。
そして、彼が描いた魔法陣の中心。
空間が引き裂かれ、
『黒い虚無』が、脈動している。
「あ……あ……」
シノが、恐怖に声を失う。
その『黒い穴』の奥から、
この世の『理』とは、かけ離れた、
この世界に存在してはならない、
瘴気を纏った、巨大な『爪』が、
ゆっくりと、
確実に、
こちら側の世界を、掴もうと伸びてくるところだった。
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