無詠唱の俺、詠唱を知らなかった~転生SE(元25歳)、予測不能な仲間たちと『世界の理』を最適化する~

Gaku

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2年生編:調和とノイズの季節

第2話:新入生と『地脈音響学』

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 世界は、緑色に侵食されていた。

 アーリア魔法学園が所有する広大な演習林。そこは今、生命の暴力的なまでの芽吹きによって支配されている。
 頭上を覆う幾重もの枝葉が、太陽の光を遮り、あるいは透過させ、地面に複雑な幾何学模様の影を落とす。
 むせ返るような、湿った土と腐葉土の発酵した匂い。
 風が吹くたびに、頭上の樹冠(キャノピー)が「ザワザワ、ザワザワ」と、まるで何千人もの観客が囁き交わしているような音を立てる。
 その圧倒的な「自然の圧」に、ユウキは思わず息を呑んだ。

「……濃いな」
「何がよ?」
「空気の味だよ。草の匂いと、水の匂いと、あと虫の気配も」

 ユウキが鼻をすすると、隣で虫除けスプレー(錬金術で作られたハーブ水)を全身に浴びているリリアが顔をしかめた。
「やめてよ。想像しただけで痒くなる。なんで魔法使いが、わざわざこんな山奥まで来て泥だらけにならなきゃいけないのよ」
「甘えるな、お嬢ちゃん。スタジオ(教室)で綺麗な音が出せるのは当たり前だ。本番はいつだって、ノイズまみれの野外(ライブハウス)なんだよ!」

 先頭を歩くイライザ・ノイズ先生が、ガムを噛みながら怒鳴った。
 彼女は迷彩柄のカーゴパンツにタンクトップという、完全にサバイバル仕様の格好だ。その手には、指揮棒ではなく巨大なマチェット(山刀)が握られている。

「今日の授業は『地脈音響学(アコースティック)』だ。いいか、お前らの魔法は音が小さい。スタジオミュージシャン気取りで、自分の手元ばっかり見てるからだ」

 イライザ先生は立ち止まり、苔むした巨大な岩をマチェットの柄で叩いた。
 カンッ、と硬く澄んだ音が森に響く。

「自分の喉(魔力)だけで歌おうとするな。この森全体を『コンサートホール』だと思え。木の配置、岩の角度、地面の起伏、風の通り道……それら全部が、お前らの魔法を反響させる『音響板』だ」

 先生はニヤリと笑う。
「お風呂場で歌うと、自分の歌が上手く聞こえるだろ? あれをやれ。自分の力なんてちっぽけでいい。環境(ハコ)の力を借りて、デカい音を出した奴が勝ちだ」

 ――自分の力だけで頑張らなくていい。
 それは、どこか救いのある言葉に聞こえた。
 だが、現実はそう甘くはない。

「というわけで、課題だ。この森のどこかに隠された『共鳴石』を見つけ出せ。制限時間は日没まで。見つからなかった班は、今夜の夕飯抜きで森に野宿だ。解散!」

「ええーーっ!?」

 生徒たちの絶叫が、森の木霊(こだま)となって虚しく響き渡った。

          ***

 ユウキたち「いつものメンバー」は、鬱蒼とした森の中を彷徨っていた。
 足元はシダ植物や太い木の根に覆われ、歩くたびに湿った落ち葉がカサリと音を立てる。

「筋肉探知(マッスル・ソナー)!」

 ゴードンが叫びながら、大胸筋をピクピクと動かして周囲を探る。
「……反応なし! だが、この森のマイナスイオンが俺の僧帽筋を癒やしているのは感じるぞ!」
「ゴードン、あんたうるさい。獣が寄ってくるでしょ」
 リリアが杖で藪を払いながら毒づく。
「大体、このメンバーで協力なんて無理よ。カイトはさっきから消えてるし」

 ふと見上げると、カイトは遥か頭上、木の枝の上で昼寝をしていた。
「ここ、風通し良くて最高~。お前らも登ってくれば?」
「降りてきなさいこのバカ!」

 セレスティアはブツブツと数式を呟きながら、コンパスと地図を照らし合わせている。
「地形の傾斜角と地脈の流れから計算すると、共鳴ポイントは北北西に……あら? 計算結果が『現在地』を示していますわ。バグかしら?」
「バグじゃなくて、森が生きてるから地形が変わってるんだろ」

 ユウキは溜息をつき、ふと足を止めた。
 森の奥。木漏れ日がスポットライトのように差し込む岩陰から、何かが聞こえた気がした。
 鳥の声ではない。もっと低い、押し殺したような……啜り泣き?

「……誰かいる」
「え? お化け?」
 リリアがユウキの袖を掴む。
「違う。人の気配だ」

 ユウキは藪をかき分けて進む。
 そこには、一人の少年がうずくまっていた。
 まだ袖の長い、真新しい制服。今年の1年生だ。膝を抱え、小さく震えている。
 その周りには、折れた杖と、黒く焦げた地面があった。魔法の暴発(バックファイア)の跡だ。

「……大丈夫か?」

 ユウキが声をかけると、少年はビクリと肩を跳ねさせ、涙で濡れた顔を上げた。
「ひ、ひぃっ! ご、ごめんなさい! いじめないで!」
「いじめないって。俺たちも迷子みたいなもんだ」

 ユウキはしゃがみ込み、目線の高さを合わせる。
 少年の名前はアランといった。魔力が弱く、クラスの演習についていけずに森へ逃げ込み、さらに迷子になったらしい。

「……僕、ダメなんです」
 アランは消え入りそうな声で言った。
「魔力が少なくて、何をやっても火がつかないし、風も起きない。先生には『才能がない』って言われるし、クラスのみんなは凄い魔法を使うし……。僕なんて、いない方がいいんだ」

 その言葉に、後ろにいたセレスティアが眼鏡を光らせて一歩踏み出そうとした。「魔力がないなら理論でカバーすれば……」と言いかけたのを、ユウキは手で制する。
 理論じゃない。今、この子が抱えているのは「孤独」だ。
 自分だけが世界から切り離されているという感覚。

「アラン。ちょっと立ってみてくれ」
 ユウキはアランの手を引き、近くにあった巨大な洞窟の入り口へと連れて行った。
 中は暗く、ひんやりとした冷気が漂ってくる。

「ここで、大声を出してみろ。『バカヤロー』でも『チクショー』でもいい」
「え……でも……」
「いいから。誰も聞いてない」

 アランは躊躇いながらも、小さな口を開いた。
「……バカヤロー」
 蚊の鳴くような声だ。当然、何も起きない。

「もっと。腹の底から」
「……バカヤロー!!」

 その瞬間。
 洞窟の壁に声が反響した。
 『バカヤロー……バカヤロー……オォォォ……』
 声は洞窟の奥深くで増幅され、重低音となって戻ってきた。自分の出した声とは思えないほどの迫力に、アランは目を丸くする。

「……すごい」
「だろ? お前の声は小さかった。でも、洞窟(環境)がそれを大きくしてくれた」

 ユウキは地面の石ころを拾い、アランに渡した。

「魔法も同じだ。『自分一人』で強くなろうとするから辛くなる。でもな、この世界に『自分一人』だけで存在してるものなんてないんだ」

 ユウキは森を見渡す。
 一本の木は、土があり、水があり、太陽があって初めてそこに立つ。隣の木が風を防いでくれるから倒れずにいられる。
 仏教で言う『縁起』。
 すべてのものは繋がり合い、支え合って存在している。
 強いから偉いわけじゃない。弱いからダメなわけじゃない。
 弱ければ、周りの力を借りればいい。借りられる「繋がり」を見つけることが、本当の強さだ。

「お前の小さな魔力も、この洞窟みたいに『響かせる場所』さえ見つければ、誰にも負けない音になる。……それが今日の授業だ」

 アランの瞳に、わずかに光が戻った。
 だが、その感動的な空気を、地響きのような唸り声が引き裂いた。

 グルルルルル……!

 洞窟の奥から、腐った肉の臭いと共に、巨大な影が現れる。
 熊だ。いや、ただの熊ではない。全身が苔と岩で覆われた魔獣「ロックベア」。森の主だ。
 アランの声で目を覚ましてしまったらしい。

「わーーっ! で、出たーーっ!!」
 木の上からカイトが降ってきた(というより落ちてきた)。
「逃げろ! あいつは物理攻撃が効かない! 岩の鎧を着てるんだ!」

 ロックベアが立ち上がる。その高さは3メートルを超えている。
 アランが腰を抜かして動けない。

「アランを守れ! ゴードン!」
「任せろ! マッスル・ウォール(筋肉の壁)!」

 ゴードンがアランの前に立ち塞がり、両腕をクロスさせてベアの突進を受け止める。
 ズドォォン!!
 凄まじい衝撃音が響き、ゴードンの足が地面にめり込む。
「ぐぬぬ……! 重い! だが、俺の筋肉繊維はダイヤモンドより硬い……はず!」

「リリア、援護だ! 顔を狙え!」
「分かってるわよ! ファイアボール!」
 リリアが炎を放つが、ベアは腕の一振りでそれをかき消した。岩の皮膚には傷一つつかない。

「ダメですわ! あの岩の密度、通常の魔法強度では貫通できません!」
 セレスティアが叫ぶ。
 このままでは、ゴードンの筋肉(スタミナ)が切れた時が最後だ。
 ユウキは周囲を見回す。
 逃げるか? いや、アランを連れては逃げ切れない。
 倒すか? こちらの火力では足りない。
 ――いや、違う。
 自分の力(ソロ)で倒そうとするな。
 イライザ先生の言葉が蘇る。
 『環境(ハコ)の力を借りて、デカい音を出せ』

 ユウキの視界が、青いグリッドラインに覆われる。
 世界が構造(コード)として見える。
 洞窟の形状。入り口の岩の配置。風向き。そして、アランが持っている小さな「種火」のような魔力。

「……いける」

 ユウキはアランの肩を掴んだ。
「アラン、魔法を使え」
「む、無理です! 僕の魔法じゃ、あんな怪物……!」
「倒さなくていい。ただ『音』を出すだけでいい。俺が指揮(コンダクト)するから、俺の合図に合わせて、全力で魔力を放て」

 ユウキは前に飛び出した。
 手には杖も武器もない。ただの両手だけ。
 彼は戦場(ステージ)の真ん中に立ち、まるでオーケストラの指揮者のように両手を広げた。

「カイト! ベアの右側の木を風で揺らせ! 葉っぱの音で注意を引け!」
「了解! そういう地味なのは得意だぜ!」
 カイトが指を振ると、風が巻き起こり、右側の木々がザワザワと激しく騒ぎ出す。
 ベアが一瞬、そちらに気を取られる。

「リリア! 地面を温めろ! 上昇気流を作るんだ!」
「も、もう! 人使いが荒いんだから!」
 リリアが地面に杖を突き立てると、熱気が陽炎となって立ち上る。

「ゴードン! 少し耐えて、合図と共に離れろ!」
「承知! カウントダウン、3、2……!」

 舞台は整った。
 風の音が壁となり、熱気が音の通り道(ダクト)を作る。
 自然の配置が、巨大な「スピーカー」へと組み変わる。

「今だ、アラン! 叫べ!!」

 ユウキが指揮棒を振るように、アランを指差す。
 アランは目を閉じ、恐怖を振り絞って杖を突き出した。放たれたのは、小さな小さな空気の弾丸(エア・ショット)。
 普段なら、落ち葉一枚動かせないほどの微弱な魔法。

 だが。
 その小さな振動は、リリアが作った上昇気流に乗り、カイトが作った風の壁に反射し、洞窟の入り口という天然の共鳴箱の中で、幾重にも重なり合った。

 倍音。共振。増幅。
 小さな波紋が大波になるように。
 一人の声が、スタジアムの歓声になるように。

 ドォォォォォォォン!!!

 放たれたのは、もはや空気弾ではなかった。
 鼓膜を破るような「衝撃波(ソニックブーム)」。
 目に見えない空気の大砲が、ロックベアの巨体を直撃した。

 岩の鎧など関係ない。音は内部に響く。
 ベアは白目を剥き、その巨体を軽々と吹き飛ばされ、背後の大木に激突して気絶した。
 森が一瞬、静寂に包まれる。

 鳥たちが驚いて一斉に飛び立つ音だけが、パラパラと聞こえた。

「……え?」
 アランは自分の杖を見つめ、呆然としている。
「これ、僕が……?」

「お前だけじゃない」
 ユウキは肩の力を抜いて笑った。
「カイトの風、リリアの熱、ゴードンの足止め、そしてこの森の形。全部が繋がって、お前の魔法になったんだ」

 アランの目から、ぽろりと涙がこぼれた。
 それは悔し涙ではなく、初めて世界と「繋がった」ことへの安堵の涙だった。

          ***

 夕暮れ。森は黄金色の光に満たされていた。
 木々の葉を透過する西日が、空気中の塵をキラキラと輝かせている。
 結局、共鳴石は見つからなかったが、イライザ先生はロックベアを撃退した跡地を見て、ニカっと笑った。

「合格だ。石ころ探すより、よっぽどいい音(ライブ)だったぜ」

 帰り道。
 アランは「ありがとうございました!」と何度も頭を下げて、自分の寮へと走っていった。その背中は、会った時よりも少しだけ大きく見えた。

「……なんか、いいことした気分」
 リリアが泥だらけの顔で伸びをする。
「ま、あんたの指揮も悪くなかったわよ。ちょっとだけね」
「そりゃどうも」

 ユウキは森を振り返る。
 風が吹き、木々がまた「ザワザワ」と音を立てた。
 以前はその音がただのノイズに聞こえたが、今は違う。
 一本一本の木が、それぞれの場所で、それぞれの役割を果たして音を奏でている。
 自分もまた、その巨大なオーケストラの一員なのだ。

 孤独な指揮者(プログラマー)はいない。
 どんなに優れたコードも、走らせるハードウェア(環境)がなければ動かない。
 そして、バグだらけの自分たちも、互いに補い合えば、完璧な動作(ハーモニー)を生み出せる。

「帰ろうぜ。腹減った」
 ゴードンが腹を鳴らす。
「筋肉の超回復にはタンパク質が必要だ!」
「俺はもう歩けない……おんぶして……」とカイト。
「統計的に、この後の食堂の混雑率は120%ですわ」とセレスティア。

 騒がしい仲間たちの声が、森の音に溶けていく。
 その心地よい不協和音の中に身を委ねながら、ユウキは春の夜の匂いを深く吸い込んだ。

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