ミステリー研究会は、謎を解かない

Gaku

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第二部:深まる謎とメンバーの過去

第7話「電脳の部屋と聞こえないSOS」

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あれほど猛威を振るった夕立は、まるで気まぐれな神の怒りが収まったかのように、夜半過ぎにはぴたりと止んだ。そして、翌朝。世界は、生まれ変わっていた。
空は、昨日の熱気と喧騒が嘘だったかのように、どこまでも澄み渡った瑠璃色をしていた。大気に含まれていた塵や埃は、すべて雨粒と共に地上に落ち、視界を遮るものは何もない。太陽の光は、洗い清められたガラスを通り抜けるように、まっすぐに、そして、鮮烈に地上へ降り注ぐ。
俺、佐藤健太は、通勤途中、思わず足を止めて、その光景に見入っていた。
道端の植え込みの葉の上で、昨日の雨の名残が、ダイヤモンドのようにきらきらと輝いている。蜘蛛の巣に引っかかった無数の水滴が、太陽の光を反射して、小さなプリズムのようになっていた。濡れたアスファルトや、木々の幹は、その色を一層と深め、まるで世界全体のコントラストが、一段階、強く、鮮やかになったかのようだ。
胸いっぱいに息を吸い込むと、オゾンと、湿った土の匂いが混じり合った、雨上がりの独特の、清浄な香りがした。蝉の声は、相変わらずやかましいが、その声色も、昨日までの、熱に浮かされたような狂騒曲から、生命の喜びを謳歌する、晴れやかな祝祭歌へと変わっているように聞こえた。
権田さんの、長い間、心に降り続いていた雨も、昨日の夕立と共に、きっと、上がったのだろう。そう思うと、俺の心も、この空のように、少しだけ、軽くなるのを感じた。
会社で一日を過ごした後、俺は、何か良いことがありそうな、そんな予感を胸に、ミステリー研究会の事務所へと向かった。

事務所のドアを開けると、思った通り、そこには、いつもより、少しだけ穏やかな空気が流れていた。
権田さんは、腕立て伏せではなく、窓際で、楽しそうに植物に霧吹きで水をやっている。その横顔は、憑き物が落ちたように、すっきりとしていた。
「おう、佐藤!昨日は、悪かったな、付き合わせちまって」
俺に気づくと、彼は、ニカッと、白い歯を見せて笑った。
「いえ、俺は何も…。でも、よかったです」
「ああ。おかげで、ぐっすり眠れたぜ」
麗華さんも、ソファで優雅に紅茶を飲んでいる。
「昨夜の雷鳴は、まるで、悩める獅子の咆哮を祝福する、天上のドラムのようだったわね」
彼女は、そう言って、権田さんにウィンクを送った。
『権田さん。昨夜の睡眠時間は、9時間12分。過去の平均データより、2時間以上長い。心身の安定が、睡眠の質を向上させたと推測されます』
電脳のノートパソコンも、どこか嬉しそうなAA『(´▽`)』を表示させていた。
仲間の一人が、大きな壁を乗り越えた。その事実が、この事務所全体を、温かい、連帯感のようなもので満たしていた。
その、穏やかな午後の空気を、破るように、ドアベルが、少し、遠慮がちに鳴った。
入ってきたのは、五十代くらいの、上品な雰囲気の女性だった。シンプルなブラウスに、ロングスカート。その顔には、深い悩みと、そして、息子を案じる、母親特有の、愛情の色が浮かんでいた。
彼女は、事務所の中を、少しだけ、不安そうな目で見回した後、影山さんの前に、深々と頭を下げた。
「あの…息子のことで、ご相談が、ありまして…」
女性は、小声で、事情を話し始めた。
彼女には、大学を中退して以来、もう何年も、自室に引きこもっている息子がいるという。
「あの子は、昔から、パソコンが得意で…。今も、部屋の中で、一日中、パソコンに向かっているようなんです。今までは、それでも、部屋の中で、静かに過ごしていたのですが…」
女性の顔が、曇った。
「ここ最近、様子がおかしくて…。夜中に、突然、部屋から、『ハッカーだ!』『システムが侵入される!』なんて、叫び声が聞こえてくるんです。誰か、悪い人たちに、ネットで狙われているんじゃないかって…。あの子が、何かの事件に巻き込まれてしまったらと思うと、心配で…」
ハッカー。システムへの侵入。
その言葉に、俺たちは、顔を見合わせた。その分野の専門家が、この事務所には、一人だけ、いる。
『ふむ…』
電脳が、パソコンのスピーカーから、珍しく、考え込むような声を出した。
『高度なサイバー攻撃の可能性も否定できません。標的のシステム環境、ファイアウォールの設定、使用言語…。情報が、必要です』
だが、影山さんは、電脳の言葉を、静かに手で制した。そして、目の前の女性に、穏やかな声で、尋ねた。
「奥さん。その、『ハッキング』が始まったのは、いつ頃からですか?」
「ええと…確か、先週、私が、新しいパソコンを買ってから、だと思います…」
「ほう。その新しいパソコンで、何か、新しいことを、始められましたかな?」
「はい…。息子と、少しでも、顔を見て話がしたくて…。お店の人に教えてもらって、ビデオ通話というのを、練習しているのですが…なかなか、うまく繋がらなくて…」
その瞬間、俺たちは、すべてを、察した。
ハッカーの正体。システムへの侵入の、本当の意味。
影山さんは、何も言わなかった。ただ、にやり、と、口の端を吊り上げた。そして、女性に向き直り、請け負った。
「分かりました、奥さん。その、息子さんを狙う、凶悪なハッカーは、我々が、必ず、突き止めてみせましょう。これは、我々の、頭脳(ブレイン)の、名誉に関わる事件です」
その言葉は、建前上は、女性に向けられたものだった。
だが、その真意は、この事務所にいる、もう一人の「頭脳」に、向けられているのが、俺には、痛いほど、分かった。

「これより、『要塞(フォートレス)・電脳への潜入(インフィルトレーション)作戦』を開始する!」
麗華さんが、アパートの廊下で、大げさに、しかし、小声で、宣言した。
俺たちは、電脳の実家の前に、立っていた。二階建ての、ごく普通の一軒家だ。問題の、電脳の部屋は、二階の奥にあるらしい。
今回の依頼は、ターゲットである電脳本人には、秘密にされている。彼の母親が、こっそりと、俺たちを家に招き入れてくれたのだ。
「いいこと?今回の作戦は、隠密行動が基本よ。敵(ターゲット)に、我々の存在を、気づかれてはならないわ」
麗華さんは、なぜか、特殊部隊の隊長のように、俺たちに指示を出し始めた。
「コードネームを、決めるわ。わたくしが、『イーグル』。権田さんは、『ベアー』。佐藤君は、『フォックス』。いいわね?」
なぜ、俺がキツネなんだ。
「おい、麗華。そんなことより、このドア、どうすんだよ。鍵、かかってるぞ」
権田さんが、電脳の部屋のドアを、ガチャガチャと、揺する。
「馬鹿ね、ベアー!そんな、力任せでは、敵に気づかれてしまうわ!こういう時は、ピッキングよ!」
麗華さんは、そう言うと、ヘアピンを取り出し、鍵穴に突っ込んで、いじり始めた。もちろん、開くはずもない。
「俺がやる!」
権田さんが、麗華さんから、ヘアピンを奪い取る。しかし、彼の、熊のように巨大な指先では、小さな鍵穴を、うまく扱うことなど、できるはずもなかった。ヘアピンは、すぐに、ぐにゃりと、曲がってしまった。
「作戦を、提案します」
麗華さんが、真剣な顔で、一枚のメモを広げた。そこには、部屋の見取り図と、矢印が、たくさん書き込まれている。
「まず、お母様が、陽動のために、家の電話を鳴らす。敵の注意が、電話に向いた、その隙に、我々が、一斉に、ドアに突入する!完璧な作戦だわ!」
陽動。突入。
ただ、息子の部屋に入るだけなのに、なぜ、こんなに、大げさな話になっているんだ。
俺は、もう、この茶番に付き合うのが、馬鹿馬鹿しくなり、ダメ元で、ドアノブに、そっと、手をかけた。
…カチャ。
軽い音を立てて、ドアは、あっさりと、開いた。
鍵など、最初から、かかっていなかったのだ。
物理的な壁など、そこには、なかった。本当の壁は、もっと、別の場所にある。
麗華さんと権田さんは、顔を見合わせ、そして、気まずそうに、咳払いをした。

俺たちは、音を殺して、部屋の中へと、足を踏み入れた。
そこは、まるで、宇宙船のコックピットのような空間だった。
窓は、分厚い遮光カーテンで閉め切られ、部屋は、薄暗い。その暗闇を、照らしているのは、大小、様々な、モニターの光だけだった。壁際には、サーバーラックが鎮座し、無数のLEDランプを、点滅させている。床には、おびただしい数のケーブルが、まるで、蛇のように、とぐろを巻いていた。
そして、その中央。リクライニングチェアに座り、ヘッドフォンをつけた、一人の青年がいた。
フードを目深にかぶっているため、顔はよく見えない。彼が、電脳。
彼は、俺たちの侵入に、全く気づいていなかった。その目は、正面のメインモニターに、釘付けになっている。指は、凄まじい速度で、キーボードの上を、踊っていた。
彼のノートパソコンも、すぐそばに置かれている。その画面には、いつものAAが表示されていた。ただし、今日は、極度にパニックに陥っているAAだ。
『((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル』
「…やばい、やばい、やばい…!こいつ、プロだ…!ファイアウォールの、第三層まで、突破された…!」
彼の、いつもの、合成音声が、スピーカーから、悲鳴のように、響き渡る。
彼は、仲間である俺たちが、すぐ後ろにいるとも知らず、パソコンを通して、俺たちに、助けを求めていたのだ。
その時だった。
影山さんが、廊下にいる電脳の母親に、目配せをした。最後の、「ハッキング」を、仕掛ける時だ。
直後、電脳の、メインモニターの中央に、一つのウィンドウが、ポップアップした。
それは、ビデオ通話の着信を知らせる、ウィンドウだった。
そして、その発信者の名前は…。
『おかあさん』
と、ひらがなで、表示されていた。
「…え?」
電脳の指が、ぴたり、と止まった。
彼は、信じられない、という顔で、モニターに表示された、その、あまりにも、間抜けな、三文字を、見つめている。
高度な技術を駆使する、正体不明のハッカー。システムの、根幹を揺るがす、サイバーテロ。
その正体が、パソコンを覚えたての、自分の母親だった。
その、あまりにも、残酷で、滑稽な、真実。
電脳は、ゆっくりと、ヘッドフォンを、外した。
そして、初めて、背後に立つ、俺たちの存在に、気づいた。
彼の顔が、絶望と、羞恥とで、ぐにゃりと、歪んだ。
「なんで…みんなが、ここに…」
初めて聞く、彼の、本当の声。それは、合成音声とは全く違う、少し、声変わりが終わったばかりのような、若々しい、人間の声だった。
彼は、その場で、崩れるように、椅子に座り込んだ。
そして、ぽつり、ぽつり、と、語り始めた。なぜ、彼が、この、電子の要塞に、引きこもるようになったのかを。
それは、中学時代の、出来事だった。
彼には、当時、同じ趣味を持つ、数人の仲間がいた。放課後、いつも、一緒に、ゲームをしたり、プログラムを組んだりしていた。それが、彼の、世界のすべてだった。
しかし、ある日、些細なきっかけで、彼は、仲間たちから、裏切られた。彼の、一番、自信のあったプログラムを、皆の前で、無茶苦茶に、笑われたのだ。
「キモい」「オタク」「人間じゃなくて、機械と話してろよ」
信頼していた仲間からの、その言葉は、鋭いナイフのように、彼の、柔らかい心を、深く、傷つけた。
「…人間は、嘘をつく。気まぐれで、平気で、人を傷つける。…でも、機械は、違う。機械は、正直だ。命令した通りに、動く。絶対に、裏切らない…」
だから、彼は、人間を信じるのを、やめた。そして、この、論理と、ゼロとイチだけで構成された、完璧な世界に、逃げ込んだのだ。
彼の、悲痛な、告白。
誰も、何も、言えなかった。
その、時だった。
電脳の、絶望が、ピークに達した、その瞬間。
バチチチチッ!!!
部屋中の、すべてのモニターが、一斉に、凄まじい光を放った!
サーバーのファンが、異常な高回転で、唸りを上げる!
天井の照明が、激しく、明滅を繰り返す!
まるで、この部屋全体に、落雷でも落ちたかのような、凄まじい、エネルギーの奔流。
停電するはずの、その状況で、逆に、すべての電子機器が、ありえないほどの、過剰なエネルギーで、満たされていく!
「な、なんだ、これ!?」
俺は、叫んだ。
これは、ソラの、気配だ。
だが、今までの、悲しみや、寂しさとは、違う。
電脳の、極度の恐怖と、孤独に、共鳴し、彼の、電子の世界に、直接、干渉しているのだ!
そして、その、エネルギーの嵐が、最高潮に達した、その時。
すべての光と、音が、ふっ、と、消えた。
まるで、何も、なかったかのように。
後に残されたのは、静寂と、モニターに、ただ一つ、表示されたままの、
『おかあさん』
という、ひらがなだけだった。
電脳は、その光景を、呆然と、見つめていた。
やがて、彼の、大きな瞳から、ぽろり、と、一筋の、涙が、こぼれ落ちた。
権田さんが、その、震える肩に、そっと、無骨な、しかし、優しい手を置いた。
麗華さんは、彼の隣に、静かに、寄り添った。
俺は、ただ、彼の、すぐそばに、立っていた。
俺たちは、彼を、笑わなかった。誰も、彼を、否定しなかった。
電脳は、ゆっくりと、立ち上がった。
そして、ドアのそばで、心配そうに、こちらを見つめていた、母親の前に、歩み寄った。
そして、言った。
彼の、本当の声で。
「…心配、かけて…ごめん。…ありがとう」
それは、長い、長い、冬の時代を終え、彼が、発した、最初の、春の、言葉だった。

数日後。
事務所には、いつもの、穏やかな時間が流れていた。
麗華さんと権田さんが、くだらないことで、言い争いをしている。
影山さんが、相変わらず、まずいコーヒーを淹れている。
その、いつもの会話の中に、一つの、新しい音が、混じっていた。
それは、電脳の、ノートパソコンから聞こえてくる、少し、照れくさそうな、でも、確かに、温かい、人間の声だった。
『…だから、その仕様では、バグが出る、と、言っているんです、権田さん』
「んだとぉ!男のロマンに、理屈はいらねえんだよ!」
俺は、その、新しい声が、加わった、いつもの光景を、微笑みながら、見つめていた。
窓の外は、雨上がりの、どこまでも、澄み渡った、青空が広がっている。
この事務所にも、一人の青年の心にも、長く、閉ざされていた、雨雲が晴れ、新しい、光が、差し込み始めていた。
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