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第1話「思い通りにならない日」
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「あの日、空から石が落ちてきた」
古い記録映像のナレーションは、いつも決まってそのひと言から始まる。
巨大な隕石が地球に衝突した。
人類がそれを破壊する術を持たぬまま、ただ空を見上げてから、数年が経った。
やがて、その隕石という名の『卵』が孵り、悪夢のような怪物たちが地上へ這い出してきたのだ。
映像は荒いノイズを伴いながら、炎に包まれた都市を映し出す。鼓膜を震わせる爆発音。
アスファルトがひび割れ、砕け散る硬質な轟音。
その圧倒的な力の前に、人類の数はあっという間に半分となった。
しかし、人類はただ座して滅びを待つほど素直な生き物ではなかった。諦めなかったのだ。
数え切れないほどの犠牲の果てに、一匹の弱った怪物を討伐することに成功し、人類はその死体を解体した。
そして、その体をサンプルに武器・防具・兵器を開発するという、狂気じみた生存戦略に打って出たのだ。
以来、人類は怪物の体を回収しつつ兵器開発を続け、今では「ある程度、対等に戦えるようになっている」。
テレビの液晶画面の奥、燃え盛るオレンジ色の炎を背景に、怪物素材の巨大な武器を振り回す地球防衛隊の英雄たちが映し出される。
カメラのレンズについた水滴が、チリチリと熱で蒸発していくのがわかるほどの臨場感。
その画面を、瞬きすら忘れたかのように食い入るように見つめる、一人の少年の目があった。
ブラウン管の光が、彼の黒い瞳の網膜に強烈なオレンジ色の残像を焼き付けている。
あまりにも画面に近づきすぎたせいで、彼の鼻の頭は液晶画面に微かに触れ、キュッという情けない摩擦音を立てていた。
白瀬 譲(しらせ ゆずる)、17歳。高校3年生。
放課後の教室は、神聖なほどの静寂に包まれていた。
西日が窓ガラスを透過し、黒板の前にチョークの粉を金色の吹雪のように舞い上がらせている。
窓の隙間から入り込んだ秋の風が、誰かの机の上に残されたプリントを撫で、カサカサという乾いた音を立てた。
遠くのグラウンドからは、野球部の金属バットがボールを弾く「カーン」という甲高い音が、空気の層をいくつも通り抜けて鼓膜に届く。
譲の記憶力と分析力は飛び抜けていた。
彼の脳内では今、黒板に書かれた複雑な物理法則の数式が、まるで生き物のように三次元で再構築され、完璧な最適解を導き出そうとしていた。
脳細胞がスパークする音が聞こえそうなほどの極限の集中。
彼は右手でシャープペンシルを握り、ノートに向かおうとした。
――その時だった。
手汗で滑ったシャープペンシルが、指先からクルリと弧を描いて宙を舞った。
(角度45度、初速毎秒0.5メートル、落地点は机の端から5センチ……よし、左手でキャッチできる!)
譲の優秀な脳は、コンマ数秒で完璧な落下予測弾道を弾き出した。
指令は瞬時に左手の運動神経へ伝達される。
完璧なタイミング。
完璧な軌道。
しかし、譲の左手は、脳の指令から約0.8秒という絶望的な遅延を伴って「ビクッ」と痙攣するように動いた。
カラン、コロコロコロ……。
シャープペンシルは虚しく床に落ち、教室の隅へと転がっていった。
譲は静かに目を閉じた。
こめかみを、一筋の冷や汗がツーッと伝い落ちる。
記憶力と分析力は飛び抜けているが、身体能力は至って平凡。
それが彼の、どうしようもない現実だった。
脳の処理速度に対して、肉体という名のハードウェアがポンコツすぎるのである。
高校卒業後の進路は三つに分かれる。
大学へ進むもの、一般企業に就職するもの、そして――地球防衛隊の養成所へ向かうもの。
譲の頭には、防衛隊の養成所しか存在しなかった。
しかし、養成所は過酷で、入学には学力だけでなく体力・実技も選考基準に含まれる。
シャープペンシル一つまともにキャッチできないこの肉体で、どうやって実技試験を突破するのか。
さらに近年、その構図をさらに複雑にする理不尽な存在が現れていた。
『アース』――突然変異によって生まれた新人類である。
怪物の体から作られた武器・防具・兵器を最大限に引き出す固有能力を持ち、今や養成所の大半をこのアースの学生が占めるようになっていたのだ。
「おーい、譲! なにペン落として黄昏れてんだよ!」
バンッ! と、背中を巨大な丸太で殴られたような衝撃が走った。
「ぐはっ……!」
譲は肺の中の空気をすべて吐き出し、机に突っ伏した。
背骨が軋む嫌な音がした。
振り返るまでもない。
譲の幼馴染、宮沢 颯太(みやざわ そうた)だ。
彼はゴリゴリの攻撃系アースである。
怪物素材の武器を手にした瞬間から別人のように動きが変わり、戦闘訓練では常に群を抜くという戦闘の天才だ。
その無駄に有り余るパワーは、日常のスキンシップすら致死量に達する。
「もう、颯太くん。譲くんのHPは常に一桁なんだから、優しくしてあげて」
鈴を転がすような、穏やかで澄んだ声。
もう一人の幼馴染、神田 陽葵(かんだ ひまり)だ。
彼女は操作系アース。兵器の繊細な制御に天才的な才能があり、その正確さは大人の隊員も舌を巻くほどだ。
彼女の指先一つで、重さ数十トンの兵器がまるで羽毛のように精密に動くのだ。
二人に並び立ちたいと願いながらも、譲にアースの能力はない。
才能に恵まれた彼らを見ていると、時折、胸の奥でドス黒い執着が渦を巻く。
一般枠で入学できたとしても、向かえる先は事務、機材メンテナンス、討伐後の後処理部隊――戦場ではなく、戦場の後ろだ。
(俺には戦う場所がないのか)
苦い問いが胸をよぎる。
喉の奥に、砂を飲み込んだようなザラリとした感覚が広がった。
だが、譲は痛む背中を擦りながら、再びノートを開き続けた。
知識なら、誰にも負けない。
それだけは確かだ。 筋肉で勝てないなら、脳味噌のシワの数で怪物を殴り倒してやる。
その過剰なまでの執念が、彼を机に向かわせていた。
放課後、三人で帰り道を歩く。
世界は、息を呑むほど美しい黄昏時に染まっていた。
沈みゆく太陽が、三人の影をアスファルトの上に長く、黒々と引き伸ばしている。
光と影の境界線がくっきりと浮かび上がり、吹き抜ける風が道端のススキを大きく揺らした。
ススキの穂が擦れ合う「ザワザワ」という音が、遠くの車の排気音に混ざって耳に届く。
コンクリートを蹴る三人の靴音。
颯太の力強い「ダンッ」、陽葵の軽やかな「コツッ」、そして譲の、どこか引きずるような「ズリッ」という不規則な音が、不思議なリズムを刻んでいた。
「絶対受かろうな」
颯太が、満面の笑みで譲の肩を力強く叩いた。
「ごふっ……!」
譲の右肩が外れかける音がしたが、彼は必死に表情筋を制御して激痛を隠した。
陽葵は、逆光の中でその柔らかい髪を夕風に揺らしながら、ふわりと微笑む。
二人の眩しすぎる存在感の横で、譲はただ、「ああ」と短く返した。
その声は風に溶けて消えそうだったが、確かな重力を持っていた。
思い通りにならないことばかりだ。
世界は理不尽で、己の肉体はさらに理不尽だ。
だが、執着を捨てきれない自分がいる。
戦いの最前線という、己に最も向いていない場所に焦がれる愚かさ。
それが滑稽であることを、分析力に長けた譲の脳が一番理解していた。
その夜。
部屋の窓を打つ微かな夜風の音だけが響く中、譲は静かに息を吐いた。
手元にあるのは、分厚い書類。インクの匂いが、鼻腔をかすかにくすぐる。
譲は願書を書き終え、ゆっくりと、だが決然とした手つきで封をした。
ノリが紙に張り付く「ピシッ」という乾いた音が、静寂の部屋に響き渡った。
それは、彼が自ら修羅の道へと足を踏み入れた、最初の合図だった。
古い記録映像のナレーションは、いつも決まってそのひと言から始まる。
巨大な隕石が地球に衝突した。
人類がそれを破壊する術を持たぬまま、ただ空を見上げてから、数年が経った。
やがて、その隕石という名の『卵』が孵り、悪夢のような怪物たちが地上へ這い出してきたのだ。
映像は荒いノイズを伴いながら、炎に包まれた都市を映し出す。鼓膜を震わせる爆発音。
アスファルトがひび割れ、砕け散る硬質な轟音。
その圧倒的な力の前に、人類の数はあっという間に半分となった。
しかし、人類はただ座して滅びを待つほど素直な生き物ではなかった。諦めなかったのだ。
数え切れないほどの犠牲の果てに、一匹の弱った怪物を討伐することに成功し、人類はその死体を解体した。
そして、その体をサンプルに武器・防具・兵器を開発するという、狂気じみた生存戦略に打って出たのだ。
以来、人類は怪物の体を回収しつつ兵器開発を続け、今では「ある程度、対等に戦えるようになっている」。
テレビの液晶画面の奥、燃え盛るオレンジ色の炎を背景に、怪物素材の巨大な武器を振り回す地球防衛隊の英雄たちが映し出される。
カメラのレンズについた水滴が、チリチリと熱で蒸発していくのがわかるほどの臨場感。
その画面を、瞬きすら忘れたかのように食い入るように見つめる、一人の少年の目があった。
ブラウン管の光が、彼の黒い瞳の網膜に強烈なオレンジ色の残像を焼き付けている。
あまりにも画面に近づきすぎたせいで、彼の鼻の頭は液晶画面に微かに触れ、キュッという情けない摩擦音を立てていた。
白瀬 譲(しらせ ゆずる)、17歳。高校3年生。
放課後の教室は、神聖なほどの静寂に包まれていた。
西日が窓ガラスを透過し、黒板の前にチョークの粉を金色の吹雪のように舞い上がらせている。
窓の隙間から入り込んだ秋の風が、誰かの机の上に残されたプリントを撫で、カサカサという乾いた音を立てた。
遠くのグラウンドからは、野球部の金属バットがボールを弾く「カーン」という甲高い音が、空気の層をいくつも通り抜けて鼓膜に届く。
譲の記憶力と分析力は飛び抜けていた。
彼の脳内では今、黒板に書かれた複雑な物理法則の数式が、まるで生き物のように三次元で再構築され、完璧な最適解を導き出そうとしていた。
脳細胞がスパークする音が聞こえそうなほどの極限の集中。
彼は右手でシャープペンシルを握り、ノートに向かおうとした。
――その時だった。
手汗で滑ったシャープペンシルが、指先からクルリと弧を描いて宙を舞った。
(角度45度、初速毎秒0.5メートル、落地点は机の端から5センチ……よし、左手でキャッチできる!)
譲の優秀な脳は、コンマ数秒で完璧な落下予測弾道を弾き出した。
指令は瞬時に左手の運動神経へ伝達される。
完璧なタイミング。
完璧な軌道。
しかし、譲の左手は、脳の指令から約0.8秒という絶望的な遅延を伴って「ビクッ」と痙攣するように動いた。
カラン、コロコロコロ……。
シャープペンシルは虚しく床に落ち、教室の隅へと転がっていった。
譲は静かに目を閉じた。
こめかみを、一筋の冷や汗がツーッと伝い落ちる。
記憶力と分析力は飛び抜けているが、身体能力は至って平凡。
それが彼の、どうしようもない現実だった。
脳の処理速度に対して、肉体という名のハードウェアがポンコツすぎるのである。
高校卒業後の進路は三つに分かれる。
大学へ進むもの、一般企業に就職するもの、そして――地球防衛隊の養成所へ向かうもの。
譲の頭には、防衛隊の養成所しか存在しなかった。
しかし、養成所は過酷で、入学には学力だけでなく体力・実技も選考基準に含まれる。
シャープペンシル一つまともにキャッチできないこの肉体で、どうやって実技試験を突破するのか。
さらに近年、その構図をさらに複雑にする理不尽な存在が現れていた。
『アース』――突然変異によって生まれた新人類である。
怪物の体から作られた武器・防具・兵器を最大限に引き出す固有能力を持ち、今や養成所の大半をこのアースの学生が占めるようになっていたのだ。
「おーい、譲! なにペン落として黄昏れてんだよ!」
バンッ! と、背中を巨大な丸太で殴られたような衝撃が走った。
「ぐはっ……!」
譲は肺の中の空気をすべて吐き出し、机に突っ伏した。
背骨が軋む嫌な音がした。
振り返るまでもない。
譲の幼馴染、宮沢 颯太(みやざわ そうた)だ。
彼はゴリゴリの攻撃系アースである。
怪物素材の武器を手にした瞬間から別人のように動きが変わり、戦闘訓練では常に群を抜くという戦闘の天才だ。
その無駄に有り余るパワーは、日常のスキンシップすら致死量に達する。
「もう、颯太くん。譲くんのHPは常に一桁なんだから、優しくしてあげて」
鈴を転がすような、穏やかで澄んだ声。
もう一人の幼馴染、神田 陽葵(かんだ ひまり)だ。
彼女は操作系アース。兵器の繊細な制御に天才的な才能があり、その正確さは大人の隊員も舌を巻くほどだ。
彼女の指先一つで、重さ数十トンの兵器がまるで羽毛のように精密に動くのだ。
二人に並び立ちたいと願いながらも、譲にアースの能力はない。
才能に恵まれた彼らを見ていると、時折、胸の奥でドス黒い執着が渦を巻く。
一般枠で入学できたとしても、向かえる先は事務、機材メンテナンス、討伐後の後処理部隊――戦場ではなく、戦場の後ろだ。
(俺には戦う場所がないのか)
苦い問いが胸をよぎる。
喉の奥に、砂を飲み込んだようなザラリとした感覚が広がった。
だが、譲は痛む背中を擦りながら、再びノートを開き続けた。
知識なら、誰にも負けない。
それだけは確かだ。 筋肉で勝てないなら、脳味噌のシワの数で怪物を殴り倒してやる。
その過剰なまでの執念が、彼を机に向かわせていた。
放課後、三人で帰り道を歩く。
世界は、息を呑むほど美しい黄昏時に染まっていた。
沈みゆく太陽が、三人の影をアスファルトの上に長く、黒々と引き伸ばしている。
光と影の境界線がくっきりと浮かび上がり、吹き抜ける風が道端のススキを大きく揺らした。
ススキの穂が擦れ合う「ザワザワ」という音が、遠くの車の排気音に混ざって耳に届く。
コンクリートを蹴る三人の靴音。
颯太の力強い「ダンッ」、陽葵の軽やかな「コツッ」、そして譲の、どこか引きずるような「ズリッ」という不規則な音が、不思議なリズムを刻んでいた。
「絶対受かろうな」
颯太が、満面の笑みで譲の肩を力強く叩いた。
「ごふっ……!」
譲の右肩が外れかける音がしたが、彼は必死に表情筋を制御して激痛を隠した。
陽葵は、逆光の中でその柔らかい髪を夕風に揺らしながら、ふわりと微笑む。
二人の眩しすぎる存在感の横で、譲はただ、「ああ」と短く返した。
その声は風に溶けて消えそうだったが、確かな重力を持っていた。
思い通りにならないことばかりだ。
世界は理不尽で、己の肉体はさらに理不尽だ。
だが、執着を捨てきれない自分がいる。
戦いの最前線という、己に最も向いていない場所に焦がれる愚かさ。
それが滑稽であることを、分析力に長けた譲の脳が一番理解していた。
その夜。
部屋の窓を打つ微かな夜風の音だけが響く中、譲は静かに息を吐いた。
手元にあるのは、分厚い書類。インクの匂いが、鼻腔をかすかにくすぐる。
譲は願書を書き終え、ゆっくりと、だが決然とした手つきで封をした。
ノリが紙に張り付く「ピシッ」という乾いた音が、静寂の部屋に響き渡った。
それは、彼が自ら修羅の道へと足を踏み入れた、最初の合図だった。
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