魔法少女 ミルティ=クラウゼ

桜雨ゆか

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【おまけ話】キザシのクリスマスの夢

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 キザシの住むマンションは、静まり返っていた。
 玄関にブーツを脱ぎ捨て、シャワーだけ浴びて、ざっと髪を乾かすとベッドへと倒れ込む。

「あー……くそ。疲れた」

 照明は落とし、カーテンの隙間からは雪の反射した街の光が淡く差し込んでいる。
 いつもより寒いのに、身体の奥だけが落ち着かず、疲労が奇妙にまとわりつく。
 天井を見つめて、吐息が漏れた。

(……ミルティ)

 名前を思い浮かべた途端、胸の奥がひどく熱くなる。
 白輝会のクリスマスイベント――彼女は今年も参加しているはずだ。
 噂では、白と水色のミニスカートのサンタ衣装だと聞いた。
 ふわふわのファー。
 笑うたびに揺れる胸元の小さなベル。
 誰にでも明るく微笑む、あの眩しさ。

(サンタ姿のミルティ……。少し、いや、かなり見たかった……)

 本音を自覚してしまった瞬間、キザシは乱暴に目を閉じた。

「バカか。なに考えてんだ俺は……」

 ゴロンと寝返りを打つ。
 枕に片腕を押しつけながら、キザシは目を閉じたまま深く息を吐いた。

(……ほんと、最近ダメだな俺)

 ふと、合同飲み会で潰れた自分の情けない姿が頭をよぎる。
 あの場にはミルティもいて、酔った勢いで余計なことを口走らなかったか――それすら怪しい。
 酒に弱いわけではない。
 むしろ普段は強い方なのに、あの日だけは妙に回りが早かった。
 思い出しては枕に顔を押しつけたくなる。
 また別の時は、暗刃会の影士たちが話題にしていたミルティに似ているセクシー女優、ミリア・ユマモリに興味を持ってしまった。
 同僚から送られてきた動画の再生ボタンを押したのだ。
 そして――一度だけと自分に言い訳しつつ、してしまった。しかも何度も。

(……ほんと最低だろ俺。なにやってんだ)

 額を手のひらで覆い、息を吐いた。
 なにもかも、疲れのせいだ。
 気が緩んでいる。
 戦いも続いているし、心もどこか温かいものを求めているのかもしれない。

(……寝よう。寝て忘れろ)

 そう思って、ゆっくりと呼吸を整え、まぶたを閉じる。
 次第に重力が遠のき、音も光も消えていく。
 そのまま意識は沈んでいった。



 ――ピンポーン。
 チャイムが鳴った。
 ベッドで寝ていたはずのキザシは玄関ドアの前に立っていた。

「…………は?」

 こんな時間に、来客などあるはずがない。
 再びピンポーンと音が響く。
 呼吸が詰まった。

(誰だよ……こんな深夜に)

 キザシは首を捻りながらも、ドアに手をかけた。


 ――ふわり。

 冷気と一緒に、白と水色のサンタ服が揺れた。

「え……?」

 扉の向こうに立っていたのは、白輝会の魔法少女・ミルティ=クラウゼ。
 白ファーのミニスカサンタ衣装。
 少し赤くなった頬。
 胸元の小さなベルが、ちりん と鳴った。

「メリークリスマス、キザシさん♡ ……来ちゃいました」

 にっこりと笑ったミルティが一歩前に踏み出す。
 現実では絶対ない至近距離で、キザシをじっと見上げてきた。

(……は? え⁉ なんで……? なんでミルティが俺んちに……?)

 動揺するキザシをよそに、ミルティは笑顔のままもう一歩踏み出し、キザシの逞しい胸元にぐっと顔を寄せる。

「急にお邪魔して、ごめんなさい……。でも……今日のイベントで、これ着たとき……キザシさんにも見てほしいなって思って♡」
 ふわり、とスカートの裾が揺れる。太ももがちらりと覗く。

(おい、やめろ……そんな顔で見んな……)

 胸がどくん、と跳ねる。
 ミルティはまったく無自覚に小首をかしげた。

「……似合って、ないですか?」

 キザシが黙ったまま固まっていると、ミルティがしゅんと肩を落とした。
 それを見て、キザシは慌ててミルティの肩を掴む。

「似合ってる! めちゃくちゃ……――その……、か、可愛い、と、思う」

 言いながらキザシは下を向いた。声が震えるのが自分でもわかっていた。

「本当ですか⁉ 嬉しいです♡」

 ちりん、と小さくベルの音が聞こえ、次の瞬間――キザシの腕に柔らかいものが触れた。

「――っ⁉」

 ミルティがぐい、と寄ってきたのだ。
 腕に当たるのは、間違いなく豊かな乳房。
 ふるりと揺れて、擦れるように、腕に押し当てられ、キザシの鼓動がさらに速くなった。
 ミルティはそんなキザシを見上げながら、上目遣いで甘い声を出す。

「キザシさん♡ わたし、プレゼントも用意したんです♡」
「プレゼント……?」
「はい。キザシさんに喜んでもらいたくて」

 そう言って、ミルティはキザシの腕に体重を預けるように密着してきた。
 さらに胸が押し付けられる。

「おいっ……! ちょっと離れ……」
「イヤ、ですか……?」

 潤んだ瞳が、キザシを見上げてくる。
 キザシは言葉を失った。
 ミルティの両手がそっとキザシの首筋に伸び、細い指先がTシャツの襟ぐりを撫でる。
 それからミルティはちょんちょん♡ とキザシの肩を指でつついた。

「キザシさん、少し屈んでもらえます? 耳を貸してください」
「…………」

 言われるまま、キザシは膝を少し曲げた。
 それでもキザシの方が背が高いから、ミルティはつま先立ちになって耳元に唇を寄せる。

「サンタの服の下、なにも身に着けてないんです♡」

 唇が耳朶に触れそうな距離で、柔らかく、熱く、濡れた囁きが流し込まれる。

「――っ⁉」

 驚いてミルティを見たキザシの視界にベアトップのサンタ衣装が映る。
 ただのサンタ服のはずだ。なのに、ミルティが着ると――とんでもなくえっちに見えた。
 白いファーの真ん中には深い谷間。柔らかそうな乳肉が目の前にある。

(なにも……着けてないって……)

 ミルティの腰が密着すると、ミルティの腹部から伝わる体温が、直に感じられる。

(直接、肌が……⁉)

 キザシは思わずごくりと喉を鳴らした。

(ああ、そうか。わかった! これは夢だ。俺は疲れて寝て、それでこんな夢を――)

「キザシさん?」

 ミルティがキザシを見上げる。

「プレゼント、開けてくれないんですか……?」

 そう言うとミルティはミニスカートの裾を少しだけ持ち上げ、キザシの視線を誘導した。
 促されるまま、キザシは視線を落とす。
 白いニーハイとスカートの間、程よい肉付きの太ももが現れ、その奥に――布地はない。

(……っ!)

 太もものさらに奥。お尻の丸みのラインまで見えてしまいそうなギリギリのところで、ミルティは裾を持つ指を止めた。
 キザシは息を飲む。

(夢! そう、夢だ! どうせどこかで目が覚めるんだ。だったら――)

 キザシの理性の糸が、ぷつんと音を立てて切れた。

「……プレゼントなら、俺の好きにしていいんだよな?」
「……キザシさんが欲しいなら」
「欲しいに決まってんだろ……」
「じゃあ、好きにしてください♡」

 ミルティがうっとりと頷いた瞬間、キザシはその細い腰をためらいもなく引き寄せた。

「きゃ……♡」

 腕の中にすっぽり収まったミルティは、驚いたように目を瞬く。
 けれど拒むそぶりは一つもない。
 胸元のベルが ちりん と揺れ、その度にキザシの理性がさらに削られていく。
 ミルティの腰を抱いたまま、キザシは玄関から寝室へとまっすぐ進んだ。
 腕の中のミルティは驚くほど温かく、柔らかく、甘い香りが漂ってくる。

「ここ座れ」

 ベッドにミルティを座らせ、キザシ自身はその正面に膝をついた。

「……キザシさん?」

 ミルティが不安そうな表情を浮かべる。

「ここ、もっとよく見せて」

 キザシの指が鎖骨を撫で、胸元へと滑っていく。

「っ……!」

 ぴくんと肩を震わせたミルティだったが、抵抗はしない。
 白いファーのところに指を引っ掛け、ベアトップを引き下げる。
 ぷるん♡ と弾み零れでてきたのは形の良い乳房。
 薄い色づきの乳首は小ぶりで、まだ触れていないけれど、つんと尖っていた。きっと外気に触れて敏感になったのだろう。

「あっ……♡」

 ミルティが思わずと言った感じで腕で隠そうとしたから、キザシはその細い腕をやんわりと掴んだ。

「プレゼントだって言ったのはあんただろ。今更隠すなよ」
「っ……♡ は、はい♡」

 胸元を開かれたまま、ミルティは羞恥に頬を染め、だがどこか嬉しそうに微笑んだ。

(これは夢、夢……。だから、なにしても許される)

 そう自分に言い聞かせ、キザシはミルティの乳房を鷲掴みにした。
 柔らかくて、吸い付くような感触。
 指の跡が残りそうなほど強く揉みながら、先端に唇を寄せ、芯の通った乳首にしゃぶりつく。

「あぁんっ……ぁっ♡」

 ミルティの口からこぼれる甘い声が、キザシの耳奥をじらすように震わせた。

「んっ……あっ……♡ キザシさんの、口……あつ、いぃ……ッ♡」

 乳首を吸い上げるたび、ミルティの身体が弓なりにしなる。
 その反応があまりに素直すぎて、キザシはますます深みにはまっていった。

(こんな……こんなの……。やばい……っ)

 舌で乳首を転がしながら、空いた手はもう一つの乳房を揉み潰すように掴む。
 柔らかくて、熱くて、指に吸いつくような弾力。

「やっ……ぁ、そんなに……強く……っ♡」
「強くされるの、イヤか?」
「い、いやじゃ……ないです……♡」

 涙で濡れたまつげの奥から、ミルティが震えながら言う。
 その顔があまりに色っぽくて、キザシの喉がきゅっと鳴った。

「じゃあ、もっとやるぞ」
「んぁっ♡ キザシさ、ん……っ♡」

 ちゅ、ちゅ♡ と乳首を軽くついばむと、ミルティがぴくぴく♡ と跳ねる。
 その反応が可愛すぎて、キザシはもう片方の乳首も交互に口に含んだ。

「んんっ♡ やっ……♡ きもちいっ……っ♡ ヘンなこえ、出ちゃっ……ぁんっ♡」
「可愛い。変じゃないから、声、抑えるな……」

 キザシはさらに貪るように吸った。
 じゅ、と湿った音が部屋に響き、ミルティは耐えきれずキザシの頭を抱き寄せる。

「ぁああっ……♡ キザシさん……大好き……っ♡」
「――っ」

(うっわ……大好き、って……)

 現実ならおそらく絶対に言われないはずの言葉。
 夢だと理解していても、胸の奥に落ちる衝撃はあまりにも甘い。
 ふと顔を上げると、ミルティの瞳は潤みきっていて、半開きの唇からは息が熱く揺れている。

「キザシさん……もっと、触って……?♡」

 その懇願に、キザシの心の最後の抵抗が消えた。

「……ああ、触る。全部、俺がもらう」

 そう言って、キザシの手はミルティの太ももへと伸びる。
 スカートの中、なにも身に着けていない柔肌へ――ゆっくりと指先が進んでいく。

「……本当になにも穿いてないんだな」
「見ます、か……?」

 ミルティが、恥ずかしそうに、けれど甘く微笑んで、ミニスカートの裾を指でつまんで、ほんの少しだけめくった。
 キザシは少しだけ身を離して、ミルティに目で促す。
 それに応えるようにミルティはさらにベッドの上に足を乗せ、M字にゆっくりと開いていく。

「ん……っ」

 頬を朱に染めながらもミルティが羞恥に耐えるように眉を寄せた。
 スカートの内側は、宣言通りなんの布も遮るものもなかった。
 白いニーハイの上、太ももの付け根が柔らかそうにきゅっと締まっている。

(えっろ……♡ ――夢でも、これは反則だろ)

 キザシの口から荒い息が漏れる。
 太ももの間に浮かび上がる割れ目は、ふっくらと膨らんでいて、薄く開いた中心からはとろりと愛液が溢れ始めていた。
 乳房を晒し、脚を大きく開いた淫らな姿なのに、ニーハイだけはしっかり履いたままというアンバランスさが、かえって目の奥を焼くような甘い刺激になる。

「――……やらしい格好」

 キザシの喉の奥が熱く鳴る。

「そんなに、見ないで……くださいっ♡」
「見せてるのはあんただ……。見せたいんだろ? 俺に」

 思わず零れた低い声に、ミルティが小さく震えた。

「っ……あ♡」

 キザシがミルティの太ももに指先を近づけると、肌の熱が伝わる手前で、彼女の身体がびくんと跳ねた。
 ミルティの脚が震え、ニーハイの縁が太ももの柔らかさに沈み込む。

「あっ……、んっ……♡」

 指をそっとなぞらせるだけで、ミルティが甘く喘いだ。

「――っ」

(やばいな。もっと、触りたい。……舐めたい)

 キザシの舌が疼く。
 衝動が抑えきれずに、キザシは身を低くして顔を埋めるようにミルティの股に舌を這わせた。

「ひゃっ……♡ キザシさ、そこは……っ♡」
「舐めていいか? いいよな?」

 キザシは問いながらも、答えを聞く前に濡れた割れ目に吸い付いた。
 最初は表面を軽くなぞるだけだったが、すぐに舌先を花弁の狭間に押し込み、ゆっくりと上下させる。

「んっ、んぁあっ……♡ やっ……! ひ、ぅ……っ♡」

 ミルティの腰が跳ねる。
 舌が触れるたび、ひくひくと震える花弁の奥から蜜がとろりと溢れ出した。
 キザシはたまらず、唇を押し当てて吸い上げた。

「んっ♡ ひゃんっ……♡ そこっ……だめぇ……っ♡」

 だめと言いながらも、ミルティの足は開かれたまま。むしろもっと欲しいと求めるようにキザシの顔に押し付けられる。
 膣口に舌を挿し入れ、じゅるり♡ と愛液を啜ると、ミルティの背中が大きく仰け反った。

「あぁんっ♡ キザシさっ♡ きもちいっ……♡ とけちゃ、う……っ♡」

 ミルティの嬌声に煽られるまま、キザシの舌使いは激しくなっていく。

「ひぁっ……んっ♡ おく……きて……っ♡」

 ミルティの細い指がキザシの頭を掴む。
 膣内の浅いところを掻き混ぜるように舌を動かせば、愛液が奥から溢れ出し、キザシの口の中でトロトロに溶けていく。

「っ♡ はぁっ……はっ……♡ キザシさ……んっ……♡ い、く♡ いっちゃ、ぅ……っ♡」

 ミルティの薄い腹がふるふると震えだす。

(イって、欲しい……)

 キザシは、硬く膨らんだ花芽に平たくした舌をべろべろと押し付けた。
 瞬間、ミルティの嬌声が高まる。

「ひ、あ、あ、あっ♡ いっ、いくっ……♡ ンンンんッ♡」

 ぶるるっ♡ と全身を震わせ、ミルティが達した。
 子宮の収縮が、クリトリスにあてた舌にぴくぴく♡ と伝わってくる。
 さらに溢れてきた愛液を残さず吸い取り、キザシはゆっくりと顔を上げた。

「ひっ♡ んぅ……♡ キザシさ……んっ……♡」

 ベッドの上で完全に脱力したミルティの声は、甘く蕩けていた。
 キザシは唇についた愛液を舌で舐めとりながら、興奮に息を荒げた。
 もう限界だ。

「キザシさ、ん……♡」

 ミルティの潤んだ瞳が、キザシを捕らえた。
 その視線を受けるだけで、下半身に集まった熱がさらに膨張するような気がした。

「キザシさ……ん♡ もっと……さわって……?」

 ミルティの細い指が、濡れた秘所を示すようにそっと触れた。
 その仕草があまりに挑発的で、キザシの雄としての本能が強烈に刺激される。

(やばい……。マジで興奮する……)

 キザシは無言のままミルティの両腿を押し広げると、その中心に中指と薬指を滑り込ませた。
 指先に熱いぬめりを感じる。まだ余韻の残る膣口はひくつき、誘うように蠢いていた。

「ひ……っ♡ ゃうっ……♡」

 予想以上の熱量とヌメリに指先が包まれる。

「気持ちいいのか? ここ」

 ミルティが頷くたびに指がさらに深く飲み込まれていく。
 二本の指を第二関節まで沈めると、内壁がぎゅうっと締め付け返してきた。
 指を軽く曲げてGスポットを擦ると、ミルティの腰が浮く。

「ひんっ♡ そこっ……らめぇ……っ♡ あふっ……♡」

 つま先までピンと伸びたミルティの足が宙を蹴った。
 愛液がキザシの指の根元まで滴り落ち、シーツに濃い染みを作る。

「とろっとろ、だな……♡」

 キザシが囁くと、ミルティがうっとりと唇を噛んだ。

「ら、って、きもち、いい、からぁっ……ッ♡」

 その甘ったるい声に誘われ、キザシは沈めた指を動かしながら、親指でクリトリスを円を描くように転がし始めた。

「ゃっ……ひゃんっ……♡ あ、あ、あっ♡ まっ……♡ またきちゃうっ……♡」

 ミルティの腰が勝手にゆらゆらと揺れ動く。
 指に絡みつく襞が波打ち、粘膜が異常なほど熱くうねる。

(このままイかせてぇ……」

 じゅぷじゅぷ♡ と卑猥な音を立てながら、キザシは指の動きを加速させた。
 腹の内側の柔い所をトントン♡ と優しく叩いてやれば、ミルティの背中が反り返る。

「ひっ♡ あ、あ、あっ♡ いく♡ いっひゃうっ……♡ あ゙っ♡ ~~~~ッ♡」

 びくびくっ♡ と背筋が大きく震え上がった瞬間、キザシの指が食いちぎられそうなほど強く締め付けられた。
 膣全体が絞り上げるように痙攣し、加えて大量の潮が噴き出してキザシの手首まで濡らす。

「……っは……♡ は……っ♡」

 肩で息をするミルティの頬は上気し、潤んだ瞳が虚ろに宙を彷徨っていた。

「ミルティ……」

 名前を呼ぶと、焦点の合わない目がゆっくりとキザシを捉える。

「キザシさ……ん……っ」

 震える声。潤んだ瞳。紅潮した肌。

「……っ」

 キザシは短く息を呑み、己の下半身に手を伸ばした。
 スウェットを下ろす手がかすかに震える。
 既に臨戦体勢となっている陰茎を露出させれば、赤黒く光沢のある亀頭は欲望でパンパンに張り詰め、竿全体が血管を浮き上がらせて脈動していた。
 それは男としては申し分ない大きさと存在感を主張している。

 「ミルティ……、挿れるぞ」

 低く、けれど熱を帯びた声で告げ、キザシは迷いなくミルティの細い腰を抱き寄せた。

「は、ぃ♡ キザシさんので……いっぱいにして、くださ……っ♡」

 ミルティの言葉を最後まで聞き終わらないうちに、キザシはミルティの膝に指をかけて、さらにもう一段階脚を開かせる。
 ベッドの上で大きく広がったミルティの太ももを肩に担ぐようにして、キザシはのしかかった。
 すでに限界まで硬くなった陰茎が、熱を持った膣口にぬるりと触れた。

「はっ……、やばいな、これ……。すげえ吸い付いてくる……」

 キザシの声が掠れる。腰を進めれば、狭く、きゅっと締まる感触に、脳の奥が痺れるほど気持ちよかった。

「んっ……はぁ……♡ キザシさ……ん、挿入って……う…っ♡」

 ミルティの甘い声が耳に届くと、キザシの全身にぞくぞくと快感が駆け抜ける。
 最奥に届くまで挿入して、動きを止めても、膣壁が脈打つように陰茎を包んでくる。
 そのあまりの快感にキザシの腰が勝手にビクビク♡ と動いた。

「っ、あぁ……♡ キザシさっ……んっ♡ なか、びくびく、して……っ♡」
「くそ……、動くぞ……っ!」

 たまらず腰を引けば、ミルティの膣壁が惜しむようにまとわりつき、引き抜くたびに小さな水音が響く。
 再び突き込めば、子宮口にぐっと届くような感覚とともに、ミルティの背中がびくんと反り返った。

「んんっ♡ あっ♡ あっ……♡ ふかっ、いっ……♡」
「っ、悪い……止まんねぇ……」

 キザシの腰の動きがどんどん速くなる。
 ばちゅばちゅ♡ と肉と肉がぶつかる音が室内に響くたび、ミルティの口からは高い声がこぼれる。

「キザシ、さんっ……♡ キザシさっ……♡ んぁっ♡ やっ♡ きもちいいっ……♡」

 ミルティが髪を振り乱しながら、必死にキザシにしがみついてくる。
 細くしなやかな脚が、無意識にキザシの腰に巻きついてくるのがたまらなく愛おしい。

「あっ♡ んぅっ……♡ もっと……もっとして……? キザシ、さん♡」
「ん……、欲しいのか?」
「ほしいっ♡ もっと、いっぱいっ……♡」

 キザシが問いかければ、ミルティはとろけきった瞳でうっとりと答える。

「どこに出して欲しい?」
「中……♡ 中にください……♡ キザシさんの……いっぱい、注いでください……♡」
「――っ! ああ、くそ……♡ 望み通りにしてやる」

 腰を引き、全力で突き入れる。
 子宮口を押し広げるような深さで、何度も、何度も打ちつける。

「ひぁっ♡ あ、あ、あっ♡ キザシさんっ♡ いいっ♡ きもち、いっ……♡」
「ミルティ……ッ♡ 俺、も……もう、限界だ……っ」

 ミルティの中で陰茎が膨れ上がるのを感じる。
 射精が近い。

「んあっ♡ あ゙っ♡ あ゙っ♡ い、く♡ い、きますっ♡ キザシさんっ♡ ちょ、だいっ……♡ なか、出して♡ んあっ♡ なかにぃっ♡」

 一際強く突き入れた瞬間、ミルティの内奥が激しく痙攣し、キザシの陰茎を締め上げた。
 同時にキザシの腰が震え、蓄積された欲望が一気に解き放たれる。

「~~~~ッ♡♡」

 精液が子宮口を叩くたびにミルティの膣壁が痙攣し、まだ射精中の陰茎を搾り取ろうとする。

「っく……♡ はぁ……っ♡」

 射精の解放感に浸りながらも、キザシは最後の一滴まで出し尽くすために何度か腰を揺らした。
 ミルティの身体が震え、甘い声が喉奥でほどけていく。

「キザシさん……っ♡」

 抱きしめる腕の中で、彼女は息を乱しながら、満ち足りたようにキザシの名を呼んだ。
 互いの熱が絡み合い、夢の空間にありえないほど濃密な余韻が漂う。
 ミルティの指先がキザシの背をかすかに掴む。
 乱れたサンタ服、白いニーハイだけが無垢に残っていて、その背徳的な組み合わせが視界を焼いた。

「すげぇ……中、熱い……」

 満たされた空間の熱を確かめるようにキザシは腰を小さくグラインドさせる。
 その微かな動きにさえミルティの身体は反応し、膣がぴくぴくとわなないた。

「んぅ……♡ キザシさん……の、出てる……♡ わかる……♡」

 恍惚とした表情で呟くミルティ。
 その言葉に、キザシの陰茎が再び固く張りを取り戻していく。

(やべぇ……まだ欲しい……)

 手を伸ばし、ミルティの身体をもう一度抱き寄せようとした――その瞬間。


 ぱちん、と世界が途切れた。


      ✢


「……っは……!」

 キザシは勢いよく目を開けた。
 視界に広がるのは、薄暗い自室の天井。
 雪の反射した街の光がカーテンの隙間から淡く差し込んでいる。
 息は荒い。
 心臓は痛いほど跳ねている。
 全身が熱い。
 夢の中の匂いと温度だけが、妙にリアルに残っていた。
 しばらく茫然と天井を見つめ、キザシは、ゆっくりと顔に手を当てる。

「……勘弁してくれ」

 あまりにも鮮明すぎた。
 腕の中の柔らかさも、蕩けた甘い声も、ふわふわのファーの感触すら消えない。
 胸の奥が、じんと熱く痛む。
 ふと視線を落とすと、身体は最悪なくらい正直に反応したままだ。

「はあぁ……」

 大きく息を吐き出し、キザシは枕に顔を押しつける。

(………………会いてぇ)

 自覚した瞬間、胸の奥にどうしようもない疼きが広がった。


      ✢


 あの夢から数時間後。
 起きがけにシャワーを浴びても、胸の奥の熱はまったく落ち着かなかった。

(俺はまたなんて夢を……)

 目を閉じれば、全部が蘇る。

 そんな最悪のコンディションのまま、昼を過ぎた頃、スマホが震えた。

 ――ピロン♪

「……?」

 ぼんやりした頭で画面を開いた瞬間、身体が固まった。
 送られてきたのは、白輝会のイベントに参加した同僚からのメッセージ。

《バッチリ撮れました! 幸せを分かち合いましょう!》

 添付された画像は――話に聞いていた通り水色と白のミニスカサンタ姿のミルティの写真。
 しかも、夢よりもしっかり現実のミルティの可愛さが写り込んでいる。


 小さなベルのついた胸元。
 ふわふわのファー。
 太ももまでの白ニーハイ。
 無邪気に笑って、誰かと話している横顔。

「…………は?」

 頭の中で、夢の内容がフラッシュバックした。

 胸元の柔らかさ。
 乱れたサンタ服に脚に食い込むニーハイ。
 甘い声と蕩けた表情。

(ちょ、待て……。これ……うわぁ……)

 夢の中で見た姿と現実の写真が重なってしまい、キザシの背中にじわりと汗がにじむ。
 さらに追い打ちのように、同僚から第二弾が届く。

《ミルティさん、めっっっちゃ可愛かったです! つい隠し撮りしちゃいました》

 追加の写真には、サンタ帽を直す仕草のミルティのアップ。
 頬を少し染めながらカメラに気づかず微笑む姿。
 グラビアさながらのアングルで胸元やら腰やらが強調された撮り方だ。
 ベルが陽光を反射してちりんと鳴るのが幻聴のように聞こえる。
 キザシのこめかみが、ぴくりと跳ねた。

(やばいやばいやばい、やばい……!)

 胸の奥がむず痒く、疼く。
 夢とは違うベクトルで、理性が崩れかける。

「……あああああーーー、もう無理……」

 スマホを伏せて、キザシは両手で顔を覆った。

(よりにもよって、あんな夢のあとにこの写真て……)

 だめだとわかっていても、夢の中で甘く乱れたミルティと現実で無邪気に笑うミルティの姿が完全に重なってしまう。
 セクシー女優に重ねて自己処理するのとはわけが違う。
 ミルティ本人の写真でしてしまったら完全にアウトだと理性が叫ぶ。
 それなのに、悲しいかな、身体は夢の記憶に引きずられる。

「…………」

 意志に反してむくりと起き上がる下半身。写真一枚でここまで反応してしまうことに愕然とする。
 胸が熱くて、苦しくて、どうしようもない。
 今まで抑えていたものが溢れそうになり、キザシはソファの背もたれに身を預けた。

(こんなん……もう誤魔化せないだろ)

 夢と現実の境目が曖昧なまま、キザシのクリスマスはある意味最高に――そして最悪に――終わろうとしていた。

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