白衣の下2 イケメン営業マンとアラフォー理系女のエッチな関係

高野マキ

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「波彦さん、どうして?‥  女の人‥?」



波彦は無視して車に乗り込んだ。そしてこちらを見ている妻に視線を、合わす事無く車を発進させた。


  ‥‥‥


「大楠君 どうかした?」




「先生 駐車場を出たところで 記者達は一斉にシャッター切ります。車中の人間を確かめるためです。先生は助手席の足元に躰を出来るだけ屈めて隠れてください。いいですか」


ユミは言われた通り 助手席のフットスペースに躰を潜り込ませたり。


波彦の予想通り 四方八方からストロボを焚いてシャッターがきられた。

そこを素通りして、あっという間に 岩井のマンションが遠ざかる。



白井ユミに勘づかれたくないと思いつつ波彦は激しく動揺していた。

妻の横にいた男
中国人か、、韓国人? 何処かの大使館職員の息子。

大学から付き合っていたと言ってたな…


   波彦、今はそれどころじゃない!
随分と身勝手な男だな…俺、
自分は白井ユミと不倫しているのに、妻の相手に嫉妬している、

 今 考えるのはそれじゃないだろっ!


「!」


自動で急ブレーキが作動した。

助手席のユミの躰が激しく前後ろと揺れた。

「ご、ごめん 大丈夫? うっかりした」


「大丈夫よ、、、迷惑かけたわ‥」



危うく 前の渋滞車両に追突するところだった。


「あ、あぁ 先生のせいじゃないから、」


「‥でも‥感情的になって、、恥ずかしいわ、」



「そうですか? 俺は安心したけど、」



「え‥ どう言う意味?」


「‥先生も 動揺して感情的になるんだなって」



 パンッ!

ユミは運転している波彦の二の腕を軽く叩くと


「ひどい、、私も普通におんなですよ」


波彦は 有名なハー◯ードの教授と冗談を言い合える仲になれた事が何故か不思議だった。

右手でハンドルを操作しながら 今叩いたユミの手を左手で捕まえた。

顔は進行方向を見ながら、


「先生、俺 本気で 先生に惚れてます。このまま先生を連れ去りたい。」




「大楠‥君‥」


「岩井先生が マスコミに嗅ぎつけられない隠れ場所 確保してくれてる筈です。今から 岩井先生に連絡しますが、その前に‥」



「え?」



「先生の気持ちが知りたい」



「‥私の‥気持ち‥⁈」



「はい、先生の俺への気持ち‥」



「‥い、いきなり‥、、、だって、貴方‥既婚者だし‥」



「既婚者じゃなかったら?」



「‥無いって‥どう言う‥」



「義父から 離婚してやって欲しいと‥」



「えっ! そ、それって、、、」


思いのほか道路は空いている。

 このままだと埼玉入っちゃうか、


「先生、 返事は後で 岩井先生に連絡します。」


「…」



「先生、はい 大丈夫です、で 私は先生をどちらまで‥お連れしたら? はい えっ マジっすかぁ! はい ‥‥ 分かりました。はい とりあえず 私の家にお連れします。はい 」



「岩井君 何て‥?」



「研究所にも マスコミが来ていて、岩井先生 うかうか外部に連絡できないって 」



「そう‥‥ 貴方の家って?」



「あー 俺の家に来てください。 嫁は実家‥たぶん‥実家に帰っているので、」



「‥嫌よ 何だか 後めたいわ‥」




「何が  ですか?」



「何がって  お嫁さんのいない間に あなたの家なんて、非常識じゃない?」



「非常識って  ‥先生は別に 俺が一方的に惚れてるだけで、家内はもう昔付き合っていた男と次の人生歩み出しているんで‥」




「ええっ、、 !!」


「先生が 気にかける必要の無い、、俺の問題ですから、」



「‥そんないい方しなくても、、」



「じゃ 先生が、落ち込んでる俺 救ってください」


「‥もう‥救うって 」




「簡単です。 俺と一緒なってください、、再婚してください」



波彦は握っていたユミの手を強い力で握り直した。


「お、大楠‥君‥」


「今は それしか 俺は救われ無いんです!」



「あなた、感情で物事判断するタイプね、後から後悔するわ」




「この事は 感情でも何でも無く 本気です」


今の波彦に何を言っても無駄だと感じたユミは 黙り込む。

ホルダーにセッティングしていた携帯の着信音が鳴り、吉田の名前が画面表示された。


「先生、受けて‥」


「大楠君が ‥受けなさいよ!」


「手が塞がってるから‥」


ユミが波彦の手を振り払おうとしても、離してはくれない。


仕方なく 不自然な姿勢で 人差し指で タッチ画像をタップした。


「スピーカーに!」


   指図しすぎでしょっ!


「次長 お疲れ様です。今何処ですか?」


「吉田 今日はすまなかったな、今からお前に頼みがある 時間大丈夫か?」



「大丈夫です、 車を返すとかでしょうか?」



「察しがいいな、俺を国立まで送ってくれないか?それからになるが お前が遅くなってもいいか?」





「私は 大丈夫です。一度、それ乗ってみたかったんです!どこで 拾ってくれますか?」



「お前 今 何処にいる?」



「はい、中央癌検診センターです、」




「ここから上乗ると二、三十分で行けるな」


「何処で お待ちしてましょうか?」



「中央癌検なら 司法研修所か税務大学校のバス停が近くないか?」


20分後


「えっ ええぇー! 白井先生がぁ‥どうしてぇ~」


「早く後ろに乗れよ、俺の家に着く迄には 説明終わるから、」



「わ、分かりました、、」


吉田は司法研修所前のバス停で ベンチに腰を下ろして 波彦が迎えに来るのを待っていた。




「白井先生が退職してアメリカにお帰りになるって朝からTVのワイドショーで特集してましたよ! 白井先生が次長と一緒だなんて!」



「吉田 ちょっと黙って聞いてくれるか?
会見の後な、騒がしくなって岩井所長の自宅で先生は身を隠してたんだ。
マスコミはすぐに嗅ぎつけて 所長の自宅まで押しかけてきた。
白井先生が身動き取れないと、所長から何とかならないかって相談が入ったわけだ」



「それで 車を用意しろと‥」


「所長の自宅は渋谷のど真ん中の高級マンションだからな‥軽自動車じゃ バレバレだ」


「納得! でも今日 次長有給じゃ?」


「ああ 何となくな ‥
朝からTVニュースでこの一件でもちきりだったからな‥」


「たしかに、田中が 白井先生の一言で会場外まで大騒ぎだって‥あっ あぁ‥白井先生 すみません!」



「気にしないで あれは真実だから 私が日本に腰を落ち着けると勝手に 周りが思い込んでいただけですもの、誰にもそんな事は言ってないし、契約条項にも一言一句無いわ」


「そ、そうなんですね、」



「それにしたって、もう少し状況を考えて発言すべきではなかったですか?先生っ」



「何をどう考えろと? 大楠君の言っている事、理解にくるしむわ」


「アンチエイジングや、難病の治療薬につながるかもしれないゲノム解析ができたと言うのに‥ その恩恵は日本にもたらされると誰もが信じて疑わないところで、アメリカに帰るとか言うから、研究成果もアメリカで役立てると思うじゃないですか!」



「それだって 周りが勝手に思い込んだ代物でしょ?
日本人って どうしてこう集団心理下で動いちゃうのかしら、」


「それは、っ 貴女が‥」



「あー!! お二人共 止めてくださいよ 」


吉田が言い争う寸前で割って入った。



「‥ 悪いっ ついな この人が融通効かなすぎて、」



    こ、この人! 次長 !
天下の大先生をこの人呼ばわりっする⁈



「あら、貴方が部外者なのに私の発言にいちいちケチ付けるからっ」



   あ、あ、あ、あなたぁ、! えっぇえ~
  次長と白井先生  そんな親しい関係だった⁈

 
「あ、あの 次長 奥様は、今日は御在宅‥‥何なら私も‥ご挨拶を‥」


「あーそうだったな、同窓か、‥‥‥」


「は? はい」
吉田は酔った勢いで波彦の嫁が浮気していると口走った事は覚えていなかった。


同窓と言う言葉と共に 波彦の記憶が甦る。

同窓会が済んだ後日だった、急に体調を崩して実家療養を始めた‥

随分と前のような‥気がする


「次長‥奥様‥は、」


「あっ そうだったな、妻は病気療養中で実家に戻っているんだが、」

今離婚調停中とは言えば話しがややこしくなるな…


  あれから、ほぼ毎日 メールで短くお互いの報告をしていたが、それも 義父から別れてやってくれ と頼まれて以来音信不通だったが‥


  まさか、男の家に入り浸っているとは‥
 

「吉田っ まてっ、、まだ内緒だが 俺な、離婚調停中なんだ」


「えっえ、え、えぇぇえ~  マジっすかぁ!」



「吉田っ 声でかいっ 白井先生びっくりしてるぞ」



「せっ先生 すみません! 何か内輪の話し持ち出して」



「ああ 白井先生は大丈夫、先生の頭の中は研究の事でいっぱいだから、俺たちの下世話な話しは 先生には届いてない。気にすんな」







「‥‥‥ あのぉ 次長には報告って言うか、妻に口止めされて‥」



「何だ もったいぶって‥」



「同窓会で 彼の奥さん、次長の奥様と再会っつうか 出会ったじゃないですか?」



「ああ、」


「奥様は 田中君の奥さんが次長の部下の嫁だとは知らないわけですよ、」



「だから、何なんだ⁈」


吉田が口を噤(つぐ)む。

「ちょっと、大楠君 あなた 、穏やかに話せないの?」



無言を貫いていた白井ユミが波彦を叱る。


「吉田さん 私も興味あるわ 続けて」







波彦はプロポーズも肩透かしされ、ユミの態度に腹を立てていたところに吉田の歯に物が挟まったような語り口は さらに彼をイライラさせていた。



「あ、はい‥奥様は、若い男性が高級車でお迎えに来られ、二次会もキャンセルしてそれに乗ってお帰りになられたって、‥」



「‥‥‥‥‥」


彼女は二次会で遅くなったら実家に泊まると言った‥




 あー、あの頃は既に 不倫してたのか‥


大楠波彦は 自業自得だ と自嘲した。

車内は急に重苦しい空気が流れた。


大楠波彦は黙りこくって 車の運転に集中しているように見える。


助手席の白井ユミは 内心 波彦が相当傷ついただろうと、おもんばかって運転している彼の横顔をチラチラ見てしまう。



後部座席の吉田は 言うべきでは無かったと激しく後悔していた。

国立の瀟洒な住宅街の一画にある新婚に相応しい一軒家の前で、

「吉田 気をつけて帰ってくれよ 今日はすまなかったな」


「次長こそ 余計な事を報告してすみませんでした。」


吉田はその場を早く逃げ出したくて 白井ユミへの挨拶も忘れて車を発進させていた。



「先生、お疲れ様でした、家へ入りましょう‥」


普段の耳障りの良い声色が、疲れを伴って濁音となってユミの耳に届いた。

「先生、 好きにくつろいで下さい、掃除もできてませんが‥」



「整理整頓行き届きすぎよ、大楠君 」

冗談のつもりで言ったユミの言葉も耳に届かない。

波彦は上着をソファに置くと、

「先生 何か飲みますか? お腹空いてませんか?」



キッチンの大型冷蔵庫の扉を開けて 庫内のストックされた食品を確認している 大楠波彦の寂しげな背中をユミは見つめていた。


新婚の妻の手酷い裏切り‥ 自分も白井ユミに気持ちを残したまま出世欲の為に愛の無い結婚をした事が惨めな結果に繋がったと、自分を責める波彦だった。


冷蔵庫の冷気が 波彦の惨めに歪んだ顔と心を冷やしていく。



「いつまで 冷蔵庫に顔を突っ込んでいる気?」


白井ユミは背後から波彦の腰に両手を回して背中に頬をくっつけてきた。

  

 ‥‥センセイ


「こっ酷くヤラレちゃったわねぇ 泣かないでよ!貴方らしく無いから、、、」



「前から わかっていた事実です。‥わかっていたけど、、、」



「惨め?」


ガクっと頭を前に落とす波彦。


「あのさ、世の中って 法則があって これは古くからの仏教の教えか、インドのヨガのはなしか、知らないけど‥」


「はい?」



「そのまま 振り向かないで 聴いてくれる?」



「‥はい」


「いいわ 、、 貴方は断行と捨行を同時に味わってるのよ」



「断行‥行ですか?」


「そう」

「ええ 仏教で言う行よ 苦しい修行!まだこれから離行って言う最大の難関も待ってるわ」



「え~何ですかぁ」


「ダメ ダメ 振り返り禁止 冷蔵庫で頭冷やして 」



「その行を終えると また新しい何かと出会いが待っているかもよ」


「修行なんだから 苦しいのは当たり前。逆らわず流れに任せなさい」



「‥先生 変な事言ってますよ?」



「何が? 変なの‥」



「俺には 事実 目に見える物が真実だって‥」



「確かに‥ だけど 真実がわかるまでは常に内面との葛藤なわけよ、自分を疑わない。他人は裏切るのが当たり前 自分の心を裏切ってたと思っていても 結局 裏切れないでしょ?」


「つまり‥‥ それは?」



「馬鹿 甘えるのもほどほどにして、自分で考えて」




波彦は油断したたユミの腰に回した手を解き 振り向きざまに ユミを抱きしめると

「修行の後の褒美は あなただよ」
細い彼女の躰に圧をかけて背後にあるカウンターキッチンに押し付けた。


「貴女の慰めが必要なんだ、もうぼろぼろだ‥‥俺」



「あぁ 止めなさい、あぁ 君は大丈夫よ だめよ、くすぐったいっわ」

止めようもなく 波彦の指先が ユミが着ているだぶついたTシャツを脱がしにかかった。


「乱暴ね‥よしなさいっ」


「無理だ‥岸井先生の服を取っ払う!これじゃまるで岸井先生の女みたいじゃ無いか!」



「へんてこな理屈ね、たかが服を拝借しただけで‥」

そんな言葉を波彦に話しながらユミはほぼ乱暴に衣服を剥がしにかかる男に無抵抗だった。


Tシャツを捲り上げると、彼女の好みの黒のレースのブラジャーが、胸の膨らみを隠している。

スラックスも一気に引き下ろした。

腰のくびれから下は同じ生地の黒のビキニショーツ。


白衣の下の隠されたエロティックな肢体。


男の本能は抑えられない。


「大楠君 、大楠君っ ここで超えたら引き返せなくなるわよ」


波彦はユミの忠告も無視して彼女をシンクの調理台に座らせるべく 抱き上げ、


「こんな事、いけないわ ねぇ シャワーしてから」


ユミを調理台に押し倒し、上から覆い被さるように顔を真正面に近づけた。


「酷い事 するのね‥」

目の前に迫る波彦の顔。

ユミは空いた両手で彼の顔を挟み付けじっくりと観察した。


やや下がった眉 一重瞼の大きめな目。黒い瞳がギラついている。
その間の鼻はスッキリと韓流スターの整形アフターのようで笑える。

「あなた 鼻 整形した?」

そう言いながら彼の鼻先にキスする。


「ドキドキした!そんな事するから‥」



「綺麗だから、非の打ち所がない整った鼻。」


「どうだっていいから したい」

そう言うと 少し顔を傾けて 鼻がぶつからないように ユミの唇に自分の唇を重ねてきた。

硬く緊張しているユミの唇。やや口を開き覆い重なるようにそれを塞ぐと波彦は舌の尖で、凝りをほぐすように唇の輪郭を優しく辿っていく。

緊張がほぐれると、ユミはスーと鼻で空気を吸い込みかたくなだった唇を解放する。


軽いキスを繰り返し やがて

「いい?」


波彦が同意を求めてきた。

「後悔すると思う、、、この場所は主婦の城だから」


波彦に投げかける言葉は毒を帯び真理を突いている。


「だから ここ ここなんだ‥」

妻への愛ははじめからないが二年の間の平凡な生活を共に送った女への情を断ち切りたかった。

「やはり 貴方は 酷い男ね、私をとことん貶める、、」


そう言いながら、ユミの表情が曇る事はない。


「そうよね、私だって 岸井に裏切られた時は‥拠り所もなくて、自暴自棄になった。‥」


波彦は裸のユミの腰を抱きながらその皮膚に頬をつけてユミが話す息遣いをその耳で聴いていた。


「貴女は その時 仕返しに男に抱かれた?」


「‥そうしてやろと思わなかったと言うと嘘ね、うふふ、、」


「したの?」



「‥うーん、‥‥と言うより 男が私を敬遠してたかな?」



「‥嘘っ それこそうそだ‥ろ こんなに魅力的なのに」



「嘘じゃないわ だって髪振り乱して 何日も研究室に寝泊まりして ハエと戯れてる女を だれが相手にする?」


「‥俺がその場にいたら、絶対手を出す」


「ありがとうございます。でもね 貴方と私10歳以上違うのよ、考えてもご覧なさい。若い頃の価値観なんて 今から考えても虫唾が走るわ」


ユミは波彦が躰を抱く力を緩めた隙にシンクから降りて 絡まる波彦の手を取り リビングのソファに引っ張って行った。



二人は自然な流れで リビングのソファに身を沈めて会話を続ける。



  たしかに、10代は見かけさえよければ ヤラせてくれれば女の子なら誰でも良かったような気がする。
とにかく溜まった精を吐き出したくて躍起になってた。

「虫唾が走るは 誇張しすぎますが、お粗末な嗜好でした。」

頭に浮かぶ10代はユミには流石に恥ずかしくて言えない。


「どうせ マスターベーションの代わりになる女の子探しでしよ?ほんと、オスってそればっかり」



「何で そう断言する?」

「男性機能がそう言う手順を踏んで 立派な成人男性になるからよ、その幼稚で本能だけの時を真っ当に通過していないと ずーっと幼稚な嗜好のまま成人するわよ」


「やっぱり、貴女 それじゃ男が寄りつかないかもしれない」


「他人に言われると キツイけど、否定しないわ それに、私だって
鉄の女じゃない、今日みたな事 今までどれだけあったか‥その度に家の中の手にしたもの 手当たり次第投げつけたり‥ 可笑しい‥」


「もう いいよ 先生 俺に八つ当たりすればいい」

ユミの背中に腕を回し、引き寄せると傾いた頭に唇を落とす。


「ありがとう、‥ここだとただの浮気で済むわ ‥ね」


「まだそんな事考えてる‥」


ユミをそのままソファに押した波彦は

「俺は 通過したからね 安心して俺に委ねて‥お姫様」

彼女を組み敷いた。

「やだ お姫様って‥そんな恥ずかしい事よくも 言葉に出せるわねぇ」


ユミは眉をひそめて困惑気味に言うと、


「俺の妄想の中を知らないでしょ? 君はラボから一歩も出ない引きこもりのお姫様だよ、」


柔らかいソファで二人の躰がもつれ合う。

もつれ合いながら キスを繰り返し 波彦の手慣れた動作で あっという間にユミは裸にされた。

躰中を 波彦の唇が動き回り その巧みな愛撫はユミを極上の悦びへと誘う。

「先生 我慢しないで感じたら声だして、」


「‥‥」


「リラックスして‥素直に‥」



「暗くして‥あ‥ぅぅん‥お、願い‥」


唇は離したが ユミを責める指先は休めない。


「どうしても、、?あなたの悦ぶ全てが見たいのに」



「あっ はぁぁぁ‥‥‥ーん、ん、消してぇ」


ユミは片足を背もたれに引っ掛け 片一方はソファから落ちかかるように 波彦に競り上げられている。


「こんな姿は、恥ずかしすぎる?」


「‥‥」


「わかった、ちょっと指を抜くよ‥」

あぁ、、ん、ん

彼女の躰の上を這い上がりサイドテーブルのリモコンに腕を伸ばす。


「あゝ うぐぅぅ‥‥ぅ‥はぁ」



「大丈夫? センセイ」


ユミの顔に 波彦のエレクトしたジュニアが押し付けられていた。


「あゝ いい感じ このまま センセイの口がいい」



膝たちになるとユミの顔は 波彦の股間の真下のいい塩梅の位置だった。


「あゝ、イヤよ ダメ ダメだってぇ‥」


イヤイヤと顔を左右に振るユミの顎を止めてジュニアの先っぽを 
ペチャっと 拒否する唇に押し付け 腰を突き出した。


うぅぅー

「ひょっとして、先生、、フェラは初めて⁈」

  ング‥ンググゥぅ‥
仰向けに組み敷かれたユミは、真上から硬いバナナを口に捩じ込まれて、まるで拷問よっ と叱り飛ばしたくても、呼吸をするのがやっとだった。

目尻からポロポロと悔し涙が流れている。


「ごめん 先生っ 」


ユミの生温かい口の中をジュニアでかき混ぜるのを止めて 引き抜いた。

ゴッホッ‥  「ひどい 何て事っ」

飲み込めなかった唾液が口角から垂れる。


あーごめん ごめん 、、上半身を起こしたユミを抱きしめながら 

「初めてだったんだ? 岩井先生はフェラを求めなかった?」


「そんな事 聴く?‥」



「気になる 仲良くしてても妬ける。どうしても 先生には、俺のモノだけを愛してほしい‥」



「随分と 自分勝手‥」


「もうしない 絶対しない、次は先生を可愛がるの俺の番だから」


「‥‥」


「今度は俺が奉仕するから‥」


あっ‥‥あぁん!

波彦はユミの両足を開くと躊躇なく 滑りの中に潜り込むように舌の差し入れた。


ヒャッ 

にゅるっとした感触がユミの全身に伝わり 躰はその侵入にすぐに反応してぐっと反り繰り返る。


あぁーィャッ!

強弱をつけてリズミカルに舐めたり吸ったりすると 
くねくねとユミの躰が波打ちじわじわ汗ばんできた。




「先生‥そろそろ四つ這いになってっ」

細身の躰は簡単にひっくり返せる。
 
 「‥‥イャ‥な、何 ?」


「何もしません 先生に奉仕するだけ、」


ユミの桃のようなお尻を両手で割り開くと 波彦の目にあのピンクのすぼみが現れた。


「イヤ またぁ みないでぇ」


「前見た時より益々艶やかだ 先生」


人差し指ですぼみを摘んでもみほぐしてみる。


「なっ なあゝー ぅっ‥はぁ~ん、ん、」


ピンクのすぼみの奥に見え隠れする柔毛に覆われた2枚の花弁がヒクヒクとかすかな息遣いで溢れる蜜が糸を引いて垂れている。

「先生‥ぇ‥後ろから丸見えです。めちゃくちゃ濡れてますよ、」


「そんな、あーダメッ ‥だって‥」


「ダメって もっとして ですよね」


次々と湧き出す蜜が出し入れを繰り返す波彦の指の滑りをさらになめらかにし 

「先生‥感じてる? 指三本がはいってます!もっと動かしますから‥」


手首のスナップを効かせて激しく指の出し入れを繰り返しているうちに ユミのオーガズムが近い事を波彦も感じ、自分の硬くなったジュニアをゆっくり扱きだした。

ユミは無意識に四つ這いの格好のままお尻を高く突き出すと波彦の行為を自然と受け入れ 快楽を貪りだした。

二人の躰のリズムが合わさり、


「あー あー いい すごくいいです 先生っ 先生のお◯こが 丸見えだ。俺 今 ち◯ぽ 掴んで扱いてるんです  あーっやばいっ 先生っ 先生と一緒にイキますから、ぅ‥うーっ‥」


ユミが素直に波彦を受け入れた事で、ユミに尽くしながら彼のマスターベーションも終焉にさしかかる。


「あーっ‥いーっ‥はぁぁぁー!!! ‥‥ー センセー! 俺 出そうーーっ」



「おーおぐすくんっ、、、、」

小刻みに震えているユミの背中に 波彦の躰で作られた精液が撒かれた。

四つ這いのその白くしなやかな曲線となだらかな起伏のつづく柔らかな背に重なるように 波彦の硬く締まった肉体が折り重なる。



「ぁぁ、、先生‥ 俺  こんなんじゃ 寝ても醒めても先生が頭から離れなくなる‥‥ お願い、、、一緒にいて」



「‥‥私のような‥オンナ 妻とかには向かない‥よ」


「先生‥勘違いして‥る、俺さ 妻を求めてないから‥」


「‥‥」


「気づかない? 」



「‥わからないわ、」


波彦はユミの背後に覆い被さりその細い腰に腕を回して少し力を込めた。

「‥欲しいのは 先生 そのままの先生が欲しい」


「‥‥ 一緒に住めなくても?」



「‥そう‥ ‥ 住む世界が違うのは‥‥はじめから承知している。
でも、俺が生きている限り 先生が遠くにいっちまわないように 追いかけ回すって事、世界を駆け巡る恋とか 良くない?」


「えっ?‥言ってる意味が‥」


「‥ねぇ 俺たち 躰の相性抜群でしょ!」


「‥‥?」

「もう、先生は余計なこと考えるなっ!俺が全て上手くやるから、先生は自分の好きな研究に没頭すればいいから、、、時々、俺がそれを邪魔する。 その時だけ 先生は俺に従う。いい? 」



「‥‥私が君に合わす必要無いって事? 今まで通り何も変えないって事?」


「‥そう! よくできました。変わった事が一つ。
先生の世界に ショウジョウバエ以外に 俺が住むって事、それを先生が承知するだけです」

「‥なるほどね、良く考えたわ‥‥それは 今の君との関係が変わらない事でしょ? もう 関係もったじゃないの」


「‥今までは 俺の性能の試用期間、これかは 本番」



「‥わかった セフレって事?よね」


「‥! 違うわっ‥まったくぅ 俺達 体だけ? 違うでしょーよっ
 俺は先生を愛してしまったのぉっ!
先生に俺は愛されたいわけよ!  だから最善の譲歩してるのに、このまま 犯すぞ!」



「‥あー、わかったっ やめて、、って わかったから‥」


      ‥‥‥     ‥ 

   「好き‥って言って」


      ‥‥

   「早く! 言え! ぐずぐず迷わないっ」




 「‥すき よ、 大楠くんが‥」


 































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