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御公儀動く
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吉宗は、急ぎの知らせに動じる事は無かった。
…直胤…まだ余と目通りせぬうちに、己の命と引き換えに家臣の命乞いか…
綱吉公以来、 幕府御意向地に落ちたものよ…其方の命などいくら捧げられたとて 何の解決につながろうや…無駄死となるか。成らぬか… 余を試しよって…
「久通っ 忠相っ 」
吉宗が両名を呼びつけた。
「はっはぁ!」
二人 はその場に平伏す。
「沙汰致す。神鶴藩上屋敷での直胤自刃 決して他に漏らすな。
事は重大ぞ‼️ 上屋敷に出入りする者共でこの事知る者は全て捕らえて暫く拘束せいっ 神鶴上屋敷は根来 甲賀者 使って普段の平静を装うのじゃっ そのうえで、神鶴藩の浪人共の連座 直訴を、阻止せよ、元藩士水埜他配下の者全て探し出し 身柄を確保して神鶴藩下屋敷にて沙汰致すまで、監視監督せよ 万が一、一人でも連座許さば其方等の首 無いものと心得よ。川村庄五郎に御庭番を指揮させよ。」
吉宗の苛々は頂点に達している。
「村垣っ、大聖寺藩藩主前田利章の身辺を探り 急ぎ何らかの理由つけて江戸参勤させよっ、余が直々に利章に目通りするっ」
息つくしまなく
「有馬っ」
吉宗は加納 大岡 村垣に沙汰申し付けたあと 有馬氏倫に向かって、
「下前田家老岩井弾膳 並びに配下の者共引っ捕らえよっ、どのような手段を使ってでもよい 全ての悪巧みを吐かすのじゃ!安藤直胤正室於勢 並びに国家老国部引っ捕らえ 江戸迄連れてまいれっ 直胤の墓前で打首にしろっ」
「うっ上様‥犬畜生と同等以下の行いをしたとはいえ、仮にも一国一城の城主の奥方と国家老。罪状を公に晒し、市中引き回しでは公儀の面目丸潰れ‥しいては上様の御威光に傷がつくのではございますまいか‥」
※初期の御庭番は紀州時代《薬込め役》と言う鉄砲に弾薬を詰める役職を表向きとし、その実紀州藩主吉宗直轄の諜報活動を行うプロ集団だった。
吉宗くん、バリバリの薬込め役も江戸に、同行させて 江戸城内も隈無く情報収集してたんだわよ。😎✨
「氏倫 余も其方の申す事 考えなくも無い。しかしこの一件 ここまで醜く悲惨な状況を野放しにしたのは 先の幕府の政に相違無い。ここで 真実を闇に葬り 直胤乱心で事を済ませて仕舞えば、いっときはそれで治るであろうが 必ずや 第二第三の岩井や於勢の方が、現れ、欲に塗れ 悲劇を繰り返すであろ。その度に御政道を改めもせず 放置いたせば、徳川の御代は必ずや短命となろう。神鶴藩浪等には非情な沙汰となろうが、この一件をもって 幕政に大鉈を振う覚悟ぞ。この江戸城内も大掃除じゃっ 表に出ぬ散り 埃 全て不用なものは始末し、武士が先ず質素倹約を全うすれば 民百姓も其れ倣うはずじゃ、」
※八代将軍吉宗による享保の改革はこのようにして始まったか、どうかわかりません 作者の勝手な妄想。
御公儀の御用活動が活発化するなか、下前田の御城下 遊郭 花籠楼の若羽木太夫の部屋では 太夫の身の回りの世話をする禿達に太夫から 髪飾り 着物等が お下がりとして分け与えられていた。
神鶴藩上屋敷の一件の噂の類いは信濃の 下前田までは届いていない。
吉宗が紀州藩から引き連れてきた根来衆 薬込め役などの御庭番衆により水際で阻止できている様だった。
弥比古はお駒が 花籠楼へ見世変えした後もここ三笠屋の離れを定宿としていた。駒の様子を確かめたければ 花籠楼に行けば良い。萩が面倒を見ている間は、駒に時間を割く事なく 下前田藩岩井弾膳の情報収集に専念することができた。
その日は三笠屋に 助蔵と桃吾が立ち寄っていた。
…直胤…まだ余と目通りせぬうちに、己の命と引き換えに家臣の命乞いか…
綱吉公以来、 幕府御意向地に落ちたものよ…其方の命などいくら捧げられたとて 何の解決につながろうや…無駄死となるか。成らぬか… 余を試しよって…
「久通っ 忠相っ 」
吉宗が両名を呼びつけた。
「はっはぁ!」
二人 はその場に平伏す。
「沙汰致す。神鶴藩上屋敷での直胤自刃 決して他に漏らすな。
事は重大ぞ‼️ 上屋敷に出入りする者共でこの事知る者は全て捕らえて暫く拘束せいっ 神鶴上屋敷は根来 甲賀者 使って普段の平静を装うのじゃっ そのうえで、神鶴藩の浪人共の連座 直訴を、阻止せよ、元藩士水埜他配下の者全て探し出し 身柄を確保して神鶴藩下屋敷にて沙汰致すまで、監視監督せよ 万が一、一人でも連座許さば其方等の首 無いものと心得よ。川村庄五郎に御庭番を指揮させよ。」
吉宗の苛々は頂点に達している。
「村垣っ、大聖寺藩藩主前田利章の身辺を探り 急ぎ何らかの理由つけて江戸参勤させよっ、余が直々に利章に目通りするっ」
息つくしまなく
「有馬っ」
吉宗は加納 大岡 村垣に沙汰申し付けたあと 有馬氏倫に向かって、
「下前田家老岩井弾膳 並びに配下の者共引っ捕らえよっ、どのような手段を使ってでもよい 全ての悪巧みを吐かすのじゃ!安藤直胤正室於勢 並びに国家老国部引っ捕らえ 江戸迄連れてまいれっ 直胤の墓前で打首にしろっ」
「うっ上様‥犬畜生と同等以下の行いをしたとはいえ、仮にも一国一城の城主の奥方と国家老。罪状を公に晒し、市中引き回しでは公儀の面目丸潰れ‥しいては上様の御威光に傷がつくのではございますまいか‥」
※初期の御庭番は紀州時代《薬込め役》と言う鉄砲に弾薬を詰める役職を表向きとし、その実紀州藩主吉宗直轄の諜報活動を行うプロ集団だった。
吉宗くん、バリバリの薬込め役も江戸に、同行させて 江戸城内も隈無く情報収集してたんだわよ。😎✨
「氏倫 余も其方の申す事 考えなくも無い。しかしこの一件 ここまで醜く悲惨な状況を野放しにしたのは 先の幕府の政に相違無い。ここで 真実を闇に葬り 直胤乱心で事を済ませて仕舞えば、いっときはそれで治るであろうが 必ずや 第二第三の岩井や於勢の方が、現れ、欲に塗れ 悲劇を繰り返すであろ。その度に御政道を改めもせず 放置いたせば、徳川の御代は必ずや短命となろう。神鶴藩浪等には非情な沙汰となろうが、この一件をもって 幕政に大鉈を振う覚悟ぞ。この江戸城内も大掃除じゃっ 表に出ぬ散り 埃 全て不用なものは始末し、武士が先ず質素倹約を全うすれば 民百姓も其れ倣うはずじゃ、」
※八代将軍吉宗による享保の改革はこのようにして始まったか、どうかわかりません 作者の勝手な妄想。
御公儀の御用活動が活発化するなか、下前田の御城下 遊郭 花籠楼の若羽木太夫の部屋では 太夫の身の回りの世話をする禿達に太夫から 髪飾り 着物等が お下がりとして分け与えられていた。
神鶴藩上屋敷の一件の噂の類いは信濃の 下前田までは届いていない。
吉宗が紀州藩から引き連れてきた根来衆 薬込め役などの御庭番衆により水際で阻止できている様だった。
弥比古はお駒が 花籠楼へ見世変えした後もここ三笠屋の離れを定宿としていた。駒の様子を確かめたければ 花籠楼に行けば良い。萩が面倒を見ている間は、駒に時間を割く事なく 下前田藩岩井弾膳の情報収集に専念することができた。
その日は三笠屋に 助蔵と桃吾が立ち寄っていた。
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