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二章 冒険者の少女
訓練
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「お、カナちゃんおはよう。丁度いいところで合ったな。ちょっといいか?」
翌朝、間借りしている部屋から一階へと降りるとグレンさんに呼び止められた。
「グレンさん、おはようございます。私になにか仕事ですか?」
「まあ、仕事といえば仕事なんだが……、近々冒険者ギルド主催の戦闘訓練をするんだが参加してみないか?」
グレンさんは戦闘訓練と書かれた依頼書のようなものを私に見せてきた。
ギルド主催ということで、依頼主は冒険者ギルドとなっている。
「訓練ですか……?」
「ああ、そうだ。カナちゃんみたいな新人冒険者を対象にベテラン冒険者から直々に戦い方を習うってやつなんだが……どうだ?」
戦闘訓練か……、昨日は私が実力もないのに増長した結果危険な目にあった……。
でも、実力を着けることが出来ればある程度は危険な状況を乗り越える事が出来るかも知れない。
「分かりました、私参加します」
「おお!そうかっ!いや、新人冒険者の戦闘経験を上げることで冒険者ギルド全体の底上げを図ろうと思ってな……。ただ、報酬金が出ないどころか参加費に5千エント貰うことになるがいいか……?」
「分かりました、それで私自身の経験になるのなら……」
私はそう言いながら財布からグレンさんに5千エントを支払った。
「5千エント確かに貰ったぞ。訓練期間は3日後から1週間くらいだ。無事に訓練を終えればEランクに昇格させてやる。場所は東門から出た平原だ」
「分かりました。ところで、指導役は誰がするんですか?グレンさんですか?」
「俺はもう冒険者を引退して長いからな……。訓練を付けてくれるのはディン達と他にも数人のベテラン冒険者に声は掛けてはいる」
なるほど、ディンさん達か……。
確かにあの人達は凄腕みたいだから、指導してもらえるだけでもすごい経験になりそうだ……。
◆◆◆
それから3日後……。
訓練場所の平原に行くと、そこには私を含め10人程度の新人冒険者と思われる人達がいた。
「お、集まってるみたいだな」
私が平原に来て暫く経った頃、ディンさん達4人がやって来た。
「え~、俺達が今回この訓練の指導役をすることになった。よろしく頼む」
「ディン、お前こういうところに立つと本当に説明下手になるな……。改めて説明させて貰う。今回、俺達が君たちの指導をさせてもらう。君達の得意武器の指導は勿論、魔法の扱いも教えるぞ。もし希望者がいれば、俺達との模擬戦も受け付ける」
「そういう訳だからまずは基礎訓練だ!全員素振り5千回だ!」
「ええーー……っ!!」
いきなりディンさんから言い渡された素振り5千回という言葉に私を含めた参加者全員からブーイングにも似た声が一斉に上がる。
「言いたいことは分かるが、素振りは基本中の基本だ。俺も一緒にするから、文句言わずまずはやってみることだ!」
ディンさんの一言で渋々素振りを始める。
かく言う私も渋々5千回の素振りをしている一人だった。
「4,995……!4,996……!4,997……!4,998……!4,999……5,000……っ!!はぁ……!はぁ……っ!終わ……った……!!」
素振り5千回を終わらせた私はその場にへたり込んだ。
レザーグローブの上から剣を振るっていたにも関わらず、手がかなり痛い……。
たぶん、手にマメが出来てそれが潰れてしまっているのだろう。
「よし。次はこの木剣を渡すから、これで適当な相手との模擬戦だ」
私は木剣を受け取ると、すぐ近くにいた若い男性冒険者と模擬戦をすることとなった。
私とその若い男性冒険者はお互いに木剣を構える……。
どこから攻めるか……?
そう考えていると、先に相手が動いた。
「は……っ!」
男性冒険者は突きを繰り出してきた。
「たあっ!」
私はそれを横に避けると、そのまま男性の腹部に木剣を打ち込んだ!
「ぐぅ……っ!くそ……!女なんかに……!」
男性冒険者は腹部を抑えてうずくまり、負け惜しみとも取れる言葉を吐き捨てる。
「それは違う!男だから強い、女だから弱いといのは間違いだ。君の敗因は相手が女だからと甘く見たことだろう」
その男性冒険者にアルトさんが厳しい声を投げかける。
でも、それは私にも言っているようにも聞こえた。
私が女だから、男には勝てない……。そう言った先入観は捨てるべきだと言うことだろう……。
「では、次は別の相手との模擬戦だ!」
今度は木槍を持った女性冒険者だ……。
彼女は槍をこちらに向け臨戦態勢を取っている。
「はあ……っ!」
今度は私が斬りかかるが……しかし……。
「や……っ!!」
「うあ……っ!?」
木槍の突きが私のお腹へと突き刺さる。
その痛みに私はお腹を抑えてしゃがみ込んだ……。
「槍と剣なら槍の方が有利だ。剣で槍と戦うならまずはどうにかして槍の懐の中に入る必要がある。その感覚は自分で掴むしか無い」
「はい……!」
私はディンさんの言葉に頷くともう一度、槍の女性冒険者との対戦を申し出た。
それからおおよそ数時間後……。
「よし、今日はこのくらいで終わりにするとしようか。」
「はあ……!はあ……っ!お……終わった……っ!!」
ディンさんの声でようやく訓練初日が終わりを告げた。
私は訓練の疲労でその場に仰向けで倒れ込んだ。
他の参加者も同様で、座り込む者、倒れ込む者と様々だが、全員疲労困憊となっていた。
素振りが終わってからこの時間まで参加者全員との模擬戦を何回もする羽目になった……。
剣を振りすぎて手は痛みを通り越して感覚がもうあまりない……。
こうして、初日の訓練は終わりとなった……。
◆◆◆
その日の夜……。
「痛た!痛たたた……っ!」
お風呂のお湯に手を浸けるとお湯がしみて痛みが走る。
手はマメが潰れ血が滲んでいる。
身体もあちこちに攻撃を受けて痣だらけだ……。
ディンさんは平気な顔をして素振りしてたけど、あれが一流冒険者たる所以なのかも知れない……。
「ねえ、訓練ってメッチャキツくなかった……?」
「そうだよね、いきなり素振り5千回はあり得ないよね~……」
「あたしなんて、もう手のマメが潰れてメッチャ痛いよ……!」
「私達も一緒よ。ほら……」
お湯に浸かっていると見覚えのある女性3人がお湯に浸かりながら話している声が聞こえてきた。
確か今日の訓練に参加していた人達だったかな……?
どうやら今日の訓練の愚痴をこぼしているようだ。
「それに、素振りが終わったら終わったで何時間も模擬戦やらされて身体も痣だらけで、もうボロボロよ~……」
「私達も強くはなりたいけどさ、あそこまでして強くはなりたくないよね~……」
「そうよね~……、それで、明日はどうする……?」
「私パス~……」
「あたしも~……」
「ねえ、あなたはどうするの?」
3人の内の一人が私に話を振ってきた。
「え……?明日の訓練……?」
「そう、あなたも今日で辞めちゃう?」
「私は……、どうしようかな……」
「あなたも余り無理しないほうが良いよ。男達も今日の訓練で全員疲れ果ててたもん……。それじゃあたし達は先に出るね」
3人はそう言うとお風呂から出ていった。
明日どうしようかな……。明日のことは明日考えるか……。
私はもう暫くお湯に浸かって今日の疲れを癒やすことにした。
その後、部屋へと戻ってきた私はベッドへと倒れ込むと秒で眠りに落ちたのだった……。
翌朝、間借りしている部屋から一階へと降りるとグレンさんに呼び止められた。
「グレンさん、おはようございます。私になにか仕事ですか?」
「まあ、仕事といえば仕事なんだが……、近々冒険者ギルド主催の戦闘訓練をするんだが参加してみないか?」
グレンさんは戦闘訓練と書かれた依頼書のようなものを私に見せてきた。
ギルド主催ということで、依頼主は冒険者ギルドとなっている。
「訓練ですか……?」
「ああ、そうだ。カナちゃんみたいな新人冒険者を対象にベテラン冒険者から直々に戦い方を習うってやつなんだが……どうだ?」
戦闘訓練か……、昨日は私が実力もないのに増長した結果危険な目にあった……。
でも、実力を着けることが出来ればある程度は危険な状況を乗り越える事が出来るかも知れない。
「分かりました、私参加します」
「おお!そうかっ!いや、新人冒険者の戦闘経験を上げることで冒険者ギルド全体の底上げを図ろうと思ってな……。ただ、報酬金が出ないどころか参加費に5千エント貰うことになるがいいか……?」
「分かりました、それで私自身の経験になるのなら……」
私はそう言いながら財布からグレンさんに5千エントを支払った。
「5千エント確かに貰ったぞ。訓練期間は3日後から1週間くらいだ。無事に訓練を終えればEランクに昇格させてやる。場所は東門から出た平原だ」
「分かりました。ところで、指導役は誰がするんですか?グレンさんですか?」
「俺はもう冒険者を引退して長いからな……。訓練を付けてくれるのはディン達と他にも数人のベテラン冒険者に声は掛けてはいる」
なるほど、ディンさん達か……。
確かにあの人達は凄腕みたいだから、指導してもらえるだけでもすごい経験になりそうだ……。
◆◆◆
それから3日後……。
訓練場所の平原に行くと、そこには私を含め10人程度の新人冒険者と思われる人達がいた。
「お、集まってるみたいだな」
私が平原に来て暫く経った頃、ディンさん達4人がやって来た。
「え~、俺達が今回この訓練の指導役をすることになった。よろしく頼む」
「ディン、お前こういうところに立つと本当に説明下手になるな……。改めて説明させて貰う。今回、俺達が君たちの指導をさせてもらう。君達の得意武器の指導は勿論、魔法の扱いも教えるぞ。もし希望者がいれば、俺達との模擬戦も受け付ける」
「そういう訳だからまずは基礎訓練だ!全員素振り5千回だ!」
「ええーー……っ!!」
いきなりディンさんから言い渡された素振り5千回という言葉に私を含めた参加者全員からブーイングにも似た声が一斉に上がる。
「言いたいことは分かるが、素振りは基本中の基本だ。俺も一緒にするから、文句言わずまずはやってみることだ!」
ディンさんの一言で渋々素振りを始める。
かく言う私も渋々5千回の素振りをしている一人だった。
「4,995……!4,996……!4,997……!4,998……!4,999……5,000……っ!!はぁ……!はぁ……っ!終わ……った……!!」
素振り5千回を終わらせた私はその場にへたり込んだ。
レザーグローブの上から剣を振るっていたにも関わらず、手がかなり痛い……。
たぶん、手にマメが出来てそれが潰れてしまっているのだろう。
「よし。次はこの木剣を渡すから、これで適当な相手との模擬戦だ」
私は木剣を受け取ると、すぐ近くにいた若い男性冒険者と模擬戦をすることとなった。
私とその若い男性冒険者はお互いに木剣を構える……。
どこから攻めるか……?
そう考えていると、先に相手が動いた。
「は……っ!」
男性冒険者は突きを繰り出してきた。
「たあっ!」
私はそれを横に避けると、そのまま男性の腹部に木剣を打ち込んだ!
「ぐぅ……っ!くそ……!女なんかに……!」
男性冒険者は腹部を抑えてうずくまり、負け惜しみとも取れる言葉を吐き捨てる。
「それは違う!男だから強い、女だから弱いといのは間違いだ。君の敗因は相手が女だからと甘く見たことだろう」
その男性冒険者にアルトさんが厳しい声を投げかける。
でも、それは私にも言っているようにも聞こえた。
私が女だから、男には勝てない……。そう言った先入観は捨てるべきだと言うことだろう……。
「では、次は別の相手との模擬戦だ!」
今度は木槍を持った女性冒険者だ……。
彼女は槍をこちらに向け臨戦態勢を取っている。
「はあ……っ!」
今度は私が斬りかかるが……しかし……。
「や……っ!!」
「うあ……っ!?」
木槍の突きが私のお腹へと突き刺さる。
その痛みに私はお腹を抑えてしゃがみ込んだ……。
「槍と剣なら槍の方が有利だ。剣で槍と戦うならまずはどうにかして槍の懐の中に入る必要がある。その感覚は自分で掴むしか無い」
「はい……!」
私はディンさんの言葉に頷くともう一度、槍の女性冒険者との対戦を申し出た。
それからおおよそ数時間後……。
「よし、今日はこのくらいで終わりにするとしようか。」
「はあ……!はあ……っ!お……終わった……っ!!」
ディンさんの声でようやく訓練初日が終わりを告げた。
私は訓練の疲労でその場に仰向けで倒れ込んだ。
他の参加者も同様で、座り込む者、倒れ込む者と様々だが、全員疲労困憊となっていた。
素振りが終わってからこの時間まで参加者全員との模擬戦を何回もする羽目になった……。
剣を振りすぎて手は痛みを通り越して感覚がもうあまりない……。
こうして、初日の訓練は終わりとなった……。
◆◆◆
その日の夜……。
「痛た!痛たたた……っ!」
お風呂のお湯に手を浸けるとお湯がしみて痛みが走る。
手はマメが潰れ血が滲んでいる。
身体もあちこちに攻撃を受けて痣だらけだ……。
ディンさんは平気な顔をして素振りしてたけど、あれが一流冒険者たる所以なのかも知れない……。
「ねえ、訓練ってメッチャキツくなかった……?」
「そうだよね、いきなり素振り5千回はあり得ないよね~……」
「あたしなんて、もう手のマメが潰れてメッチャ痛いよ……!」
「私達も一緒よ。ほら……」
お湯に浸かっていると見覚えのある女性3人がお湯に浸かりながら話している声が聞こえてきた。
確か今日の訓練に参加していた人達だったかな……?
どうやら今日の訓練の愚痴をこぼしているようだ。
「それに、素振りが終わったら終わったで何時間も模擬戦やらされて身体も痣だらけで、もうボロボロよ~……」
「私達も強くはなりたいけどさ、あそこまでして強くはなりたくないよね~……」
「そうよね~……、それで、明日はどうする……?」
「私パス~……」
「あたしも~……」
「ねえ、あなたはどうするの?」
3人の内の一人が私に話を振ってきた。
「え……?明日の訓練……?」
「そう、あなたも今日で辞めちゃう?」
「私は……、どうしようかな……」
「あなたも余り無理しないほうが良いよ。男達も今日の訓練で全員疲れ果ててたもん……。それじゃあたし達は先に出るね」
3人はそう言うとお風呂から出ていった。
明日どうしようかな……。明日のことは明日考えるか……。
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