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四章 海を渡った少女
新たな装備と新たな仲間
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装備工房に装備の製作をお願いしてから数日経った頃、私は再び装備工房へとやって来た。
相変わらず外までかなりの熱気が伝わってくる……。
そして、工房の中は相変わらず熱く、金属などを打ち付ける音がうるさく響く。
「すみませんっ!数日前にキラービートルの素材で装備の制作をお願いしていたカナですけど!装備は出来てますかっ!?」
私は受付にいた工房のドワーフ、フィーリエの親父さんに大声で話しかけた。
「おお!嬢ちゃんかっ!ああ!出来てるぜっ!!これだっ!!」
フィーリエの親父さんは、箱の中から、黒い剣と盾、そして鎧は取り出した。
「これらは鉄とキングビートルやキラービートル、クイーンホーネットの甲殻を混ぜて作った装備だっ!!鉄や鋼よりも硬いが重さは軽いっ!!キラービートルやクイーンホーネットは炎に弱いがこれは鉄が含まれているため炎にも衝撃にも強いっ!!思ったより上出来になっちまったが追加料金はいらねえっ!さ!使ってくれっ!!」
私は装備を受け取ると、寸法を測った更衣室みたいな別室で出来上がったばかりの鎧を身に纏った。
その鎧は鉄の胸当てよりも軽く、私の身体にフィットしていた。
だが、一番気になったのはスボンではなく、なぜかスカート……。
あの親父さんの趣味なのだろうか……?
(……まあいいか)
その後、剣と盾も持って更衣室みたいな別室を出ると、フィーリエとその親父さんの姿があった。
フィーリエはなぜか鎧を着て、背中には長さが2m程ある槍のような斧のような武器を背負っており、親父さんの方はやや困ったような顔をしていた。
「嬢ちゃん……!いや!カナ殿っ!君に頼みがあるっ!このジャジャ馬娘のフィーリエを旅に連れて行ってはくれないだろうか……っ!?」
親父さんは申し訳無さそうに深々と頭を下げてくる。
「え……!ええぇぇぇーーーー……っ!!?」
「ウチの娘がどうしても君と旅に行きたいと聞かなんだっ!ワシに似たのか一度言い出したら聞かんのだっ!本当にすまんがよろしく頼むっ!!」
え……ええぇぇぇ……。
「カナ!見てこれっ!この鎧とハルバードはあたしが自分で作ったんだっ!!」
フィーリエは自慢げに自作だというハルバードという武器と鎧を見せてくる。
え……?これ決定なの……?
「親のワシが言うのも何だが!フィーリエはドワーフであるワシの血を引いているため並の戦士よりはかなり強いっ!足手まといにはならんずだっ!!」
「カナ!これからよろしくねっ!!」
こうして、ハーフドワーフのフィーリエが仲間になった……!
◆◆◆
フィーリエと共に、待ち合わせをしていた街の出口へと向かうと、そこにはバッシュと玉藻の姿があった。
「おお、それがカナの新しい具足か。よう似合とるの。のう、バッシュ」
「ああ、カナの黒髪と同じ色でよく似合ってるな」
「そ……そうかな……」
新しい装備を褒められて少し嬉しくもあり、照れくさくもある……。
「ところで、そちらの御人は……?」
玉藻に私と一緒にいたフィーリエの事を尋ねられる。
そう言えば、紹介してなかった……。
「えっと、新しくパーティに加わったハーフドワーフのフィーリエが仲間になったよ」
装備工房を出て、バッシュ達と合流すると早速フィーリエを紹介することにした。
「あたしの名前はフィーリエ!人間とドワーフのハーフなんだ、よろしくねっ!」
「俺はバッシュ、見ての通り鬼の僧侶だ。よろしく頼む、フィーリエ!」
「妾は玉藻じゃ、妖狐の玉藻じゃ。フィーリエ、よろしくお頼み申す」
フィーリエはバッシュ達と問題なく挨拶を交わす。
バッシュと玉藻の時みたいに険悪な雰囲気から入らなくて良かった……。
「それで、次はどこに行くんだ?」
「まずはこのムイスという村を目指そうと思う」
バッシュの問いに、私は地図を広げて答える。
ムイスはサーミラからマーゼへのほぼ直線上にある村のようだ。
「ムイスの村ならあたしが知ってるよ。針葉樹の森の先さ。サーミラから片道1日くらいで行けるよ」
「それなら、案内をお願いしようかな?」
「任せてっ!」
私はフィーリエに案内を頼むと、美人満々にフィーリエは胸を叩く。
私達はフィーリエ先導のもと、ムイスへと目指した。
相変わらず外までかなりの熱気が伝わってくる……。
そして、工房の中は相変わらず熱く、金属などを打ち付ける音がうるさく響く。
「すみませんっ!数日前にキラービートルの素材で装備の制作をお願いしていたカナですけど!装備は出来てますかっ!?」
私は受付にいた工房のドワーフ、フィーリエの親父さんに大声で話しかけた。
「おお!嬢ちゃんかっ!ああ!出来てるぜっ!!これだっ!!」
フィーリエの親父さんは、箱の中から、黒い剣と盾、そして鎧は取り出した。
「これらは鉄とキングビートルやキラービートル、クイーンホーネットの甲殻を混ぜて作った装備だっ!!鉄や鋼よりも硬いが重さは軽いっ!!キラービートルやクイーンホーネットは炎に弱いがこれは鉄が含まれているため炎にも衝撃にも強いっ!!思ったより上出来になっちまったが追加料金はいらねえっ!さ!使ってくれっ!!」
私は装備を受け取ると、寸法を測った更衣室みたいな別室で出来上がったばかりの鎧を身に纏った。
その鎧は鉄の胸当てよりも軽く、私の身体にフィットしていた。
だが、一番気になったのはスボンではなく、なぜかスカート……。
あの親父さんの趣味なのだろうか……?
(……まあいいか)
その後、剣と盾も持って更衣室みたいな別室を出ると、フィーリエとその親父さんの姿があった。
フィーリエはなぜか鎧を着て、背中には長さが2m程ある槍のような斧のような武器を背負っており、親父さんの方はやや困ったような顔をしていた。
「嬢ちゃん……!いや!カナ殿っ!君に頼みがあるっ!このジャジャ馬娘のフィーリエを旅に連れて行ってはくれないだろうか……っ!?」
親父さんは申し訳無さそうに深々と頭を下げてくる。
「え……!ええぇぇぇーーーー……っ!!?」
「ウチの娘がどうしても君と旅に行きたいと聞かなんだっ!ワシに似たのか一度言い出したら聞かんのだっ!本当にすまんがよろしく頼むっ!!」
え……ええぇぇぇ……。
「カナ!見てこれっ!この鎧とハルバードはあたしが自分で作ったんだっ!!」
フィーリエは自慢げに自作だというハルバードという武器と鎧を見せてくる。
え……?これ決定なの……?
「親のワシが言うのも何だが!フィーリエはドワーフであるワシの血を引いているため並の戦士よりはかなり強いっ!足手まといにはならんずだっ!!」
「カナ!これからよろしくねっ!!」
こうして、ハーフドワーフのフィーリエが仲間になった……!
◆◆◆
フィーリエと共に、待ち合わせをしていた街の出口へと向かうと、そこにはバッシュと玉藻の姿があった。
「おお、それがカナの新しい具足か。よう似合とるの。のう、バッシュ」
「ああ、カナの黒髪と同じ色でよく似合ってるな」
「そ……そうかな……」
新しい装備を褒められて少し嬉しくもあり、照れくさくもある……。
「ところで、そちらの御人は……?」
玉藻に私と一緒にいたフィーリエの事を尋ねられる。
そう言えば、紹介してなかった……。
「えっと、新しくパーティに加わったハーフドワーフのフィーリエが仲間になったよ」
装備工房を出て、バッシュ達と合流すると早速フィーリエを紹介することにした。
「あたしの名前はフィーリエ!人間とドワーフのハーフなんだ、よろしくねっ!」
「俺はバッシュ、見ての通り鬼の僧侶だ。よろしく頼む、フィーリエ!」
「妾は玉藻じゃ、妖狐の玉藻じゃ。フィーリエ、よろしくお頼み申す」
フィーリエはバッシュ達と問題なく挨拶を交わす。
バッシュと玉藻の時みたいに険悪な雰囲気から入らなくて良かった……。
「それで、次はどこに行くんだ?」
「まずはこのムイスという村を目指そうと思う」
バッシュの問いに、私は地図を広げて答える。
ムイスはサーミラからマーゼへのほぼ直線上にある村のようだ。
「ムイスの村ならあたしが知ってるよ。針葉樹の森の先さ。サーミラから片道1日くらいで行けるよ」
「それなら、案内をお願いしようかな?」
「任せてっ!」
私はフィーリエに案内を頼むと、美人満々にフィーリエは胸を叩く。
私達はフィーリエ先導のもと、ムイスへと目指した。
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