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四章 海を渡った少女
川辺のリザードマン
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ムイスの村を出て、夕暮れの道を川の上流を目指して川沿いに進んでいくと、森へと辿り着く。
森の中は夕暮れということもあり薄暗く、川の側には毒水を飲んで死んだと思われる動物や鳥が何匹もいる。
リザードマンによる毒の影響は思ったよりも深刻なようだ……。
森の中を川沿いに更に進んでいくと、遠くの方に複数の紫色の皮膚をした人間ほどの身長があるトカゲのような生物が見えた。
そのトカゲは二本脚で歩き、手には剣と盾を持っているようだ。
「あれがリザードマンだよ……!」
フィーリエは前に見える魔物を指差すと、背負っていたハルバードを構えた。
「グシャァァァーーーっ!!」
リザードマン数体が、私達を見つけると雄叫びをあげて走って向かってくる。
私は剣を抜いて迎え討つ!
「は……っ!」
リザードマンの攻撃を避け、反撃で倒す!
新しく作ってもらった剣はかなりの斬れ味で、一撃でリザードマンを倒した。
しかし、斬り殺したリザードマンの返り血が私にかかる。
「く……、うぇ……っ!」
突然目眩と吐き気に襲われ、私は膝をつく……、どうやら毒を受けてしまったようだ。
「カナ……っ!?大事ないか……っ!」
玉藻が駆け寄ってくる。
「大丈夫……!『アンチドート』……っ!」
アンチドートを唱えると、体の中の毒が消え去った。
「く……!このリザードマンは血などの体液に毒が含まれているみたい……っ!」
「それは厄介だね……!でも……!ハルバードなら……っ!」
フィーリエはハルバードの長い柄を活かして、返り血を浴びないようリザードマンを倒していく。
「フィーリエはやりおるの……、ならば妾も……っ!いでよ傀儡よっ!!」
玉藻は地面に両手をつくと、その場に両腕が石の剣となっているストーンゴーレムを二体生み出した。
「行け!石人形よっ!あやつ等を蹴散らすのじゃっ!!」
そのストーンゴーレムは人間とほぼ同じ身長で、玉藻が指示を出すと、リザードマンを倒していく。
え……、なにそれ……ずるい……!
「これなら妾が毒を受ける心配はないのじゃ」
「この辺りのリザードマンは倒したね。もう少し奥の方も行ってみよう」
「待って……!リザードマンの血が川に流れ込んでいる……っ!」
玉藻のストーンゴーレムやフィーリエが倒したリザードマンの血が川へと流れ込んでいることに私は気がついた。
リザードマンの血に毒が含まれているのなら、これでは川に毒を流し込んでいるので何ら変わらない。
「彼奴らの血は本当に厄介じゃの……。石人形よ、彼奴らの亡骸を川から離れた所に捨てよ」
ストーンゴーレムは玉藻の妖術で腕を剣から普通のものへと変えると、リザードマンの死体を軽々と担いでは川からだいぶ離れた所へと捨てていく。
その後、玉藻は妖術を使ってリザードマンの死体を地中へと埋没させていく。
こうすることで、二次被害を防いだり、毒素を地面が分解してくれるらしい。
「それじゃあ、次に先に進んでみよう……」
私達はさらに川の上流を目指して進んだ。
◆◆◆
「『ライトニングバレット』っ!!」
川辺の道を進みながら、襲い来るリザードマンを私はライトニングバレットで、フィーリエはハルバードで倒していく。
私がライトニングバレットで倒しているのは返り血を浴びないためと、リザードマンの血に毒が含まれているのなら、血が出ないように雷撃で倒せばいいと考えたからだ。
そして、私達が倒したリザードマンを玉藻のゴーレムが川から離れた所へと運んで、玉藻の妖術で地中に沈めていく。
リザードマンを倒しながら川の上流を目指すと、洞窟が見えてくる。
そして、その洞窟の近くに一際大きなリザードマンと、その周囲に多くのリザードマンが待ち構えていた。
「かなりの数ね……」
その多さに私は息を呑む……。
しかし、奇妙なことにリザードマン達は一際大きなリザードマンを守るように固まっているだけで、向かってくるような気配はない。
「彼奴らは向かってくる気配は無いようじゃの……。じゃが固まっているのは妾にとっては好都合……っ!いでよ!地竜よっ!!」
玉藻が地面へとに両手を付くと、リザードマン達がいる周辺の地面が変化し、巨大な竜のへと変化しリザードマン達を飲み込むと、元の地面へと戻った……。
「どうじゃ……?妾の妖術で生み出した岩の竜じゃ。虫の時は役にたてなかった分を挽回したぞ……?」
玉藻はドヤ顔で私達を見る。
正直、玉藻の妖術がこれほど凄いとは思わなかった……。
このあと、洞窟の近くを調べると、リザードマンの卵がいくつもあったのでそれらを処分した後、ムイスへと戻った。
森の中は夕暮れということもあり薄暗く、川の側には毒水を飲んで死んだと思われる動物や鳥が何匹もいる。
リザードマンによる毒の影響は思ったよりも深刻なようだ……。
森の中を川沿いに更に進んでいくと、遠くの方に複数の紫色の皮膚をした人間ほどの身長があるトカゲのような生物が見えた。
そのトカゲは二本脚で歩き、手には剣と盾を持っているようだ。
「あれがリザードマンだよ……!」
フィーリエは前に見える魔物を指差すと、背負っていたハルバードを構えた。
「グシャァァァーーーっ!!」
リザードマン数体が、私達を見つけると雄叫びをあげて走って向かってくる。
私は剣を抜いて迎え討つ!
「は……っ!」
リザードマンの攻撃を避け、反撃で倒す!
新しく作ってもらった剣はかなりの斬れ味で、一撃でリザードマンを倒した。
しかし、斬り殺したリザードマンの返り血が私にかかる。
「く……、うぇ……っ!」
突然目眩と吐き気に襲われ、私は膝をつく……、どうやら毒を受けてしまったようだ。
「カナ……っ!?大事ないか……っ!」
玉藻が駆け寄ってくる。
「大丈夫……!『アンチドート』……っ!」
アンチドートを唱えると、体の中の毒が消え去った。
「く……!このリザードマンは血などの体液に毒が含まれているみたい……っ!」
「それは厄介だね……!でも……!ハルバードなら……っ!」
フィーリエはハルバードの長い柄を活かして、返り血を浴びないようリザードマンを倒していく。
「フィーリエはやりおるの……、ならば妾も……っ!いでよ傀儡よっ!!」
玉藻は地面に両手をつくと、その場に両腕が石の剣となっているストーンゴーレムを二体生み出した。
「行け!石人形よっ!あやつ等を蹴散らすのじゃっ!!」
そのストーンゴーレムは人間とほぼ同じ身長で、玉藻が指示を出すと、リザードマンを倒していく。
え……、なにそれ……ずるい……!
「これなら妾が毒を受ける心配はないのじゃ」
「この辺りのリザードマンは倒したね。もう少し奥の方も行ってみよう」
「待って……!リザードマンの血が川に流れ込んでいる……っ!」
玉藻のストーンゴーレムやフィーリエが倒したリザードマンの血が川へと流れ込んでいることに私は気がついた。
リザードマンの血に毒が含まれているのなら、これでは川に毒を流し込んでいるので何ら変わらない。
「彼奴らの血は本当に厄介じゃの……。石人形よ、彼奴らの亡骸を川から離れた所に捨てよ」
ストーンゴーレムは玉藻の妖術で腕を剣から普通のものへと変えると、リザードマンの死体を軽々と担いでは川からだいぶ離れた所へと捨てていく。
その後、玉藻は妖術を使ってリザードマンの死体を地中へと埋没させていく。
こうすることで、二次被害を防いだり、毒素を地面が分解してくれるらしい。
「それじゃあ、次に先に進んでみよう……」
私達はさらに川の上流を目指して進んだ。
◆◆◆
「『ライトニングバレット』っ!!」
川辺の道を進みながら、襲い来るリザードマンを私はライトニングバレットで、フィーリエはハルバードで倒していく。
私がライトニングバレットで倒しているのは返り血を浴びないためと、リザードマンの血に毒が含まれているのなら、血が出ないように雷撃で倒せばいいと考えたからだ。
そして、私達が倒したリザードマンを玉藻のゴーレムが川から離れた所へと運んで、玉藻の妖術で地中に沈めていく。
リザードマンを倒しながら川の上流を目指すと、洞窟が見えてくる。
そして、その洞窟の近くに一際大きなリザードマンと、その周囲に多くのリザードマンが待ち構えていた。
「かなりの数ね……」
その多さに私は息を呑む……。
しかし、奇妙なことにリザードマン達は一際大きなリザードマンを守るように固まっているだけで、向かってくるような気配はない。
「彼奴らは向かってくる気配は無いようじゃの……。じゃが固まっているのは妾にとっては好都合……っ!いでよ!地竜よっ!!」
玉藻が地面へとに両手を付くと、リザードマン達がいる周辺の地面が変化し、巨大な竜のへと変化しリザードマン達を飲み込むと、元の地面へと戻った……。
「どうじゃ……?妾の妖術で生み出した岩の竜じゃ。虫の時は役にたてなかった分を挽回したぞ……?」
玉藻はドヤ顔で私達を見る。
正直、玉藻の妖術がこれほど凄いとは思わなかった……。
このあと、洞窟の近くを調べると、リザードマンの卵がいくつもあったのでそれらを処分した後、ムイスへと戻った。
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