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八章 決意する少女
おびただしいスケルトン
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地下三階へと降りると、上の階のような広間ではなく、通路となっていた。
通路と言っても横幅は5mくらいあるため、まあまあ広い。
そして、ここも左右の両脇にいくつもの木の扉があるが、既に破壊されている。
そのせいか、先程よりもより強い殺気を感じる。
「フィーリエ、アレクさん、気をつけて、この部屋なんか殺気に満ちてるよ……」
「うん……、あたしでも分かるよ……」
『この階は確か騎士や戦士達の死体が収められておるんじゃったかのぉ……』
私達は武器を持ち周囲を警戒しながら歩いていく……。
すると、破られたドアから何者かが飛び掛かってきた……!
「うわあ……っ!?」
私は反射的にその何者かを剣で斬ると、それは剣と盾を持ったスケルトンだった!
スケルトンは胴体を真っ二つに斬られ、さらに地面へと落ちた衝撃でバラバラとなり動かなくなった。
どうやら、スケルトンにもこの魔力剣が効果を発揮するらしい。
だが、それを皮切りに次々と武装したスケルトン達が破壊された木の扉の奥から姿を表したっ!
持っている武器も様々で、剣は勿論、槍に斧、さらにはスパイク付きの鉄球メイス、いわゆるモーニングスターを持っているスケルトンまでもいた。
「アレクさんっ!またシャイニングをお願いしますっ!!」
『ふう……、儂は疲れたわい。後は若いのに任せるかの……』
ふと見ると、アレクさんは階段に座り込んでいた。
うえぇぇぇぇぇーーーー……っ!!?
「ちょっと……!アレクっ!?」
『年寄りを酷使するでない、儂は上の階で頑張ったじゃろ。後はお前さん達に任せる。ほれ、もう目の前まで敵が来ておるぞ』
アレクさんは重たい腰を上げる気は無さそうだ……。
そして、私とフィーリエの目の前にスケルトン達が迫る……!
「フィーリエっ!」
「分かったっ!やるしかなさそうだね……っ!」
私達は迫りくるスケルトンをそれぞれの武器で攻撃する!
私は剣でアンデット達を倒すことが出来るが、フィーリエは首を斬っても胸を突いてもスケルトンは倒れない……!
このままではフィーリエが……っ!?
でも、魔力が尽きてしまっている今、どうすれば……っ!?
『苦戦しておるようじゃのう~。ならほれ、カナこれをやるから頑張れ』
アレクさんは、私へと一つの小瓶を放り投げてきた。
小瓶を受け取ると中には青い液体が入っている。
なんだこれ?
「アレクさん、これは?」
『なんじゃ、カナはマジックポーションも知らぬのか?それを飲めば魔力が少し回復するんじゃ』
魔力を……?
私はそのマジックポーションを少し飲んでみる。
味は……特にしない。
『まあ、三百年前のマジックポーションじゃがの』
「ぶふぅぅぅぅぅーーーーーー……………っ!!!」
「うわ……っ!?カナ汚い……っ!?」
三百年前の物と聞き思わずフィーリエの方へと吹き出してしまった……。
三百年っ!?
大丈夫なのこれ……っ!?
お腹壊したりしないよね……?
『ポーションが腐ったという話は聞かぬから問題はないじゃろ』
ホントかなぁ……?
恐る恐る残りを飲むと、確かに魔力は少し回復した。
「フィーリエ!エンチャントをかけるよ!」
「うん!お願いっ!」
私はフィーリエの武器にエンチャント魔法をかけると迫りくる武器を持ったスケルトン達と戦闘を繰り広げた……!
◆◆◆
あれから何体のスケルトン達を倒しただろう……?
倒しても倒しても後から出てくる……。
「はあ……!はあ……っ!まだ……出てくるの……っ!?」
「カナ……、これじゃキリが無いよ……!」
私もフィーリエも既にかなり息が上がってしまっている。
体力が尽きかける中、私の心に焦りが生じ始めていた。
『思ったよりもやりおるのお~。ほれ、後もう少しじゃ。頑張れ~!』
「そんなのはいいからアレクさんも手伝ってよ……!」
『なら、ち~とばかしアドバイスをしてやるかのお。二人共もう少し余分な力を抜くと戦いやすくなる。特にカナ、お前さんはまだ強くなれるだけの力を秘めておる。無駄な力を抜いて心を鎮めるんじゃ』
「心を鎮めるって言ったってどうすれば……!」
『明鏡止水じゃ』
「明鏡止水……?」
『わだかまりや、やましさの無い清んだ心。一点の曇もない鏡のように研ぎ澄まされ、静かに水をたたえたような澄んだ心……。それが己を超えた力を与えてくれる』
鏡のように研ぎ澄まされた心……、一点の曇もないような水鏡のような……。
覚えがある……。
初めてもう一人の私と戦ったとき、もうダメだと、死ぬと分かった時……、その境地に達していた。
でも、それをどうやってまた引き出せばいいのかが分からない……。
それより今は……!
「はあっ!!」
それより今は目の前の敵を倒さないとっ!!
私は現し身の御鏡を使うともう一人の私を出現させた!
『現し身の御鏡か……、確かあれは負の感情を具現化されるマジックアイテムじゃったかのう……。さしずめ生み出されたあれは焦りの感情じゃろうか?あんなもので具現化される程度では明鏡止水は程遠いのぅ……』
アレクさんの呟きは私に届くことなく、私ともう一人の私、そしてフィーリエはただひたすらにスケルトンを倒すのだった……。
通路と言っても横幅は5mくらいあるため、まあまあ広い。
そして、ここも左右の両脇にいくつもの木の扉があるが、既に破壊されている。
そのせいか、先程よりもより強い殺気を感じる。
「フィーリエ、アレクさん、気をつけて、この部屋なんか殺気に満ちてるよ……」
「うん……、あたしでも分かるよ……」
『この階は確か騎士や戦士達の死体が収められておるんじゃったかのぉ……』
私達は武器を持ち周囲を警戒しながら歩いていく……。
すると、破られたドアから何者かが飛び掛かってきた……!
「うわあ……っ!?」
私は反射的にその何者かを剣で斬ると、それは剣と盾を持ったスケルトンだった!
スケルトンは胴体を真っ二つに斬られ、さらに地面へと落ちた衝撃でバラバラとなり動かなくなった。
どうやら、スケルトンにもこの魔力剣が効果を発揮するらしい。
だが、それを皮切りに次々と武装したスケルトン達が破壊された木の扉の奥から姿を表したっ!
持っている武器も様々で、剣は勿論、槍に斧、さらにはスパイク付きの鉄球メイス、いわゆるモーニングスターを持っているスケルトンまでもいた。
「アレクさんっ!またシャイニングをお願いしますっ!!」
『ふう……、儂は疲れたわい。後は若いのに任せるかの……』
ふと見ると、アレクさんは階段に座り込んでいた。
うえぇぇぇぇぇーーーー……っ!!?
「ちょっと……!アレクっ!?」
『年寄りを酷使するでない、儂は上の階で頑張ったじゃろ。後はお前さん達に任せる。ほれ、もう目の前まで敵が来ておるぞ』
アレクさんは重たい腰を上げる気は無さそうだ……。
そして、私とフィーリエの目の前にスケルトン達が迫る……!
「フィーリエっ!」
「分かったっ!やるしかなさそうだね……っ!」
私達は迫りくるスケルトンをそれぞれの武器で攻撃する!
私は剣でアンデット達を倒すことが出来るが、フィーリエは首を斬っても胸を突いてもスケルトンは倒れない……!
このままではフィーリエが……っ!?
でも、魔力が尽きてしまっている今、どうすれば……っ!?
『苦戦しておるようじゃのう~。ならほれ、カナこれをやるから頑張れ』
アレクさんは、私へと一つの小瓶を放り投げてきた。
小瓶を受け取ると中には青い液体が入っている。
なんだこれ?
「アレクさん、これは?」
『なんじゃ、カナはマジックポーションも知らぬのか?それを飲めば魔力が少し回復するんじゃ』
魔力を……?
私はそのマジックポーションを少し飲んでみる。
味は……特にしない。
『まあ、三百年前のマジックポーションじゃがの』
「ぶふぅぅぅぅぅーーーーーー……………っ!!!」
「うわ……っ!?カナ汚い……っ!?」
三百年前の物と聞き思わずフィーリエの方へと吹き出してしまった……。
三百年っ!?
大丈夫なのこれ……っ!?
お腹壊したりしないよね……?
『ポーションが腐ったという話は聞かぬから問題はないじゃろ』
ホントかなぁ……?
恐る恐る残りを飲むと、確かに魔力は少し回復した。
「フィーリエ!エンチャントをかけるよ!」
「うん!お願いっ!」
私はフィーリエの武器にエンチャント魔法をかけると迫りくる武器を持ったスケルトン達と戦闘を繰り広げた……!
◆◆◆
あれから何体のスケルトン達を倒しただろう……?
倒しても倒しても後から出てくる……。
「はあ……!はあ……っ!まだ……出てくるの……っ!?」
「カナ……、これじゃキリが無いよ……!」
私もフィーリエも既にかなり息が上がってしまっている。
体力が尽きかける中、私の心に焦りが生じ始めていた。
『思ったよりもやりおるのお~。ほれ、後もう少しじゃ。頑張れ~!』
「そんなのはいいからアレクさんも手伝ってよ……!」
『なら、ち~とばかしアドバイスをしてやるかのお。二人共もう少し余分な力を抜くと戦いやすくなる。特にカナ、お前さんはまだ強くなれるだけの力を秘めておる。無駄な力を抜いて心を鎮めるんじゃ』
「心を鎮めるって言ったってどうすれば……!」
『明鏡止水じゃ』
「明鏡止水……?」
『わだかまりや、やましさの無い清んだ心。一点の曇もない鏡のように研ぎ澄まされ、静かに水をたたえたような澄んだ心……。それが己を超えた力を与えてくれる』
鏡のように研ぎ澄まされた心……、一点の曇もないような水鏡のような……。
覚えがある……。
初めてもう一人の私と戦ったとき、もうダメだと、死ぬと分かった時……、その境地に達していた。
でも、それをどうやってまた引き出せばいいのかが分からない……。
それより今は……!
「はあっ!!」
それより今は目の前の敵を倒さないとっ!!
私は現し身の御鏡を使うともう一人の私を出現させた!
『現し身の御鏡か……、確かあれは負の感情を具現化されるマジックアイテムじゃったかのう……。さしずめ生み出されたあれは焦りの感情じゃろうか?あんなもので具現化される程度では明鏡止水は程遠いのぅ……』
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