罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー

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亜希の章 ツンデレな同居人

両想い(?)な二人と澪の敗北宣言

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 プールから数日が経ったある日の放課後……体操服へと着替えた僕は、青葉ケ丘学園で行われる学園祭に向けてクラスメイト達と準備を進めていた。

「彼方、お化けの絵できたわよ」

「ありがとう、亜希」

 脚立に上り、ハンマーを使って仕切りを作っていた僕に亜希が持ってきた、板を切り抜いて絵の具で塗ったおばけを仕切りの壁へと掛ける。

 僕達が作っているのは迷路型お化け屋敷というもので、この案を出したのはなんと高藤!
 「俺に任せろ!」と意気揚々と提案したものが採用され、今こうしてクラス総出でその準備に追われていた。

 僕は迷路の壁を作っており、亜希は他の人がベニヤ板を切り抜いたものに色を絵の具で塗っていっているらしく、彼女の手にはもう一つのお化けの絵が描かれた板を持っていた。

「このお化けはどこにかけるの?」

「あ、それは後でやっておくから一旦もらうよ」

「分かったわ……あ……」

 亜希が差し出したお化けの絵を受け取ろうとすると、僕と亜希の手が偶然触れ僕達は顔を少し赤くしながら見つめ合う……。

「……御堂君ちょっといい?」

「っ!?」
「っ!?」

 突然声をかけられ、驚いた僕と亜希は声のした方へと振り向くとそこには柊さんの姿があった。

「な……なに柊さん……?」

 び……びっくりした……!心臓が飛び出るかと思った……!

「暗幕がないから取りに行ってきてほしい……」

「え……?でも、それは高藤と悠人の役目じゃなかったっけ……?」

「……二人とも消えた」

 柊さんは小さく「ふぅ~……」とため息をつくとどこか疲れたような目で僕を見る。

 クラス委員長というのは中々大変なようだ。
 それはいいとして……。

「は……?」

「柊さん、どういうこと……?」

 僕と亜希は目を点にしながら柊さんへと問う。

 僕の聞き間違いじゃないなければ高藤と悠人が消えたって聞こえたけど……。

「……だから高藤くんと真壁くんは暗幕を取りに行ったままいなくなった。でも、暗幕は必要だから取りに行ってほしい」

 ……。

 高藤ぉぉぉぉーーーーー……っ!!

 僕は心の中で絶叫した!

「ちょっとまって……!そもそもこの企画は高藤が出したんでしょっ!?なのに真壁と一緒に消えたってどういうことよ……っ!?」

「わたしに聞かれても困る……でも、消えたのは事実……」

 高藤め……!サボったなっ!!

「……わかったよ、僕が行ってくるよ」

 ボヤいたところで始まらないし、暗幕が必要なことに変わりはない。

 他の人達も忙しそうだし、ここは僕が行ってくるか……。

「あ、なら私も行くわ。その……彼方一人じゃ大変だと思うから……」

「ありがとう亜希、それじゃあ行こうか」

「うん、彼方」

「……取りに行ってくれるのは嬉しいけど、最近御堂君と風原さんの距離が近い。何かあったの?」

「な……ななな……何もないよっ!ねえ亜希!」

「そ……そうよ!柊さんの考えすぎよ……!」

「嘘、二人とも下の名前で呼びあってる。雰囲気もどこか甘ったるい雰囲気を出してる。二人ともちゃんとした態度を示してほしい……、じゃないと……わたしが困る……」

 柊さんはそう言うと珍しく苦笑いを浮かべていた。

 僕と亜希はそんな柊さんに見送られながら暗幕を取りに行ったのだった……。


 ~サイドストーリー~


 ──澪──


「ふぅ……」

 御堂君と風原さんの後ろ姿を見つめながらわたしは静かにため息をつく……。

 あの二人は必死に否定していたけど多分両想い……。

 わたしはエリシアゲームやラノベで優位に立てると思っていたけど、やっぱり風原さんは手強かった……。
 多分わたしの入る余地はない……、わたしは風原さんに負けた。

 でも、御堂君と風原さんのあの笑顔をみていると負けたのにどこか清々しくも感じる……。

「風原さん、今回はわたしは負けを認める……。でも、しっかりと御堂君を捕まえておかないと隙を見せたらいつでもわたしが御堂君を取りに行く……」

 わたしは風原の背中へと向けてそう呟くと学園祭の作業を続けた……。
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