罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー

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亜希の章 ツンデレな同居人

運命の席順

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 学園を出発して、バスに揺られること約1時間半……。
 ようやく空港に到着した僕たちは、班ごとに並びながら空港の中へと入っていく。

 空港の中は、僕たち青葉ケ丘学園の生徒だけでなく、旅行客やビジネスマンで賑わっていた。  
 上を見上げると、行き先を示す電光掲示板が光っている。  
 そして遠くの窓には、滑走路に並ぶ飛行機の姿も見えた。

(もうすぐあれに乗って沖縄に行くんだ……!)

 飛行機の姿を見ただけで、胸の奥がじわっと高鳴る。

「みんな班のメンバーはそろってますか?確認してくださいっ!」

 渡辺先生の言葉に僕は班のメンバーを確認する。
 僕の隣には亜希、それに柊さんと早乙女さん、あとは悠人に……そして高藤……。

 このメンバー6人が僕たち4班のメンバーなんだけど……高藤が班に入っていることに若干不安を覚えなくもない……。

「全員そろってますね!では飛行機に搭乗しますが、その前にトイレに行きたい人は今のうちに行っておいてください!」

 先生の声に多くの生徒達がトイレへと向かっていく。

「亜希、みおっち、トイレに行こ!」

 早乙女さんもトイレに行くのか、亜希と柊さんへと声をかける。

「うん、それじゃあ彼方、私トイレに行ってくるわ」

「……わたしも行ってくる」

 亜希と柊さんは早乙女さんと一緒にトイレへと向かった。

 ……なんで女子って集団でトイレに行きたがるんだろう?
 僕は首をかしげる。

「御堂、俺たちも今のうちにトイレに行っておくとしよう」

「行っておこうぜ彼方」

 ……男も一緒か。

「……そうだね」

 僕も高藤と悠人と共にトイレへと向かう。


「おい、彼方……お前バスの中で随分と風原さんとイチャイチャしていたみたいだな……」

 用を済ませ、洗面台で手を洗っていると悠人が嫉妬に満ちた目で僕を睨む。

「い……いや……、それは……」

 実際イチャイチャしていたため否定する事が出来ない……。

「お前ばっかりズルいんだよっ!彼女と隣の席でイチャイチャして、間接キスまでして……!俺だって修学旅行前に彼女作って、甘々な旅をする予定だったのに……!」  

 悠人は肩を掴んで僕をガクガク揺らしてくる。

「や……やめてよ悠人……!」

「はははは……!御堂と風原の様子は注目の的だったからな」

「そうだ……!これはクラス男子全員の怨念だと思えーーーっ!!」

 悠人は額に青筋を立てながら、さらに僕を揺らす。  
 ……言ってることが滅茶苦茶すぎる!

「ちょ……!やめてよ……っ!」

 散々揺すられて目を回しながら、僕はふらふらと集合場所へ向かった。  
 ……修学旅行、まだ始まったばかりなのに、すでに体力を削られている気がする。


 ◆◆◆


 飛行機に乗り込んだ僕たちは、指定された座席へと向かう。  
 左側の窓際、そこが僕と亜希の席だった。
 亜希はシートベルトを締めながら、窓の外を見て目を輝かせている。

「私、飛行機とか初めて乗るから胸がすっごくドキドキしてる……」

 亜希は緊張した笑みを浮かべながら自分の胸へと手を当てている。

「僕も飛行機は初めてだからすごく緊張するよ。でも……こうすると少し緊張がほぐれるような気がするよ」

 僕はそっと亜希の手を握ると亜希は顔を赤くしながら僕の顔を見つめる。

「彼方……うん、手を握っててくれるとなんか落ち着く……」

 僕たちは甘い自分たちの世界を形成させていた……。

「コラそこーっ!いきなりイチャつくなーっ!」

 甘い空気をぶち壊す声が、通路の向こうから飛んできた。
 僕は通路を挟んだ右隣を見るとそこには僕を指さし睨見つける悠人の姿があった。

 座席は左の窓側に僕と亜希、通路を挟んで真ん中に悠人・渡辺先生・高藤。
 右の窓側には柊さんと早乙女さんが並んでいた。

「はいはい、真壁君はそんなに怒らないの。隣に先生が座ってるでしょ?」

「嫌だよ!なんで俺の隣が先生なんだよっ!」

「はははは……!真壁諦めろっ!」

 悠人の叫び声に、高藤が嘲笑うかのような高笑いをあげると、渡辺先生は苦笑しながら、悠人の肩をぽんと叩いた。

「真壁君、修学旅行はまだ始まったばかりだからね。落ち着いて」

「落ち着けるかよ……!俺の隣が先生で、御堂は彼女とイチャイチャしてて……!」

「それは運命の席順だから、諦めなさい」

 先生の冷静な一言に、悠人はぐぬぬ……と唸りながら座席に沈み込む。  

『ご搭乗の皆様にお知らせいたします。当機は間もなく離陸いたしますのでシートベルトを今一度ご確認ください』

「CAさ~ん!ぜひとも先生じゃなくて俺の隣に……!」

「は~い、真壁君は静かにしましょうね~♪」

「はい……」

 先生に睨まれた悠人がしょんぼりと黙った頃、飛行機は滑走路へと向けて動き出した。
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