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由奈の章 甘えたがりな義妹
彼方と由奈のクッキー作り
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由奈ちゃんとの買い物から帰った僕は、買った物を部屋の中へと並べていく。
水色のマウスパッド、水色の枕カバー、水色のクッション……。
「なんか部屋に水色の割合が増えたな……」
そう言えば、由奈ちゃんが水色が好きとか言ってたっけ……。
……由奈カラーの部屋?
まあいいか……。
買った物を部屋へと設置し終えると、部屋をノックする音が聞こえてくる。
「はい?」
「あ、お兄ちゃん。あたし」
声からして由奈ちゃんのようだ。
部屋のドアを開けると同時に由奈ちゃんが抱きついてきて、僕は思わずたじろぐ。
「ちょ……!由奈ちゃん……っ!?」
「お兄ちゃん、今日は楽しかった?」
由奈ちゃんは僕に抱きついたまま、上目遣いに僕を見てくる。
「えっと……うん。由奈ちゃんと一緒にいると、なんだかんだで退屈しないよ」
「それって、褒めてる?」
「……たぶん、褒めてる」
由奈ちゃんはくすくすと笑って、僕の腕にもう一度ぎゅっと力を込める。
「えっとね、お兄ちゃん明日何か用事とかある?」
由奈ちゃんの問いに僕は思い出すように顎に手を当てる……。
「いや……なかったと思うけど……どうしたの?」
「えっとね……、もしよかったら明日あたしに料理を教えてほしいの!」
「料理……?」
「もら、前言ったでしょ?調理実習が近くなったらあたしにも教えてって……!」
由奈ちゃんは頬を膨らませて少し拗ねたように僕を見つめる。
ああ……、そう言えば言ってたような気がする……。
「ごめんごめん……、もしかして調理実習が近いの?」
「え……?まだだよ?」
ガク……。
「なら無理に明日じゃなくても……」
「ええ~、いいでしょ?明日教えてよ~、お願いだよお兄ちゃん……!」
由奈ちゃんはむくれた顔で僕の腕をポカポカと叩いてくる。
痛くはないんだけど……なんだかこそばゆいというか、恥ずかしいと言うか……。
「分かった……!分かったから……!それで何を作るの?」
ポカポカ攻撃に僕が折れると由奈ちゃんはパアっと笑みを浮かべる。
なんだかコロコロと表情の変わる子だな……。
「えっとね……、クッキーがいい!」
「分かった、それじゃあ明日クッキーを一緒に作ろう」
「うん、分かった!お兄ちゃん大好きっ!」
由奈ちゃんはとびきりの笑顔で僕に抱きついた後、自分の部屋へと戻っていったのだった……。
……ほんと嵐みたいな子だな。
◆◆◆
翌日……。
朝の光が差し込むキッチンに、僕と由奈ちゃんのふたりきり。
エプロン姿の由奈ちゃんは、なぜか僕のより様になっていて、ちょっとだけ悔しい。
「ねぇねぇ、お兄ちゃん。あたし、エプロン似合ってる?」
「……うん。なんか、料理できそうに見える」
「えへへ~、見えるだけじゃなくて、ちゃんとできるようになるんだもん!」
由奈ちゃんは張り切ってボウルを取り出すと、材料を並べ始める。
小麦粉、砂糖、卵、バター……そして、なぜか水色のラッピング袋まで。
「それ、何に使うの?」
「できたら包んで、お兄ちゃんにプレゼントにするの!」
「……僕に?」
「うん。だって、お兄ちゃんが教えてくれるんだもん。感謝の気持ちってことで!」
由奈ちゃんは照れもせずにそう言って、バターを計量し始める。
……この子、こういう時だけは妙に素直だ。
「じゃあ、まずはバターを常温に戻して……」
「え~、待つの?早く混ぜたい~!」
「焦ると失敗するよ。料理って、待つ時間も大事なんだよ」
「……お兄ちゃんって、意外と真面目なんだね」
「意外って何だよ……」
由奈ちゃんはくすくす笑いながら、僕の横にぴったりと並ぶ。
肩が触れるくらいの距離。……なんだか、ちょっとだけ緊張する。
「ねぇ、お兄ちゃん。クッキーって、どんな形が好き?」
「え?形?」
「うん。ハートとか、星とか、丸とか……」
「……普通に丸でいいんじゃない?」
「え~、つまんない!じゃあ、あたしが作るのはハートにするね♪」
「……それ、誰にあげるの?」
「え?もちろん、お兄ちゃんに決まってるじゃん」
由奈ちゃんは笑顔でそう言って、ハート型の型抜きを手に取る。
……僕の心臓が、ほんの少しだけ跳ね、由奈ちゃんの笑顔がほんの少しだけ眩しく見えた。
水色のマウスパッド、水色の枕カバー、水色のクッション……。
「なんか部屋に水色の割合が増えたな……」
そう言えば、由奈ちゃんが水色が好きとか言ってたっけ……。
……由奈カラーの部屋?
まあいいか……。
買った物を部屋へと設置し終えると、部屋をノックする音が聞こえてくる。
「はい?」
「あ、お兄ちゃん。あたし」
声からして由奈ちゃんのようだ。
部屋のドアを開けると同時に由奈ちゃんが抱きついてきて、僕は思わずたじろぐ。
「ちょ……!由奈ちゃん……っ!?」
「お兄ちゃん、今日は楽しかった?」
由奈ちゃんは僕に抱きついたまま、上目遣いに僕を見てくる。
「えっと……うん。由奈ちゃんと一緒にいると、なんだかんだで退屈しないよ」
「それって、褒めてる?」
「……たぶん、褒めてる」
由奈ちゃんはくすくすと笑って、僕の腕にもう一度ぎゅっと力を込める。
「えっとね、お兄ちゃん明日何か用事とかある?」
由奈ちゃんの問いに僕は思い出すように顎に手を当てる……。
「いや……なかったと思うけど……どうしたの?」
「えっとね……、もしよかったら明日あたしに料理を教えてほしいの!」
「料理……?」
「もら、前言ったでしょ?調理実習が近くなったらあたしにも教えてって……!」
由奈ちゃんは頬を膨らませて少し拗ねたように僕を見つめる。
ああ……、そう言えば言ってたような気がする……。
「ごめんごめん……、もしかして調理実習が近いの?」
「え……?まだだよ?」
ガク……。
「なら無理に明日じゃなくても……」
「ええ~、いいでしょ?明日教えてよ~、お願いだよお兄ちゃん……!」
由奈ちゃんはむくれた顔で僕の腕をポカポカと叩いてくる。
痛くはないんだけど……なんだかこそばゆいというか、恥ずかしいと言うか……。
「分かった……!分かったから……!それで何を作るの?」
ポカポカ攻撃に僕が折れると由奈ちゃんはパアっと笑みを浮かべる。
なんだかコロコロと表情の変わる子だな……。
「えっとね……、クッキーがいい!」
「分かった、それじゃあ明日クッキーを一緒に作ろう」
「うん、分かった!お兄ちゃん大好きっ!」
由奈ちゃんはとびきりの笑顔で僕に抱きついた後、自分の部屋へと戻っていったのだった……。
……ほんと嵐みたいな子だな。
◆◆◆
翌日……。
朝の光が差し込むキッチンに、僕と由奈ちゃんのふたりきり。
エプロン姿の由奈ちゃんは、なぜか僕のより様になっていて、ちょっとだけ悔しい。
「ねぇねぇ、お兄ちゃん。あたし、エプロン似合ってる?」
「……うん。なんか、料理できそうに見える」
「えへへ~、見えるだけじゃなくて、ちゃんとできるようになるんだもん!」
由奈ちゃんは張り切ってボウルを取り出すと、材料を並べ始める。
小麦粉、砂糖、卵、バター……そして、なぜか水色のラッピング袋まで。
「それ、何に使うの?」
「できたら包んで、お兄ちゃんにプレゼントにするの!」
「……僕に?」
「うん。だって、お兄ちゃんが教えてくれるんだもん。感謝の気持ちってことで!」
由奈ちゃんは照れもせずにそう言って、バターを計量し始める。
……この子、こういう時だけは妙に素直だ。
「じゃあ、まずはバターを常温に戻して……」
「え~、待つの?早く混ぜたい~!」
「焦ると失敗するよ。料理って、待つ時間も大事なんだよ」
「……お兄ちゃんって、意外と真面目なんだね」
「意外って何だよ……」
由奈ちゃんはくすくす笑いながら、僕の横にぴったりと並ぶ。
肩が触れるくらいの距離。……なんだか、ちょっとだけ緊張する。
「ねぇ、お兄ちゃん。クッキーって、どんな形が好き?」
「え?形?」
「うん。ハートとか、星とか、丸とか……」
「……普通に丸でいいんじゃない?」
「え~、つまんない!じゃあ、あたしが作るのはハートにするね♪」
「……それ、誰にあげるの?」
「え?もちろん、お兄ちゃんに決まってるじゃん」
由奈ちゃんは笑顔でそう言って、ハート型の型抜きを手に取る。
……僕の心臓が、ほんの少しだけ跳ね、由奈ちゃんの笑顔がほんの少しだけ眩しく見えた。
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