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由奈の章 甘えたがりな義妹
車内で交わしたキス
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日が暮れ始めた頃、僕と由奈は服へと着替えてプールを出ると見覚えのある車が目の前で停まった。
「やっほ~、彼方くんに由奈ちゃん。今プールの帰り?もしよかったら乗って帰らない?」
車の窓が開くと、中から真奈美さんが笑顔で手を振っていた。
「お……お母さん……っ!?なんでここに……っ!?」
「買い物の帰りに通ってたらたまたま見かけただけよ。それとも……二人で腕でも組みながら歩いて帰るほうがいいのかしら?あ、でもホテルはダメよ?2人ともまだ未成年だし由奈ちゃんに至っては中学生だからね」
真奈美さんのニヤニヤとした笑みに僕と由奈の顔が赤くなる……。
真奈美さんの笑顔は、冗談めいてるけど、どこか本気も混ざっていた。
くそ……!真奈美さん絶対からかって楽しんでるだろ……!
「ど……どうする由奈……?」
「う……うん……」
僕と由奈は顔を赤くしながら見つめあう……。
まさか……さっきまでしてた事……流石に真奈美さんと言えど知らない……よな……?
「あらあら……、お互い見つめ合って……。このままでキスでもするのかしら?」
「な……!」
「ちょ……!」
真奈美さんの言葉に僕の由奈の声が同時にハモる。
「あははは……!冗談よ。それで……どうするのかしら?」
「えっと……乗せてもらいます……」
「ええ、どうぞ」
僕と由奈は真奈美さんの運転する車へと乗ると、車は走り始める。
僕と由奈は後部座席に並んで座る。
真奈美さんの視線を気にしながら、そっと手を握ると、由奈の手は少しだけ汗ばんでいたけど温かかった。
柔らかくてスベスベとした女の子の手……。
僕の本当に大好きで、大切な彼女の手……。
僕と由奈は無言のままお互い見つめあう……。
流石に真奈美さんがいる手前キスはできないけど、このままでもすごく満ち足りていた。
「ねえ、カナタさん……。今日は楽しかったね」
由奈は僕の肩に頭を乗せながら話しかけてくる。
耳元で聞こえてくる由奈の声は甘くて満足そうものだった。
「うん……、僕も楽しかったよ」
僕はそっと由奈の頭をそっと撫でながら答えると、彼女は目を細めて笑顔を浮かべていた。
その表情に僕は思わずドキっとする。
「ねえ……、彼方さん……。キス……してほしいな……」
由奈は顔を赤くしながら甘えた声で僕へと囁く……。
「で……でも……」
でも、いま前に運転しているとは言え真奈美さんがいるわけだし……。
「大丈夫だよ……、お母さん運転に集中してるから……」
「……分かった」
僕は由奈の頬に手を添えてそっと顔を近づけると、由奈が目を閉じた瞬間、静かに唇を重ねた。
その一瞬が、車内の空気をふわりと変えた気がした。
「ん……。えへへ……♪」
すると由奈は満足げな表情で笑みを浮かべていた。
(その顔……本当にズルいと思う……)
でも……ずっとその顔を見ていたいという僕もまたそこにいた。
「彼方さん……大好き」
「僕も……由奈のこと大好きだよ」
僕達はお互いの顔を見つめ合うともう一度キスを交わした……。
~サイドストーリー~
──真奈美──
車を走らせて、家が近づいてきた頃。
赤信号で止まった瞬間、ふとルームミラーに目をやる。
後部座席では、由奈と彼方くんが肩を寄せ合って、静かに眠っていた。
「あらあら……、プールで疲れたのかしら……?」
クスッと笑いながら、ミラー越しに二人の寝顔を見つめる。
頬が少し赤くて、口元が緩んでいて……まるで夢の中でも寄り添ってるみたい。
「さっきまで二人ともキスしてたわね……」
ま……、付き合ってるんだし当然……か。
でも——
「由奈が選んだ人なら私は何も言わないけど……由奈を泣かせるようなことだけはしないでね、彼方くん……」
信号が青に変わり、車が静かに走り出す。
前を見ながら、でも心は後ろの二人に向いていた。
(あの子、あんな顔で眠るようになったのね……)
少しだけ、胸がきゅっとなる。
嬉しいような、寂しいような……。
母親って、複雑な生き物ね……。
「もうすぐ家なんだけど……ふふ……、二人のために少しだけ遠回りしちゃおうかしら……」
後ろで幸せそうに寄り添って寝ている二人の顔をミラー越しに見たあと、私は笑みを浮かべると少しだけ遠回りをして家へと向かったのだった……。
「やっほ~、彼方くんに由奈ちゃん。今プールの帰り?もしよかったら乗って帰らない?」
車の窓が開くと、中から真奈美さんが笑顔で手を振っていた。
「お……お母さん……っ!?なんでここに……っ!?」
「買い物の帰りに通ってたらたまたま見かけただけよ。それとも……二人で腕でも組みながら歩いて帰るほうがいいのかしら?あ、でもホテルはダメよ?2人ともまだ未成年だし由奈ちゃんに至っては中学生だからね」
真奈美さんのニヤニヤとした笑みに僕と由奈の顔が赤くなる……。
真奈美さんの笑顔は、冗談めいてるけど、どこか本気も混ざっていた。
くそ……!真奈美さん絶対からかって楽しんでるだろ……!
「ど……どうする由奈……?」
「う……うん……」
僕と由奈は顔を赤くしながら見つめあう……。
まさか……さっきまでしてた事……流石に真奈美さんと言えど知らない……よな……?
「あらあら……、お互い見つめ合って……。このままでキスでもするのかしら?」
「な……!」
「ちょ……!」
真奈美さんの言葉に僕の由奈の声が同時にハモる。
「あははは……!冗談よ。それで……どうするのかしら?」
「えっと……乗せてもらいます……」
「ええ、どうぞ」
僕と由奈は真奈美さんの運転する車へと乗ると、車は走り始める。
僕と由奈は後部座席に並んで座る。
真奈美さんの視線を気にしながら、そっと手を握ると、由奈の手は少しだけ汗ばんでいたけど温かかった。
柔らかくてスベスベとした女の子の手……。
僕の本当に大好きで、大切な彼女の手……。
僕と由奈は無言のままお互い見つめあう……。
流石に真奈美さんがいる手前キスはできないけど、このままでもすごく満ち足りていた。
「ねえ、カナタさん……。今日は楽しかったね」
由奈は僕の肩に頭を乗せながら話しかけてくる。
耳元で聞こえてくる由奈の声は甘くて満足そうものだった。
「うん……、僕も楽しかったよ」
僕はそっと由奈の頭をそっと撫でながら答えると、彼女は目を細めて笑顔を浮かべていた。
その表情に僕は思わずドキっとする。
「ねえ……、彼方さん……。キス……してほしいな……」
由奈は顔を赤くしながら甘えた声で僕へと囁く……。
「で……でも……」
でも、いま前に運転しているとは言え真奈美さんがいるわけだし……。
「大丈夫だよ……、お母さん運転に集中してるから……」
「……分かった」
僕は由奈の頬に手を添えてそっと顔を近づけると、由奈が目を閉じた瞬間、静かに唇を重ねた。
その一瞬が、車内の空気をふわりと変えた気がした。
「ん……。えへへ……♪」
すると由奈は満足げな表情で笑みを浮かべていた。
(その顔……本当にズルいと思う……)
でも……ずっとその顔を見ていたいという僕もまたそこにいた。
「彼方さん……大好き」
「僕も……由奈のこと大好きだよ」
僕達はお互いの顔を見つめ合うともう一度キスを交わした……。
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車を走らせて、家が近づいてきた頃。
赤信号で止まった瞬間、ふとルームミラーに目をやる。
後部座席では、由奈と彼方くんが肩を寄せ合って、静かに眠っていた。
「あらあら……、プールで疲れたのかしら……?」
クスッと笑いながら、ミラー越しに二人の寝顔を見つめる。
頬が少し赤くて、口元が緩んでいて……まるで夢の中でも寄り添ってるみたい。
「さっきまで二人ともキスしてたわね……」
ま……、付き合ってるんだし当然……か。
でも——
「由奈が選んだ人なら私は何も言わないけど……由奈を泣かせるようなことだけはしないでね、彼方くん……」
信号が青に変わり、車が静かに走り出す。
前を見ながら、でも心は後ろの二人に向いていた。
(あの子、あんな顔で眠るようになったのね……)
少しだけ、胸がきゅっとなる。
嬉しいような、寂しいような……。
母親って、複雑な生き物ね……。
「もうすぐ家なんだけど……ふふ……、二人のために少しだけ遠回りしちゃおうかしら……」
後ろで幸せそうに寄り添って寝ている二人の顔をミラー越しに見たあと、私は笑みを浮かべると少しだけ遠回りをして家へと向かったのだった……。
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