罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー

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由奈の章 甘えたがりな義妹

中学生たちの女子トーク

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 ケーキセットを食べたあと、僕は席を立とうとすると由奈が声をかけてくる。

「あれ……?彼方さんもう行っちゃうの……?」

 その声はどこから寂しさを帯びていた。

「いや、他のお客さんも来るだろうからいつまでも僕だけがここにいるわけにもいかないからね」

 本音を言えばさっきみたいに変に由奈にナンパしようとする男がいないか目を光らせておきたいところだけど……そうもいかないだろうし……。

「……わかった、それならさあたしのシフトが終わったら一緒に学園祭見て回ろうよ!」

「うん、いいよ」

「それじゃあ終わったら連絡するね!いってらっしゃいませ、ご主人様♡」

 僕は由奈の笑顔に見送られながら由奈のクラスを後にする。


 ──由奈──


 彼方さんが教室を出たあと、あたしは控えスペースに戻ると、ユッキーとナッチーがすぐに寄ってきた。

「ねぇねぇユナっち、さっきの彼氏さん……マジで本校の人なんでしょ?」

「うん……彼方さん、すごく優しくて……」

「ていうか、あんな堂々と“彼氏です”って言ってくれる人、なかなかいないよね!?」

「しかもあのタイミングで登場って、少女漫画かと思った……!」

 あたしは別のお客さんからの注文を受けたケーキの箱を開けながら、顔が熱くなるのを感じていた。

「でさでさ、ユナっち……その……もう、キスは済ませてるとして……その先は……?」

「えっ……!?ちょ、ちょっと……ナッチー、そういうの聞く……っ!?」

 ナッチーの言葉にあたしの手が止まると、ケーキのフィルムを剥がす指が震えた。

「え~?だって気になるじゃん!あんなにラブラブなんだもん!」

「そこはわたしも気になる……!ねえねえ、どうなの?ユナっちは彼氏さんと結局どこまで進んでるのっ!?」

「……その……えっと」

 あたしはケーキの上に飾るチョコプレートをそっと置きながら、視線を逸らす。

「その……したよ、最後まで……」

「えええええええええええええええええええええええええっ!?」

 ユッキーとナッチーの声が控えスペースに響いて、あたしは慌てて口を押さえた。

「ちょ、ちょっと声大きいってば……!」

「ごめんごめん!でもさ、ユナっちがそんなに素直に言うの初めてじゃない!?」

「ていうか、彼氏さんにだけは甘えまくりだよね……」

「……うん。彼方さんは……安心できるから」

 あたしはケーキをトレイに乗せながら、そっと微笑んだ。

「そっか~……、ユナっちのこの胸はもう彼氏さんのものかぁ~……」

 ユッキーはあたしの後ろへと立ったかと思ったら突然胸を触ってくる。

「きゃあ……っ!?な……何するんだよ……!」

 あたしは落としそうになったケーキをどうにか持ち直しながらユッキーへと文句を言う。

「え~、でもユナっち最後までシたんでしょ?ならこの胸も彼氏さんのものってことでしょ……?」

「ち……ちょっと……やめてよ……!」

 あたしの胸をムニムニと触るユッキーにたいして抗議の声を上げるもユッキーは止める気配がない……。

 あたしの胸はおもちゃじゃないよぉ……!

「ところでユナっち、シたはいいけど……どうだった……?」

 すると今度はナッチーが真剣な少し顔を赤くしながら真剣な表情であたしへと問う。

「ど……どうって……?」

「だってほら……、私たち彼氏とかまだいないしさ、今後の参考にって思って……」

「あ、そこはわたしも気になる。ねえ、ユナっち答えなよ~!」

「え……えぇ……っ!?イヤだよそれは……」

 いくら幼馴染で親友とは言え、彼方さんとのことを話すなんて流石に恥ずかしすぎるよぉ……!

「そう……、ならしかたないわね……」

「白状したくなるまで……くすぐり攻撃よ……!」

「あは……!あははは……っ!ちょ……、や……やめてよ……!あははは……っ!」

 脇や脇腹をくすぐられたあたしは結局ナッチーとユッキーに洗いざらい白状させられたのだった……。
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