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澪の章 寡黙なクラス委員長
ほぼ確定な未来
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昼時、僕は澪の案内でリビングへ。
そこには、澪のお母さんが用意してくれた手料理が並んでいた。
「彼方君のお口に合うかわからないけど、遠慮なく食べてね」
「は……はい、いただきます」
パスタ、サラダ、唐揚げ、スープ——どれも彩り豊かで、食欲をそそる。
しかし、僕はとあることが気になった。
「……澪はご飯その量で足りるの?」
昨日の“フードファイター澪”を思い出すと、今日の控えめな量がどうにも気になってしまう。
「うん……、大丈夫……」
「澪はね、彼方君の事で胸がいっぱいでそんに食べれないみたいなのよ」
「お母さん、そういうこと言わないで……!」
澪は箸を持ったまま、顔を真っ赤にしてどこか拗ねたように俯く。
その姿があまりにも可愛くて、僕は思わず笑ってしまいそうになる。
「でもね、彼方君。“食べなくても落ち着いてる”澪を見るのは、母親として……少し胸が熱くなるのよ」
「そうなんですか……?」
「ええ、昔はね……食べることで気持ちを落ち着けてたの。だから、今みたいに“食べなくても落ち着いてる”っていうのは……母親として、ちょっと感動してるのよ」
僕は澪の横顔をそっと見る。
彼女は何も言わず、ただ少しだけ顔を赤くしながら唐揚げを口に運んでいた。
その仕草が、どこか満足気のようにも見えた。
「……澪、無理してない?」
「大丈夫……。彼方くんが隣にいるから……それだけで、なんか……落ち着く……」
その言葉に、僕の胸がじんわりと温かくなる……、澪の空気が、僕の空気と重なっている。
それだけで、今日ここに来た意味がある気がした。
「ふふ……若いっていいわねぇ。……彼方君、もしよければ今日泊まっていかない?」
「んぐ……っ!?」
お母さんの予想外の言葉に僕は思わず唐揚げに喉に詰まらせそうになる。
「お母さん……!彼方くん、大丈夫……?はい、お茶……」
「ん……んく……んぐ……!」
僕は澪から渡されたお茶を飲むとどうにか落ち着かせることができた。
「あら、冗談で言ってるわけじゃないのよ?澪も彼方君が泊まってくれたら今日一日ずっと一緒にいられるでしょ?それに明日は代休なんだし、2人で遊びにも行けるわ。ね、それなら澪も嬉しいでしょ?」
「それは……、そうだけど……」
「彼方君、澪に手を出しても……いいのよ?」
「な……っ!?」
「お母さん……っ!?」
お母さんのトンデモ発言に僕と澪は顔を真っ赤にさせながら声が同時にハモる。
「勿論避妊はしてもらわないと困るけど、澪も既成事実が作れていいんじゃない?尤ももう手を出された後かもしれないけど……?」
「えっと……その……」
澪のお母さんから心を見透かすような目で見られ、僕は戸惑う……。
お母さんの言うようにもう既に澪に手を出しましたとも、はい……!
「勿論……責任は取ってくれるのよね……?」
「は…、はい!勿論です……!」
お母さんは途轍もないプレッシャーを放つと僕は頷くほかなかった。
まあ……、ぼくとしてはもちろん責任は取るつもりではあるのだけど……。
「と言う訳で私としては彼方君のお泊りは大歓迎よ。あとは彼方君のお家のご両親がなんというかだけど……」
「一応聞いてみます……」
泊まるとなると着替えもいるわけだし……それに……父さんはどうか知らないけど、真奈美さんは笑顔ででOK出しそうな気がするなぁ……。
◆◆◆
夜——澪と澪のお母さんの手料理を囲んで夕食を楽しんでいると、インターホンの音が鳴った。
澪のお母さんが立ち上がり、玄関へと向かう。
(真奈美さんかな……?)
昼食をご馳走になってから家に電話したら予想通りというかなんというか、真奈美さん即OKしてたしな……。
「彼方君、お母さんが来られたわよ」
(ま……予想通りかな……)
玄関には、少し大きめの紙袋を抱えた真奈美さんが立っていた。
その笑顔は、どこか“母親モード”全開だった。
「彼方くん、はい着替え」
「ありがとう、真奈美さん」
「いいのよ、それより……彼方くんいつの間に柊さんとこのお嬢さんと仲良くなったの?わざわざ着替えを持ってきてあげたんだから、もちろん、帰ったら——根掘り葉掘り詳しく聞かせてもらうからね?」
「え……?あ……そ……、そうですね……!あは……あははは……!」
僕は真奈美さんの鋭い追求の眼差しに対して笑って誤魔化す。
「それと……避妊具も入れておいたから。ちゃんと使うのよ?」
(大きなお世話だよ……!)
僕は心の中でツッコミをいれる。
「それでは柊さん、義理とはいえ——息子をよろしくお願いいたします」
「いえ、こちらこそ。お預かりいたします。もしかしたら——末永いお付き合いになるかもしれませんね。よろしくお願いいたします」
「いえいえ、こちらこそ。どうぞよろしくお願いいたします」
親同士の“外交儀礼”とも言えるお辞儀の応酬がようやく終わり、真奈美さんは満足げに帰っていった。
僕は紙袋を抱えながら静かにリビングへと戻ると、澪は僕の顔を見るなり少しだけ不安そうに首を傾げた。
「……彼方くんのお母さん、何か言ってた?」
「うん……まあ、いろいろと……。着替えと……あと、余計なものまで……」
「余計なもの……?」
「……避妊具とか」
「っ……!」
澪は一瞬で顔を真っ赤に染め、視線をそっと伏せた。
(そ……そりゃそうなるよね……!)
「そ……そうなんだ……、ならわたし……今夜は頑張らないと……」
澪は拳をぎゅっと握りしめ、妙に気合の入った顔で「今夜は頑張る……」と呟いた。
澪さん……!何をがんばる気ですか……っ!?
もうそれは決定事項なんですか……っ!?
僕は心の中でのツッコミをが止まらない。
「と……取り敢えず紙袋を澪の部屋に置かせてもらうね」
僕は苦笑しながら紙袋を澪の部屋の隅に置きに行く。
紙袋の中身が、今夜の空気をどう変えるかは分からない。
でも——なるようになるさ。僕はそう思いながら、リビングへと戻った。
そこには、澪のお母さんが用意してくれた手料理が並んでいた。
「彼方君のお口に合うかわからないけど、遠慮なく食べてね」
「は……はい、いただきます」
パスタ、サラダ、唐揚げ、スープ——どれも彩り豊かで、食欲をそそる。
しかし、僕はとあることが気になった。
「……澪はご飯その量で足りるの?」
昨日の“フードファイター澪”を思い出すと、今日の控えめな量がどうにも気になってしまう。
「うん……、大丈夫……」
「澪はね、彼方君の事で胸がいっぱいでそんに食べれないみたいなのよ」
「お母さん、そういうこと言わないで……!」
澪は箸を持ったまま、顔を真っ赤にしてどこか拗ねたように俯く。
その姿があまりにも可愛くて、僕は思わず笑ってしまいそうになる。
「でもね、彼方君。“食べなくても落ち着いてる”澪を見るのは、母親として……少し胸が熱くなるのよ」
「そうなんですか……?」
「ええ、昔はね……食べることで気持ちを落ち着けてたの。だから、今みたいに“食べなくても落ち着いてる”っていうのは……母親として、ちょっと感動してるのよ」
僕は澪の横顔をそっと見る。
彼女は何も言わず、ただ少しだけ顔を赤くしながら唐揚げを口に運んでいた。
その仕草が、どこか満足気のようにも見えた。
「……澪、無理してない?」
「大丈夫……。彼方くんが隣にいるから……それだけで、なんか……落ち着く……」
その言葉に、僕の胸がじんわりと温かくなる……、澪の空気が、僕の空気と重なっている。
それだけで、今日ここに来た意味がある気がした。
「ふふ……若いっていいわねぇ。……彼方君、もしよければ今日泊まっていかない?」
「んぐ……っ!?」
お母さんの予想外の言葉に僕は思わず唐揚げに喉に詰まらせそうになる。
「お母さん……!彼方くん、大丈夫……?はい、お茶……」
「ん……んく……んぐ……!」
僕は澪から渡されたお茶を飲むとどうにか落ち着かせることができた。
「あら、冗談で言ってるわけじゃないのよ?澪も彼方君が泊まってくれたら今日一日ずっと一緒にいられるでしょ?それに明日は代休なんだし、2人で遊びにも行けるわ。ね、それなら澪も嬉しいでしょ?」
「それは……、そうだけど……」
「彼方君、澪に手を出しても……いいのよ?」
「な……っ!?」
「お母さん……っ!?」
お母さんのトンデモ発言に僕と澪は顔を真っ赤にさせながら声が同時にハモる。
「勿論避妊はしてもらわないと困るけど、澪も既成事実が作れていいんじゃない?尤ももう手を出された後かもしれないけど……?」
「えっと……その……」
澪のお母さんから心を見透かすような目で見られ、僕は戸惑う……。
お母さんの言うようにもう既に澪に手を出しましたとも、はい……!
「勿論……責任は取ってくれるのよね……?」
「は…、はい!勿論です……!」
お母さんは途轍もないプレッシャーを放つと僕は頷くほかなかった。
まあ……、ぼくとしてはもちろん責任は取るつもりではあるのだけど……。
「と言う訳で私としては彼方君のお泊りは大歓迎よ。あとは彼方君のお家のご両親がなんというかだけど……」
「一応聞いてみます……」
泊まるとなると着替えもいるわけだし……それに……父さんはどうか知らないけど、真奈美さんは笑顔ででOK出しそうな気がするなぁ……。
◆◆◆
夜——澪と澪のお母さんの手料理を囲んで夕食を楽しんでいると、インターホンの音が鳴った。
澪のお母さんが立ち上がり、玄関へと向かう。
(真奈美さんかな……?)
昼食をご馳走になってから家に電話したら予想通りというかなんというか、真奈美さん即OKしてたしな……。
「彼方君、お母さんが来られたわよ」
(ま……予想通りかな……)
玄関には、少し大きめの紙袋を抱えた真奈美さんが立っていた。
その笑顔は、どこか“母親モード”全開だった。
「彼方くん、はい着替え」
「ありがとう、真奈美さん」
「いいのよ、それより……彼方くんいつの間に柊さんとこのお嬢さんと仲良くなったの?わざわざ着替えを持ってきてあげたんだから、もちろん、帰ったら——根掘り葉掘り詳しく聞かせてもらうからね?」
「え……?あ……そ……、そうですね……!あは……あははは……!」
僕は真奈美さんの鋭い追求の眼差しに対して笑って誤魔化す。
「それと……避妊具も入れておいたから。ちゃんと使うのよ?」
(大きなお世話だよ……!)
僕は心の中でツッコミをいれる。
「それでは柊さん、義理とはいえ——息子をよろしくお願いいたします」
「いえ、こちらこそ。お預かりいたします。もしかしたら——末永いお付き合いになるかもしれませんね。よろしくお願いいたします」
「いえいえ、こちらこそ。どうぞよろしくお願いいたします」
親同士の“外交儀礼”とも言えるお辞儀の応酬がようやく終わり、真奈美さんは満足げに帰っていった。
僕は紙袋を抱えながら静かにリビングへと戻ると、澪は僕の顔を見るなり少しだけ不安そうに首を傾げた。
「……彼方くんのお母さん、何か言ってた?」
「うん……まあ、いろいろと……。着替えと……あと、余計なものまで……」
「余計なもの……?」
「……避妊具とか」
「っ……!」
澪は一瞬で顔を真っ赤に染め、視線をそっと伏せた。
(そ……そりゃそうなるよね……!)
「そ……そうなんだ……、ならわたし……今夜は頑張らないと……」
澪は拳をぎゅっと握りしめ、妙に気合の入った顔で「今夜は頑張る……」と呟いた。
澪さん……!何をがんばる気ですか……っ!?
もうそれは決定事項なんですか……っ!?
僕は心の中でのツッコミをが止まらない。
「と……取り敢えず紙袋を澪の部屋に置かせてもらうね」
僕は苦笑しながら紙袋を澪の部屋の隅に置きに行く。
紙袋の中身が、今夜の空気をどう変えるかは分からない。
でも——なるようになるさ。僕はそう思いながら、リビングへと戻った。
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