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柚葉の章 ロリっ子で不器用な生徒会長
彼方の決意
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チャイムが鳴り、ホームルームが終わる頃——教室のスピーカーから、突然如月先輩の声が流れた。
『皆様、生徒会長の如月・ミレイ・柚葉です。皆様のご存知の通り、昨日生徒会のメンバーによる暴行事件が発生しました。このような事態を招いたこと、生徒会長として深く反省しております。今はまだ詳細な情報を精査中ではありますが、本校の信頼を失墜させたことに代わりはなく、その事実を重く受け止めております。皆様の信頼を失ったのであれば、生徒会長の職を辞する覚悟もございます。しかし、その前に今回の件の解決を私の手でさせていただければと思う所存です。本件が解決した後に、私が不適任だと思われるのであれば構いません、ご意見は、生徒会室前の目安箱にてお寄せいただければ幸いです』
如月先輩が言い終わると、放送が止まった。
放送が終わった瞬間、目の前が暗くなった。
全身から力が抜けていくような、そんな感覚に襲われる……。
「ねえ、生徒会長どう思う……?」
「いや、責任は取るべきだろう」
「でも、生徒会長が直接関わってるわけじゃないしなぁ……、それを考えると辞任は重すぎるんじゃないのかなぁ……」
「でも、部下が起こした問題だろ?俺は不適任の一択かな……」
「私も……」
教室には賛否両論の声が飛び交っていた。
けれど、やはり批判の方が多く感じられた。
(なんで先輩がこんな言われようをされないといけないんだよ……!)
僕は机の下で手を握りしめると、悔しさがこみ上げてくる。
気づけば、僕の足は教室を飛び出していた。
教室を飛び出した僕は放送室を目指す……!
(この前生徒会室に行ったとき、中には放送設備はなかった……、ということは放送室に違いない……!)
僕の足音だけが、静まり返った校舎に響いていた。
階段を駆け下り、放送室の前にたどり着くと扉の前で一瞬、息を整える。
ノックもせず、僕は勢いよく扉を開けた。
「如月先輩!」
中にいた如月先輩と如月副会長は、僕を見ると驚いた表情を浮かべていた。
「御堂……?なぜお前がここにいる?もうすぐ1時限目が始まるぞ……!」
先輩は僕をキッと睨むも、その瞳には、こらえきれない感情が滲んでいた。
「先輩、あの放送……僕、納得できません。先輩が責任を取るなんて、おかしいです!」
如月先輩は静かに微笑んだ。
けれどその目は確かに決意の色が見て取れる。
「御堂、ありがとう。しかしミレイが生徒会長である以上、生徒会のメンバーが起こした責任はミレイにある。いかなる理由があるにせよ、失った信頼に対して何らかの責任は取らねばならない」
「でも……! 僕は、先輩がこの学校に必要だって思ってます。目安箱に意見をって言ってましたけど、僕は今ここで言います。辞めないでください!」
その言葉に、如月先輩の目がわずかに揺れたかと思うと彼女は後ろを向くと、彼女に変わって如月副会長が口を開く。
「御堂……、君の気持ちはうれしく思う。姉さんに代わって礼を言わせてもらう。しかし、これは生徒会の問題だ。一般生徒である君の出る幕ではない」
如月副会長の冷たくも尤もな言葉が僕の胸に突き刺さる。
(確かに僕は生徒会のメンバーでもないただの生徒……。でも……僕にも何かできることがあるはずだ……!)
と、その時僕は一つの決意をする。
「なら……僕も、生徒会に入ります!」
僕は手を握りしめるとそう告げたのだった。
『皆様、生徒会長の如月・ミレイ・柚葉です。皆様のご存知の通り、昨日生徒会のメンバーによる暴行事件が発生しました。このような事態を招いたこと、生徒会長として深く反省しております。今はまだ詳細な情報を精査中ではありますが、本校の信頼を失墜させたことに代わりはなく、その事実を重く受け止めております。皆様の信頼を失ったのであれば、生徒会長の職を辞する覚悟もございます。しかし、その前に今回の件の解決を私の手でさせていただければと思う所存です。本件が解決した後に、私が不適任だと思われるのであれば構いません、ご意見は、生徒会室前の目安箱にてお寄せいただければ幸いです』
如月先輩が言い終わると、放送が止まった。
放送が終わった瞬間、目の前が暗くなった。
全身から力が抜けていくような、そんな感覚に襲われる……。
「ねえ、生徒会長どう思う……?」
「いや、責任は取るべきだろう」
「でも、生徒会長が直接関わってるわけじゃないしなぁ……、それを考えると辞任は重すぎるんじゃないのかなぁ……」
「でも、部下が起こした問題だろ?俺は不適任の一択かな……」
「私も……」
教室には賛否両論の声が飛び交っていた。
けれど、やはり批判の方が多く感じられた。
(なんで先輩がこんな言われようをされないといけないんだよ……!)
僕は机の下で手を握りしめると、悔しさがこみ上げてくる。
気づけば、僕の足は教室を飛び出していた。
教室を飛び出した僕は放送室を目指す……!
(この前生徒会室に行ったとき、中には放送設備はなかった……、ということは放送室に違いない……!)
僕の足音だけが、静まり返った校舎に響いていた。
階段を駆け下り、放送室の前にたどり着くと扉の前で一瞬、息を整える。
ノックもせず、僕は勢いよく扉を開けた。
「如月先輩!」
中にいた如月先輩と如月副会長は、僕を見ると驚いた表情を浮かべていた。
「御堂……?なぜお前がここにいる?もうすぐ1時限目が始まるぞ……!」
先輩は僕をキッと睨むも、その瞳には、こらえきれない感情が滲んでいた。
「先輩、あの放送……僕、納得できません。先輩が責任を取るなんて、おかしいです!」
如月先輩は静かに微笑んだ。
けれどその目は確かに決意の色が見て取れる。
「御堂、ありがとう。しかしミレイが生徒会長である以上、生徒会のメンバーが起こした責任はミレイにある。いかなる理由があるにせよ、失った信頼に対して何らかの責任は取らねばならない」
「でも……! 僕は、先輩がこの学校に必要だって思ってます。目安箱に意見をって言ってましたけど、僕は今ここで言います。辞めないでください!」
その言葉に、如月先輩の目がわずかに揺れたかと思うと彼女は後ろを向くと、彼女に変わって如月副会長が口を開く。
「御堂……、君の気持ちはうれしく思う。姉さんに代わって礼を言わせてもらう。しかし、これは生徒会の問題だ。一般生徒である君の出る幕ではない」
如月副会長の冷たくも尤もな言葉が僕の胸に突き刺さる。
(確かに僕は生徒会のメンバーでもないただの生徒……。でも……僕にも何かできることがあるはずだ……!)
と、その時僕は一つの決意をする。
「なら……僕も、生徒会に入ります!」
僕は手を握りしめるとそう告げたのだった。
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