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柚葉の章 ロリっ子で不器用な生徒会長
生徒会の不祥事
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翌朝、身支度を終えたタイミングで、スマホがメールを受信した。
(こんな朝早くからなんだろう……?)
メールを開いた瞬間、思わず息を呑んだ。
件名は「生徒会3年生数人による、他校生徒への暴行事件について」。
そこには、大まかな経緯と関係者の名前まで記されていた。
生徒会……それ。見た瞬間僕は如月先輩の顔が思い浮かぶ。
先輩本人が暴行してはいないと思うけど、生徒会による不祥事なら会長である如月先輩は何かしら責任をを問われるはず……。
(まさか……先輩が、こんな形で追い詰められるなんて……)
僕は思わずスマホを握りしめる。
そして居ても立ってもいられなった僕は、すぐに支度を整えると学園へと走った。
◆◆◆
登校すると、校内の空気は明らかにいつもと違っていた。
ざわつく廊下、ひそひそと交わされる声。
生徒たちはスマホを見ながら、誰かの名前を口にしている。
「……生徒会の三年って、あの人たちでしょ?」
「如月会長、どうするんだろうね……」
その言葉が耳に入るたび、僕の胸がざわついた。
僕は教室に向かうことなくそのまま生徒会室へと走る!
生徒会室にたどり着くとそこには新聞部や写真部をはじめ、好奇心に駆られた生徒たちが押し寄せていた。
それらを食い止めるべく教職員や如月副会長が生徒会室の入り口で、必死に対応していた。
「申し訳ありませんが今は状況の精査中であるため、取材を受け付けておりません。後日、正式な発表を——」
「副会長!この件についての責任は誰が取るんですか?」
「会長はこの事態を把握していたのか?」
次々と浴びせられる質問に、如月副会長は眉ひとつ動かさず冷静に対応していた。
その姿はまるで、感情を切り離した“管理者”そのものだった。
(……如月先輩は、今この中にいるのか?)
僕は人混みの隙間からどうにかして如月先輩を見ようと場所を変えたりしていると、ようやくその姿がほんの少しだけど見えた。
しかし、その表情は、悔しさと悲しみが入り混じったように沈んでいた。
(先輩……)
僕の胸がなぜかズキっと痛む……。
しかし、今の僕に何もできない以上ここにいた所でただの野次馬の一人でしかない。
もう一度だけ、先輩の顔を見て——僕は静かに教室へと歩き出した。
◆◆◆
教室に戻っても、空気は先ほどと変わらず重かった。
みんなは思い思いに如月先輩や生徒会のことを話している。
中には先輩を批判する人の姿もあり、その中に昨日は如月先輩を持て囃し、彼女の髪を撫で回していたあの女生徒まで、今日は批判の輪に加わっていた。
(昨日は如月先輩とか言って、猫撫で声をあげていたのに、何かあったら掌を返すのか……)
胸の奥がじわじわと熱くなる。怒りというより、悔しさに近い感情だった。
そんな僕の唯一の救いと言えば、柊さんと亜希だ。
柊さんは無表情で我関せずを決め込み、一人本を読んでいる。
亜希は早乙女さんと話こそしているものの、先輩のことを案じているようだった。
「御堂……」
複雑な気持ちを抱えたまま背負っていたリュックを机へと置くと高藤が話しかけてきた。
「なんだ、高藤か……」
「いきなり“なんだ”とはご挨拶だな。しかし、朝からとんでもない騒動になっているな……」
「……高藤まで如月先輩を批判するのか?」
拳を握りしめながら、高藤に問いかける。
もし……もし高藤までも先輩を批判したら……僕は自分を止められず殴りかかってしまうかもしれない……。
「ふ……、まさか……。俺にとっては生徒会の騒動など些細な出来事だ。だが……件の3年は生徒会の中でも素行の悪い連中だったようだな」
「高藤はその先輩たちを知ってるのか?」
「知らずとも調べればいくらでも分かるのが今の時代だ」
高藤はスマホの画面を僕に向ける。
そこには、問題を起こした先輩たちの詳細な情報が並んでいた。
——どこから仕入れたのかは、聞くまでもない。
相変わらず謎の多いやつだ……。
でも……今はそれがどこか頼もしくも思える。
「でも、なんでその先輩たちが生徒会に……?」
「そんなことまで俺知るわけないだろう……」
僕の問いに高藤はため息をつけながら肩を竦めてみせる。
「だが……今は精査中らしいからな、追って情報が開示させるのを待つ他あるまい」
「高藤……、僕がなにか如月先輩にできることってないかな……?」
スマホをポケットポケットへと仕舞う高藤に僕は問う。
「ふむ……、さっきも言ったが精査中の今はまだどうにもならん。だが……イメージアップを図るというのなら話は別だが……?」
高藤はそう言うとニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
こう言う時のコイツはロクなことを考えていないのだけど……でも、今は、どんな手段でもいい。
少しでも、如月先輩の力になりたい——それだけだった。
「僕にできることならなんでもするよ……!」
「ふふふ……はははははっ!御堂!その言葉を待っていたぞっ!時期的にもうすぐ学園祭……それを利用してこの俺が生徒会のイメージアップを図ってやろうではないかっ!」
高藤は高笑いを上げながら僕の前から去っていく。
(……早まったかも)
高藤の背中を見送りながら、僕はほんの少しだけ自分の決意を後悔した。
(こんな朝早くからなんだろう……?)
メールを開いた瞬間、思わず息を呑んだ。
件名は「生徒会3年生数人による、他校生徒への暴行事件について」。
そこには、大まかな経緯と関係者の名前まで記されていた。
生徒会……それ。見た瞬間僕は如月先輩の顔が思い浮かぶ。
先輩本人が暴行してはいないと思うけど、生徒会による不祥事なら会長である如月先輩は何かしら責任をを問われるはず……。
(まさか……先輩が、こんな形で追い詰められるなんて……)
僕は思わずスマホを握りしめる。
そして居ても立ってもいられなった僕は、すぐに支度を整えると学園へと走った。
◆◆◆
登校すると、校内の空気は明らかにいつもと違っていた。
ざわつく廊下、ひそひそと交わされる声。
生徒たちはスマホを見ながら、誰かの名前を口にしている。
「……生徒会の三年って、あの人たちでしょ?」
「如月会長、どうするんだろうね……」
その言葉が耳に入るたび、僕の胸がざわついた。
僕は教室に向かうことなくそのまま生徒会室へと走る!
生徒会室にたどり着くとそこには新聞部や写真部をはじめ、好奇心に駆られた生徒たちが押し寄せていた。
それらを食い止めるべく教職員や如月副会長が生徒会室の入り口で、必死に対応していた。
「申し訳ありませんが今は状況の精査中であるため、取材を受け付けておりません。後日、正式な発表を——」
「副会長!この件についての責任は誰が取るんですか?」
「会長はこの事態を把握していたのか?」
次々と浴びせられる質問に、如月副会長は眉ひとつ動かさず冷静に対応していた。
その姿はまるで、感情を切り離した“管理者”そのものだった。
(……如月先輩は、今この中にいるのか?)
僕は人混みの隙間からどうにかして如月先輩を見ようと場所を変えたりしていると、ようやくその姿がほんの少しだけど見えた。
しかし、その表情は、悔しさと悲しみが入り混じったように沈んでいた。
(先輩……)
僕の胸がなぜかズキっと痛む……。
しかし、今の僕に何もできない以上ここにいた所でただの野次馬の一人でしかない。
もう一度だけ、先輩の顔を見て——僕は静かに教室へと歩き出した。
◆◆◆
教室に戻っても、空気は先ほどと変わらず重かった。
みんなは思い思いに如月先輩や生徒会のことを話している。
中には先輩を批判する人の姿もあり、その中に昨日は如月先輩を持て囃し、彼女の髪を撫で回していたあの女生徒まで、今日は批判の輪に加わっていた。
(昨日は如月先輩とか言って、猫撫で声をあげていたのに、何かあったら掌を返すのか……)
胸の奥がじわじわと熱くなる。怒りというより、悔しさに近い感情だった。
そんな僕の唯一の救いと言えば、柊さんと亜希だ。
柊さんは無表情で我関せずを決め込み、一人本を読んでいる。
亜希は早乙女さんと話こそしているものの、先輩のことを案じているようだった。
「御堂……」
複雑な気持ちを抱えたまま背負っていたリュックを机へと置くと高藤が話しかけてきた。
「なんだ、高藤か……」
「いきなり“なんだ”とはご挨拶だな。しかし、朝からとんでもない騒動になっているな……」
「……高藤まで如月先輩を批判するのか?」
拳を握りしめながら、高藤に問いかける。
もし……もし高藤までも先輩を批判したら……僕は自分を止められず殴りかかってしまうかもしれない……。
「ふ……、まさか……。俺にとっては生徒会の騒動など些細な出来事だ。だが……件の3年は生徒会の中でも素行の悪い連中だったようだな」
「高藤はその先輩たちを知ってるのか?」
「知らずとも調べればいくらでも分かるのが今の時代だ」
高藤はスマホの画面を僕に向ける。
そこには、問題を起こした先輩たちの詳細な情報が並んでいた。
——どこから仕入れたのかは、聞くまでもない。
相変わらず謎の多いやつだ……。
でも……今はそれがどこか頼もしくも思える。
「でも、なんでその先輩たちが生徒会に……?」
「そんなことまで俺知るわけないだろう……」
僕の問いに高藤はため息をつけながら肩を竦めてみせる。
「だが……今は精査中らしいからな、追って情報が開示させるのを待つ他あるまい」
「高藤……、僕がなにか如月先輩にできることってないかな……?」
スマホをポケットポケットへと仕舞う高藤に僕は問う。
「ふむ……、さっきも言ったが精査中の今はまだどうにもならん。だが……イメージアップを図るというのなら話は別だが……?」
高藤はそう言うとニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
こう言う時のコイツはロクなことを考えていないのだけど……でも、今は、どんな手段でもいい。
少しでも、如月先輩の力になりたい——それだけだった。
「僕にできることならなんでもするよ……!」
「ふふふ……はははははっ!御堂!その言葉を待っていたぞっ!時期的にもうすぐ学園祭……それを利用してこの俺が生徒会のイメージアップを図ってやろうではないかっ!」
高藤は高笑いを上げながら僕の前から去っていく。
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高藤の背中を見送りながら、僕はほんの少しだけ自分の決意を後悔した。
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