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柚葉の章 ロリっ子で不器用な生徒会長
ラブホ……ではなくカラオケ店で過ごす甘いひととき
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柚葉先輩に連れられて着いた先は——ラブホテルではなく、ただのカラオケ店だった。
(……だと思ったよ!)
僕は心の中で自分にツッコミを入れる。
たしかにここは2人きりになれるし個室だし、大声出しても問題ない場所。
さっきまでピンク色の妄想をしていた自分が、急に恥ずかしくなってくる。
「どうしたんだ、彼方?」
僕が一人で身悶えていると、柚葉先輩が不思議そうな顔をして見つめてくる。
「……いえ、なんでもないです」
「……お前、変なこと考えてたんじゃないのか?」
冷静を装うとするも、先輩から白い目で睨まれ、図星を突かれた僕は思わずドキっとする。
(……本当に勘が鋭い人だ)
「まあいい……兎に角、中にはいるぞ」
柚葉先輩は受付で3時間ほどの利用時間を伝える。
(……3時間も歌うのかな?)
僕はそう思いながら柚葉先輩に手を引かれて部屋へと向かった。
部屋に入り、椅子に座ると僕の横に柚葉先輩が座った。
そして僕の胸元に顔を埋めると頬ずりしたり、匂いを嗅いだりしてくる。
「はぁ~……、やっと彼方成分を補給できる」
柚葉先輩は僕の胸元に顔を埋めたまま、満足そうにため息をつく。
「……あの、カラオケって歌う場所ですよね?」
僕が恐る恐る尋ねると、先輩は顔を上げてきょとんとした表情を浮かべた。
これじゃあラブホとあまり変わらないような気もしなくもない……。
「もちろんだ。だが、ミレイにとっては“彼方とふたりきりになれる場所”という意味の方が大きい」
「いやいや、ちゃんと歌いましょうよ……カラオケなんですから」
僕が苦笑すると、先輩はリモコンを手に取り、画面を操作し始めた。
「じゃあ、せっかくだし一曲歌ってくれ」
「えっ、僕がですか?」
「当然だ。ミレイは彼方の歌声を聴いてみたい」
先輩は僕の肩に頭を預けながら、じっと見つめてくる。
(……断れる空気じゃない)
僕は観念して、適当に知っている曲を選び、マイクを手に取った。
曲が始まり、歌い出すと、先輩は目を細めて僕を見つめてくる。
その視線がくすぐったくて、歌詞がどこかへ吹き飛びそうになる。
(……これ、試験より緊張するかもしれない)
なんとか一曲歌い終えると、先輩は拍手をしながら微笑んだ。
「おお~、意外と彼方は歌が上手いんだな」
「そ、そうですか……ありがとうございます……」
顔が熱くなるのを感じながら、僕はマイクを置いた。
「次はミレイの番だな」
「えっ、先輩も歌うんですか?」
「当然だ。彼方にだけ歌わせて終わるなんて、不公平だからな」
そう言って先輩は曲を選び、マイクを手に取る。
流れ出すイントロ。
先輩は少し照れながらも、真剣な表情で歌い始めた。
その歌声は、思っていたよりもずっと綺麗で、どこか切なさを帯びたその声に、僕は思わず先輩の横顔から目が離せなくなった。
(……この人のこと、やっぱり好きだな)
そんな想いが、胸の奥からじんわりと湧き上がってくる。
僕たちはその後も、気の向くままに好きな曲を選んで歌い続けた。
時には恋愛ソングのデュエットを歌ったりもした。
そしてある程度歌い終わると、僕と柚葉先輩は選曲した恋愛ソングをBGMに、僕たちは自然と抱き合っていた。
「柚葉先輩、歌わないんですか?」
「……ミレイは十分歌った。あとはこうして時間まで抱き合っていたい」
柚葉先輩は僕の胸元にすっぽりと収まると、頬ずりをしながら匂いを嗅いでくる。
部屋に置かれている時計を見ると、残り1時間くらいある。
僕は柚葉先輩の頭を撫でながら優しく先輩を抱きしめる。
彼女の体温と、髪からふわりと香る甘い匂いが、僕の理性をじわじわと溶かしていく……。
「彼方……キスしてほしい……」
柚葉先輩は顔を赤くしながら上目遣いで僕を見つめるとそのまま顔を少し上げて目を閉じる……。
「柚葉先輩……」
僕はそっと柚葉先輩にキスをした。
そして、時間が来るまで——ふたりだけの甘い時間を静かに過ごした。
(……だと思ったよ!)
僕は心の中で自分にツッコミを入れる。
たしかにここは2人きりになれるし個室だし、大声出しても問題ない場所。
さっきまでピンク色の妄想をしていた自分が、急に恥ずかしくなってくる。
「どうしたんだ、彼方?」
僕が一人で身悶えていると、柚葉先輩が不思議そうな顔をして見つめてくる。
「……いえ、なんでもないです」
「……お前、変なこと考えてたんじゃないのか?」
冷静を装うとするも、先輩から白い目で睨まれ、図星を突かれた僕は思わずドキっとする。
(……本当に勘が鋭い人だ)
「まあいい……兎に角、中にはいるぞ」
柚葉先輩は受付で3時間ほどの利用時間を伝える。
(……3時間も歌うのかな?)
僕はそう思いながら柚葉先輩に手を引かれて部屋へと向かった。
部屋に入り、椅子に座ると僕の横に柚葉先輩が座った。
そして僕の胸元に顔を埋めると頬ずりしたり、匂いを嗅いだりしてくる。
「はぁ~……、やっと彼方成分を補給できる」
柚葉先輩は僕の胸元に顔を埋めたまま、満足そうにため息をつく。
「……あの、カラオケって歌う場所ですよね?」
僕が恐る恐る尋ねると、先輩は顔を上げてきょとんとした表情を浮かべた。
これじゃあラブホとあまり変わらないような気もしなくもない……。
「もちろんだ。だが、ミレイにとっては“彼方とふたりきりになれる場所”という意味の方が大きい」
「いやいや、ちゃんと歌いましょうよ……カラオケなんですから」
僕が苦笑すると、先輩はリモコンを手に取り、画面を操作し始めた。
「じゃあ、せっかくだし一曲歌ってくれ」
「えっ、僕がですか?」
「当然だ。ミレイは彼方の歌声を聴いてみたい」
先輩は僕の肩に頭を預けながら、じっと見つめてくる。
(……断れる空気じゃない)
僕は観念して、適当に知っている曲を選び、マイクを手に取った。
曲が始まり、歌い出すと、先輩は目を細めて僕を見つめてくる。
その視線がくすぐったくて、歌詞がどこかへ吹き飛びそうになる。
(……これ、試験より緊張するかもしれない)
なんとか一曲歌い終えると、先輩は拍手をしながら微笑んだ。
「おお~、意外と彼方は歌が上手いんだな」
「そ、そうですか……ありがとうございます……」
顔が熱くなるのを感じながら、僕はマイクを置いた。
「次はミレイの番だな」
「えっ、先輩も歌うんですか?」
「当然だ。彼方にだけ歌わせて終わるなんて、不公平だからな」
そう言って先輩は曲を選び、マイクを手に取る。
流れ出すイントロ。
先輩は少し照れながらも、真剣な表情で歌い始めた。
その歌声は、思っていたよりもずっと綺麗で、どこか切なさを帯びたその声に、僕は思わず先輩の横顔から目が離せなくなった。
(……この人のこと、やっぱり好きだな)
そんな想いが、胸の奥からじんわりと湧き上がってくる。
僕たちはその後も、気の向くままに好きな曲を選んで歌い続けた。
時には恋愛ソングのデュエットを歌ったりもした。
そしてある程度歌い終わると、僕と柚葉先輩は選曲した恋愛ソングをBGMに、僕たちは自然と抱き合っていた。
「柚葉先輩、歌わないんですか?」
「……ミレイは十分歌った。あとはこうして時間まで抱き合っていたい」
柚葉先輩は僕の胸元にすっぽりと収まると、頬ずりをしながら匂いを嗅いでくる。
部屋に置かれている時計を見ると、残り1時間くらいある。
僕は柚葉先輩の頭を撫でながら優しく先輩を抱きしめる。
彼女の体温と、髪からふわりと香る甘い匂いが、僕の理性をじわじわと溶かしていく……。
「彼方……キスしてほしい……」
柚葉先輩は顔を赤くしながら上目遣いで僕を見つめるとそのまま顔を少し上げて目を閉じる……。
「柚葉先輩……」
僕はそっと柚葉先輩にキスをした。
そして、時間が来るまで——ふたりだけの甘い時間を静かに過ごした。
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