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瀬玲奈の章 ギャル気質なガールフレンド
青春の1ページ?
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数日が経った土曜日、ついに迎えた学園祭当日。
僕たちのクラスには多くの風景写真が飾られていた。
商店街の写真や駅前の写真、なかにはどこかの高台で撮ったと思われる、街を広範囲で写した写真まであった。
その中には、僕と瀬玲奈が撮った噴水の写真もあった。
……ただ、ひとつだけ、目を疑うような写真があった。
「なんだよこれは……っ!?」
その写真は僕と瀬玲奈が公園のベンチでキスをしている写真だった!
しかも撮影者の名前には高藤と書かれている。
「ちょっとマジありえないんだけど!誰よこんな写真勝手に撮って展示するなんて!ウチと彼方のことをバカにしてるのっ!?」
瀬玲奈は驚愕と怒りが入り混じった表情で、僕の傍に立ち、問題の写真を睨みつける。
拳を強く握りしめ、腰に巻いたカーディガンの裾をぎゅっと掴む。
「はーっはっはっはっ!どうだ俺の撮った写真は?」
そのとき、写真の撮影者――高藤が、腕を組みながら不敵な笑みを浮かべて現れた。
「高藤!これは一体どういうことだよっ!?」
僕は高藤に詰め寄ると彼は悪びれるどころか口角を上げて笑みを浮かべていた。
「ふふふ……見よ、これぞ青春の一閃!愛と情熱が交錯する瞬間を、我がレンズが捉えた奇跡の一枚!タイトルは……そう、“青春の1ページ”!」
高藤は大げさなポーズを取ると、自身の写真を指さす。
「はぁ!?」
瀬玲奈が思わず声を上げるが、高藤は気にする様子もなく、ホワイトボードの前に立ち、写真を指差す。
「見よ、この構図!夕暮れの光がふたりを包み、まるでふたりを祝福の鐘をしているではないか……!この一枚に込められたのは、ただのキスではない。これは“恋の勝者”たる者にのみ許された、まさに至高の瞬間!」
「勝手に撮ったくせに、なに言ってんのよっ!」
瀬玲奈が怒りをあらわにするが、高藤はまるで舞台のセリフを語るように続ける。
「これは異な事を言う。これこそ“運命の導き”だ!愛とは、時に無防備で、時に大胆で、そして観客の心を震わせる最高のドラマを生むのだ!ならばこそこの瞬間を切り取るのが、我が使命……!」
「観客って……誰が観客だよ!」
僕がツッコむと、高藤はくるりと一回転して、指を天に掲げた。
「この学園祭という舞台に集いし、すべての者たちだ!さあ、拍手を──いや、喝采を!恋するふたりに、盛大なる祝福を!」
その瞬間、教室中に笑いが弾けた。
怒りと呆れ、そしてどこか温かい空気が、ふわりと広がっていく。
「もう、ほんとにあんたって人は……!」
瀬玲奈がため息をつきながらも、少しだけ笑みを浮かべる。
「でも、あの写真……悪くなかったよね?」
僕がそう言うと、瀬玲奈は頬を赤らめながら、こくんと頷いた。
「……うん。ちょっと恥ずかしいけど、ウチもそう思う」
高藤は満足げに頷くと、くるりと背を向けて歩き出した。
「さあ、カーテンコールだ!ふたりの恋路に、幸あれ。そして、次なる幕が上がるその瞬間も……我がレンズが捉えてみせよう!」
そう言い残し、いつの間にか姿を消した。
僕たちのクラスには多くの風景写真が飾られていた。
商店街の写真や駅前の写真、なかにはどこかの高台で撮ったと思われる、街を広範囲で写した写真まであった。
その中には、僕と瀬玲奈が撮った噴水の写真もあった。
……ただ、ひとつだけ、目を疑うような写真があった。
「なんだよこれは……っ!?」
その写真は僕と瀬玲奈が公園のベンチでキスをしている写真だった!
しかも撮影者の名前には高藤と書かれている。
「ちょっとマジありえないんだけど!誰よこんな写真勝手に撮って展示するなんて!ウチと彼方のことをバカにしてるのっ!?」
瀬玲奈は驚愕と怒りが入り混じった表情で、僕の傍に立ち、問題の写真を睨みつける。
拳を強く握りしめ、腰に巻いたカーディガンの裾をぎゅっと掴む。
「はーっはっはっはっ!どうだ俺の撮った写真は?」
そのとき、写真の撮影者――高藤が、腕を組みながら不敵な笑みを浮かべて現れた。
「高藤!これは一体どういうことだよっ!?」
僕は高藤に詰め寄ると彼は悪びれるどころか口角を上げて笑みを浮かべていた。
「ふふふ……見よ、これぞ青春の一閃!愛と情熱が交錯する瞬間を、我がレンズが捉えた奇跡の一枚!タイトルは……そう、“青春の1ページ”!」
高藤は大げさなポーズを取ると、自身の写真を指さす。
「はぁ!?」
瀬玲奈が思わず声を上げるが、高藤は気にする様子もなく、ホワイトボードの前に立ち、写真を指差す。
「見よ、この構図!夕暮れの光がふたりを包み、まるでふたりを祝福の鐘をしているではないか……!この一枚に込められたのは、ただのキスではない。これは“恋の勝者”たる者にのみ許された、まさに至高の瞬間!」
「勝手に撮ったくせに、なに言ってんのよっ!」
瀬玲奈が怒りをあらわにするが、高藤はまるで舞台のセリフを語るように続ける。
「これは異な事を言う。これこそ“運命の導き”だ!愛とは、時に無防備で、時に大胆で、そして観客の心を震わせる最高のドラマを生むのだ!ならばこそこの瞬間を切り取るのが、我が使命……!」
「観客って……誰が観客だよ!」
僕がツッコむと、高藤はくるりと一回転して、指を天に掲げた。
「この学園祭という舞台に集いし、すべての者たちだ!さあ、拍手を──いや、喝采を!恋するふたりに、盛大なる祝福を!」
その瞬間、教室中に笑いが弾けた。
怒りと呆れ、そしてどこか温かい空気が、ふわりと広がっていく。
「もう、ほんとにあんたって人は……!」
瀬玲奈がため息をつきながらも、少しだけ笑みを浮かべる。
「でも、あの写真……悪くなかったよね?」
僕がそう言うと、瀬玲奈は頬を赤らめながら、こくんと頷いた。
「……うん。ちょっと恥ずかしいけど、ウチもそう思う」
高藤は満足げに頷くと、くるりと背を向けて歩き出した。
「さあ、カーテンコールだ!ふたりの恋路に、幸あれ。そして、次なる幕が上がるその瞬間も……我がレンズが捉えてみせよう!」
そう言い残し、いつの間にか姿を消した。
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