204 / 223
瀬玲奈の章 ギャル気質なガールフレンド
追い詰められる彼方と怯える瀬玲奈
しおりを挟む
模擬店を巡りながら校内を歩いていると、やけに周囲の視線を感じた。
「ねえ、あれって……例の写真のふたりじゃない?」そんな声まで、はっきりと耳に届いた。
あの写真のせいで、僕たちはすっかり“公認カップル”になっているらしい……。
「瀬玲奈、なんか僕たち注目されてるみたいだね……」
「べつに気にすることなくない?ウチら、悪いことしてるわけじゃないし~。むしろ堂々と見せつけちゃおっか♡」
瀬玲奈は笑顔で僕の右腕に抱きついてくると、彼女の茶髪からふわりと漂う甘い香りが、僕の理性をじわじわと削っていく。
と、その時お化け屋敷の看板が目につくと、瀬玲奈が指差す。
「ねぇねぇ、お化け屋敷行ってみよーよ!ウチ、ちょっと怖いフリしたら彼方っちが守ってくれるかな~って」
「いや……、怖いフリって……。それ自分で言ったらダメな奴なんじゃないの?」
瀬玲奈の言葉に苦笑すると、彼女はクスクスと笑いながらますます強く右腕に抱きついてくる。
僕は右腕に彼女の温もりを感じながらもお化け屋敷に向かう。
お化け屋敷の薄暗い入口前で、瀬玲奈はわくわくした表情を浮かべながら、僕の腕に頬をすり寄せる。
「えへへ~、楽しみだなぁ♡ 怖くなったら彼方にギューッてしがみついちゃうかも~。それでもいい?」
「……好きにして」
僕は決壊寸前の理性をどうにか押し留めながらお金を払うと、お化け屋敷の中に入る。
中は薄暗く、不気味なBGMが流れ、足元にはドライアイスの白い煙が立ち込めていた。
「きゃっ!こわぃ……彼方、もっとギュッとしてていい?ウチ、ホントは結構ビビりなんだよね……」
瀬玲奈は本当に怖いのか、いつもは笑顔を浮かべている顔がこの時は顔を引きつらせて僕の右腕にしがみついてくる。
しかし、それがかえって、僕の理性の最後の砦をじわじわと崩していく。
(瀬玲奈さん……、僕もう本当にいっぱいいっぱいなんですけどっ!?)
オバケに扮した生徒が現れるたびに瀬玲奈は悲鳴を上げ僕にしがみついてくる。
(瀬玲奈がこんなに怯えるなんて、ちょっと意外だな……)
そう思うも、彼女が悲鳴をあげながらしがみついてくるたびに瀬玲奈の頬が肩に触れ、柔らかな茶髪が肘をくすぐる。
瀬玲奈の体温と甘い匂いが、確実に僕の理性を蝕み、限界に追い込まれていく。
(このままじゃ、僕の理性が先に成仏しそうなんだけど……!)
「あ……!瀬玲奈、出口だよ!」
そしてようやく見えてきた出口……、瀬玲奈は出口に急いで向かおうとすると最後にオバケが現れる!
「まだ終わってないよぉぉぉ!!」
目の前には白い布をまとい、歪んだ仮面をつけた生徒が、血糊の滴る腕を広げて立ちはだかっていた。
「キャアアア!!!む、むりむりむり!!彼方、助けてぇぇ!!」
瀬玲奈は恐怖で目を見開き、僕の腕に全力でしがみつきながら、白いお化けの姿を見て顔が蒼白になっていた。
「せ……瀬玲奈……っ!?」
完全に腰を抜かしたのか、その場に座り込み泣きじゃくる瀬玲奈をそっと抱きかかえると、僕は彼女の震える肩を感じながら出口へと急いだ。
~サイドストーリー~
──瀬玲奈──
彼方とお化け屋敷に入ったウチは、ビクビクしながら暗い通路を進んでいた。
怖いのは苦手だけど、彼方と一緒ならきっと大丈夫。
それに、怖くなったら本当に甘えてみるのもアリかも……なんて思ってたけど、予想以上にここのお化け屋敷は怖すぎた。
何か出るたびに「ひゃっ!?」とか「ひ……っ!?」とか、情けない声を上げては彼方の腕にしがみつく。
(こんなことなら、やめとけばよかったぁ~……!)
きっと彼方も呆れてるよね……。
そっと彼方の顔を覗き見ると、彼もお化けに緊張してるのか、どこか引きつった顔をしていた。
でも……何かあったら守ってくれる。そんな安心感が、ウチの中にはちゃんとあった。
「あ……!瀬玲奈、出口だよ!」
少し泣きそうになりながら進んでいたとき、彼方が“出口”の文字を指差す。
(やっと……やっと出られる……!)
光が見えた気がして、ウチは一気に駆け出そうとした。
その瞬間——最後のオバケが現れた!
「まだ終わってないよぉぉぉ!!」
白い布をまとい、歪んだ仮面をつけた生徒が、血糊の滴る腕を広げて立ちはだかる。
「キャアアア!!!む、むりむりむり!!彼方、助けてぇぇ!!」
恐怖で目を見開いたウチは、彼方の腕に全力でしがみついた。
顔は真っ青で、足がすくんで動けない。
(も……もうやだぁ~……!)
腰が抜けて、その場にへたり込む。
あまりの恐怖に、思わずおしっこが漏れそうになる。
……いや、ちょっと出たかも。
恥ずかしさと怖さで、ウチは子供みたいに泣きじゃくっていた。
「せ……瀬玲奈……っ!?」
そのとき、彼方がウチをそっと抱きかかえてくれた。
(え……?なにこれ……ウソっ!?お姫様抱っこじゃん……!?)
顔が一気に熱くなる。
でも、彼方の胸に顔をうずめると、不思議と安心できた。
(やだ……恥ずかしい……でも、なんか……落ち着く)
彼方の腕は思ったよりも力強くて、でも優しくて。
震えるウチの身体を、しっかりと包み込んでくれていた。
お化け屋敷の出口を抜けると、眩しいくらいの光が差し込んでくる。
外の空気はひんやりしていて、さっきまでの恐怖が嘘みたいに感じられた。
「瀬玲奈、大丈夫……?」
彼方が心配そうに顔を覗き込む。
ウチは彼の目を見つめて、そっと頷いた。
「うん。ありがと、彼方。ウチ……ホントに怖かった……」
涙で濡れた頬を、彼方がそっと指で拭ってくれる。
その仕草が優しくて、胸がきゅうっとなる。
(彼方って……こんなに頼りになるんだ……)
ウチは彼方の胸に顔を埋めたまま、ぽつりと呟く。
「ねぇ……彼方。ウチ、今すっごく恥ずかしいけど……でも、すっごく幸せかも……」
「……うん。僕も、瀬玲奈を守れてよかった」
彼方の言葉に、ウチの胸がまたドクンと鳴る。
そのまま彼方の腕の中で、ウチは彼の鼓動に耳を澄ませていた。
その音が、ウチの不安を少しずつ溶かしていく。
(……ウチ、やっぱり彼方のこと……大好きだな)
彼方の腕の中で、ウチは静かに、幸せをかみしめていた。
「ねえ、あれって……例の写真のふたりじゃない?」そんな声まで、はっきりと耳に届いた。
あの写真のせいで、僕たちはすっかり“公認カップル”になっているらしい……。
「瀬玲奈、なんか僕たち注目されてるみたいだね……」
「べつに気にすることなくない?ウチら、悪いことしてるわけじゃないし~。むしろ堂々と見せつけちゃおっか♡」
瀬玲奈は笑顔で僕の右腕に抱きついてくると、彼女の茶髪からふわりと漂う甘い香りが、僕の理性をじわじわと削っていく。
と、その時お化け屋敷の看板が目につくと、瀬玲奈が指差す。
「ねぇねぇ、お化け屋敷行ってみよーよ!ウチ、ちょっと怖いフリしたら彼方っちが守ってくれるかな~って」
「いや……、怖いフリって……。それ自分で言ったらダメな奴なんじゃないの?」
瀬玲奈の言葉に苦笑すると、彼女はクスクスと笑いながらますます強く右腕に抱きついてくる。
僕は右腕に彼女の温もりを感じながらもお化け屋敷に向かう。
お化け屋敷の薄暗い入口前で、瀬玲奈はわくわくした表情を浮かべながら、僕の腕に頬をすり寄せる。
「えへへ~、楽しみだなぁ♡ 怖くなったら彼方にギューッてしがみついちゃうかも~。それでもいい?」
「……好きにして」
僕は決壊寸前の理性をどうにか押し留めながらお金を払うと、お化け屋敷の中に入る。
中は薄暗く、不気味なBGMが流れ、足元にはドライアイスの白い煙が立ち込めていた。
「きゃっ!こわぃ……彼方、もっとギュッとしてていい?ウチ、ホントは結構ビビりなんだよね……」
瀬玲奈は本当に怖いのか、いつもは笑顔を浮かべている顔がこの時は顔を引きつらせて僕の右腕にしがみついてくる。
しかし、それがかえって、僕の理性の最後の砦をじわじわと崩していく。
(瀬玲奈さん……、僕もう本当にいっぱいいっぱいなんですけどっ!?)
オバケに扮した生徒が現れるたびに瀬玲奈は悲鳴を上げ僕にしがみついてくる。
(瀬玲奈がこんなに怯えるなんて、ちょっと意外だな……)
そう思うも、彼女が悲鳴をあげながらしがみついてくるたびに瀬玲奈の頬が肩に触れ、柔らかな茶髪が肘をくすぐる。
瀬玲奈の体温と甘い匂いが、確実に僕の理性を蝕み、限界に追い込まれていく。
(このままじゃ、僕の理性が先に成仏しそうなんだけど……!)
「あ……!瀬玲奈、出口だよ!」
そしてようやく見えてきた出口……、瀬玲奈は出口に急いで向かおうとすると最後にオバケが現れる!
「まだ終わってないよぉぉぉ!!」
目の前には白い布をまとい、歪んだ仮面をつけた生徒が、血糊の滴る腕を広げて立ちはだかっていた。
「キャアアア!!!む、むりむりむり!!彼方、助けてぇぇ!!」
瀬玲奈は恐怖で目を見開き、僕の腕に全力でしがみつきながら、白いお化けの姿を見て顔が蒼白になっていた。
「せ……瀬玲奈……っ!?」
完全に腰を抜かしたのか、その場に座り込み泣きじゃくる瀬玲奈をそっと抱きかかえると、僕は彼女の震える肩を感じながら出口へと急いだ。
~サイドストーリー~
──瀬玲奈──
彼方とお化け屋敷に入ったウチは、ビクビクしながら暗い通路を進んでいた。
怖いのは苦手だけど、彼方と一緒ならきっと大丈夫。
それに、怖くなったら本当に甘えてみるのもアリかも……なんて思ってたけど、予想以上にここのお化け屋敷は怖すぎた。
何か出るたびに「ひゃっ!?」とか「ひ……っ!?」とか、情けない声を上げては彼方の腕にしがみつく。
(こんなことなら、やめとけばよかったぁ~……!)
きっと彼方も呆れてるよね……。
そっと彼方の顔を覗き見ると、彼もお化けに緊張してるのか、どこか引きつった顔をしていた。
でも……何かあったら守ってくれる。そんな安心感が、ウチの中にはちゃんとあった。
「あ……!瀬玲奈、出口だよ!」
少し泣きそうになりながら進んでいたとき、彼方が“出口”の文字を指差す。
(やっと……やっと出られる……!)
光が見えた気がして、ウチは一気に駆け出そうとした。
その瞬間——最後のオバケが現れた!
「まだ終わってないよぉぉぉ!!」
白い布をまとい、歪んだ仮面をつけた生徒が、血糊の滴る腕を広げて立ちはだかる。
「キャアアア!!!む、むりむりむり!!彼方、助けてぇぇ!!」
恐怖で目を見開いたウチは、彼方の腕に全力でしがみついた。
顔は真っ青で、足がすくんで動けない。
(も……もうやだぁ~……!)
腰が抜けて、その場にへたり込む。
あまりの恐怖に、思わずおしっこが漏れそうになる。
……いや、ちょっと出たかも。
恥ずかしさと怖さで、ウチは子供みたいに泣きじゃくっていた。
「せ……瀬玲奈……っ!?」
そのとき、彼方がウチをそっと抱きかかえてくれた。
(え……?なにこれ……ウソっ!?お姫様抱っこじゃん……!?)
顔が一気に熱くなる。
でも、彼方の胸に顔をうずめると、不思議と安心できた。
(やだ……恥ずかしい……でも、なんか……落ち着く)
彼方の腕は思ったよりも力強くて、でも優しくて。
震えるウチの身体を、しっかりと包み込んでくれていた。
お化け屋敷の出口を抜けると、眩しいくらいの光が差し込んでくる。
外の空気はひんやりしていて、さっきまでの恐怖が嘘みたいに感じられた。
「瀬玲奈、大丈夫……?」
彼方が心配そうに顔を覗き込む。
ウチは彼の目を見つめて、そっと頷いた。
「うん。ありがと、彼方。ウチ……ホントに怖かった……」
涙で濡れた頬を、彼方がそっと指で拭ってくれる。
その仕草が優しくて、胸がきゅうっとなる。
(彼方って……こんなに頼りになるんだ……)
ウチは彼方の胸に顔を埋めたまま、ぽつりと呟く。
「ねぇ……彼方。ウチ、今すっごく恥ずかしいけど……でも、すっごく幸せかも……」
「……うん。僕も、瀬玲奈を守れてよかった」
彼方の言葉に、ウチの胸がまたドクンと鳴る。
そのまま彼方の腕の中で、ウチは彼の鼓動に耳を澄ませていた。
その音が、ウチの不安を少しずつ溶かしていく。
(……ウチ、やっぱり彼方のこと……大好きだな)
彼方の腕の中で、ウチは静かに、幸せをかみしめていた。
20
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
元おっさんの幼馴染育成計画
みずがめ
恋愛
独身貴族のおっさんが逆行転生してしまった。結婚願望がなかったわけじゃない、むしろ強く思っていた。今度こそ人並みのささやかな夢を叶えるために彼女を作るのだ。
だけど結婚どころか彼女すらできたことのないような日陰ものの自分にそんなことができるのだろうか? 軟派なことをできる自信がない。ならば幼馴染の女の子を作ってそのままゴールインすればいい。という考えのもと始まる元おっさんの幼馴染育成計画。
※この作品は小説家になろうにも掲載しています。
※【挿絵あり】の話にはいただいたイラストを載せています。表紙はチャーコさんが依頼して、まるぶち銀河さんに描いていただきました。
放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~
楠富 つかさ
恋愛
中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。
佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。
「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」
放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。
――けれど、佑奈は思う。
「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」
特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。
放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。
4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる