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瀬玲奈の章 ギャル気質なガールフレンド
商店街のガラポン抽選会
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補習と更衣室の掃除を終えた僕と瀬玲奈は、手を繋いで商店街を歩いていた。
そのとき、通りの片隅で福引をやっているのを見つけた。
「福引か……」
僕は抽選券があったかなと思い、ポケットの中を探すも残念ながら持っていないようだ。
(確か家に置いてるんだったかな……)
「えへへ~♡ウチ、抽選券1枚ならあるよ!この前、彼方の部屋の雑貨を買ったときにもらったんだ♡」
「えっ、持ってたの?」
「うん♡ 彼方の部屋を“ウチ色”に染めたときの戦利品~♪え~と、たしかここに……あ!あったあった♡」
瀬玲奈はそう言って、背中に背負っていたリュックを下ろして手を突っ込むと、1枚の福引の抽選券を取り出す。
ピンク色の紙に「商店街福引券」と書かれたその券は、少し折れ曲がっていたけど、ちゃんと使えそうだった。
「じゃあ、せっかくだし引いてみようか」
「うんっ!」
僕は瀬玲奈の後を追って福引に向かうと、そこにはよく見かけるガラポン型の抽選機が置かれ、その前には多くの人々が並んでいた。
(景品はなんだろう……?)
待っている間、大きく貼られている貼り紙に書かれている景品を見ると、白い玉はお決まりのハズレで、ポケットティッシュ。
あとは、生活雑貨やちょっとした家電……そして特賞が「温泉旅館ペア招待券」と書かれていた。
「彼方見て!温泉旅館ペアチケットだって!これはもう特賞を引くしかないよね!」
「確かに特賞は魅力的だけど……でも、福引券は1枚だけだし、難しいんじゃないのかなぁ~……」
テンション高めで貼り紙を指差す瀬玲奈に対し、僕は少し冷ややかな目で貼り紙を見ていた。
「もう~、彼方そんな消極的じゃダメだよ~!ウチ、ガラポン必勝法の裏技知ってるから任せて♡」
瀬玲奈は笑顔でウインクをしてみせると、僕は思わずドキっとした。
前の人たちが抽選を終え、いよいよ瀬玲奈の番がやって来ると、中年くらいの男性が笑顔で迎えてくれた。
「いらっしゃい。お嬢ちゃん、1枚ね。さあ、運試ししていって!」
瀬玲奈はガラポン抽選機の前で「お願い!」と言いながら手を合わせる。
そしてハンドルを持つとなぜか矢印とは反対側に回し始めた。
(いやいや……逆回しが“必勝法”って、そんなの聞いたことないけど!?)
それでもカラカラと音を立てて回るその音に、僕の心もなぜか少しだけ高鳴った。
そして――
「……あっ!」
コロン、と出てきた玉は……金色だった。
「おおっ!? き、金色……!? これ、特賞じゃない!?」
「おめでとうございます~!特賞ですっ!」
周囲がざわつき、鐘の音が鳴り響く。
僕と瀬玲奈は顔を見合わせて、ぽかんとした。
「やった!ウチやったよっ!特賞だって彼方っ!」
瀬玲奈は僕に抱きつくと、大はしゃぎで飛び跳ね、彼女の髪から甘い香りが僕の鼻をくすぐる。
しかも、夏の制服で抱きついてくるものだから瀬玲奈の胸が僕の胸に当たって、特賞の興奮とは別のドキドキが一気に押し寄せてきた。
「こちら、温泉旅館のペア宿泊券になります~!」
「えへへ……♡ 彼方、これって……運命、かな?」
「う、運命って……!」
瀬玲奈は嬉しそうに宿泊券を受け取ると、僕の手をぎゅっと握った。
(……運命。そう言われると、そんな気がしてくるから不思議だ)
一見大げさだとも思うけど、でも、瀬玲奈と一緒にいると、そう思えてしまう自分がいる。
「ウチ、彼方と一緒に行きたいな~♡」
「……うん。僕も、行きたい」
そう答えると、瀬玲奈は満面の笑みを浮かべた。
修学旅行には行けなかったけど――でも、僕たちだけの“特別な旅”が、これから始まるのかもしれない。
僕はそう思いながら瀬玲奈の手をぎゅっと握り返した。
そのとき、通りの片隅で福引をやっているのを見つけた。
「福引か……」
僕は抽選券があったかなと思い、ポケットの中を探すも残念ながら持っていないようだ。
(確か家に置いてるんだったかな……)
「えへへ~♡ウチ、抽選券1枚ならあるよ!この前、彼方の部屋の雑貨を買ったときにもらったんだ♡」
「えっ、持ってたの?」
「うん♡ 彼方の部屋を“ウチ色”に染めたときの戦利品~♪え~と、たしかここに……あ!あったあった♡」
瀬玲奈はそう言って、背中に背負っていたリュックを下ろして手を突っ込むと、1枚の福引の抽選券を取り出す。
ピンク色の紙に「商店街福引券」と書かれたその券は、少し折れ曲がっていたけど、ちゃんと使えそうだった。
「じゃあ、せっかくだし引いてみようか」
「うんっ!」
僕は瀬玲奈の後を追って福引に向かうと、そこにはよく見かけるガラポン型の抽選機が置かれ、その前には多くの人々が並んでいた。
(景品はなんだろう……?)
待っている間、大きく貼られている貼り紙に書かれている景品を見ると、白い玉はお決まりのハズレで、ポケットティッシュ。
あとは、生活雑貨やちょっとした家電……そして特賞が「温泉旅館ペア招待券」と書かれていた。
「彼方見て!温泉旅館ペアチケットだって!これはもう特賞を引くしかないよね!」
「確かに特賞は魅力的だけど……でも、福引券は1枚だけだし、難しいんじゃないのかなぁ~……」
テンション高めで貼り紙を指差す瀬玲奈に対し、僕は少し冷ややかな目で貼り紙を見ていた。
「もう~、彼方そんな消極的じゃダメだよ~!ウチ、ガラポン必勝法の裏技知ってるから任せて♡」
瀬玲奈は笑顔でウインクをしてみせると、僕は思わずドキっとした。
前の人たちが抽選を終え、いよいよ瀬玲奈の番がやって来ると、中年くらいの男性が笑顔で迎えてくれた。
「いらっしゃい。お嬢ちゃん、1枚ね。さあ、運試ししていって!」
瀬玲奈はガラポン抽選機の前で「お願い!」と言いながら手を合わせる。
そしてハンドルを持つとなぜか矢印とは反対側に回し始めた。
(いやいや……逆回しが“必勝法”って、そんなの聞いたことないけど!?)
それでもカラカラと音を立てて回るその音に、僕の心もなぜか少しだけ高鳴った。
そして――
「……あっ!」
コロン、と出てきた玉は……金色だった。
「おおっ!? き、金色……!? これ、特賞じゃない!?」
「おめでとうございます~!特賞ですっ!」
周囲がざわつき、鐘の音が鳴り響く。
僕と瀬玲奈は顔を見合わせて、ぽかんとした。
「やった!ウチやったよっ!特賞だって彼方っ!」
瀬玲奈は僕に抱きつくと、大はしゃぎで飛び跳ね、彼女の髪から甘い香りが僕の鼻をくすぐる。
しかも、夏の制服で抱きついてくるものだから瀬玲奈の胸が僕の胸に当たって、特賞の興奮とは別のドキドキが一気に押し寄せてきた。
「こちら、温泉旅館のペア宿泊券になります~!」
「えへへ……♡ 彼方、これって……運命、かな?」
「う、運命って……!」
瀬玲奈は嬉しそうに宿泊券を受け取ると、僕の手をぎゅっと握った。
(……運命。そう言われると、そんな気がしてくるから不思議だ)
一見大げさだとも思うけど、でも、瀬玲奈と一緒にいると、そう思えてしまう自分がいる。
「ウチ、彼方と一緒に行きたいな~♡」
「……うん。僕も、行きたい」
そう答えると、瀬玲奈は満面の笑みを浮かべた。
修学旅行には行けなかったけど――でも、僕たちだけの“特別な旅”が、これから始まるのかもしれない。
僕はそう思いながら瀬玲奈の手をぎゅっと握り返した。
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