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第二章
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しおりを挟む「ウィルは帰っていいんだよ?」
「リヒャルトこそ無理するな。さっきまで死んでたぞ」
「いや二人とも帰りなって」
このやり取りで何度目か。
酒場から出たリリーとエレンだったがウィルフレッドとリヒャルトが着いてくる。寮は真逆だと言うのに二人はお互いを帰そうとしながらも仲良く隣同士で歩きリリーについて行った。
結局リリーの家にたどり着き遠慮なく中に入ったウィルフレッドとリヒャルト。
「少しはルークとノエルの心配しなよ」
「「お前が言うな」」
仲間の後ろの貞操の危機を心配もせず笑顔でリリーの隣を陣取るエレン。
リリーがシャワーを浴びると言い部屋から出るとエレンも当たり前のようにリリーのあとに続いた。それを見たウィルフレッドとリヒャルトはお互い目を合わせた。
二人裸で向き合いシャワーを浴びるリリーとエレン。
「リリー、キスしていい?」
突然のエレンの申し出に瞠目するリリー。
キスぐらいどうって事無いのだがそれ以降はダメだ。
「いいよ。キスだけね?」
「うん。わかった」
やったと内心で喜び背の低いリリーを抱えたエレン。角度をつけ顔を近付けたところで、ガラガラとシャワー室の扉が開いた。
裸で密着しているリリーとエレンが顔だけ扉へ向けると、そこには裸のウィルフレッドとリヒャルトがいた。
「・・・ええと・・・取り敢えず出てってくれないかな?」
遠慮がちに追い出そうとするエレンを無視したウィルフレッドとリヒャルトはズコズコと入室した。
ペリッとエレンからリリーを剥がしたウィルフレッドは彼女を床に立たせ寒くならないようにシャワーを当てた。
「距離感がどうとか言ってなかった?」
特にリヒャルトは距離感がおかしいと文句を言っていた筈だ。それなのにどうして今裸でここにいるのだと笑顔で文句を言うエレン。
「なんかさっきの影達のやり取り見てたら考えるのが馬鹿らしくなっちゃった」
「それは・・・すごくわかるよ」
リヒャルトの言う通り影同士のやり取りを間近で見ていると今までの自分の常識が覆される。実際にエレンの常識が変わってしまった。
「エレン背中向いて?」
「あ、うん。ありがと」
石鹸を持ったリリーがエレンの背中を洗っていく。これはエレンと一緒に風呂に入った時にいつもしている事だ。お互いの背中を洗い合っている。
足裏まで洗い終え流そうとシャワーを持った。ウィルフレッドが手の平を見せて来たので自然な流れで石鹸を手渡しエレンの背中にシャワーを当てていくリリー。
すると、ウィルフレッドがリリーの背中を洗い始めた。
ピッと固まるリリー。
次いでリヒャルトも手の平に泡を作りリリーの背中に手を当てた。
驚いたリリーは慌ててエレンの背中に抱きついた。
「え、リリー?」
どうしたのと振り向いたエレン。
リリーの顔が真っ赤になっていた。
「エレンは慣れたけどウィルフレッドとリヒャルトは恥ずかしい!」
だから助けてとぎゅーっとエレンを抱き締める腕に力を込めたリリー。
ピシッと三人が固まった。
エレンは両手で顔を隠し俯く。
リリーがこんな事で恥ずかしがるなんて思いもよらなかったから。まっ先に自分を頼ってくれるリリーが可愛かったから。
(かわいい・・・可愛い・・・かわいい・・・!)
ニヤッと口角を上げたウィルフレッドとリヒャルトはエレンからリリーを離すと壁に追いやり甲斐甲斐しく指の先まで丁寧に洗い始めた。
「ぁ・・・ぅ・・・やめっ・・・」
背中を向かせお尻を丁寧に洗い、また前を向かせる。さて、残るは局部のみだ。さすがにここは触ってはいけない気がする。どうする?と二人顔を見合わせリリーを見た。
顔を真っ赤にさせ口元を手で隠し目をぎゅっと閉じているリリー。ドキドキと胸を高鳴らせた。
ちょっとだけ、触れるだけ。
胸の蕾はかすっただけ。
それだけなのにビクッと体を跳ねさせたリリー。
前からウィルフレッド、後ろからリヒャルトが腕を伸ばし二人の二本の指でリリーの蜜口に軽く触れた。
くちゅりっ
「ッーー・・・んん・・・!」
抑えている声が可愛い。
もっと声が聞きたくなりゆっくりと指を動かしていく二人。
「ぁっ・・・まって・・・もう、洗いおわったッ!」
涙目になりながら訴えるリリーの足がガクガクと震え出した。イきそうになったリリーの腕をエレンが引っ張り抱き寄せる。
助かったと思ったリリーはエレンを見上げてお礼を言おうとした。だがグッと顎を掴まれエレンにキスをされた。
「僕にはキスだけって言ったのになに触られて悦んでるの?」
「ち、違っ!よろこんでない!」
角度を変えてキスをされ舌が絡み合う。
このキスだけで頭が溶けそうなのにエレンは一本だけリリーの蜜口に指を入れた。
ぬるるぅっ
「メルにはどんな風にされたの?ここもこうされた?」
グチュックチュクチュ グリッ
親指で芽肉を刺激したエレン。
言葉に出来ないリリーの喘ぎ声がシャワー室に響いた。リリーはエレンとキスをしながら浮いた体が落ちないように彼の首に腕を回して必死にしがみつき喘ぐだけ。
見ていて我慢できなくなったリヒャルトは後ろから手を伸ばしてリリーの胸の蕾を刺激した。
ウィルフレッドはリリーの顔を掴みエレンから奪うように顔を離して深く口付ける。
「んっ・・・ぁあ!・・・んやぁっ・・・!!」
プシャァアアッ
リリーが盛大に潮を吹いた。
シャワーではない汁でビショビショになった手を見たエレンは満足気に笑った。
「すごい。処女なのに潮吹いちゃうなんて、えっちだね」
「ねぇウィル。俺もリリーとキスしたい」
「ん。」
ずっとリリーとキスをしていたウィルフレッドが顔を離した。とろとろに蕩けたリリーの唇を優しく食べゆっくりと味わうように舌を動かすリヒャルト。
なんだこれ・・・今までと全然違う。すごく甘くて、痺れて、癖になりそう・・・。
夢中になってキスをしていると、しゅるしゅると力を無くしたリリーがその場にへたり込んだ。
「「「あ・・・。」」」
(((やってしまったっ!!)))
後悔先に立たずとはこの事で三人は夢中になり過ぎて理性を飛ばしとんでもない事を仕出かしてしまった。
どうしようと慌てた三人はリリーに謝るべくしゃがみ込んだ。
「リリーごめん!」
「すまなかった!」
「本っ当にごめんね!」
どうか許してくれと真剣に謝り込む三人。
リリーは荒い呼吸をし、顔を赤らめ涙目のままキッと三人を睨み上げた。
「もう!気持ちいいのしないで!明日起こしてくれなかったら怒るから」
リリーは真剣に怒っていると言うのに三人はリリーを見た後バッと勢い良く顔を伏せた。
(((・・・かわいいかよっ・・・!!・・・)))
ダメだ。影達がリリーを苛める気持ちがわかる。というか歯止めが効かない。なんだこの中毒性。
「あれ?・・・立てない・・・」
サアアと青ざめるリリー。
立てなくなったら明日仕事が出来ない。どうしようと焦っている。
「ほら」
ウィルフレッドがリリーを支え立たせた。
吊られて他二人も立ち上がる。
ボロンッと三人の反り勃ったイチモツをガン見したリリー。見られた三人は気まづそうに視線を逸らし徐々にそれを縮ませた。
笑いを堪えきれずふるふると震えたリリーは顔を上げ良い笑顔で笑った。
「三人の久しぶりに見た」
風呂を済ませ寝る準備が出来た四人。
リリーはさっさとベッドに潜ったが、三人は白熱したジャンケンを繰り広げていた。ベッドは最大三人が限界だ。つまり誰か一人はソファで寝なくてはならない。ここまで来てソファで寝てたまるかと三人は睨み合いながらジャンケンを続けていた。
結果、勝者ウィルフレッドとリヒャルト。
エレンは抜け殻のようにひょろひょろとソファに横になりしくしく泣いた。
その様子にちょっと可哀想だと思いながらもリリーの隣に寝たリヒャルトとウィルフレッド。
「リリーもっかいキス、しよ?」
シャワー室でしたリリーとの初めてのキスが忘れられないリヒャルトはまたしたいとリリーに強請った。
「今日はダメ」
「それって今日じゃなかったらいいってこと?」
じーとリヒャルトを見たリリーは何も言わずもぞもぞと芋虫のように布団の中に隠れた。クスクスと笑ったリヒャルトはリリーに片腕を伸ばした。
「腕枕してあげよっか?」
スポンッと布団から顔を出したリリー。
「腕枕は首の高さが合わなくて痛くなっちゃう。こっちの方が痛くないよ」
「ん。わかった」
リヒャルトの小胸筋に顔を乗せたリリーの頭を反対の手で撫でるリヒャルト。
二人は恋人同士のように寄り添っている。
グイッとウィルフレッドに肩を引っ張られ中央に戻ってしまったリリーはリヒャルトと共にウィルフレッドを見た。
「不公平だ。俺のことは嫌いか?」
え?何でそうなるんだと首を傾げたリリー。
「嫌いじゃないよ」
リリーは必ずそう言うだろうと確信を持っていたウィルフレッドは口角を上げリリーの手を恋人繋ぎで握り瞼を閉じた。
リヒャルトはリリーに体を密着させ反対の手を握る。
エレンのわざとらしく鼻をすする音を聞きながら眠りについたリリーであった。
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