ちびっこ無双 ~手加減しないと環境破壊しちゃう過剰魔力を持った僕と、ちびっこい仲間達で異世界を無双しちゃいます~

もるもる(๑˙ϖ˙๑ )

文字の大きさ
31 / 80

第031話(最終関門?!)

しおりを挟む
 お風呂を出て居間に戻った僕達に、ポメが冷たい果実水と水を持ってきてくれる。風呂で温まった身体に冷たい飲み物が沁み入る。

「あと4日くらいだっけ?」
「そうなのです!やっとなのです。ポメ一人だったら既に樹海を抜けています!」
 ポメが胸をそらしながら自信満々に言う。樹海に入って1ヶ月近くも経つというのに、汚れやほつれが見られなく、新品同様の鮮やかな色合を保っているメイド服に身を包んでいる。でも2.5頭身しかないので、小さい胴体部をそらしながら言っても、滑稽なだけだと思う。

「トン御主人様マスター。食事の事しか詰まっていないできの悪い頭で、不埒な事を考えていた気がするのです!」
 僕をビシッと指差しながら暴言を吐くポメ。隙をみせるとすぐこのような暴言を吐いてくる。まぁ、2.5頭身しかないので、なんかじゃれてきてるようにしか見えないので、問題はないんだけど。

「取り敢えず気をつけるのです!ここら辺に、大きな魔穴まけつがあるから、獣達が魔物化している可能性が高いです!」
魔穴まけつって?」
「昔、星の力が暴走した時に出来た地脈の吹き出し口みたいなものです。大量の魔粒子を放出しているので、魔素蓄積マナストア魔素抽出マナエキストラクト潜在能力アビリティを持っている獣を魔物化してしまうのです」
「その魔素蓄積マナストア魔素抽出マナエキストラクト潜在能力アビリティを持っている獣って結構いるの?」
叡智の眼Horusの情報によると、それぞれ10匹に1匹位の割合で潜在能力アビリティを保有しているみたいです。なので100匹に1匹くらいは条件を満たすはずです!」
「これだけ動植物、昆虫などの生物がいれば100匹に1匹の条件なんて、あってないようなものじゃないか」
「そうなのです。だからこの付近は気を付けたほうが良いのです!」
「迂回して安全な道に行くわけには行かないの?」
「そうしたいのは山ですが、大河と山脈を挟んだ一帯が魔穴まけつスポットになっていて、回り込めないのです。町に抜けるには、この魔穴まけつスポットを突破するしか無いのです!」
「なるほど。だから、こちら側に人が立ち入った形跡がないのか」
「そうなのです。かなりの実力がないと、この魔穴まけつスポットを抜ける事は出来ないと思うのです」
 ポメの情報を聞いて、僕達が踏破してきた樹海に、全く人が立ち入った形跡がなかったのを思い出して納得する。
 僕の戦った魔獣達は確かに手強かったし、そんなのがウジャウジャいたら、突破することは困難だろう。とはいえ、僕達でも突破できるのだから、もっと熟練の大人たちだったら何とかなるのではないだろうか?

「何か都合の良いことを考えている顔をしていますが、今までの魔獣のランクはCからE級、魔穴まけつスポットにはA~C級がウジャウジャいるのです。ちなみに今の人類でB級以上の戦闘力を持つ人の割合は全体の3%程度しかいないのです」
「え?マジで?」
本気マジです。なので好き好んでアーグ大樹海の奥地に入ってくる怖いもの知らずはほとんどいません。町から魔穴まけつスポットの間にある低レベル帯で狩りをする程度なのです!」
「いや、ここまで来ておいてなんだけど、とんでもないところで目覚めたんだなぁ」
「ポメがいなければ、トン御主人様マスターは間違いなく死んでいたのです!ポメに感謝するが良いのです!」
「ポメだって廃棄されていたようなもの……」
「なにか言ったですか?」
 ポメが盛大に恩を売ってくるので反論しようとしたが、物凄いオーラを出しながら睨まれて、僕はスゴスゴと引き下がる。

「兎に角、明日からはかなり厳しい戦闘になると思うので、ゆっくりと休むのが良いです。もしかしたら、丸一日間全速力で駆け抜けるかもしれませんので」
「えー。丸一日間走りっぱなしとか嫌だなぁ……」
「ランクA級のすごくでかい蛇に丸呑みされるのがご希望でしたら止めはしませんが」
「いや、それはご勘弁」
「だったらつべこべ言わずにポメの指示に従うのです!」
「わかったよ……」
 ポメの気迫に気圧されて、僕は渋々頷く。そして僕は次の日、魔穴まけつスポットを甘く見ていたことを思い知るのだった。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

処理中です...