58 / 80
第058話(血抜魔法?!)
しおりを挟む
草原をしばらくウロウロしていると、少し開けた場所に草の群生地を見つけた。
「もしかしてあれかな?」
群生地に近づいて、生えている草をよく見ると、確かに依頼にあった、採取物で間違いないらしい。この草の葉は出血を抑えて傷口を塞ぎやすくする成分が含まれている草で薬草として使われるらしい。
「根っこから抜くと次生えてこなくなるから、茎から伸びる枝葉の部分だけ千切るんだったっけ。しかも茎にはなるべく傷はつけずに、芽が出そうな枝葉は除くっと……」
冒険者ギルドで教えてもらったとおり、大きくなった葉だけがついている枝だけ千切る。茎の部分ではなく、枝葉の茎に近いところに爪を立てて千切ることで、茎への損傷がないようにする。面倒くさがって根ごと引き抜いていってしまう人も多いらしいけど、そうすると荷物としてもかさばるし、評価も落ちるし、次の採取に時間がかかるしと悪いことずくめらしい。
群生地なので、結構な量の薬草が生えていて、僕とポメはしゃがみ込みながら丁寧に薬草の枝葉を採取していく。ファングやビークは手伝えないので、周りを警戒してもらっておく。
特にビークは空から監視できるので、大きめの野獣を遠くから発見するのに、すごく役に立つ。
「こんなもんかな?」
「ここにある分は採取できたのです」
ポメが胸を張りながら宣言する。薬草を採取したことにより、僕の全探索の情報が更新される。確かに薬草はこの草原の広くに分布しているようだ。
「他の群生地に向かいながら、適度に野獣を狩ろうか」
そうして幾つかの群生地で薬草を採取し、その途中に現れた、一角兎や毒蛇などを狩っていく。一角兎や毒蛇は食用だったりもするので、討伐後直ぐに血抜きをしないと肉に臭みが残ってしまう。かと言って首を切ってその場で血抜きするのは時間も掛かるし、血の匂いで他の獣も寄ってきてしまう。
「魔法でなんとか出来ないかな?」
「血抜きの魔法です?その首の上についているのは飾りなのです?そんな些事に特化した魔法など無いのです!魔法はそれほど便利じゃないのです!」
僕は顎に手を当てながら首を捻って思案する。するとポメが僕の考えを完全否定してくる。でも、全探索の魔法が出来たように、複数の属性や種類の魔法を組合せる事で、新たな有用な魔法として使える事は実証済みだ。
「確か乾かすっていう魔法があったよね」
「生活魔法の一種であるのです。炎熱属性の魔法で、暖かい風を送りつける魔法なのです」
「うん。そうなんだよね。でも乾燥させるメカニズムってさ、物体に含まれている水の量を減らせば良いので、別に温風を当てなくても良いんだよ。温度の高い風を送ったほうが蒸発しやすくなるから間違ってはいないんだけど」
「何を言っているのです?ついに頭がホーホケキョしたです?」
「例えばさ」
僕はそう言って、水筒の水を布にかけて染み込ませる。
「この布はビシャビシャになってしまっているよね?これに温風を当てて直ぐに乾くと思う?」
「何を当たり前のことを言っているのです!せめてギュって絞ってからやらないとダメなのです。というか勝手にポメの仕事を増やさないで欲しいのです!」
「だよね。でもさ……『真空球』」
僕はそう言うと、僕の目の高さに球状の空間を作り出す。これは風雷属性の攻撃魔法の風の刃を使用する過程で発生する真空を継続的に球内に発生させる独自魔法だ。
そしてそこにビシャビシャの布を差し込むと、一瞬で球の中心に吸い込まれる。そしてモワッと霧が出たかと思うと、直ぐにパチンと球が割れてヒラヒラと布が落ちてくる。
「はい」
僕はその布を掴むとポメに手渡す。ポメは訝しげな顔を浮かべながら、その布を手に取ると驚愕した顔を見せる。
「カラカラに乾いているのです!何をどうしたのです!?」
布と僕を交互に見るポメ。前文明の遺産であるポメにしてもこのメカニズムは分かっていなかったらしい。そりゃこの世界には魔法があるから、科学が発展しなかったんだろうけども。
「血も水だから同じように出来たら楽なんだけど、それだと他の組織もズタズタになって旨味も何もなくなっちゃうだろうからなぁ」
「どうやったかと聞いているのです!」
僕が再び顎に手を当てて、ブツブツ思案に入るが、ポメが僕の体をユサユサ揺らしながら聞いてくる。
「気圧をゼロにすることで、ありとあらゆる液体は蒸発して気体になるんだよ。それを利用したんだ」
「気圧?気体?液体?何なのです?」
「まぁ、後で詳しく話すけどさ……あと気圧を掛けることで固体にもなるんだよな確か……待てよ、だったら抜き出した血を気圧をかけて固体化すれば、周りに飛び散らせることもないな」
「また何か思いついたのです?」
僕が考えたこの方法なら一気に血抜きができそうだ。
「試しにっと……」
丁度倒したばかりの一角兎の血を指で掬う。
「『鑑定』……うん。一角兎の血液って出るね。便利だなぁこの世界」
全探索を使うと一度見たものは、それとして識別できるようになる事から、識別することだけ特化した魔法『鑑定』。そしてこの世界の識別がどういう風に行われているか、詳しくわからないが、ちゃんと固有体の血液まで固有名詞で出るんだから分かりやすい。
「『圧縮球』……『抽出』」
今度は風雷属性の魔法の圧縮した空気の弾で対象を穿つ空気弾を改変し、特定の空間に存在するものをとにかく圧縮する魔法である圧縮球。氷漣属性魔法の汚水から不純物を取り除く水清浄の魔法を改変し、特定の物質のみ取り出す魔法抽出。それらを一角兎に対して起動する。
一角兎のすぐ横に、超圧縮した球体が出現し、そこに一角兎の死体から血液だけが抜き取られ流れ込んでいく。球体全体に真っ赤な血液が広がったかと思うと、みるみるうちに中心点に圧縮されて小指の爪程のサイズの赤黒い球になる。
そして魔法が切れると、赤黒い球はそのまま地面にカランと落ちる。一角兎の肉や毛皮や角も別段傷んだ様子は見られない。これで血抜きができていればOKだ。
「ななななななな……」
それを横で見ていたポメがあんぐりと口を開けたまま、目を点にしながら今の現象を凝視し、口から驚愕の声が漏れる。
「ななななななな、何をしたですか!御主人様!!ついに頭がおかしくなったと思いきや、血石生成とか、正気の沙汰ではないのです!旧文明でも解き明かされていなかった仕組みなのです!!」
ポメがすごい勢いで僕の肩をユサユサし、僕はガクンガクンと頭を揺らしながら、どうやら旧文明ですら出来ていないことをやってしまったんだなぁ、と遠い目をしながらガクガク揺さぶられるのだった。
「もしかしてあれかな?」
群生地に近づいて、生えている草をよく見ると、確かに依頼にあった、採取物で間違いないらしい。この草の葉は出血を抑えて傷口を塞ぎやすくする成分が含まれている草で薬草として使われるらしい。
「根っこから抜くと次生えてこなくなるから、茎から伸びる枝葉の部分だけ千切るんだったっけ。しかも茎にはなるべく傷はつけずに、芽が出そうな枝葉は除くっと……」
冒険者ギルドで教えてもらったとおり、大きくなった葉だけがついている枝だけ千切る。茎の部分ではなく、枝葉の茎に近いところに爪を立てて千切ることで、茎への損傷がないようにする。面倒くさがって根ごと引き抜いていってしまう人も多いらしいけど、そうすると荷物としてもかさばるし、評価も落ちるし、次の採取に時間がかかるしと悪いことずくめらしい。
群生地なので、結構な量の薬草が生えていて、僕とポメはしゃがみ込みながら丁寧に薬草の枝葉を採取していく。ファングやビークは手伝えないので、周りを警戒してもらっておく。
特にビークは空から監視できるので、大きめの野獣を遠くから発見するのに、すごく役に立つ。
「こんなもんかな?」
「ここにある分は採取できたのです」
ポメが胸を張りながら宣言する。薬草を採取したことにより、僕の全探索の情報が更新される。確かに薬草はこの草原の広くに分布しているようだ。
「他の群生地に向かいながら、適度に野獣を狩ろうか」
そうして幾つかの群生地で薬草を採取し、その途中に現れた、一角兎や毒蛇などを狩っていく。一角兎や毒蛇は食用だったりもするので、討伐後直ぐに血抜きをしないと肉に臭みが残ってしまう。かと言って首を切ってその場で血抜きするのは時間も掛かるし、血の匂いで他の獣も寄ってきてしまう。
「魔法でなんとか出来ないかな?」
「血抜きの魔法です?その首の上についているのは飾りなのです?そんな些事に特化した魔法など無いのです!魔法はそれほど便利じゃないのです!」
僕は顎に手を当てながら首を捻って思案する。するとポメが僕の考えを完全否定してくる。でも、全探索の魔法が出来たように、複数の属性や種類の魔法を組合せる事で、新たな有用な魔法として使える事は実証済みだ。
「確か乾かすっていう魔法があったよね」
「生活魔法の一種であるのです。炎熱属性の魔法で、暖かい風を送りつける魔法なのです」
「うん。そうなんだよね。でも乾燥させるメカニズムってさ、物体に含まれている水の量を減らせば良いので、別に温風を当てなくても良いんだよ。温度の高い風を送ったほうが蒸発しやすくなるから間違ってはいないんだけど」
「何を言っているのです?ついに頭がホーホケキョしたです?」
「例えばさ」
僕はそう言って、水筒の水を布にかけて染み込ませる。
「この布はビシャビシャになってしまっているよね?これに温風を当てて直ぐに乾くと思う?」
「何を当たり前のことを言っているのです!せめてギュって絞ってからやらないとダメなのです。というか勝手にポメの仕事を増やさないで欲しいのです!」
「だよね。でもさ……『真空球』」
僕はそう言うと、僕の目の高さに球状の空間を作り出す。これは風雷属性の攻撃魔法の風の刃を使用する過程で発生する真空を継続的に球内に発生させる独自魔法だ。
そしてそこにビシャビシャの布を差し込むと、一瞬で球の中心に吸い込まれる。そしてモワッと霧が出たかと思うと、直ぐにパチンと球が割れてヒラヒラと布が落ちてくる。
「はい」
僕はその布を掴むとポメに手渡す。ポメは訝しげな顔を浮かべながら、その布を手に取ると驚愕した顔を見せる。
「カラカラに乾いているのです!何をどうしたのです!?」
布と僕を交互に見るポメ。前文明の遺産であるポメにしてもこのメカニズムは分かっていなかったらしい。そりゃこの世界には魔法があるから、科学が発展しなかったんだろうけども。
「血も水だから同じように出来たら楽なんだけど、それだと他の組織もズタズタになって旨味も何もなくなっちゃうだろうからなぁ」
「どうやったかと聞いているのです!」
僕が再び顎に手を当てて、ブツブツ思案に入るが、ポメが僕の体をユサユサ揺らしながら聞いてくる。
「気圧をゼロにすることで、ありとあらゆる液体は蒸発して気体になるんだよ。それを利用したんだ」
「気圧?気体?液体?何なのです?」
「まぁ、後で詳しく話すけどさ……あと気圧を掛けることで固体にもなるんだよな確か……待てよ、だったら抜き出した血を気圧をかけて固体化すれば、周りに飛び散らせることもないな」
「また何か思いついたのです?」
僕が考えたこの方法なら一気に血抜きができそうだ。
「試しにっと……」
丁度倒したばかりの一角兎の血を指で掬う。
「『鑑定』……うん。一角兎の血液って出るね。便利だなぁこの世界」
全探索を使うと一度見たものは、それとして識別できるようになる事から、識別することだけ特化した魔法『鑑定』。そしてこの世界の識別がどういう風に行われているか、詳しくわからないが、ちゃんと固有体の血液まで固有名詞で出るんだから分かりやすい。
「『圧縮球』……『抽出』」
今度は風雷属性の魔法の圧縮した空気の弾で対象を穿つ空気弾を改変し、特定の空間に存在するものをとにかく圧縮する魔法である圧縮球。氷漣属性魔法の汚水から不純物を取り除く水清浄の魔法を改変し、特定の物質のみ取り出す魔法抽出。それらを一角兎に対して起動する。
一角兎のすぐ横に、超圧縮した球体が出現し、そこに一角兎の死体から血液だけが抜き取られ流れ込んでいく。球体全体に真っ赤な血液が広がったかと思うと、みるみるうちに中心点に圧縮されて小指の爪程のサイズの赤黒い球になる。
そして魔法が切れると、赤黒い球はそのまま地面にカランと落ちる。一角兎の肉や毛皮や角も別段傷んだ様子は見られない。これで血抜きができていればOKだ。
「ななななななな……」
それを横で見ていたポメがあんぐりと口を開けたまま、目を点にしながら今の現象を凝視し、口から驚愕の声が漏れる。
「ななななななな、何をしたですか!御主人様!!ついに頭がおかしくなったと思いきや、血石生成とか、正気の沙汰ではないのです!旧文明でも解き明かされていなかった仕組みなのです!!」
ポメがすごい勢いで僕の肩をユサユサし、僕はガクンガクンと頭を揺らしながら、どうやら旧文明ですら出来ていないことをやってしまったんだなぁ、と遠い目をしながらガクガク揺さぶられるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる