荒唐無稽なプレゼンター ~何処でも誰にでもプレゼントできるというクズ能力で異世界を救います~

もるもる(๑˙ϖ˙๑ )

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第8話(獣人娘専門出会い系サロンにて星クズの後悔)

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 あまりの俺の要求に面倒くさくなった片目マッチョは俺を「獣人娘専門出会い系サロン」に連れて行く。しっかりとした店構えで、見るからに高級そうなその店は、俺の期待に高鳴る心臓ハートをビンビンに刺激しまくっている。
 また店の入り口にはアーチ上の看板が設置されていて、アーチの左右には猫耳の少女と熊耳の幼女の絵が描かれている。そして立て看板には犬耳のお姉さんが描かれていて、俺の期待を否が応にも高めてくれる。中々やるではないか!!

「いざ鎌倉!!」
 なんか勘違いな台詞を叫びながら俺は店へと乗り込む。ギルドマスターの部屋とは違い、俺は両手を使って丁寧に扉を開ける。漢には第一印象が大事な時があるのだ!俺はTPOをわきまえる男だからな!!

「いらっしゃいませ~」
 少し間延びした聞くだけでほっと癒されるような声がお出迎えしてくれる。勇者の所の関東平野娘とはえらい違いだ。扉の先には、様々な獣人娘がこぼれんばかりのバディと笑顔とモフモフで迎えてくれる。

「と、桃源郷は、存在していたんだ」
 俺は膝からがっくりと崩れ落ちると、感激のあまり滂沱の涙を流す。そしてソレを冷ややかな目で見る片目マッチョ。おいこら、眼帯を引っ張ってパチンッといわすぞコラ!!
 俺ががっくりうなだれていると、先程入店の挨拶をしてくれた牛獣人が、もはや生物の限界を超えた双丘をユサユサ揺らしながらやってきて、軽く膝を曲げて前かがみの姿勢で俺の様子を確かめようとする。
 ぬぉっ!前かがみで両脇を締めるポーズなんかしたら、神秘の神秘の大渓谷がっっ!!そしてすぐ近くに寄った俺を見つめる大きなタレ目の瞳がっ!!もう辛抱溜まらん!!

ズガンッ!!

 俺が牛獣人のお姉さんにターゲットを定め、トペ・スイシーダ(別名ルパン・ダイブ)を敢行しようとした瞬間、鞘に納められた剣が俺の脳天に一閃される。
 特別な能力もなく、ただのガキである俺の防御力は、はっきり言って紙以下だ。そんな俺が鞘ごと剣で殴られたら、とても痛い。そう、とても痛い。大事な事だから二度言った。

「何すんだ!この片目マッチョ!!」
「あぁん?」
 つい、いつも思っている言葉が口から出てきてしまった。片目マッチョは片目マッチョの癖に片目マッチョと呼ばれる事が嫌だったらしい。(嫌がらせに3回言ってやったぜ)

「お前が失礼しようとしたのが、ココの統括だ。ちゃんと出会い系を満喫したいならルールを守れ」
「Yes!Sir!!」
 至極全うな事を言われたので、軍隊式の敬礼で返す。俺はやる時はやる男だからな。

 そのやり取りをみていた他の獣人の女の子達が、我慢しきれずにクスクス笑う。よし!想定通りの掴みはOKだ!後はゴールに向かって突っ走るだけだぜ!!なんて事を妄想していると、この店のシステムを知らない俺に対して、牛獣人のお姉さんが色々配慮してくれようと、片目マッチョと相談しながら色々な獣人娘に指示を出している。というかこの超絶妖艶美女と何気なく会話をしている片目マッチョに本気で殺意を覚えるんだが。羨ましい!!そう俺は羨ましいのだ!!

 その牛獣人のお姉さんに案内されて、片目マッチョと俺はやけに豪勢な内装の部屋に招待される。そこは一つの円形のテーブルの周りにぐるっとソファーが置いてある部屋で、俺はソファーに座るといつものように寛いだ姿勢(態度の悪い姿勢)では座らずに、借りてきた猫のようにちょこんと座る。何故ならば最初から横柄な態度を取る客は嫌われると、青年コミックで勉強したからだ!!

 俺が着席すると、すぐに部屋には綺麗どころの獣人が入ってくる。スレンダーな体型の猫娘、全身がテラテラしている蛙娘。そして身長が低めにもかかわらず、ボンッ!キュ、ボンッ!!な兎娘。さらには従順そうで少し肉好きのよい犬娘。

 おいちょっと待て!変なのが混ざってたぞ!何だ?テラテラしたって!!巨大な目玉が俺をロックオンしていて、緑色の鼻頭を桜色に染めている。いや染まってないから!緑色だから!!そして時折、長い舌がベロンベロンと俺の顔を嘗め回しているような動きで誘惑してくる。いや!絶対に誘惑されないからな!!俺は普通だからな!!

「あら~ゲロッピィ。彼の事気に入っちゃったの~?」
 ちょっと待て!いいから待て!!いいから落ち着け!!この小説で始めて出た固有名詞がソレか?作者の頭おかしいんじゃないか?おい!こら!!俺をくにに帰せ!このクソ作者あぁぁぁぁぁぁぁ!!

「蛙族との睦み逢いむつみあいは筆舌に尽くし難い程イイらしいわよ~?気に入った相手にしか身体を許さないので、ちょ~~~っと変わった性癖の方には、いくら出しても構わないから一度だけでも睦み逢いむつみあいさせてもらいたいって要望が後を絶たない程なのよ~」
 懇切丁寧に牛獣人のお姉さんが説明してくれるのだが、全く嬉しくないし、俺の耳が聞く事を完全に拒否している。そして俺の背中の冷たい汗が止まらない。

「えっと、いや、その、俺は、あの」
 妙に歯切れの悪い俺をみて、牛獣人のお姉さんは一瞬で魅了されるような優しい笑みを浮かべながら、今回は遠慮すると言う事でいいのね~と言って、ゲロッピィとやらを下げてくれた。去る際には、何度も何度も俺のほうを見ながらジュルジュルと舌を舐りまわしているのは、本当に勘弁してもらいたい。

 恐怖の蛙娘が去った後も、恐怖のあまり心臓のバクバクは止まらなかったが、そんな俺を見てクスクスと笑う器量のよい他の獣人娘を見て、俺の心は少しずつ穏やかさを取り戻していった。

 俺を中心に左手に猫娘、右手に犬娘、正面には兎娘が座って、3人の獣人娘に囲まれる形だ。そして犬娘の横に片目マッチョ、その横に牛獣人が座る。おいコラ!そこの片目ヤロウ!!なに一番の上玉を占有してんだコラ!!と俺は片目マッチョを射殺すような目で睨むが、片目マッチョはなんのそのと俺の視線を自然に受け流している。
 俺がイライラしているのを見た猫娘が身体をピタッと俺に貼り付けて、耳元でささやくように教えてくれる。ピタッと張り付かれても凹凸がないから全然嬉しくないんだが。とか失礼な事を思ったけど、女性特有の柔らかさと匂いに心臓はバクバクしているのは内緒だ。

「冒険者ギルドマスターさんとオーナーは夫婦だにゃん」

……その瞬間、俺の頭に稲妻が落ちた。な、なんだと……まさか、まさか!!そんなことが許されるのかっ!!

語尾の「にゃん」付けサイコーーーーーーーーー!!!

俺の頭は逝かれてしまったのかと思うくらい、耳元で囁かれた『にゃん語』の破壊力は筆舌に尽くしがたい!俺の価値観は一瞬で崩壊した。さようなら『一般常識』、こんにちは『にゃん語』

 まぁ、そんな価値観がぶっ壊れて、俺ははっちゃけているんだが、さっきから目の前の兎娘は、少し暗い顔をしている。すこぶる美人さんで、耳はフワフワしていて、胸は大きく、腰は締まり、お尻も大きい。大きいお尻についたポンポンみたいな尻尾がまた可愛い。つまりは可愛い。凄く可愛い。完璧に可愛い。とりあえず家にお持ち帰りしたい。そして憂いた顔も最高に可愛い。

「どうしたんだい?何か悩み事でも?」
 俺はイケメンを気取って聞いてみた。あ、少し吐きそう。青い鎧で金髪の嫌なやつの事を思い出した。アイツみたいだった。俺は自己嫌悪に陥りそうになるのを必死にこらえて、兎娘の様子を伺う。

「うん……私は月兎げっと族で、生まれが空にある青い月なんだぴょん。でも……今日青い月に隕石が落ちたみたいで、お父さんとお母さんが、とても心配なんだぴょん」
 兎娘は眼に涙をためながら独白する。俺は心当たりしか胸にはなく、あー、うん。えーっと、あー、ぐむむむむ。それは俺が勢いでやった。今はスマンカッタと反省してる。などと言い出すわけには行かずに、俺は自分がしでかした事の収拾をどうしようかと本気で悩むのであった。
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